五音
- 3. 出典
『周礼・春官』
皆文之以五聲:宮、商、角、徵、羽。
『霊樞・邪客』
天有五音、人有五蔵。天有六律、人有六府。
『詞源・五音相生』
宮属土、君之象…其声濁、…唱始施生、為四
声之綱。
商属金、臣之象…其声次濁、…物成就可章度
也。
角属木、民之象…其声半清半濁、…物触地而
戴芒角也。
徵属火、事之象…其声次清、…物盛大而繁祉
也。
羽属水、物之象…其声最清、…物聚藏宇覆之
也。
- 5. 音階順で行くとこうなる。
最濁 次濁 半清 次清 最清
半濁
宮 商 角 徴 羽
ここで結局どんな音なのかを知るには
音楽理論が必要になってくる。
- 6. 音名・階名
音名とは絶対的な音の高さ
◦ CDEFAGB、ハニホヘトイロなど。
(例)A音は440Hz前後
階名とは相対的な音の高さ
◦ ドレミファソラシド
(例)Cメジャースケールではド音はC
Eメジャースケールではド音はE
- 7. 五音=階名 では音名=?
古代中国音楽では十二律を音律(1オク
ターブ)としてそれぞれに音名を定義し
ている。
十二律
音名
黃鐘-大呂-太簇-夾鐘-姑洗-仲呂-蕤賓
-林鐘-夷則-南呂-無射-應鐘
陰律=六呂 陽律=六律
- 8. 三分損益法(1)
五音の音階や十二律を決めるために管
や弦を元の長さの三分の一減らしたり、
三分の一増やしたりすることで音程を
定めていく方法。
- 11. それぞれの音の関係
実際に音を出してみるとこのような関
係性がある。
◦ 宮に対して商は長2度(半音2度離れてい
る)
◦ 宮に対して徴は完全5度(半音7度離れて
いる)
長2度 完全5度
- 12. 三分損益法(3)
黃鍾 長八寸七分一。
大呂 長七寸五分三分。
太蔟 長七寸分二。
夾鍾 長六寸分三分一。
姑洗 長六寸分四。
仲呂 長五寸九分三分二。
蕤賓 長五寸六分三分。
林鍾 長五寸分四。
夷則 長五寸三分二。
南呂 長四寸分八。
無射 長四寸四分三分二。
應鍾 長四寸二分三分二。
- 13. 十二律の西洋音名対比
十二律を無理矢理に西洋音名に対比さ
せるとこうなる。(諸説あり)
黄鐘(C)、大呂(C#)、太簇(D)
夾鐘(D#)、姑洗(E)、仲呂(F)
蕤賓(F#)、林鐘(G)、
夷則(G#)、南呂(A)、
無射(A#)、應鐘(B)
- 14. 調子
十二律それぞれに七音を基音とした調
子が存在する。
(例)
黄鐘均宮調では第1音を「宮」としそれぞ
れ「商」、「角」、「変徴」、「徴」、
「羽」、「変宮」と続く。
黄鐘均商調では第1音を「商」としそれぞ
れ「角」、「変徴」、「徴」、「羽」、
「変宮」、「宮」と続く。
- 17. つまり、
宮 商 角 徴 羽
ド レ ミ ソ ラ
西洋音階と五音を対応させ
るとこういう関係が成立す
るわけである。