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アフリカBOPビジネス概要
- 1. セミナー資料 アフリカにおけるBOPビジネス概要 2011年12 月 アフリカビジネスパートナーズ 1
- 2. 本資料の説明 本資料は情報提供を目的としたものであり、特定企業への投資を推奨す るものではありません 当方が信頼できると判断したデータ・情報に基づき資料を構成しています が、その正確性、完全性等について保証するものではありません また、ここで示された意見や判断は今後前置きなく変更される可能性があ ります。意見や判断が変わった場合、それを情報の受け手に報告する義 務を当方は負いません 本資料に関する著作権その他の権利は、アフリカビジネスパートナーズに 帰属します。当方の許諾なく、これらの情報を使用（複製、改変、送信、頒 布、切除を含む）することを禁じます 2
- 3. 目次 1. 自己紹介＆本日のテーマ 2. BOPビジネスとは何か？その魅力は？ 3. 実例 3
- 4. アフリカビジネスパートナーズは、アフリカでのビジネス経験とコンサル ティング経験をもとに、現地リソースを活用しつつ日本企業のアフリカ 進出を支援するコンサルティングオフィス 代表の佐藤は途上国ビジネス及びコンサルティングの経歴を持つ。 アフリカ・セネガル教育機関での唯一の日本人MBA取得者 – インドのIT企業Infosysにてシステムエンジニアとして勤務。また国際協力銀行にてイン ド及び南部アフリカ向け業務に携わり、現地企業の財務分析や契約交渉を担当 – 米系コンサルティングファームBooz Allen Hamiltonにて企業及び政府機関の業務改 革、戦略立案を支援 – 2010年にアフリカ・セネガルにてMBAプログラムに参加 事業内容 – 情報提供：主にニュースレター「週刊アフリカビジネス」を通じてのアフリカビジネスの ニュースや業界・企業分析情報の提供。勉強会、セミナーなども不定期に開催 – コンサルティング：アフリカ進出に関する戦略立案支援（進出国選定、ビジネスモデル 検討支援、マーケティング戦略立案支援など）及び、提携企業との交渉、資金調達の ハンズオンでの支援などを実施 4
- 5. このプレゼンでは、アフリカBOPビジネスの基本的な理解を得て 頂く事を目標にする 主な対象 BOPという言葉を初めて聞く方 BOPビジネスという言葉を初めて聞く方 プレゼンの目標 BOPビジネスという言葉は知っているけれど よくわからない方 BOPビジネスとは何かを説明できる方 BOPビジネスを行うために実際に プレゼン後に 動き始めようとしている方 ディスカッション BOPビジネスを実施している方 5
- 6. 具体的には、以下の点について人に聞かれたときに答えらえれ ることを目標にする BOPとは何か？ BOPビジネスとは何か？ なぜBOPビジネスに手を出すのか？その魅力、目的は？ 例えばどんな企業がBOPビジネスを行っているのか？ とっかかりはどうすればいいのか？ どんなチャンスがあり得るのか 6
- 7. BOP（Bottom / Base of Pyramid）とは、人口ピラミッドを所得順に 作ったときにいちばん下に来る低所得者層のことを指す言葉 富裕層 中間層 低所得者層 ＝ BOP層 7
- 8. BOPビジネスという言葉は、BOP向けの販売を行う「低所得者層向け ビジネス」、BOPをビジネスの一部に取り込む「低所得者層の所得上 昇を伴うビジネス」という意味など様々な使われ方をする BOP層を供給サイドに取り込み、所得水準の上昇が期待できる Yes No 広義のBOPビジネス BOP層 本日のテーマ 顧客層 中間層以上 BtoB 例：フェアトレード 例：自動車 BtoG 海外 本日の主なテーマは「低所得者層向けビジネス」 8
- 9. 企業として低所得者層向けビジネスとしてのBOPビジネスに取り 組む意義は大きく３つある ボリュームが大きい 「お金を払うからどうにかしてくれ」というニーズが大きい 将来の購買層へのブランディング 9
- 10. BOPビジネスの魅力の一つは、人口が多いこと。アフリカで見れ ば全人口9億～10億人のうち6割強がBOP層と言われている アフリカ所得層別人口構成比（2010年）* 富裕層 4.8% 脆弱中間層 13.4% 20.9% 60.8% 中間層 低所得者層 富裕層：1日当たり消費金額20ドル以上（2005年米ドル・購買力平価ベース） 中間層：1日当たり消費金額4ドル以上20ドル未満（同上） 脆弱中間層：1日当たり消費金額2ドル以上4ドル未満（同上） 低所得者層：1日当たり消費金額2ドル未満（同上） *: The Middle of the Pyramid: Dynamics of the Middle Class in Africa, African Development Bank, 2011 10
- 11. お金は払うからニーズを満たしてほしい、という低所得者層及び ニーズが存在する 膨大なベーシックニーズ＆所得改善ニーズ – あらゆるものが足りない and/or 質が低い – 特にベーシックニーズ（医療、教育、水・食料）が満たされていないケースが多く、需要 は大きい – 所得を改善させるモノ・サービスは常に求められている（農家向けの肥料・天候保険、 ソーラーランタン） 「低」所得者層は「ゼロ」所得者層ではない – グローバル化の進展に言及するまでもなく、アフリカでも多くの地域で資本主義経済が 浸透しつつある – 何らかの経済活動の一環に組み込まれており、若干なりともお金は持っており… – …「BOPペナルティ」を払っているケースがある • ケニア郊外の農村地帯では水を得るのに、都市部の5倍以上のコストを支払う 可処分所得が低くとも、ニーズが存在し、人口が大きければマーケット になる。アフリカのBOP層向け水道市場規模は57億ドルともいわれる 11
- 12. BOPビジネスのもう一つの魅力かつ目的として、将来の購買層 に対するブランディングという側面もある アフリカ所得層別人口構成比の推移* 100% 90% 80% 70% BOP 60% 所得水準が低いうちに商品を利用し 50% てもらいマインドシェアを高めておけ 40% ば、所得水準が上昇した際に自社 30% の商品を選んでもらいやすくなる 20% BOP 33.7% 39.2% 31.3% 以外 10% 0% 1990 2000 2010 所得水準が上昇し、中間層以上の割 合が徐々に拡大している 今後中間層の拡大が一層進むアフリカにおいて、現在の中間層のみ ならず将来の中間層のマインドシェアを獲得しておくことは極めて重要 12
- 13. アフリカのBOPビジネスには世界中の多くの企業が様々な工夫 を凝らして参入している 企業 and/orサービス BOPビジネスを実現するための工夫 携帯電話 プリペイド式を主流に据えることで、使う分だけ支払うようにする 既存のキオスクをプリペイドカードの販売代理店とすることで、投資 コストを削減 モバイルマネー プリペイドカードの販売代理店で、現金の引き出しを可能にする 申込書類を身分証明書のみにすることで申し込みのハードルを下 げる 調味料 販売単位を小分け（1回分）にして単価を下げる （味の素、ネスレ、ユニリーバ） 栄養価の高い商品を販売し、栄養不足の解消というベーシックニー ズに対応 蚊帳（住友化学） 対マラリアという医療ベーシックニーズに対応 直接消費者に販売するのではなく、消費者である貧困層に援助物 資を提供する国連に販売することで、購買力の制約を緩和 水道事業（Maji Ni Maisha） プロジェクトコストの一部を実績連動型援助資金（Output-Based Aid ）で賄うことで初期投資コストを削減 地元住民が自身でメンテナンスを行えるようにすることで、メンテナン スコストを削減 自家製ソーダ製造機 ハブアンドスポーク方式。通常は消費者に直接販売するものを、キ （SodaStream） オスクに販売。キオスクでソーダを製造して消費者に販売 13
- 14. いきなりビジネスに参入して成功するのは容易ではない。CSRをマー ケティングの一環として様子を見つつニーズ発掘、商品開発を行う ケースは少なくない モバイルマネー：VodafoneのCSRが発端 SAP：マイクロファイナンス機関と提携し、農家・農協・農業企業向 けのパッケージをCSRとして開発。アフリカ全土での拡販を目指す サムスン：折り曲げ可能な太陽光パネル、省電力・太陽光充電可 能なPC、最新のタブレットを搭載した移動教室を南アフリカで展 開。プロダクトの認知を高めるとともに、使用に耐えるかの検証も兼 ねる CSRとすることで、BOPビジネスに必要なパートナーシップも組みやすくなる。こ のプロセスをマーケティング・製品開発の一部とみなして実行するケースが、 BOPに限らず増えているのがアフリカ 14
- 18. 食料×小分けを行っているものの例 ケニアBusiness Daily紙より セネガル・Patisen S.A.ウェブサイトより カップ1杯ごとに小分けされたネスカフェ バケツ入りチョコを、キオスクの店主が購入。 キオスクの店主は、パン一切れに一塗り する毎にチャージする 18
- 26. アフリカにおけるBOPビジネスは、アフリカビジネスを構成する一 分野に過ぎないことは認識しておく必要がある アフリカ所得層別人口構成比の推移* 100% B to C 「 富裕層 90% ア （消費者向け） 80% 31.3% 33.7% 39.2% フ 中間層 BOP リ 70% 以外 カ 60% ビ 低所得者層 BOPビジネス ジ 50% ネ 40% ス B to B （企業向け） 68.7% 66.3% 」 30% 60.8% BOP の 領 20% 域 B to G （政府向け） 10% 0% 1990 2000 2010 BOP向けビジネスはアフリカビジネス 所得水準が上昇し、中間層以上の割 の一部に過ぎない 合が徐々に拡大している アフリカ＝低所得者層向けビジネスではなく、あくまで有望な分野の一 つとして、バイアスをかけることなく考えることが必要 *: The Middle of the Pyramid: Dynamics of the Middle Class in Africa, African Development Bank, 2011 26
- 27. アフリカビジネスパートナーズの ミッション、サービス内容などはホームページ http://africa-business-partners.com/ まで 週刊アフリカビジネスの購読申し込みは、 http://africa-business-partners.com/mm/ まで アフリカビジネスパートナーズの その他サービスについてのご相談・お問い合わせは、 info@africa-business-partners.com まで 27