1. 実践・継続型PBLにおける成果と課題
古賀暁彦（産業能率大学）

2. 発表内容
1. 経営系学部における従来型PBLの課題
2. 実践継続型のPBL「大山おからドーナッツ
店 KOBARA+3」の取組み
3. 取組みの成果
4. 今後の課題
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3. PBLとは
• PBL（Project Based Learning もしくは
Problem Based Learning)
• PBLには様々な解釈や手法があるが、共通
しているのは『学習者が問題を発見し、
解決の見通しをつけて実行し、何らの形
で結論を得る』ための学習法（上杉2009)
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4. 経営系学部のよくあるPBL
大学外実務家
によるビジネス
現場での課題
の提示
グループで解
決策や企画案
を検討
実務家の前でプレゼン
ビジネスコンテスト・アイデアコンテスト 起業家コ
ンテスト・ビジネスプランニングコンテスト e.t.c
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5. 課題～～実践されない～～
• 企業実務家のコメント
– 学生の視点でユニークなアイデアをいただき
ました～
– 社に持ち帰って検討させていただきたいと思
います～
多分検討されないし、実践もされない
「学生とのコラボ」という冠だけ取られて、
全く違う事を実践したり・・・
P
のみ
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6. 課題～～一過性～～
• イベントの実施
• 学生考案の○○の試験販売
「大変だった」で終わってしまう
次のサイクルの改善に結びつかない
P Do C A
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7. 成人における学びの70％は
自分の仕事経験から
直接経
験
70%
他者の観察ア
ドバイス
20%
読書・研修
10%
Lombardo & Eichinger (2010)7

8. 経験学習サイクル
具体的経験
をする
内省する
教訓を引き
出す
新しい状況
に適用する
松尾（2011）
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9. 従来のPBLには経験の場を作る
視点が欠けているのでは・・・
仮説
学生自らが店舗を開業し継続的
に経営を実践したらどうか？
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10. 大山おからドーナッツ店
kobara+3（コバラミタス）
• 目的
– 観光地大山の活性化
• 商品
– 地元の名産である豆腐の作成過程でできる
「おから」を使ったドーナッツを製造・販売
• 店舗
– 登山口にある「観光案内所」の一角を無償で
提供していただく
事業理念
山ガールの小腹を地元の食材で満たす
地元の旅館組合
の皆様とのコラボ
レーション
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11. 組織 3人のご意見番
会計・法律と経営全般
越水さん
食とおもてなし
相原さん
Kobara+3 事業推進本部（すべて学生）
店舗デザイン部
店舗装飾・必要資材の調達
管理部
会計・資材・人事管理・マ
ニュアル作成
広告宣伝部
ネット活用・協力組織の探索・
現地での集客
商品開発部
市場調査 商品試作
レシピ作成
社長
店舗運営
当面は土日・祭日・夏休み期間 最低3人の学生が店舗運営に出動
指導助言質問・提案
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12. 学生にとっての
コバラノミクス
• 実践から経営やマーケティン
グを学ぶ
• 問題解決力を磨く
• 自ら働く楽しさを実感する
大山で観光業に携わる方に
とってのコバラノミクス
• 大山の食の魅力をアピール
• 若者が参画することによる地域活性
化と話題作り
kobara+3のコバラノミクス
大山を訪れる観光客にとってのコバラノミクス
• 登山後ちょっと空いたお腹を満たすことができる
• 安価で大山名物の豆腐に関連した食を味わえる
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13. 実際の活動状況 ビデオ
TVKテレビ ニュース 2013年11月
１：２９～３：５８
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14. 課題山積
人・組織 もの
カネ情報
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15. 大学外の活動を大学内の場に結び付ける
TVKテレビ ニュース 2013年11月
４：４８～５：５０
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16. 事業の成果と授業の成果
• 事業（店舗運営）の成果
– 店を開業（店舗、マニュアル、レシピの完成）
– 無事に回す（無事故、シフトが埋まる）
– 初年度黒字
• 授業の成果
– 学生のレポートから見る定性的な成果
– 何を学んだか（教訓）、どう成長したか？
就職活動直前だったので、履歴書の「大学時代に頑
張ってきた事」の欄に各つもりでレポートを書かせる
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17. 学生のレポートより（抜粋）
• 仕事を円滑に進められる協調性を身につけ
ることが出来た
• 仲間と協力して諦めずコツコツとやってい
く大切さを知る
• 組織の風通しをよくするための工夫をした
• その場限りの短期的な考えではなく長期的
に物事を捉え実行していくことの大切さを
知る
• 改善を繰り返すことで得ることのできたモ
ノを売る楽しさを学ぶ
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18. 課題
• 教員の負荷
– 関係構築まで４年。
– 店舗運営で休みなし
– 組織的な対応が欲しい
• 地元の好意への依存
– 店舗の無償提供
– 様々なアドバイス
• これだけ苦労して本当に成果があるのか？
– 就活の状況
– 卒業後の社会人生活
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