杉本真樹【インセンティブプレゼンテーション】
あなたは人の心を捉えられていますか?
医療者は、診断治療という大きなイベントを抱えた患者と家族へ、正確な情報を確実に伝え、医療人としての思考や想いも届ける必要があります。
モバイルやSNSが普及した現在、これまでの型どおりのプレゼンやインフォームドコンセントでは、現代人の心をつかむことはできません。
研究者も同様、価値あるアイデアをいかに社会的価値へ還元するか、これは論文発表のみでは十分ではありません。情報と情熱をうまく伝えることが、心を捉える信頼につながり、人が動いて初めて新しい価値が生まれるのです。これからの医療者・研究者には、人をインスパイアするプレゼンテーションが必須といえるのです。
筆者がこれまで経験した、大都市の大学病院から地方病院、地域医療など多彩な臨床現場と、米国シリコンバレーでの退役軍人局病院とApple社をはじめとするIT企業での実績から得た、新しいプレゼンテーションのあり方をご提案します。プレゼンスキルや、患者家族への応対、サービス業としてのスキル、学会発表から研究活動、産学連携に有効なメソッドなど、より実践的なプレゼンテーション術をご紹介しております。
また、スライドやPCを使って行うプレゼンに頼らずに、いつでもすぐに想いが伝えられるようなElavator pitchやShow &tellなど、数々のコミュニケーションテクニックを交え、これらを自然に身につける秘訣として、"プレゼンテーション思考術"を解説しました。
プレゼンテーションで最優先すべきことは、いかに記憶させ、行動させるかです。観衆に衝動を起こさせるプレゼンテーションを、そして社会的価値につながるプレゼンテーションを、皆さんで実践しましょう。
「医療者・研究者のための 人を動かすプレゼンテーション」(杉本真樹著書 2014.4) より