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JEPA 4月度定例会
   ∼ 今から始めるEPUB 3 ∼
    林 拓也(ハヤシ タクヤ)




                      1
プロフィール

■ 林 拓也(ハヤシ タクヤ)

■ Twitter:@HapHands

■ Facebook:takuya.hayashi

■ デジタルコンテンツ受注制作

■ トレーニングインストラクター

■ 書籍執筆




                            2
今日の目的




        3
今日の目的




■ EPUBおよびEPUB   3の概要や特徴を理解する




                               4
アジェンダ




        5
アジェンダ


■ EPUBの特徴

■ EPUB   3の特徴
■ EPUB   3の構成
■ 制作の際に意識すること(まとめ)




                     6
EPUBの特徴




          7
EPUBの特徴
■ 電子書籍の標準化団体IDPFによって策定

◆   特定企業に依存しないので倒産などによる仕様の消
    滅リスクが低い

■ 無料(ライセンス料などが不要)

◆   参入の敷居が低い

■ グローバル(世界で広く使われている)

◆   世界の電子書籍文化への参加



                              8
EPUBの特徴
■ オープン(仕様の内容や策定プロセスが公開)

◆   制作環境/閲覧環境が限定されない

■ リフロー

◆   閲覧環境(画面サイズ、文字サイズ等)に応じてテ
    キストが流し込まれる
◆   スマートフォンなどの小さい画面サイズでもそれな
    りに読める
◆   制作側で表示結果を完全に制御できない


                              9
EPUB 3の特徴




            10
EPUB 3の特徴
■ 日本語組版への対応

◆   縦書き、ルビ、圏点、縦中横、ページめくり方向の
    指定など

■ 音声/ビデオデータの利用が可能に

◆   表現力の強化
◆   読み上げ書籍なども可能に

■ JavaScriptが利用可能に

◆   ゲームブックのようなものも可能に


                              11
EPUB 3の特徴

■ フォントの埋め込みが可能に

◆   WOFF/OpenTypeをサポート
◆   ライセンスの問題がある(特に日本語フォント)

■ 数式の表現が可能に

◆   MathMLの採用(画像を使わずに済む)




                             12
EPUB 3の特徴
■ 固定レイアウトが仕様化

◆   制作側での表示の制御が可能に
◆   追加モジュールとして策定

■ 閲覧環境の状況について

◆   「EPUB 3対応」を謳った閲覧環境がまだ少ない
 ◇   参考:epubcaféのまとめ

◆   オープンソースのプロジェクトReadiumに期待
 ◇   EPUB 3閲覧環境の動作見本の開発


                               13
EPUB 3の構成




            14
EPUB 3の構成
  ■ EPUB     3を構成する主要なドキュメント群
   ◆   コンテンツドキュメント(書籍の本編)
   ◆   ナビゲーションドキュメント(目次)
   ◆   パッケージドキュメント(書籍情報)
                                        ・EPUB 3の内部構成の一例




EPUB 3内ルート
OEBPSフォルダ内に作成
(フォルダ名は任意)      パッケージドキュメント
                (ファイル名/フォルダ構成は任意↑→)
                                      コンテンツドキュメント
                                      ナビゲーションドキュメント

                                                          15
EPUB 3の構成
■ EPUB    3を構成する主要なドキュメント群
◆   各ドキュメントはテキストエディタで編集可能な形
    式(XML形式/XHTML形式)
◆   テキストエンコードはUTF-8またはUTF-16を使用
◆   これらを含む全てのファイルをEPUB特有のルール
    に基づくZIP圧縮でパッケージ化する
 ◇   通常のZIP圧縮ツールではダメ→ユーティリティを使う

     • Win:ePubPack(無料)など

     • Mac:ePub Packager(¥85:2012年4月7)など



                                           16
EPUB 3の構成
コンテンツドキュメント




              17
EPUB 3の特徴
    コンテンツドキュメント
■ 出版物の本編の内容を記述

■ XHTML形式/SVG形式のいずれか
 (以下XHTML形式メインで話を進めます)

■ XHTMLドキュメントはXML        1.0準拠の
 HTML5で記述(通称「XHTML5」と呼ばれることも)
◆   Webのデータと一緒
◆   閲覧環境もWebブラウザのエンジンを使っているこ
    とが多い
◆   Webブラウザで確認できる

                                  18
EPUB 3の特徴
    コンテンツドキュメント
■ XHTMLの役割は構造の定義

◆   「ここは大見出し」「ここは小見出し」「ここは本
    文」「ここは引用部分」…というようにコンテンツ
    各部の構造・役割をHTMLタグを使って定義する


                    h1∼h6タグは見出しを定義
pタグは本文を定義



              blockquoteタグは引用部分を定義




                                     19
EPUB 3の特徴
     コンテンツドキュメント
■ 見た目の制御はCSSで

◆   タグごとの指定を始め、様々な指定
    方法でHTMLの見た目を制御できる

■ CSSを使っても制作側で見た目を
 完全に制御できるわけではない
◆   基本的に、見た目の最終結果は読者にゆだねること
    になる
 ◇   ハード、OS、アプリによる違い、アプリ内での読者による
     表示設定など


                                   20
EPUB 3の特徴
     コンテンツドキュメント

■ HTMLマークアップにただ1つの正解はない

◆   独自の指針を構築する
◆   既存の指針を利用する
 ◇   例:JBasic08

     • EPUB 3コンテンツ制作の指針とひな形に関するFacebook上の公
       開グループJBasicで提供されている指針




                                             21
EPUB 3の特徴
    コンテンツドキュメント

■ 1冊の書籍はほとんどの場合、複数
 のXHTMLファイルで構成される
◆   1つの大きなXHTMLファイルでは閲覧環境の動作の
    安定性に問題が出ることがある

■ EPUB
     3仕様に関する知識もさることながら
 Web系の知識が必要
◆   HTML5/XHTML/CSS/グラフィック etc…



                                  22
EPUB 3の構成
ナビゲーションドキュメント




                23
EPUB 3の特徴
ナビゲーションドキュメント
■ 目次表示のシステムで利用されるドキュメント

◆   目次内の章・節などの各セクションにリンクを設定
    し、読者の利便性を向上させることができる

■ 形式はXHTMLコンテンツドキュメントと同じ
 XHTML5形式
◆   EPUB 2ではXML形式(拡張子.ncx)だった
◆   システムで利用するためだけでなく、本編に表示す
    るためにXHTMLコンテンツドキュメントとして扱
    うことも可能(1ファイル2役)


                                24
EPUB 3の特徴
ナビゲーションドキュメント
■ EPUB   3仕様とWeb系の知識の両方が必要
◆   中身はnavタグ/olタグを中心としたHTMLタグ
◆   使い方がEPUB 3仕様で厳格に決められている

●EPUB 2との互換性
EPUB 2の閲覧環境でEPUB 3を   EPUB 3にEPUB 2用のナビゲー
閲覧することはできません。ナ        ションドキュメントも併せて含
ビゲーションドキュメントの形        めることで互換性を高めること
式が大きく異なるのが大きな原        ができます。(互換性を保証す
因です。                  るものではありません)




                                            25
EPUB 3の構成
パッケージドキュメント




              26
EPUB 3の特徴
    パッケージドキュメント

■ EPUB
    3ファイルの出版物としてのアイデン
 ティティとなるドキュメント
■ 拡張子が「.opf」のXML形式

■ 仕様により形式が決められているので、EPUB
 3仕様の理解が重要
◆   EPUBオーサリングツールなどを使うのも有効




                             27
EPUB 3の特徴
    パッケージドキュメント

■ パッケージドキュメント内は大まかに次の3つ
 のパートに分かれている
◆   書誌情報など書籍に関する情報(metadata部)
◆   EPUB内で使っている各ファイルの一覧(manifest
    部)
◆   コンテンツドキュメントの表示順(spine部)




                                   28
・パッケージドキュメントの一例




書籍情報


ファイル一覧

 表示順
                     29
EPUB 3の特徴
    パッケージドキュメント

■ 書籍情報として必須の定義項目

◆   出版物のユニークID
◆   タイトル
◆   仕様言語
◆   最終更新日時




                       30
EPUB 3の特徴
    パッケージドキュメント
■ 追加の情報を考える

◆   著者、出版社、権利表記など様々な設定が可能
◆   組織内でのルールを作るのが望ましい
◆   業界内での指針があると助かるかも

■ コンテンツドキュメントの表示順を定義

◆   WebではHTMLドキュメント同士をリンクするが、
    EPUBではパッケージドキュメントで指定
◆   ページのめくり方向もspine内で指定


                                31
制作の際に意識すること(まとめ)




                   32
制作の際に意識すること(まとめ)

■ Webとの違いを理解する

◆   パッケージドキュメントの存在
◆   ページめくりインターフェイスを想定
 ◇   画像の高さを抑える

◆   書籍としてのマークアップを検討
 ◇   章・節・項/線状の構成




                        33
制作の際に意識すること(まとめ)
■ 印刷物との違いを理解する

◆   リフローの性質を理解する
 ◇   見た目を制御できない

 ◇   ノンブルが確定しない

◆   解像度の違いを考える
 ◇   Retinaディスプレイでは印刷物レベル

 ◇   ビデオ/音声/インタラクティブ性の活用

 ◇   複数環境での確認作業が必要になる



                            34
制作の際に意識すること(まとめ)
■ 制作に関する指針を作る

◆   対象とする閲覧環境
 ◇   確認作業/サポートにも関係

◆   コンテンツドキュメントのマークアップ
 ◇   独自の指針を構築する

 ◇   JBasic等の既存の指針を利用する

◆   パッケージドキュメントに定義する書籍情報
◆   DRMについて


                           35
JEPA 4月度定例会
    ∼ 今から始めるEPUB 3 ∼


ご清聴ありがとうございました




                       36
お知らせ
■ m-School:ハンズオン講座
 「EPUB3で作る!電子書籍制作レシピ」
◆   日時:4月24日(火)13:00∼17:00
◆   料金:21,000円(税込み)

■ ロクナナワークショップ:ハンズオン講座
 「電子書籍ファイル実制作入門講座」
◆   日時:5月12日(土)11:00∼18:00
       6月23日(土)11:00∼18:00
◆   料金:29,800円(税込み)

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JEPA 4月度定例会資料0409a

  • 1. JEPA 4月度定例会  ∼ 今から始めるEPUB 3 ∼ 林 拓也(ハヤシ タクヤ) 1
  • 2. プロフィール ■ 林 拓也(ハヤシ タクヤ) ■ Twitter:@HapHands ■ Facebook:takuya.hayashi ■ デジタルコンテンツ受注制作 ■ トレーニングインストラクター ■ 書籍執筆 2
  • 4. 今日の目的 ■ EPUBおよびEPUB 3の概要や特徴を理解する 4
  • 6. アジェンダ ■ EPUBの特徴 ■ EPUB 3の特徴 ■ EPUB 3の構成 ■ 制作の際に意識すること(まとめ) 6
  • 8. EPUBの特徴 ■ 電子書籍の標準化団体IDPFによって策定 ◆ 特定企業に依存しないので倒産などによる仕様の消 滅リスクが低い ■ 無料(ライセンス料などが不要) ◆ 参入の敷居が低い ■ グローバル(世界で広く使われている) ◆ 世界の電子書籍文化への参加 8
  • 9. EPUBの特徴 ■ オープン(仕様の内容や策定プロセスが公開) ◆ 制作環境/閲覧環境が限定されない ■ リフロー ◆ 閲覧環境(画面サイズ、文字サイズ等)に応じてテ キストが流し込まれる ◆ スマートフォンなどの小さい画面サイズでもそれな りに読める ◆ 制作側で表示結果を完全に制御できない 9
  • 11. EPUB 3の特徴 ■ 日本語組版への対応 ◆ 縦書き、ルビ、圏点、縦中横、ページめくり方向の 指定など ■ 音声/ビデオデータの利用が可能に ◆ 表現力の強化 ◆ 読み上げ書籍なども可能に ■ JavaScriptが利用可能に ◆ ゲームブックのようなものも可能に 11
  • 12. EPUB 3の特徴 ■ フォントの埋め込みが可能に ◆ WOFF/OpenTypeをサポート ◆ ライセンスの問題がある(特に日本語フォント) ■ 数式の表現が可能に ◆ MathMLの採用(画像を使わずに済む) 12
  • 13. EPUB 3の特徴 ■ 固定レイアウトが仕様化 ◆ 制作側での表示の制御が可能に ◆ 追加モジュールとして策定 ■ 閲覧環境の状況について ◆ 「EPUB 3対応」を謳った閲覧環境がまだ少ない ◇ 参考:epubcaféのまとめ ◆ オープンソースのプロジェクトReadiumに期待 ◇ EPUB 3閲覧環境の動作見本の開発 13
  • 15. EPUB 3の構成 ■ EPUB 3を構成する主要なドキュメント群 ◆ コンテンツドキュメント(書籍の本編) ◆ ナビゲーションドキュメント(目次) ◆ パッケージドキュメント(書籍情報) ・EPUB 3の内部構成の一例 EPUB 3内ルート OEBPSフォルダ内に作成 (フォルダ名は任意) パッケージドキュメント (ファイル名/フォルダ構成は任意↑→) コンテンツドキュメント ナビゲーションドキュメント 15
  • 16. EPUB 3の構成 ■ EPUB 3を構成する主要なドキュメント群 ◆ 各ドキュメントはテキストエディタで編集可能な形 式(XML形式/XHTML形式) ◆ テキストエンコードはUTF-8またはUTF-16を使用 ◆ これらを含む全てのファイルをEPUB特有のルール に基づくZIP圧縮でパッケージ化する ◇ 通常のZIP圧縮ツールではダメ→ユーティリティを使う • Win:ePubPack(無料)など • Mac:ePub Packager(¥85:2012年4月7)など 16
  • 18. EPUB 3の特徴 コンテンツドキュメント ■ 出版物の本編の内容を記述 ■ XHTML形式/SVG形式のいずれか (以下XHTML形式メインで話を進めます) ■ XHTMLドキュメントはXML 1.0準拠の HTML5で記述(通称「XHTML5」と呼ばれることも) ◆ Webのデータと一緒 ◆ 閲覧環境もWebブラウザのエンジンを使っているこ とが多い ◆ Webブラウザで確認できる 18
  • 19. EPUB 3の特徴 コンテンツドキュメント ■ XHTMLの役割は構造の定義 ◆ 「ここは大見出し」「ここは小見出し」「ここは本 文」「ここは引用部分」…というようにコンテンツ 各部の構造・役割をHTMLタグを使って定義する h1∼h6タグは見出しを定義 pタグは本文を定義 blockquoteタグは引用部分を定義 19
  • 20. EPUB 3の特徴 コンテンツドキュメント ■ 見た目の制御はCSSで ◆ タグごとの指定を始め、様々な指定 方法でHTMLの見た目を制御できる ■ CSSを使っても制作側で見た目を 完全に制御できるわけではない ◆ 基本的に、見た目の最終結果は読者にゆだねること になる ◇ ハード、OS、アプリによる違い、アプリ内での読者による 表示設定など 20
  • 21. EPUB 3の特徴 コンテンツドキュメント ■ HTMLマークアップにただ1つの正解はない ◆ 独自の指針を構築する ◆ 既存の指針を利用する ◇ 例:JBasic08 • EPUB 3コンテンツ制作の指針とひな形に関するFacebook上の公 開グループJBasicで提供されている指針 21
  • 22. EPUB 3の特徴 コンテンツドキュメント ■ 1冊の書籍はほとんどの場合、複数 のXHTMLファイルで構成される ◆ 1つの大きなXHTMLファイルでは閲覧環境の動作の 安定性に問題が出ることがある ■ EPUB 3仕様に関する知識もさることながら Web系の知識が必要 ◆ HTML5/XHTML/CSS/グラフィック etc… 22
  • 24. EPUB 3の特徴 ナビゲーションドキュメント ■ 目次表示のシステムで利用されるドキュメント ◆ 目次内の章・節などの各セクションにリンクを設定 し、読者の利便性を向上させることができる ■ 形式はXHTMLコンテンツドキュメントと同じ XHTML5形式 ◆ EPUB 2ではXML形式(拡張子.ncx)だった ◆ システムで利用するためだけでなく、本編に表示す るためにXHTMLコンテンツドキュメントとして扱 うことも可能(1ファイル2役) 24
  • 25. EPUB 3の特徴 ナビゲーションドキュメント ■ EPUB 3仕様とWeb系の知識の両方が必要 ◆ 中身はnavタグ/olタグを中心としたHTMLタグ ◆ 使い方がEPUB 3仕様で厳格に決められている ●EPUB 2との互換性 EPUB 2の閲覧環境でEPUB 3を EPUB 3にEPUB 2用のナビゲー 閲覧することはできません。ナ ションドキュメントも併せて含 ビゲーションドキュメントの形 めることで互換性を高めること 式が大きく異なるのが大きな原 ができます。(互換性を保証す 因です。 るものではありません) 25
  • 27. EPUB 3の特徴 パッケージドキュメント ■ EPUB 3ファイルの出版物としてのアイデン ティティとなるドキュメント ■ 拡張子が「.opf」のXML形式 ■ 仕様により形式が決められているので、EPUB 3仕様の理解が重要 ◆ EPUBオーサリングツールなどを使うのも有効 27
  • 28. EPUB 3の特徴 パッケージドキュメント ■ パッケージドキュメント内は大まかに次の3つ のパートに分かれている ◆ 書誌情報など書籍に関する情報(metadata部) ◆ EPUB内で使っている各ファイルの一覧(manifest 部) ◆ コンテンツドキュメントの表示順(spine部) 28
  • 30. EPUB 3の特徴 パッケージドキュメント ■ 書籍情報として必須の定義項目 ◆ 出版物のユニークID ◆ タイトル ◆ 仕様言語 ◆ 最終更新日時 30
  • 31. EPUB 3の特徴 パッケージドキュメント ■ 追加の情報を考える ◆ 著者、出版社、権利表記など様々な設定が可能 ◆ 組織内でのルールを作るのが望ましい ◆ 業界内での指針があると助かるかも ■ コンテンツドキュメントの表示順を定義 ◆ WebではHTMLドキュメント同士をリンクするが、 EPUBではパッケージドキュメントで指定 ◆ ページのめくり方向もspine内で指定 31
  • 33. 制作の際に意識すること(まとめ) ■ Webとの違いを理解する ◆ パッケージドキュメントの存在 ◆ ページめくりインターフェイスを想定 ◇ 画像の高さを抑える ◆ 書籍としてのマークアップを検討 ◇ 章・節・項/線状の構成 33
  • 34. 制作の際に意識すること(まとめ) ■ 印刷物との違いを理解する ◆ リフローの性質を理解する ◇ 見た目を制御できない ◇ ノンブルが確定しない ◆ 解像度の違いを考える ◇ Retinaディスプレイでは印刷物レベル ◇ ビデオ/音声/インタラクティブ性の活用 ◇ 複数環境での確認作業が必要になる 34
  • 35. 制作の際に意識すること(まとめ) ■ 制作に関する指針を作る ◆ 対象とする閲覧環境 ◇ 確認作業/サポートにも関係 ◆ コンテンツドキュメントのマークアップ ◇ 独自の指針を構築する ◇ JBasic等の既存の指針を利用する ◆ パッケージドキュメントに定義する書籍情報 ◆ DRMについて 35
  • 36. JEPA 4月度定例会 ∼ 今から始めるEPUB 3 ∼ ご清聴ありがとうございました 36
  • 37. お知らせ ■ m-School:ハンズオン講座 「EPUB3で作る!電子書籍制作レシピ」 ◆ 日時:4月24日(火)13:00∼17:00 ◆ 料金:21,000円(税込み) ■ ロクナナワークショップ:ハンズオン講座 「電子書籍ファイル実制作入門講座」 ◆ 日時:5月12日(土)11:00∼18:00    6月23日(土)11:00∼18:00 ◆ 料金:29,800円(税込み) 37