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東海村の子ども甲状腺検査結果
みなさま
ni0615 田島です
未就学児の甲状腺検査の実態を知る、貴重な情報です。
2013 年 6 月 28 日
「精密検査が必要と診断された子どもはあわせて7人にのぼりました。
」
http://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/1074704971.html
================
東海村の子ども甲状腺検査結果
東京電力福島第一原発事故を受けて東海村が子どもを対象に行っている
甲状腺検査の結果、新たに5人が「精密検査が必要」と診断された
ことがわかりました。
東海村は、原発事故を受けて去年11月から村に住む中学生以下の
子どもおよそ6000人のうち希望者を対象に甲状腺のスクリーニング検査を
行っていて、優先的に行った2歳から6歳までの子ども410人について
東海村は今年3月、310人が「異常なし」
、98人が「経過観察」
2人が「精密検査が必要」としていました。その後、東海村が新たに
578人の子どもを検査した結果、441人が「異常なし」
132人が「経過観察」
、5人が「精密検査が必要」と発表し
精密検査が必要と診断された子どもはあわせて7人にのぼりました。
これについて東海村は「原発事故との因果関係は分かっていないので
過度に恐れないでほしい」と話しています。
06 月 26 日 13 時 33 分
======================
東海村自治体の発表は以下の URL です。
http://www.vill.tokai.ibaraki.jp/viewer/info.html?id=2901
採録します。
- 2 -
平成 25 年 6 月 26 日
東 海 村
【甲状腺超音波検診の状況】
東海村では,平成 24 年 11 月 5 日から甲状腺超音波検診事業を開始し,未就学児から検診
を順次行っておりますが,今回は平成 25 年 4 月 30 日までの検診結果を公表します。
公表に当たっては,専門家で構成された東海村甲状腺超音波検診事業検討委員会にて以下
のような意見とともに注意点が指摘されましたが,本村としては,受診者やそのご家族,
村民の皆さまのご心配に配慮し公表することにしました。
【検討委員会にて指摘されたこと】
■ 検査実施者数が少ないこと
■ 検査実施者の年齢構成が,未就学児の一部のみで偏りすぎていること
■ 医学的には,この結果が,現時点で
*受診対象者の全体を反映していないこと
*他県や厚労省の結果との比較対象にならないこと
*放射能などの危険因子の特定は出来ないこと(不明である)
■ 結果報告は,時期尚早であること
■ 「数字がひとり歩き」しないよう留意すべきであること
この検査は「スクリーニング検査」ですので,通常の健康診断と同様に一定程度の割合
で「要精密検査」となる方がいらっしゃいます。精密検査の結果「異常なし」となること
もありますが,念のため,要精密検査となった方には検査を受けていただくことをお勧め
しています。
なお,検査結果で,要精密検査となった方には,村の保健師が各家庭を訪問し,専門医
療機関のご紹介や精神的なケアを含めて対応させていただきます。
- 3 -
======================
この検査結果発表の文章で不満なのは、
「経過観察」と「要精密検査」の基準が明示されてないことです。
常識的に考えれば、
・
「経過観察」とは、福島県県民健康管理検討委員会における A2 判定すなわち、直径20
ミリ未満ののう胞または5ミリ未満の結節保有者
・
「要精密検査」とは、福島県県民健康管理検討委員会における B 判定すなわち、直径20
ミリ以上ののう胞または5ミリ以上の結節保有者と考えるのが妥当ですが、
未就学児ということを考えますと、
超音波検査ができなかった幼児では、触診も重要な判定要素だったことが考えられます。
判定基準の区分けについては、東海村さんに確かめてみる必要があります。
【表2】
検査結果の表を読み取るために、
補助数字を書き込みましたのが表2です。
- 4 -
表2からわかることは以下の事です。
1、赤字で書き込みました数字は、
(実施者数)/(希望者数)の%です。2歳、3歳、
4歳では、超音波検査ができた子供は半分に達しませんでした。泣き喚いたりして検
査にならなかったのでしょう。しかし、逆に考えれば、 2歳、3歳、4歳の子どもで
も、4割はデータが取れたということでもあります。
2、青字で書き込みました数字は、超音波検査実施者のなかでの%です。2歳、3歳、
4歳の異常なし%が、5 歳、6歳のそれより高いのは、こどもがじっとしてない困難性
から検査実施時間(スキャン時間)が短いためと想像できます。
3、同様の理由から、
「経過観察」の割合が2歳、3歳、4歳ではずっと低くなってい
ます。
4、
「要精密検査」では、上記のような傾向は現われていません。小さな数字なので統
計的誤差は大きく、推定がしにくいものです。この中には、超音波検査ではなく触診
で判定された子どももいたのではないかと推察します。このなかには、要手術の判定
のために「穿刺細胞診」が必要な子供さんが含まれていると思います。
拝

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  • 2. - 2 - 平成 25 年 6 月 26 日 東 海 村 【甲状腺超音波検診の状況】 東海村では,平成 24 年 11 月 5 日から甲状腺超音波検診事業を開始し,未就学児から検診 を順次行っておりますが,今回は平成 25 年 4 月 30 日までの検診結果を公表します。 公表に当たっては,専門家で構成された東海村甲状腺超音波検診事業検討委員会にて以下 のような意見とともに注意点が指摘されましたが,本村としては,受診者やそのご家族, 村民の皆さまのご心配に配慮し公表することにしました。 【検討委員会にて指摘されたこと】 ■ 検査実施者数が少ないこと ■ 検査実施者の年齢構成が,未就学児の一部のみで偏りすぎていること ■ 医学的には,この結果が,現時点で *受診対象者の全体を反映していないこと *他県や厚労省の結果との比較対象にならないこと *放射能などの危険因子の特定は出来ないこと(不明である) ■ 結果報告は,時期尚早であること ■ 「数字がひとり歩き」しないよう留意すべきであること この検査は「スクリーニング検査」ですので,通常の健康診断と同様に一定程度の割合 で「要精密検査」となる方がいらっしゃいます。精密検査の結果「異常なし」となること もありますが,念のため,要精密検査となった方には検査を受けていただくことをお勧め しています。 なお,検査結果で,要精密検査となった方には,村の保健師が各家庭を訪問し,専門医 療機関のご紹介や精神的なケアを含めて対応させていただきます。
  • 3. - 3 - ====================== この検査結果発表の文章で不満なのは、 「経過観察」と「要精密検査」の基準が明示されてないことです。 常識的に考えれば、 ・ 「経過観察」とは、福島県県民健康管理検討委員会における A2 判定すなわち、直径20 ミリ未満ののう胞または5ミリ未満の結節保有者 ・ 「要精密検査」とは、福島県県民健康管理検討委員会における B 判定すなわち、直径20 ミリ以上ののう胞または5ミリ以上の結節保有者と考えるのが妥当ですが、 未就学児ということを考えますと、 超音波検査ができなかった幼児では、触診も重要な判定要素だったことが考えられます。 判定基準の区分けについては、東海村さんに確かめてみる必要があります。 【表2】 検査結果の表を読み取るために、 補助数字を書き込みましたのが表2です。
  • 4. - 4 - 表2からわかることは以下の事です。 1、赤字で書き込みました数字は、 (実施者数)/(希望者数)の%です。2歳、3歳、 4歳では、超音波検査ができた子供は半分に達しませんでした。泣き喚いたりして検 査にならなかったのでしょう。しかし、逆に考えれば、 2歳、3歳、4歳の子どもで も、4割はデータが取れたということでもあります。 2、青字で書き込みました数字は、超音波検査実施者のなかでの%です。2歳、3歳、 4歳の異常なし%が、5 歳、6歳のそれより高いのは、こどもがじっとしてない困難性 から検査実施時間(スキャン時間)が短いためと想像できます。 3、同様の理由から、 「経過観察」の割合が2歳、3歳、4歳ではずっと低くなってい ます。 4、 「要精密検査」では、上記のような傾向は現われていません。小さな数字なので統 計的誤差は大きく、推定がしにくいものです。この中には、超音波検査ではなく触診 で判定された子どももいたのではないかと推察します。このなかには、要手術の判定 のために「穿刺細胞診」が必要な子供さんが含まれていると思います。 拝