研究データの利活用ははそれぞれの分野の中では必要に応じて行われてきた。また、IUGONETやDIASのように関連分野を集約するような活動も一部では存在した。しかし、オープンサイエンスの時代においては、あらかじめ予想された分野の連携ではなく、多様な分野を超えた研究データの利活用が求められている。国内では研究データの利活用を横断的に考える場はこれまでになかった。2014-2015年に行ったJapan Link CenterでのデータDOI実験プロジェクトは、分野を横断した研究データ担当者が初めて出会う場であった。このプロジェクトの経緯を振りかえりつつ、今後の研究データ利活用協議会の構想について語る。 (研究データとオープンサイエンスフォーラム～RDA東京大会における議論を踏まえた研究データ共有の最新動向～ 2016/3/19 国立国会図書館）

1. 研究データ利活用協議会（仮）
武田英明

2. RDA雑感
• 欧米と日本のギャップを考える

3. 欧米における状況
• 研究データ活用（研究データ公開、シェアリング、
データ論文等）はすでに研究活動に組み込まれ
ている
• なぜ？
– 助成機関が推奨あるいは義務化している
– 各分野における研究活動のよい手段として認知
• すべきことは
手段としての研究データ活用を
– 確実化
– 促進
– 成果の利用
すること

4. 日本における状況と対策
• 研究データ活用（研究データ公開、シェアリング、
データ論文等）はまだ研究活動の一部としてほと
んど認知されていない
• なぜ？
– 助成機関が推奨あるいは義務化していない？
– 各分野における研究活動のよい手段として認知され
ていない？
• すべきことは
手段としての研究データ活用を
– その意義の広報（仲間作り、味方作り）
– 日本の状況にあった対応を進めること
• 例）機関リポジトリ/JAIRO、J-Stage、CiNii、学認

5. 研究データ利活用協議会（仮）
• 経緯：Japan Link CenterによるデータDOI実験
プロジェクト(2014-15)
– 初めて実務レベルの分野を横断した研究データ
の担い手が集まった会議
• cf. 学術会議
– 参加者：
• 学術コミュニケーションサービス提供機関：NII, JST
• 大学図書館：
• 分野の研究者：
– 自分のデータ活用に関わる研究者
– 機関におけるデータ活用に関わる研究者
– 国際連携におけるデータ活用に関わる研究者

6. 研究データ利活用協議会（仮）
• 実験DOIプロジェクトのような場は継続的に必
要！
• Japan Link Centerのアウトリーチ活動して位置
づける
– JaLC共同運営委員会で提案、大筋承認
– ただし、実施にあたっては関係者の自主的運営
にまかせる
– （理由）
• まったくの新規の組織作りは、作る方も参加する方も
負担
• JaLCはデータに対して中立

7. 研究データ利活用協議会（仮）
• 仕組み（案）
– 運営機関としてJST, NDL, NIMS, NII +アルファ
• この運営機関が分担してミーティングなどを企画、運
営
– 個人メンバーは任意
– 会としての事務局はJaLC事務局(JST)
– 年3-4回の研究会、年1回程度の報告会、MLによ
る情報交換
– スコープ：研究データ利活用、研究データにおけ
るID登録・活用