とらこん 朝ラッシュダイヤ
- 4. Ⅰ :平行ダイヤ
全ての列車を同じ停車駅で運転す
る。
メリット デメリット
混雑の均等化 長距離移動の際の
有効列車の本数増加 所要時間増大
路線長が短い路線や、地下鉄などの都市内路線に向く。
複々線の線区でも、急行線あるいは緩行線どちらかだけを
取り出して考えた場合にこの形態になっていることは多い。
実例:地下鉄路線の多数、京王井の頭線 、
JR東海道線、中央快速線、横浜線 etc.
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- 5. Ⅱ :緩急接続ダイヤ
途中駅を通過する優等列車(急行、快速など)を設
定、
追い抜きを行う際には各駅停車と接続を取る。
メリット デメリット
最短所要時間の短縮 優等列車への混雑集中
本来は混雑がそれほど激しくなく、距離が長い路線に向く。
実例:東急東横線
※ 路線設備の都合もある。
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- 6. Ⅲ :緩急分離ダイヤ
途中駅を通過する優等列車(急行、快速など)を設
定、
追い抜きを行う際には接続を取らない。
メリット デメリット
最短所要時間の短縮 各駅停車のみ停車の駅
の所要時間増大
路線長が長く、混雑が激しい路線に向く。
典型例:東急田園都市線、小田急小田原線、西武新宿線
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- 8. Ⅳ :選択停車(千鳥式)ダイ
ヤ
停車駅が違う複数の優等列車を設定し、場合によって
はそれらを束にして走らせる。
メリット デメリット
ターミナル駅への最短 途中駅間の移動に難
所要時間短縮
運転間隔の短縮
効果的に使用できる線区が限られる。
乗降人員の多い駅が連続して存在し、都心側の主要駅が
一カ所でホームに余裕がある路線。
実施例:西武池袋線
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- 9. ラッシュ帯に重要視されるこ
と
特に混雑率が高い路線において。
「混雑の均等化」 - 特に混んだ列車を設定
せず、満遍なく乗客を分散させるようなダ
イヤ設定が重要視。同時に、ダイヤが想定
している乗客の流動を崩さないこと。
→ 遅延の防止にも寄与。
実例:小田急小田原線
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- 10. 近年のトレンド - 遅れないダイ
ヤ
かつてに比べ、「定刻通り」に走ることの
ニーズが高まっている。
→ 近年のダイヤ改正は「遅延防止」のため
の施策が積極的に行われている。
代表例:東急田園都市線・東京メトロ東西
線… … 優等列車を都心部近くで各駅停車化
混雑を均等にし、遅延を防止。
その他の会社でも、停車時間の拡大や時間
短縮を余裕時分に当てるなど… … 。
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- 13. 参考文献
家田仁『通勤列車ダイヤを評価する』
(鉄道ピクトリアル ,1 988 年 1 1 月号
曽根悟『ラッシュ帯の列車ダイヤを考察する』(鉄道ピクトリア
ル , 2007 年 9 月号 )
富井規雄 『ラッシュ帯列車ダイヤの高度化をめざして - 頑健な列車
ダイヤとは - 』(鉄道ピクトリアル ,2007 年 9 月号)
富井規雄『列車ダイヤのつくりかた』 (2012 年 3 月 , オーム社)
城山あすと(ながま)『緩急接続と緩急分離について』( 2010 年
4 月)
その他、各社の報道発表資料など参照。
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Notes de l'éditeur
- 過密区間では結果的に平行ダイヤと変わらなくなるケースが多々あります。
- 首都圏で言えば、主に23区内に入るとほぼ緩急分離が行われる。これは、すでに混んでいる優等に各停から客が乗り換えると混雑の偏りが激しくなるため。 実質的にはゾーン分けを行っているものと考えればよい。
- しばしばマニアが提唱するが、効果的に使える路線は多くない。乗客の流動が単純であることが必要。 首都圏でしばしばある、都心側にターミナル駅とは別の主要駅(地下鉄に接続、他路線に接続)がある形態の路線では難しい。(そこで詰まる)
- 複々線にもかかわらず、先行優等と後続優等が受ける各駅停車は厳密に定められている。(町田時点での先行が町田以遠及び登戸~成城学園前、町田時点での後続が町田~登戸を分担。複々線区間の途中、成城学園前では接続しないはずの各停とは絶対に接続を取らない。優等列車の扉が閉まるまで各停の扉が開かない(運転士の行程表にも、喜多見通過時間厳守
- 京王とか西武とか
- 東上線は多少の混雑集中を許容しているとも考えられる。(副都心線対抗の都合とかもあるけど) ※ 某ジャーナリストが「混雑は減らない。儲けのために混雑率が下がると減便をするからだ……」などと言っていたが、所要時間を短縮するという理由もあるのでは?