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オンライン天⽂学講座「相対性理論⼊⾨」
E = mc2
島袋隼⼠(云南⼤学・SWIFAR、名古屋⼤学)
x′

=
x − vt
1 − (v/c)2
y′

= y
z′

= z
t′

=
t − (v/c2
) x
1 − (v/c)2
使⽤テキスト
『⾼校数学で分かる相対性理論』(⽵内淳、ブルーバックス)
この本をテキストとして読み進める。
第1章 相対性理論前夜
第2章 相対性理論の登場
第3章 ローレンツ変換が教える異様な時空間
第4章 ミンコフスキー空間
第5章 相対論的⼒学の構築
第6章 相対論的⼒学の体系化
第7章 電磁気学と相対性理論
第8章 電磁気学はどう変わるか?
•⾃分で⼿を動かして計算する事をオススメします。
•でも、最終的な数式の意味を理解できれば⼗分だと思います。
•⾼校物理の知識をある程度知っていると良いですが、適宜説明します。
•内容が少し難しいかもしれないので、ゆっくりめのスピードで進⾏していきます。
•副読本として、こちらを参考にするのも良いと思いま
す。
•数式は少なめ
『「超」⼊⾨ 相対性理論』(福江純、ブルーバックス)
•特殊相対性理論と⼀般相対性理論の両⽅を取り扱っ
ている。
•特殊相対性理論の論⽂は岩波⽂庫から出版されている。
•原論⽂のタイトルは「動いている物体の電気⼒学」
•内⼭⿓雄先⽣による解説付き
•この講座で使うテキストが読めたら次の1冊としてオススメ。
•⼤学の理⼯系学部で使うテキスト。
•相対論の基礎、相対論的⼒学、相対論と電磁気学、⼀般
相対性理論の概略など幅広い話題を分かりやすく記述。
決して易しい内容では無いですが、⼀緒に
頑張っていきましょう!
第1章 相対性理論前夜
奇跡の年
•1905年、当時26歳のアルバート・アインシュタインが世界を驚か
せる4つの論⽂を発表。
「相対性理論」→時間と空間の概念を⼀変
「光電効果」→量⼦⼒学に⼤きく貢献。後にノーベル賞対象
「ブラウン運動」→ミクロな世界の⼒学(統計⼒学)に貢献
どの業績も科学史に名を残す重要な論⽂だが、それが1年のうちに発表されたので、奇
跡の年と呼ばれている。
•そんなアインシュタインだが、学⽣の頃は⾶び抜けて優秀というわけではなく、⼤学卒業
後は、⼤学のポストにつけず、特許局に勤務。
空間と時間の概念
•アインシュタインの相対性理論の何が⾰新的なのかを⾒る前に、当時の科学的な常識を⾒てみる。
•17世紀にガリレイやニュートンによって「古典⼒学」が作られる。(量⼦⼒学に対して古典
という意味)
x
y
z
(x, y, z)
t •⼒学では物体の運動を表す際に、3次元空間座標
と時間 を⽤いる。
(x, y, z) t
(ポイント)
•時間 はどの座標系でも同じ様に流れると考える。
(あなたの1秒と私の1秒間隔は同じ)
t
•すなわち、時間は「絶対的」であり、ニュートン
⼒学での時間は「絶対時間」と呼ばれる。
「慣性系」と「ガリレイ変換」
「どこにいても時間は同じ様に流れる」の条件下ではガリレイ変換が成り⽴つ。
慣性系とは何か?
「静⽌」または「等速直線運動」をしている座標系のことを慣性系と⾔う。
•時速42kmで⾛っている乗⽤⾞に乗っている⼈の座標系
は慣性系(慣性系Kʼとする)。
•時速40kmで⾛っている路⾯電⾞の座標系も慣性系
(慣性系K)。
•乗⽤⾞から⾒た時、路⾯電⾞の運動はどの様に⾒え
るか?
乗⽤⾞から⾒た路⾯電⾞の運動はどの様に⾒えるか?
(相対速度 V)=(相⼿の座標系の速度)−(⾃分の座標系の速度)
=40km/h − 42km/h = −2km/h
乗⽤⾞から⾒ると、路⾯電⾞は時速2kmで後退して⾒える。逆に、路⾯電⾞から⾒ると、
乗⽤⾞は時速2kmで前進して⾒える。
この話を座標系を使って説明してみる。
•時速40kmで⾛っている路⾯電⾞の座標系も慣性系
(慣性系K)。
•時速42kmで⾛っている乗⽤⾞に乗っている⼈の座標系
は慣性系(慣性系Kʼとする)。
慣性系K の座標系を とする。また、慣性系Kʼの座標系を とする。また、時間 は
2つの座標系で共通。
(x, y, z) (x′

, y′

, z′

) t
(ステップ1)時間 では慣性系Kと慣性系Kʼの原点は⼀致している。この時、慣性系Kで点Aを測る。
t = 0
(x0, y0, z0) = (x′

0, y′

0, z′

0)
•(相対速度 V)=(相⼿の座標系の速度)−(⾃分の座標系
の速度)=40km/h − 42km/h = −2km/h
•時間t=0での点Aの座標は慣性系Kでは(x0, y0, z0)
•時間t=0での点Aの座標は慣性系Kʼ では(x′

0, y′

0, z′

0)
時間t=0で、2つの座標系の原点は⼀致しているので、
•時速40kmで⾛っている路⾯電⾞の座標系も慣性系
(慣性系K)。
•時速42kmで⾛っている乗⽤⾞に乗っている⼈の座標系
は慣性系(慣性系Kʼとする)。
(ステップ2)時間 経過したとき
t
•点Aは慣性系Kではずっと静⽌しているとすると、時間
の経過によらず、慣性系Kでの点Aの座標はずっと
(x0, y0, z0)
•しかし、慣性系Kʼは慣性系Kに対して相対速度Vでx⽅向に動いているので、慣性系Kʼから⾒た
点Aのx座標は
すなわち、点Aの慣性系Kʼでの座標は
これがガリレイ変換である。もう少し説明を付け加えると、点Aの座標は慣性系Kと慣性系Kʼ
で表し⽅が異なるが、2つの慣性系の座標系をどのようにして結びつけるかをガリレイ変換
という。
v
•これまでの話は点Aが静⽌していたが、今度は点Aが慣性系Kでx⽅向に速さ で動いている場合
を考える。
v
•簡単のため、時間t=0の時、点Aのx座標は0
だったとする。x0 = 0
•この時、時間tでの点Aの座標は となる。
x0 = vt
この点Aを慣性系Kʼで観測すると、
に を代⼊すれば良いので、
x0 = vt
これを微分すると
(注釈)いきなり微分が出てきましたが、「座標系(位置)
を微分すると、速度になる」と理解しましょう。
(運動と微分)
等速直線運動の場合
•時速60kmの速度で⾃動⾞が1時間で進む距離は60km。2時間では120km。t時間では
60 × t = 60t[km]
•速度が時速v kmの場合、t時間で進む距離(あるいは位置)はx = vt[km]
(微分のイメージ図) •微分とは「関数のある点での傾きを求める」こと。
例えば、 を微分すると、
y = 2t
dy
dt
= 2
•物理では、ある位置の関数を微分すると速度を
得る。
x = vt
dx
dt
= v
の物理的意味
v
•時速40kmで⾛っている路⾯電⾞の座標系も慣性系
(慣性系K)。
•時速42kmで⾛っている乗⽤⾞に乗っている⼈の座標系
は慣性系(慣性系Kʼとする)。
路⾯電⾞から⾒ると、乗⽤⾞は時速2kmで前に進んで⾒える(V=2km/s)。路⾯電⾞内で時速2km
で前⽅に歩いている⼈( )が乗⽤⾞を眺めると、乗⽤⾞は⽌まって⾒える。
v = 2km/s
dx′

0
dt
= v − V = 2km/s − 2km/s = 0
ガリレイ変換とは
どの慣性系でも時間の流れ⽅が同じ。
慣性系とは
本⽇のまとめ
「静⽌」または「等速直線運動」をしている座標系のことを慣性系と⾔う。
慣性系同⼠を結びつける変換式である。
ガリレオ変換が成り⽴つ条件は
ガリレイ変換とは
どの慣性系でも時間の流れ⽅が同じ。
慣性系とは
前回の復習
「静⽌」または「等速直線運動」をしている座標系のことを慣性系と⾔う。
慣性系同⼠を結びつける変換式である。
ガリレオ変換が成り⽴つ条件は
これはおそらく、直感的に⾃然な事だろう。(例えば、⾛っている⾞の中と電⾞の中で時間の
流れ⽅が異なるとは思わないはず)
しかし、ガリレイ変換では説明できない現象に直⾯することに・・・
•宇宙空間では⾳は聞こえない。何故か?宇宙はほ
ぼ真空なので、⾳(⾳波)を伝える空気(媒質)
が無いから。
Q:⾳波は空気を媒体として伝わるということは、電磁波は何を媒体にしている?
•アインシュタイン以前は、電磁波はエーテル(化学物質とは別物)を媒質として伝わるのだろう
と考えた。
•ということで、エーテルの存在を証明しようと、マイケルソンは実験した
1887年の論⽂
•宇宙はエーテルに満ちており、光はこの静⽌したエーテルの中を光速 (秒速30万km)で伝わる
と考えられた。
c
•地球の公転⽅向の速さをVとする。地球の公転⽅向
と同じ⽅向に光が進む時、地球から⾒た光の速さは
﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅
c − V
•逆に地球の公転⽅向と逆⽅向に光が進む時、地球
から⾒た光の速さは
﹅ ﹅
﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅
c + V
•⼀⽅、地球の公転とは垂直⽅向に進む光の速さを地球から観測すると、地球から⾒た光の速
さはほぼ のまま
﹅ ﹅
c
ということは、公転⽅向と、その垂直⽅向の光速を地球上で測定して、その速さの差がVに
なることを観測することができればエーテルの存在を⽴証できる。
•これらの式は、地球上では公転の反対⽅向に速さVのエーテルの⾵が吹いている様に観測さ
れることを意味する。
•マイケルソンとモーレーは「光の⼲渉」を測定する実験を⾏った。
マイケルソン・モーレーの実験
光の⼲渉とは?
波の性質として、2つの波が同じ位相を持つ場合は強め合い、逆の位相を持つ場合は弱め合う。
マイケルソン・モーレーの実験
•ランプから出た光の内半分はハーフミラーを通
過して、 の経路を通過して鏡1に反射された
後、スクリーンに向かう。もう半分は の経路を
通過して鏡2に反射され、スクリーンに向かう。
L1
L2
•ただし、2つの経路の⻑さは同じ( )
L1 = L2
•エーテルが存在するなら、地球の公転⽅向とその
垂直⽅向で光の速度は異なるはず。
•ということは、スクリーンにやってくる光には時
間差があるはずなので、2つの光は位相差が⽣じて
⼲渉に変化が出るはず。
マイケルソン・モーレーの実験
•実際に2つの光路の時間差を求めてみる。
•2つの経路の⻑さは同じなので、
とする。
L1 = L2 = L
•ハーフミラーを通過して鏡1に向かう時、光の
進⾏⽅向とエーテルの⾵の向きが反対なので、光
の速さはc − V
•したがって、ハーフミラーを通過して、鏡1
に光が到達するのに要する時間 は
t1
t1 =
L
c − V
•⼀⽅、鏡1に反射してハーフミラーに戻る時、
光の速さは なので、帰りの時間 は
c + V t2
t2 =
L
c + V
マイケルソン・モーレーの実験
•実際に2つの光路の時間差を求めてみる。
•2つの経路の⻑さは同じなので、
とする。
L1 = L2 = L
•ハーフミラーを通過して鏡1に向かう時、光の
進⾏⽅向とエーテルの⾵の向きが反対なので、光
の速さはc − V
•したがって、ハーフミラーを通過して、鏡1
に光が到達するのに要する時間 は
t1
t1 =
L
c − V
•⼀⽅、鏡1に反射してハーフミラーに戻る時、
光の速さは なので、帰りの時間 は
c + V t2
t2 =
L
c + V
マイケルソン・モーレーの実験
•次に鏡2で反射する場合を考える。
•船が川を渡る時、船の実際の速度は「船
⾃⾝の速度」+「川の流れ」を合成した⾚
い⽮印で表される速度になる。
•今、光はエーテルの川を渡る様なものなので、光の速さ は、垂直⽅向の光の速さ とエーテル
の速度 を合成したものとなる。
c c⊥
V
マイケルソン・モーレーの実験
•次に鏡2で反射する場合を考える。
•船が川を渡る時、船の実際の速度は「船
⾃⾝の速度」+「川の流れ」を合成した⾚
い⽮印で表される速度になる。
•今、光はエーテルの川を渡る様なものなので、光の速さ は、垂直⽅向の光の速さ とエーテル
の速度 を合成したものとなる。
c c⊥
V
マイケルソン・モーレーの実験
•したがって、公転に垂直⽅向に距離Lを伝播
して鏡2に到達するのにかかる時間 は、
t3
t3 =
L
c⊥
=
L
c2 − V2
•鏡2に反射してハーフミラーに戻ってくる時間も同様に なので、鏡2に⾏って戻ってくる
までの合計時間は
t3
2t3
マイケルソン・モーレーの実験
分⺟と分⼦を で割ると、
c2
また、地球の公転速度は光速の1万分の1なの
で、 。このとき、
V/c ≪ 1
1 −
(
V
c )
2
∼ 1 −
1
2
V2
c2
1 −
(
V
c )
2
∼ 1
が成り⽴つ。
マイケルソン・モーレーの実験
2L
c
−
2L
c
1 − (
V
c )
2
1 − (
V
c )
2
≈
2L
c
−
2L
c (
1 −
1
2 (
V
c )
2
)
=
LV2
c3
すなわち、
Δt = t1 + t2 − t3 =
LV2
c3
Δθ =
LV2
c3
× c/λ =
LV2
λc2
∼ 0.2
この時間差を位相差に焼き直すと
すなわち、⼆つの光の時間差は位相差が0.2波⻑程度の⼲渉の変化(明暗の差)を⽣み出すはず!
マイケルソン・モーレーの実験
2L
c
−
2L
c
1 − (
V
c )
2
1 − (
V
c )
2
≈
2L
c
−
2L
c (
1 −
1
2 (
V
c )
2
)
=
LV2
c3
すなわち、
Δt = t1 + t2 − t3 =
LV2
c3
Δθ =
LV2
c3
× c/λ =
LV2
λc2
∼ 0.2
この時間差を位相差に焼き直すと
すなわち、⼆つの光の時間差は位相差が0.2波⻑程度の⼲渉の変化(明暗の差)を⽣み出すはず!
⽣み出さなかった!
ここで、もう⼀度マイケルソン・モーレーの実験が何だったかを振り返る。
Q:マイケルソン・モーレー実験は何をしたかったのか。
A:エーテルの存在の証明
Q:そのために何をした?
A:2つの光路の時間差を測定。エーテルが存在するなら時間差が⽣じるはず。
Q:その結果はどうだった?
A:時間差が⽣じなかった。
•この実験に際して、いくつかの仮定が存在する
1:光を伝えるエーテルという媒質が存在し、エーテルは太陽系に対して静⽌している。
2:エーテル中の光速が⼀定の値である
3:地球上での光速はエーテルに対するガリレイ変換で決まる
•これらの仮定のもとに⾏った実験で、光速の差が⾒つけられなかったということは、これらの仮
定のどれかが間違っていることを意味する。
•マイケルソン・モーレーの実験を受けて、いくつか仮説が提唱された。
(例)•地球の周りのエーテルは地球の動きに引きずられて地球と⼀緒に動く。
•エーテル中を動く物体は、運動⽅向の⻑さが僅かに短くなる(ローレンツ収縮)
•しかし、どの仮説も謎を残したままであった。
•ここまでが相対性理論登場前夜であり、マイケルソン・モーレーの実験
の謎を解く、新しい物理学の体系を作ったのがアインシュタイン。
本⽇のまとめ
• エーテルの存在を⽰すためにマイケルソン・モーレーの
実験が⾏われた
• しかし、エーテルが存在すれば⽣じるはずの⼲渉の変化
を観測することができず、⼤きな謎が⽣じた。
第2章 相対性理論の登場
相対性理論の礎となる2つの原理
1・どの慣性系でも物理法則は同じ形で表される(相対性原理)
アインシュタインは相対性理論を組み上げる上で2つの原理を導⼊した。
(物理学では、それ⾃体は他に依存しない原理を⼟台にして、論理を積み上げることで理論を
構築する。原理はそれ以上は分解できない物理的な関係。)
2・ある慣性系から⾒た時、光源が静⽌しているか動いているかによらず光速は⼀定で
ある(光速度不変の原理)
それぞれの原理について詳しく⾒ていくが、ここで重要なことは、アインシュタインは以下の
3つの仮定を置かなかったということ。
1・ガリレイ変換が成⽴する
2・異なる慣性系で時間の流れ⽅が同じ(絶対時間)
3・エーテルの存在
相対性理論の礎となる2つの原理
1・どの慣性系でも物理法則は同じ形で表される(相対性原理)
アインシュタインは相対性理論を組み上げる上で2つの原理を導⼊した。
(物理学では、それ⾃体は他に依存しない原理を⼟台にして、論理を積み上げることで理論を
構築する。原理はそれ以上は分解できない物理的な関係。)
2・ある慣性系から⾒た時、光源が静⽌しているか動いているかによらず光速は⼀定で
ある(光速度不変の原理)
それぞれの原理について詳しく⾒ていくが、ここで重要なことは、アインシュタインは以下の
3つの仮定を置かなかったということ。
1・ガリレイ変換が成⽴する
2・異なる慣性系で時間の流れ⽅が同じ(絶対時間)
3・エーテルの存在
•相対性原理について
1・どの慣性系でも物理法則は同じ形で表される(相対性原理)
F = ma
⾼校の物理学でニュートンの運動⽅程式は以下の形で書き表せる事を学んだ。
⼒ 質量
加速度
加速度とは速度変化のことで、速度の時間微分で表すことができる。また、速度は位置の時間
微分で書き表す事ができる。すなわち、加速度は位置の2階微分(微分を2回⾏う)で表せる
m
d2
x
dt2
= F
a =
dv
dt
=
d2
x
dt2
したがって、運動⽅程式を微分を使って表すと
https://rikeilabo.com/speed-and-acceleration
さて、ここでガリレイ変換を思い出そう。ガリレイ変換では2つの慣性系間の座標変換を表す。
•相対性原理について
m
d2
x0
dt2
= F
慣性系 での運動⽅程式は
K
慣性系 での運動⽅程式は
K′

m
d2
x′

0
dt2
= m
d2
dt2
(x0 − Vt) = m
d2
x0
dt2
= F
すなわち、
さて、ここでガリレイ変換を思い出そう。ガリレイ変換では2つの慣性系間の座標変換を表す。
•相対性原理について
m
d2
x0
dt2
= F
慣性系 での運動⽅程式は
K
慣性系 での運動⽅程式は
K′

m
d2
x′

0
dt2
= m
d2
dt2
(x0 − Vt) = m
d2
x0
dt2
= F
すなわち、
さて、ここでガリレイ変換を思い出そう。ガリレイ変換では2つの慣性系間の座標変換を表す。
•相対性原理について
m
d2
x0
dt2
= F
慣性系 での運動⽅程式は
K
慣性系 での運動⽅程式は
K′

m
d2
x′

0
dt2
= m
d2
dt2
(x0 − Vt) = m
d2
x0
dt2
= F
すなわち、
さて、ここでガリレイ変換を思い出そう。ガリレイ変換では2つの慣性系間の座標変換を表す。
•相対性原理について
m
d2
x0
dt2
= F
慣性系 での運動⽅程式は
K
慣性系 での運動⽅程式は
K′

m
d2
x′

0
dt2
= m
d2
dt2
(x0 − Vt) = m
d2
x0
dt2
= F
すなわち、
さて、ここでガリレイ変換を思い出そう。ガリレイ変換では2つの慣性系間の座標変換を表す。
•相対性原理について
m
d2
x0
dt2
= F
慣性系 での運動⽅程式は
K
慣性系 での運動⽅程式は
K′

m
d2
x′

0
dt2
= m
d2
dt2
(x0 − Vt) = m
d2
x0
dt2
= F
m
d2
x′

0
dt2
= F
すなわち、
さて、ここでガリレイ変換を思い出そう。ガリレイ変換では2つの慣性系間の座標変換を表す。
•相対性原理について
m
d2
x0
dt2
= F
慣性系 での運動⽅程式は
K
慣性系 での運動⽅程式は
K′

m
d2
x′

0
dt2
= m
d2
dt2
(x0 − Vt) = m
d2
x0
dt2
= F
m
d2
x′

0
dt2
= F
すなわち、
ニュートン⼒学ではガリレイ変換の下で運動⽅程式の
形は同じになる。これが(ガリレイの)相対性原理。
(注意!)電磁気学の⽅程式であるマクスウェル⽅程式の形はガリレイ変換を⾏うと変わる
ので、相対性原理は成り⽴たない。どの慣性系でも⼒学法則や電磁気学の法則の式の形が変
わらない、ガリレイ変換に変わる座標変換を⾒つけるのが相対性理論。
では、どうやってそういう変換を⾒つけるのか?そこで重要になるのが光速度不変の原理
次に、光速度不変の原理について⾒ていく。
•光速度不変の原理を仮定すると、マイケルソン・モーレーの実験を説明できる。
•マイケルソン・モーレーの実験では、経路1と経路2で光
の速さが変わるので、光路の時間差が⽣じて、⼲渉に変化
が現れるというものだった。
•しかし、光速度不変の原理を仮定すると、光の速度は
どの座標系でも⼀定なので、経路1と経路2の両⽅で
光の速さは同じ。したがって、光がスクリーンに戻っ
てくるまでの時間は経路1、経路2の両⽅で等しい
2L1
c
=
2L2
c
=
2L
c
したがって、マイケルソン・モーレーの実験では光路の時間差が⽣じないので、当然、光
の⼲渉にも変化が⽣じない!
光速度不変の原理でマイケルソン・モーレーの実験結果を説明できた。
ローレンツ変換
光速度不変の原理と相対性原理(+絶対時間を仮定しない)によって、ガリレイ変換に変わる
座標変換であるローレンツ変換が導⼊される。ローレンツ変換は相対性理論の最重要の関係。
•今、2つの慣性系KとKʼを考える。慣性系Kʼは慣性系Kに対して相対速度Vで等速直線運動を
している。
•ここで、時間 で両者の原点は⼀致し、この時、原点に置かれた光源から光が発射された
とする。
t = 0
ローレンツ変換
•発射された光は原点を中⼼とする球状に広がっていく。
•慣性系Kの時間 での光の波⾯の座標系 の原点からの距離は
t (x, y, z)
•光速を とすると、光は時間 の間に 進んでいるので、
c t ct
両辺を2乗して、左辺にまとめると
•慣性系Kʼでの光の波⾯の座標系を とすると、同様にして
(x′

, y′

, z′

)
(*)光速度不変の原理のより、
2つの座標系で光の速さは同じ
(*)絶対時間を仮定してないので、
2つの慣性系での時間の流れ⽅が等し
くない。
ローレンツ変換 •慣性系Kの原点から光の広がりを⾒ている⼈に
は、波⾯は実線の波⾯で広がって⾒える。
•慣性系Kʼの原点から光の広がりを⾒ている⼈に
は、波⾯は破線の波⾯で広がって⾒える。
•絶対時間を仮定しているガリレイ変換では、 で2つの慣性系間の変換が与えられた
が、絶対時間を使わず、光速度不変の原理を仮定した場合、2つの慣性系間での変換はどう与え
られるか?
x′

= x − Vt
(x, y, z, t) (x′

, y′

, z′

, t′

)
?
ただし、y座標、z座標はこの2つの慣性系間で差がないので、y′

= y, z′

= z
ローレンツ変換
(x, y, z, t) (x′

, y′

, z′

, t′

)
?
の関係を調べる。
(x, t), (x′

, t′

)
関数 と の具体的な形を決定したい。
f g
ただし、関数の形は1次式になる事が予想される。
の様な2次以上の項を含まない。
x2
, t2
次回、いよいよ具体的に変換式の形を求めていく。
(何故、座標変換が1次式でないといけないのか?)
慣性系Kから慣性系Kʼを⾒た場合と、慣性系Kʼか
ら慣性系Kを⾒た場合の違いは、速度Vで動いて
いるか、ーVで動いているかの違いのみ。(運動
の対称性)
慣性系Kから慣性系Kʼの変換が
で与えられるなら
その逆の変換も
で与えられるべき
ここで、関数 と関数 の次数は⼀致するのが⾃然だし、同様に関数 と関数 の次数も⼀致するだ
ろう。(アインシュタインは論⽂で「時間と空間の⼀様性」とのみ書いている)
f h g k
もし、 で与えられるとすると、 となって次数が合わない。したがって、変換
式は1次式なのが⾃然。
x′

= Ax2
x = x′

/A
本⽇のまとめ
• アインシュタインは理論を構築するにあたり、①相対性原
理、②光速度不変の原理のみを仮定。
• 上記条件の時、慣性系同⼠の座標変換はどうなるか?を求
める。
前回の復習
• アインシュタインは理論を構築するにあたり、①相対性原
理、②光速度不変の原理 のみを仮定。
• 上記条件の時、慣性系同⼠の座標変換はどうなるか?
• 1次式だろう (x, y, z, t) (x′

, y′

, z′

, t′

)
•慣性系Kʼは相対速度Vでx⽅向に進んでいるので、慣性系Kから慣性系Kʼの原点を⾒た時、
慣性系Kʼの原点の座標はx = Vt
•⼀⽅、慣性系Kʼから⾒た時、慣性系Kʼの原点は当然、x′

= 0
・・・①
・・・②
A,B,Q,Rを決定するのが本⽇の⽬標
上記条件を式①に代⼊すると、
これが任意の で成り⽴つためには、
t
•慣性系Kʼは相対速度Vでx⽅向に進んでいるので、慣性系Kから慣性系Kʼの原点を⾒た時、
慣性系Kʼの原点の座標はx = Vt
•⼀⽅、慣性系Kʼから⾒た時、慣性系Kʼの原点は当然、x′

= 0
・・・①
・・・②
A,B,Q,Rを決定するのが本⽇の⽬標
上記条件を式①に代⼊すると、
これが任意の で成り⽴つためには、
t
=0
•慣性系Kʼは相対速度Vでx⽅向に進んでいるので、慣性系Kから慣性系Kʼの原点を⾒た時、
慣性系Kʼの原点の座標はx = Vt
•⼀⽅、慣性系Kʼから⾒た時、慣性系Kʼの原点は当然、x′

= 0
・・・①
・・・②
A,B,Q,Rを決定するのが本⽇の⽬標
上記条件を式①に代⼊すると、
これが任意の で成り⽴つためには、
t
=0
B = − AV
•慣性系Kʼは相対速度Vでx⽅向に進んでいるので、慣性系Kから慣性系Kʼの原点を⾒た時、
慣性系Kʼの原点の座標はx = Vt
•⼀⽅、慣性系Kʼから⾒た時、慣性系Kʼの原点は当然、x′

= 0
・・・①
・・・②
A,B,Q,Rを決定するのが本⽇の⽬標
上記条件を式①に代⼊すると、
これが任意の で成り⽴つためには、
t
=0
B = − AV
その結果、①、②式は以下の形になる。
•慣性系Kʼは相対速度Vでx⽅向に進んでいるので、慣性系Kから慣性系Kʼの原点を⾒た時、
慣性系Kʼの原点の座標はx = Vt
•⼀⽅、慣性系Kʼから⾒た時、慣性系Kʼの原点は当然、x′

= 0
・・・①
・・・②
A,B,Q,Rを決定するのが本⽇の⽬標
上記条件を式①に代⼊すると、
これが任意の で成り⽴つためには、
t
=0
B = − AV
その結果、①、②式は以下の形になる。
・・・③
・・・④
・・・⑤
・・・⑥
③-⑥式を に代⼊すると、
0 = x′

2
+ y′

2
+ z′

2
− c2
t′

2
= A2
(x − Vt)2
+ y2
+ z2
− c2
(Qx + Rt)2
= A2
x2
− 2A2
Vxt + A2
V2
t2
+ y2
+z2
− c2
Q2
x2
− 2c2
QRxt − c2
R2
t2
= (A2
− c2
Q2
) x2
+ y2
+ z2
+(A2
V2
− c2
R2
) t2
− 2 (A2
V + c2
QR) xt
x2
+ y2
+ z2
− c2
t2
= 0
代⼊すると
0 = x′

2
+ y′

2
+ z′

2
− c2
t′

2
= A2
(x − Vt)2
+ y2
+ z2
− c2
(Qx + Rt)2
= A2
x2
− 2A2
Vxt + A2
V2
t2
+ y2
+z2
− c2
Q2
x2
− 2c2
QRxt − c2
R2
t2
= (A2
− c2
Q2
) x2
+ y2
+ z2
+(A2
V2
− c2
R2
) t2
− 2 (A2
V + c2
QR) xt
これが、任意の で成り⽴つ必要があるので、
x, t
未知数3つ(A,Q,R)に対して、式が3つの連
⽴⽅程式なので、この連⽴⽅程式は解ける!
(A,Q,Rを のみを使って表す)
c, V
0 = x′

2
+ y′

2
+ z′

2
− c2
t′

2
= A2
(x − Vt)2
+ y2
+ z2
− c2
(Qx + Rt)2
= A2
x2
− 2A2
Vxt + A2
V2
t2
+ y2
+z2
− c2
Q2
x2
− 2c2
QRxt − c2
R2
t2
= (A2
− c2
Q2
) x2
+ y2
+ z2
+(A2
V2
− c2
R2
) t2
− 2 (A2
V + c2
QR) xt
これが、任意の で成り⽴つ必要があるので、
x, t
=0 =0 =0
未知数3つ(A,Q,R)に対して、式が3つの連
⽴⽅程式なので、この連⽴⽅程式は解ける!
(A,Q,Rを のみを使って表す)
c, V
A = R =
1
1 −
V2
c2
B = −
V
1 −
V2
c2
Q = −
V
c2
1
1 −
V2
c2
•ガリレイ変換に変わる座標変換を得ることができた。この変換をローレンツ変換と呼ぶ。
ここまで何をやったのかを⼀⾔で表すと、「相対性原理と光速度不変の原理を仮定したと
き、慣性系同⼠の座標変換がローレンツ変換になることを⽰した」
•ニュートン⼒学で仮定された絶対時間は最早、成り⽴たない(時間も座標系に依存する)
ローレンツ変換を⾒やすく書き換える。
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 − V2
c2
=
1
1 − β2
という変数β、γを導⼊すると、ローレンツ変換は
x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
この式を眺めれば分かるが、相対速度が光速度に⽐べて⼗分⼩さい時、ローレンツ変換はガリレイ
変換に⼀致する。
また、逆に慣性系Kʼから⾒た時の慣性系Kへの座標変換は、相対速度がVがーVになるだけの
違いしか無いので、β→−βにすればよく、
x = γ (x′

+ cβt′

)
t = γ
(
t′

+
β
c
x′

)
(余談)
•ローレンツ変換は、アインシュタインではなく、ローレンツが最初に導出した。しかし、光速
度不変の原理を仮定してローレンツ変換を導出し、物理的な意味を与えたのがアインシュタイン
なので、相対性理論はローレンツではなく、アインシュタインの業績とされている。
•ところで、相対性原理はどこで使った?
•物理法則が任意の慣性系で同じ形式で表されるという相対性原理は、⾔い換えれば、慣
性系は皆同等であり、特別な慣性系が存在しないということを意味している。つまり、慣
性系同⼠は相対的であり、座標変換によって結び付けられる。座標変換ができるという部
分で、相対性原理が使われているのである。
•ローレンツ変換は光の波⾯を考えたときに成り⽴つ事を⽰したが、電場と磁場に対し
てもローレンツ変換を適⽤した。この話は電磁気学と相対論の部分で解説。
本⽇のまとめ
• 光速度不変の原理と相対性原理を仮定した時、ガリレイ
変換に変わるローレンツ変換が導かれる。
• 実際にローレンツ変換がどの様な形になるかを⽰した。
• ローレンツ変換は相対速度が光速度に⽐べて⼗分に⼩さ
い時に、ガリレイ変換に⼀致する。
x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 −
V2
c2
=
1
1 − β2
•特殊相対性原理と光速度不変の原理を仮定して、ガリレイ変換に替わる、異なる慣性系同⼠
をつなぐ変換であるローレンツ変換を導出した。
前回の復習
x′

= x − Vt
t′

= t
ガリレイ変換 ローレンツ変換
•ローレンツ変換は、光速度に⽐べて⼗分に⼩さい速度で運動する時はガリレイ変換に⼀致。
•ニュートン⼒学で仮定された絶対時間は最早成り⽴たず、時間も座標系に依存する。
意欲的な⽅向け課題
•ついに、特殊相対性理論の肝であるローレンツ変換まで導出した。これまでの講座で
学習してきた内容を踏まえて、特殊相対性理論がどの様な理論かを説明してみよう!
(ヒント)以下のキーワードを使うと良い。
ニュートン⼒学、ガリレイ変換、絶対時間、慣性系、座標変換、マイケルソン・モーレーの
実験、光速度不変の原理、(特殊)相対性原理、ローレンツ変換
添削希望者は、Peatixのメッセージで返信してください。数式を使って説明したい⼈は、
bukuro1029@gmail.comまで
第3章 ローレンツ変換が教える異様な時空間
時間の遅れ
•ローレンツ変換が私達の常識に変更を迫る最⼤のものは時間の流れ
•慣性系Kと、慣性系Kに対して相対速度Vで移動している慣性系Kʼでは時間の流れ⽅が異なる。
慣性系K
相対速度V
慣性系Kʼ
t0 = γ
(
t′

0 +
β
c
x′

)
t1 = γ
(
t′

1 +
β
c
x′

)
慣性系Kで時間が から まで経過した時、慣性系Kʼ
では から まで変化したとすると、ローレンツ逆
変換より
t0 t1
t′

0 t′

1
t = γ (t′

+
β
c
x′

)
ローレンツ逆変換
時間の遅れ
t0 = γ
(
t′

0 +
β
c
x′

)
t1 = γ
(
t′

1 +
β
c
x′

)
したがって、慣性系Kでの時間間隔は
t1 − t0 = γ
(
t′

1 +
β
c
x′

)
− γ
(
t′

0 +
β
c
x′

)
= γ (t′

1 − t′

0)
=
t′

1 − t′

0
1 − β2
慣性系間の相対速度が のとき、 なので、
V ≠ 0 1 − β2
< 1 t1 − t0 =
t′

1 − t′

0
1 − β2
> t′

1 − t′

0
すなわち、慣性系Kでの時間の⻑さは、慣性系Kʼの時間の⻑さは⻑くなる!
t1 − t0 =
t′

1 − t′

0
1 − β2
時間の遅れ
⾃分の座標系での時間経過
⾃分から⾒た時の相⼿の慣性系での時間経過
相⼿の相対速度を考慮した因⼦
(練習問題)⾃分の座標系で1000秒の時間が経過しました。この時、⾃分から⾒て光速度の
95%の相対速度で運動している相⼿の座標系ではどれだけの時間が経過しましたか?
t1 − t0 =
t′

1 − t′

0
1 − β2
時間の遅れ
⾃分の座標系での時間経過
⾃分から⾒た時の相⼿の慣性系での時間経過
相⼿の相対速度を考慮した因⼦
(練習問題)⾃分の座標系で1000秒の時間が経過しました。この時、⾃分から⾒て光速度の
95%の相対速度で運動している相⼿の座標系ではどれだけの時間が経過しましたか?
1000 =
t′

1 − t′

0
1 − 0.952
時間の遅れ
t1 − t0 =
t′

1 − t′

0
1 − β2
たとえば、慣性系Kʼが光速の50%で相対運動してい
るとき( )、 なので、
V = 0.5c β = V/c = 0.5
1 − β2
∼ 0.866
慣性系Kで1000秒が経過したとき、慣性系Kʼでは866秒が経過する
t1 − t0 =
t′

1 − t′

0
1 − β2
=
866
0.866
= 1000
すなわち、慣性系Kから、相対速度で遠ざかる慣性系Kʼの時計は1000−866=134秒遅れて⾒える。
「動いている慣性系の時間は遅れて⾒える」
時間の流れ⽅は宇宙のどこでも同じであるという観念が崩れた。
時間の遅れ
•ここで、少し考えるとパラドックスが⽣じる
•慣性系Kʼから慣性系Kを⾒ると、相対速度−Vで移動
している
•我々は絶対に静⽌した座標系を⾒つけることは
不可能であり、すべての運動はいずれかの座標系
を基準にして、その座標系での相対運動として観
測される。
t′

1 − t′

0 = γ
(
t1 −
β
c
x
)
− γ
(
t0 −
β
c
x
)
= γ (t1 − t0)
=
t1 − t0
1 − β2
•慣性系Kʼを基準にして、慣性系K系の時間間隔を同様
に求めると
時間の遅れ
•ここで、少し考えるとパラドックスが⽣じる
•慣性系Kʼから慣性系Kを⾒ると、相対速度−Vで移動
している
•我々は絶対に静⽌した座標系を⾒つけることは
不可能であり、すべての運動はいずれかの座標系
を基準にして、その座標系での相対運動として観
測される。
t′

1 − t′

0 = γ
(
t1 −
β
c
x
)
− γ
(
t0 −
β
c
x
)
= γ (t1 − t0)
=
t1 − t0
1 − β2
•慣性系Kʼを基準にして、慣性系K系の時間間隔を同様
に求めると
t1 − t0 = γ
(
t′

1 +
β
c
x′

)
− γ
(
t′

0 +
β
c
x′

)
= γ (t′

1 − t′

0)
=
t′

1 − t′

0
1 − β2
⽭盾!
時間の遅れ
•ここで、少し考えるとパラドックスが⽣じる
•慣性系Kʼから慣性系Kを⾒ると、相対速度−Vで移動
している
•我々は絶対に静⽌した座標系を⾒つけることは
不可能であり、すべての運動はいずれかの座標系
を基準にして、その座標系での相対運動として観
測される。
t′

1 − t′

0 = γ
(
t1 −
β
c
x
)
− γ
(
t0 −
β
c
x
)
= γ (t1 − t0)
=
t1 − t0
1 − β2
•慣性系Kʼを基準にして、慣性系K系の時間間隔を同様
に求めると
t1 − t0 = γ
(
t′

1 +
β
c
x′

)
− γ
(
t′

0 +
β
c
x′

)
= γ (t′

1 − t′

0)
=
t′

1 − t′

0
1 − β2
⽭盾!
お互いの時間が遅れて⾒える!
時間の遅れ
•双⼦のパラドックスの話
•光速に近い速度で、兄が宇宙に旅⽴っていった。
弟は地球に残っている。
•先程の話によると、お互いに、お互いの時間が遅
れて⾒える。
•しかし、兄が地球に戻って来る場合、どちらの
時計が遅れているのか?
•両者が再び出会うことが無い時、どちらが遅れ
ているか確かめることはできない。
これについては、次章で紹介するミンコフスキー空間と呼ばれる考え⽅が必要になる。
時間の遅れの実験的証拠
•宇宙線と呼ばれる、⾼速の粒⼦(陽⼦やα粒⼦)が地球⼤気(およそ地上から6km程度)に突
⼊すると、空気中の原⼦と衝突して、中間⼦やμ粒⼦を発⽣させる(2次宇宙線)。中間⼦は地
上に到達しないが、μ粒⼦は地上に到達する
•実験によると、μ粒⼦の寿命は (マイクロ秒: )
2.2μs 10−6
s
•μ粒⼦は光速の99%程度の速度なので、例えば、光速の99.5%の速度の場合、寿命の間に進
むことのできる距離は0.995c × 2.2μs = 0.657km
地表に到達する前に崩壊してしまうはずなのに、実際には地表には届いている!
•この謎を説明するのが、相対性理論による「動いている物体の時間の遅れ」
γ =
1
1 − β2
=
1
1 − 0.9952
= 10.0
t1 − t0 =
t′

1 − t′

0
1 − β2
μ粒⼦が光速度の99.5%で運動している時( )
β = V/c = 0.995
時間の遅れの実験的証拠
地球上の慣性系Kで 経過した時
2.2μs
地球上での時間(2.2μs)
地球から⾒た時のμ粒⼦の時間(0.22μs)
すなわち、地球から⾒たμ粒⼦の時間が2.2μsのとき、地上では22μs経過しているので、
0.995c × 22μs = 6.57km
となり、μ粒⼦は地表に到達することができる。
本⽇のまとめ
• ローレンツ変換を考えると、「⾃分に対して運動している
慣性系の時間は遅れる」という現象が⽣じる
• 時間の遅れは、μ粒⼦による観測によって実証されてい
る。
x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 −
V2
c2
=
1
1 − β2
•特殊相対性原理と光速度不変の原理を仮定して、ガリレイ変換に替わる、異なる慣性系同⼠
をつなぐ変換であるローレンツ変換を導出した。
これまでの復習
x′

= x − Vt
t′

= t
ガリレイ変換 ローレンツ変換
•ローレンツ変換は、光速度に⽐べて⼗分に⼩さい速度で運動する時はガリレイ変換に⼀致。
•ニュートン⼒学で仮定された絶対時間は最早成り⽴たず、時間も座標系に依存する。
•ローレンツ変換を導⼊すると、「動いている座標系の時間は遅れる」が導き出される
ローレンツ収縮
前回、ローレンツ変換の帰結として、「動いている慣性系の時間は遅れて⾒える」現象を
説明したが、時間の遅れの他に「動いている物体の⻑さが縮む」という現象も現れる。
•慣性系K(棒が動いて⾒える⼈)に対して、相対速
度Vで動いている慣性系Kʼ(棒にとって静⽌系)を考
える。
•慣性系Kから⾒ると、棒は静⽌しておらず、相対速
度Vで動いている。この棒をある時間 に慣性系Kで
測ったとき、棒の⻑さを とする。
t
l = x2(t) − x1(t)
•慣性系Kʼで測った時の棒の⻑さを と
する。これは棒本来の⻑さ。
l0 = x′

2 − x′

1
(ポイント)
慣性系Kʼで棒を⾒ると静⽌しているが、
慣性系Kから⾒ると、棒は相対速度Vで
x⽅向に動いている。
ローレンツ収縮
x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
ローレンツ変換
•さて、 と の間にはどういう関係が成り⽴つだろう?
l l0
•ローレンツ変換より、慣性系Kから⾒た慣性系Kʼの座標は x′

1 = γ {x1(t) − cβt}, x′

2 = γ {x2(t) − cβt}
l0 = x′

2 − x′

1 = γ {x2(t) − cβt} − γ {x1(t) − cβt}
= γ {x2(t) − x1(t)}
= γl
=
l
1 − β2
したがって、
ローレンツ収縮
x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
ローレンツ変換
l0 = x′

2 − x′

1 = γ {x2(t) − cβt} − γ {x1(t) − cβt}
= γ {x2(t) − x1(t)}
= γl
=
l
1 − β2
のとき、 なので、
V ≠ 0 1 − β2
< 1 l < l0
l = l0 1 − β2
棒本来の⻑さ
棒が運動して⾒える⼈に
とっての棒の⻑さ
すなわち、運動している物体は、物体固有の⻑さより縮んで⾒える(ローレンツ収縮)
速度の合成
ニュートン⼒学を知っている⼈「物体(アンコウ)が光速で動いており、その物体から発射された
光を⾒るので、光の速度は になる。」
2c
相対性理論を知っている⼈「〇〇○」
さて、相対性理論を知っている⼈は何と答えるのか?
疑問「光速で動いている物体が光を発射した時、静⽌している⼈から⾒ると光の速度はどうな
る?」
c
c
速度の合成
まずはニュートン⼒学の話から。
•時速40kmで進んでいる電⾞の中で、時速2kmで歩い
ている⼈を電⾞の外から⾒ると、時速何キロメートル
で動いて⾒える?
•答えは40km/h+2km/h=42km/h
速度の合成
まずはニュートン⼒学の話から。
•時速40kmで進んでいる電⾞の中で、時速2kmで歩い
ている⼈を電⾞の外から⾒ると、時速何キロメートル
で動いて⾒える?
•答えは40km/h+2km/h=42km/h
この話を⼀般化する。
速度の合成
まずはニュートン⼒学の話から。
•時速40kmで進んでいる電⾞の中で、時速2kmで歩い
ている⼈を電⾞の外から⾒ると、時速何キロメートル
で動いて⾒える?
•答えは40km/h+2km/h=42km/h
この話を⼀般化する。
地⾯(電⾞の外)( 系)から⾒た電⾞( 系)の速
度を 、電⾞から⾒た電⾞の中で歩く⼈( 系)の速
度を としたとき、 系から⾒た 系の速度は
K0 K1
V1 K2
V2 K0 K2
速度の合成
まずはニュートン⼒学の話から。
•時速40kmで進んでいる電⾞の中で、時速2kmで歩い
ている⼈を電⾞の外から⾒ると、時速何キロメートル
で動いて⾒える?
•答えは40km/h+2km/h=42km/h
この話を⼀般化する。
地⾯(電⾞の外)( 系)から⾒た電⾞( 系)の速
度を 、電⾞から⾒た電⾞の中で歩く⼈( 系)の速
度を としたとき、 系から⾒た 系の速度は
K0 K1
V1 K2
V2 K0 K2
V(1+2) = V1 + V2
速度の合成
まずはニュートン⼒学の話から。
•時速40kmで進んでいる電⾞の中で、時速2kmで歩い
ている⼈を電⾞の外から⾒ると、時速何キロメートル
で動いて⾒える?
•答えは40km/h+2km/h=42km/h
この話を⼀般化する。
地⾯(電⾞の外)( 系)から⾒た電⾞( 系)の速
度を 、電⾞から⾒た電⾞の中で歩く⼈( 系)の速
度を としたとき、 系から⾒た 系の速度は
K0 K1
V1 K2
V2 K0 K2
V(1+2) = V1 + V2
これを相対論的に考える。
速度の合成
慣性系 系と慣性系 系の間のローレンツ変換は
K0 K1
x1 = γ1 (x0 − cβ1t0)
t1 = γ1 (
t0 −
β1
c
x0)
β1 ≡
V1
c
同様に、慣性系 系と慣性系 系の間のローレンツ変換は
K1 K2
x2 = γ2 (x1 − cβ2t1)
t2 = γ2 (
t1 −
β2
c
x1)
β2 ≡
V2
c
ここから計算の時間。 を の式に代⼊。
x1, t1 x2
速度の合成 最終的に、
x2 =
1
1 −
(
1
c
V1 + V2
1 +
V1V2
c2 )
2
x0 −
V1 + V2
1 +
V1V2
c2
t0
を得る。
x2 = γ(1+2) (x0 − cβ(1+2)) = γ(1+2) (x0 − V(1+2)t0)
今、慣性系 系と慣性系 間のローレンツ
変換を考えたが、慣性系 系と慣性系 間
のローレンツ変換は合成速度 を⽤いて
表せるはず。
K1 K2
K0 K2
V(1+2)
⾚線同⼠、緑線同⼠を⽐較すると、
速度の合成
V(1+2) =
V1 + V2
1 +
V1V2
c2
γ(1+2) =
1
1 − β(1+2)
=
1
1 − V(1+2)/c
すなわち、相対論的な速度の合成法則は
V(1+2) =
V1 + V2
1 +
V1V2
c2
となる。
のとき、これはニュートン⼒学の場合の速度の合成法則( )に
⼀致する。
V1, V2 ≪ c V(1+2) = V1 + V2
速度の合成
逆に、 が光速に近づく場合はどうなるか?
V1, V2
「光速で動いている⼈が光を発射した時、静⽌している⼈から⾒ると光の速度はどうなる?」
V(1+2) =
V1 + V2
1 +
V1V2
c2
V1 = c, V2 = c V(1+2) =
c + c
1 +
c × c
c2
= c
なので にはならない!
2c
相対性理論では合成された速度は決して、光速を
超えない!
本⽇のまとめ
• 動いている物体の⻑さは縮んで⾒える(ローレンツ収縮)
• 相対性理論では速度の合成法則がニュートン⼒学とは異な
り、合成された速度は光速を超えない。
x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 −
V2
c2
=
1
1 − β2
•特殊相対性原理と光速度不変の原理を仮定して、ガリレイ変換に替わる、異なる慣性系同⼠
をつなぐ変換であるローレンツ変換を導出した。
これまでの復習
•ローレンツ変換は、光速度に⽐べて⼗分に⼩さい速度で運動する時はガリレイ変換に⼀致。
•ニュートン⼒学で仮定された絶対時間は最早成り⽴たず、時間も座標系に依存する。
•ローレンツ変換を導⼊すると、「動いている座標系の時間は遅れる」「動いている物体は縮ん
で⾒える」が導き出される
•相対論では速度合成がニュートン⼒学とは異なり、光の速度を超えることはない。
ドップラー効果
救急⾞が近づいてくるときと、遠ざかる時で警告⾳の⾼さが異なる。
•遠ざかる時に⾳が低くなる(周波
数が低くなる)
•近づく時に⾳が⾳が⾼くなる(周
波数が⾼くなる)
⾳(⾳波)の時にドップラー効果が⽣じるということは、同じ波である光の場合でも
ドップラー効果が⽣じる?
ドップラー効果
波は数学的に三⾓関数で表される。
•そもそも波とは?
z = sin(ωt − kx)
:⾓振動数。振動数 を⽤いて と表される。振動数は、1秒間に波が振動する回数。
ω ν ω = 2πν
:波数。単位⻑さに含まれる波の数。波数 を⽤いて で表される。
k λ k = 2π/λ
k =
2π
λ
=
2πν
c
=
ω
c
の関係が成り⽴つ。
をつかった。
λ =
c
ν
⇔ c = νλ
(例)1秒間に波が3回振動したとする。また、この時、波は
300m進んだとする。さて波⻑はどれだけか?
300m
z = sin(ωt − kx)
ドップラー効果
慣性系Kで⾒た波
慣性系Kʼ(慣性系Kに対して相対速度Vで運動)で⾒た時 z′

= sin (ω′

t′

− k′

x′

)
•例えば、慣性系Kで時間 で座標 で、波の⼭だとする
(位相が )
t0 x0
π
2
•この時、慣性系Kʼでも波の⼭なので、2つの座標系で位相
が同じ。
ωt0 − kx0 = ω′

t′

0 − k′

x′

0 =
π
2
•⼭に限らず、⾕や節、任意の点、任意の時刻で同じこと
が成り⽴つので、
ωt − kx = ω′

t′

− k′

x′

z = sin(ωt − kx)
ドップラー効果
慣性系Kで⾒た波
慣性系Kʼで⾒た時 z′

= sin (ω′

t′

− k′

x′

)
ωt − kx = ω′

t′

− k′

x′

k =
2π
λ
=
2πν
c
=
ω
c
を思い出すと、
ckt − kx = ck′

t′

− k′

x′

ωt − kx = ω′

t′

− k′

x′

ここまでは相対論関係ない話。さて、慣性系
Kʼから慣性系Kの光を⾒た時、この光の波はど
う⾒えるか?
成り⽴っている位相の関係
z = sin(ωt − kx)
ドップラー効果
慣性系Kで⾒た波
慣性系Kʼで⾒た時 z′

= sin (ω′

t′

− k′

x′

)
成り⽴っている関係
ckt − kx = ck′

t′

− k′

x′

x = γ (x′

+ cβt′

)
t = γ
(
t′

+
β
c
x′

)
慣性系Kʼから慣性系Kを⾒た時、ローレンツ逆変換で結び付
けられる。
ckt − kx = ckγ
(
t′

+
β
c
x′

)
− kγ (x′

+ cβt′

)
= γ(ck − ckβ)t′

+ γ(kβ − k)x′

= cγk(1 − β)t′

+ γk(β − 1)x′

= ck′

t′

− k′

x′

これらを位相の関係に代⼊すると
z = sin(ωt − kx)
ドップラー効果
慣性系Kで⾒た波
慣性系Kʼで⾒た時 z′

= sin (ω′

t′

− k′

x′

)
成り⽴っている関係
ckt − kx = ck′

t′

− k′

x′

x = γ (x′

+ cβt′

)
t = γ
(
t′

+
β
c
x′

)
慣性系Kʼから慣性系Kを⾒た時、ローレンツ逆変換で結び付
けられる。
ckt − kx = ckγ
(
t′

+
β
c
x′

)
− kγ (x′

+ cβt′

)
= γ(ck − ckβ)t′

+ γ(kβ − k)x′

= cγk(1 − β)t′

+ γk(β − 1)x′

= ck′

t′

− k′

x′

これらを位相の関係に代⼊すると
z = sin(ωt − kx)
ドップラー効果
慣性系Kで⾒た波
慣性系Kʼで⾒た時 z′

= sin (ω′

t′

− k′

x′

)
成り⽴っている関係
ckt − kx = ck′

t′

− k′

x′

x = γ (x′

+ cβt′

)
t = γ
(
t′

+
β
c
x′

)
慣性系Kʼから慣性系Kを⾒た時、ローレンツ逆変換で結び付
けられる。
ckt − kx = ckγ
(
t′

+
β
c
x′

)
− kγ (x′

+ cβt′

)
= γ(ck − ckβ)t′

+ γ(kβ − k)x′

= cγk(1 − β)t′

+ γk(β − 1)x′

= ck′

t′

− k′

x′

これらを位相の関係に代⼊すると
z = sin(ωt − kx)
ドップラー効果
慣性系Kで⾒た波
慣性系Kʼで⾒た時 z′

= sin (ω′

t′

− k′

x′

)
k′

= γk(1 − β) が成り⽴たねばいけない。
k =
2πν
c
, β ≡
V
c
なので、
2πν′

c
= γ
2πν
c (
1 −
V
c )
k′

= γk(1 − β)
ν′

= νγ
(
1 −
V
c )
= ν
1 −
V
c
1 − (
V
c )
2
最終的に振動数の変化を表す以下の形を得る。
z = sin(ωt − kx)
ドップラー効果
慣性系Kで⾒た波
慣性系Kʼで⾒た時 z′

= sin (ω′

t′

− k′

x′

)
ν′

= νγ
(
1 −
V
c )
= ν
1 −
V
c
1 − (
V
c )
2
光のドップラー効果
例えば、地球上で⾒た光の周波数 は、秒速300kmで移
動する座標系では周波数はどう⾒えるか?
ν
ν
300km/s
ドップラー効果
ν′

= νγ
(
1 −
V
c )
= ν
1 −
V
c
1 − (
V
c )
2
光のドップラー効果
ν
300km/s
V
c
=
300
300000
=
1
1000
なので、
ν′

= ν
1 − 0.001
1 − 0.0012
≈ ν
0.999
1
= 0.999ν ロケットの⼈から⾒ると、地球の光の周波数は
0.1%減る。
300km/s
ν
では、逆に、秒速300kmで近づく⼈には?
ν′

= 1.001ν
⾚⽅偏移と⻘⽅偏移
フラウンホーファーは太陽光を分光すると、ところどころ暗線が⾒られることを発⾒。
•これらの暗線は、太陽に存在する元素の吸収によって⽣じる吸収線。
•量⼦⼒学によると、エネルギーを放出あるいは吸収すること
で電⼦の状態が変化する。この時に光を放射したり、吸収し
たりする。
⾚⽅偏移と⻘⽅偏移
•スライファーは、渦巻銀河からの光を分光してフラウンホーファー線を観測した。すると、太陽
場合の波⻑と⽐べてずれていることを発⾒。波⻑が伸びる(⻑波⻑側にずれる)場合を⾚⽅偏移、
波⻑が縮む(短波⻑側にずれる)場合を⻘⽅偏移という。
•つまり、光のドップラー効果を⽤いることで、波⻑のズレから銀河の運動速度を⾒積もること
ができる。
•アンドロメダ銀河は秒速300kmで地球に近づいている事が
わかった。
•フラウンホーファー線のE線(波⻑526.956nm)の⻘⽅偏移を計算
⾚⽅偏移と⻘⽅偏移
λ′

=
c
ν′

=
c
1.001ν
=
526.956 nm
1.001
= 526.430 nm
波⻑が0.5nm程短くなっており、短波⻑側にずれる。
•光のドップラー効果を⽤いて、銀河の速度を調べた結果、「ほとんどの銀河は地球から遠ざかっ
ていて、その遠ざかる速度は距離に⽐例する」を発⾒したのがハッブルで、これをハッブルの法則
という。
v = Hr
•これは宇宙膨張を意味しており、現代宇宙論の幕開け
となる発⾒だった。
本⽇のまとめ
• 光もドップラー効果を受け、周波数や波⻑が変化する
• 光のドップラー効果を利⽤して、原⼦からの輝線のズレを調べること
で、銀河の運動状態を調べることができる。
• ハッブルの法則の発⾒、そして現代宇宙論の幕開け。
第4章 ミンコフスキー空間
x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 −
V2
c2
=
1
1 − β2
•特殊相対性原理と光速度不変の原理を仮定して、ガリレイ変換に替わる、異なる慣性系同⼠
をつなぐ変換であるローレンツ変換を導出した。
これまでの復習
•ローレンツ変換は、光速度に⽐べて⼗分に⼩さい速度で運動する時はガリレイ変換に⼀致。
•ニュートン⼒学で仮定された絶対時間は最早成り⽴たず、時間も座標系に依存する。
•ローレンツ変換を導⼊すると、「動いている座標系の時間は遅れる」「動いている物体は縮ん
で⾒える」が導き出される
•相対論では速度合成がニュートン⼒学とは異なり、光の速度を超えることはない。
•光もドップラー効果を受け、運動している光の周波数や波⻑は変化する
時間と空間の新概念
「普通」の座標系では・・・
x座標
y座標
•x座標もy座標も「空間」を表している。
•絶対時間を考えているので、座標系とは独⽴に
時間が流れている。
時間t
しかし、特殊相対性理論では、最早、時間は絶対的なものではなく、座標系によって異なるもの
ということがローレンツ変換によって導かれた。
x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 − V2
c2
=
1
1 − β2
ということで、3次元の空間と1次元の時間を⼀体化した4次元時空で相対論を考える必要がある。
時間と空間の新概念
この4次元時空のことをミンコフスキー空間や、ミンコフスキー時空と呼ぶ。
•ミンコフスキーは1864年⽣まれで、アインシュタインより15歳年⻑。
•アインシュタインは⼤学で、関数論や解析⼒学などをミンコフスキー
から学んでいた。
「これから皆さんに提⽰する空間と時間の概念は実験物理学の⼟壌から芽吹いたもので、そこ
に強さがあります。この考え⽅は⾰新的なもので、空間のみとか時間のみという考え⽅は、影
のように消え去る運命にあります。時間と空間の統⼀のみが独⽴した現実として⽣き残ること
でしょう。」
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
•しかし、空間は3次元、時間は1次元なので、合わせて4次元。
これを紙⾯で2次元の図に表すのは困難。さらに2つの慣性系だ
と、その2倍で座標軸が8つ必要。これはもう困難。
•これまで同様、x軸⽅向の相対速度を考える場合は、y軸、z軸は共通なので省略することができ
る。したがって、4次元座標を2次元座標に落とすことができる。
•これまでは2つの慣性系を分離して描いていた。→
•これからは2つの慣性系を1つの図で表すことにする。
(1つの慣性系の場合)
空間軸(x軸)
時
間
軸
ct
軸
•時間軸は時間tを直接取るのではなく、⻑さの次元
にするため、光速をかけたものを取る。
•ミンコフスキー図では、横軸に空間軸、縦軸に時間
軸を取る。
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
x軸:このx軸の上のどこでも時間t = 0
時間軸:この時間軸の上のどこでもx = 0
次にこの図にx⽅向に進む光の軌跡を描く。光は時間 で原点 から出る。時間 だけ
経過すると、光の位置は 。これはつまり、傾き45度の1次関数( )
t = 0 x = 0 t
x = ct Y = X
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
x軸:このx軸の上のどこでも時間t = 0
時間軸:この時間軸の上のどこでもx = 0
次にこの図にx⽅向に進む光の軌跡を描く。光は時間 で原点 から出る。時間 だけ
経過すると、光の位置は 。これはつまり、傾き45度の1次関数( )
t = 0 x = 0 t
x = ct Y = X
光の軌跡( )
x = ct
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
x軸:このx軸の上のどこでも時間t = 0
時間軸:この時間軸の上のどこでもx = 0
次にこの図にx⽅向に進む光の軌跡を描く。光は時間 で原点 から出る。時間 だけ
経過すると、光の位置は 。これはつまり、傾き45度の1次関数( )
t = 0 x = 0 t
x = ct Y = X
光の軌跡( )
x = ct 次に、光の20%の速度でx⽅向に等速直線運動
している宇宙線粒⼦の軌跡を考える。
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
x軸:このx軸の上のどこでも時間t = 0
時間軸:この時間軸の上のどこでもx = 0
次にこの図にx⽅向に進む光の軌跡を描く。光は時間 で原点 から出る。時間 だけ
経過すると、光の位置は 。これはつまり、傾き45度の1次関数( )
t = 0 x = 0 t
x = ct Y = X
光の軌跡( )
x = ct 次に、光の20%の速度でx⽅向に等速直線運動
している宇宙線粒⼦の軌跡を考える。
速度が になるだけなので、 、
あるいは
0.2c x = 0.2ct
ct = 5x
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
x軸:このx軸の上のどこでも時間t = 0
時間軸:この時間軸の上のどこでもx = 0
次にこの図にx⽅向に進む光の軌跡を描く。光は時間 で原点 から出る。時間 だけ
経過すると、光の位置は 。これはつまり、傾き45度の1次関数( )
t = 0 x = 0 t
x = ct Y = X
光の軌跡( )
x = ct 次に、光の20%の速度でx⽅向に等速直線運動
している宇宙線粒⼦の軌跡を考える。
速度が になるだけなので、 、
あるいは
0.2c x = 0.2ct
ct = 5x
光の20%
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
•光の20%でx⽅向に等速直線運動している宇宙線を
慣性系Kʼとする。
•さきほど 、あるいは と簡単に求
めたが、これをローレンツ変換を使って難しく求め
る。
x = 0.2ct ct = 5x
慣性系Kʼ( 軸)
ct′

慣性系Kʼにとっては宇宙線粒⼦は静⽌しているので、任意の時間 で
t′

x′

= 0
x = γ (x′

+ cβt′

)
t = γ
(
t′

+
β
c
x′

)
ローレンツ逆変換に を代⼊すると
x′

= 0
x = γβct′

t = γt′

両辺から を消すと、
t′

ct =
x
β
光速の20%の時、β=0.2なので、ct = 5x
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
•光の20%でx⽅向に等速直線運動し
ている宇宙線を慣性系Kʼとする。
慣性系Kʼ( 軸)
ct′

x軸:このx軸の上のどこでも時間t = 0
時間軸:この時間軸の上のどこでもx = 0
慣性系Kʼの 軸上のどこでも だ!
x′

t′

= 0
次は慣性系Kʼの 軸を求めたい。
x′

x = γ (x′

+ cβt′

)
t = γ
(
t′

+
β
c
x′

)
ローレンツ逆変換に を代⼊すると
t′

= 0
x = γx′

t =
γβ
c
x′

を消去すると
x′

ct = βx
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
•光の20%でx⽅向に等速直線運動し
ている宇宙線を慣性系Kʼとする。
慣性系Kʼ( 軸)
ct′

x軸:このx軸の上のどこでも時間t = 0
時間軸:この時間軸の上のどこでもx = 0
慣性系Kʼの 軸上のどこでも だ!
x′

t′

= 0
次は慣性系Kʼの 軸を求めたい。
x′

x = γ (x′

+ cβt′

)
t = γ
(
t′

+
β
c
x′

)
ローレンツ逆変換に を代⼊すると
t′

= 0
x = γx′

t =
γβ
c
x′

を消去すると
x′

ct = βx
慣性系Kʼ( 軸)
x′

ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
•光の20%でx⽅向に等速直線運動し
ている宇宙線を慣性系Kʼとする。
慣性系Kʼ( 軸)
ct′

ct = βx
慣性系Kʼの 軸は
x′

慣性系Kʼ( 軸)
x′

のときは、
β = V/c = 0.2 ct = 0.2x
•ミンコフスキー図(4次元時空図)を⽤いること
で、2つの慣性系を2次元座標系で表現することが
できた。
x
x′

ct
ct′

光の軌跡( )
x = ct
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
•原点以外でx軸上の時間tとxʼ軸上の時間tʼは最早異なる。
•時間の同時性は慣性系Kと慣性系Kʼでは異なる。
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
•原点以外でx軸上の時間tとxʼ軸上の時間tʼは最早異なる。
•時間の同時性は慣性系Kと慣性系Kʼでは異なる。
•慣性系Kではx軸に平⾏な線が同時刻。
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
•原点以外でx軸上の時間tとxʼ軸上の時間tʼは最早異なる。
•時間の同時性は慣性系Kと慣性系Kʼでは異なる。
•慣性系Kではx軸に平⾏な線が同時刻。
•慣性系Kʼではxʼ軸に平⾏な線が同時刻。
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
•2つの事象は慣性系Kでは同時刻に起きた様に⾒える。
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
•2つの事象は慣性系Kでは同時刻に起きた様に⾒える。
•しかし、慣性系Kʼではこの2つの事象は同時には起きていない。
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
•慣性系Kʼでの任意の時刻 を慣性系Kでの
時刻 と結びつける。緑の点線はtを⽤いて
どう表せる?
t0
t
ct′

= ct0
x = γ (x′

+ cβt0) ∴ x′

=
x
γ
− cβt0
t = γ
(
t0 +
β
c
x′

)
の時、ローレンツ逆変換より
t′

= t0
これらの式から を消去すると
x′

t = γ
(
t0 +
β
c
x′

)
= γ
[
t0 +
β
c (
x
γ
− cβt0)]
= γ
(
t0 +
β
c
x
γ
− β2
t0)
= γ (1 − β2
) t0 +
β
c
x
= 1 − β2
t0 +
β
c
x
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
•慣性系Kʼでの任意の時刻 を慣性系Kでの
時刻 と結びつける。緑の点線はtを⽤いて
どう表せる?
t0
t
ct′

= ct0
t = γ
(
t0 +
β
c
x′

)
= γ
[
t0 +
β
c (
x
γ
− cβt0)]
= γ
(
t0 +
β
c
x
γ
− β2
t0)
= γ (1 − β2
) t0 +
β
c
x
= 1 − β2
t0 +
β
c
x
ct = βx + 1 − β2
ct0
両辺にcをかける
慣性系Kʼでの時刻が のとき、慣性系Kで
の時刻 と、この式で結び付けられる。
t0
t
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
•慣性系Kʼでの任意の時刻 を慣性系Kでの
時刻 と結びつける。緑の点線はtを⽤いて
どう表せる?
t0
t
ct′

= ct0
t = γ
(
t0 +
β
c
x′

)
= γ
[
t0 +
β
c (
x
γ
− cβt0)]
= γ
(
t0 +
β
c
x
γ
− β2
t0)
= γ (1 − β2
) t0 +
β
c
x
= 1 − β2
t0 +
β
c
x
ct = βx + 1 − β2
ct0
両辺にcをかける
慣性系Kʼでの時刻が のとき、慣性系Kで
の時刻 と、この式で結び付けられる。
t0
t
ミンコフスキー図(ミンコフスキーダイアグラム)
•慣性系Kʼでの任意の時刻 を慣性系Kでの
時刻 と結びつける。緑の点線はtを⽤いて
どう表せる?
t0
t
ct′

= ct0
t = γ
(
t0 +
β
c
x′

)
= γ
[
t0 +
β
c (
x
γ
− cβt0)]
= γ
(
t0 +
β
c
x
γ
− β2
t0)
= γ (1 − β2
) t0 +
β
c
x
= 1 − β2
t0 +
β
c
x
ct = βx + 1 − β2
ct0
両辺にcをかける
慣性系Kʼでの時刻が のとき、慣性系Kで
の時刻 と、この式で結び付けられる。
t0
t
本⽇のまとめ
• 3次元空間+時間のまとめて4次元時空図(ミンコフス
キー図、ミンコフスキー空間)で表す
• 相対性理論では「同時性」の概念は崩れる。ある座標系で
は同時でも、別の座標系では同時ではない。
x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 −
V2
c2
=
1
1 − β2
•相対性理論では異なる慣性系はローレンツ変換で結ばれる。
これまでの復習
•相対性理論では、3次元空間+時間を⼀つにした四次元時空(ミンコフスキー図、ミンコフスキー
空間)で考える。
•異なる座標系間での同時刻の概念が変
わる。
物理学において「不変量」というのは⼤事。
ローレンツ変換で変わらないものとは?
慣性系K 慣性系Kʼ
相対速度V
•たとえば、ガリレイ変換の下では「棒の⻑さ」は変わらない(不変量)
(実際に、ガリレイ変換をやってみて、棒の⻑さが不変量であることを確かめてください)
•しかし、ローレンツ変換の下では、「動いている物体は縮んで⾒える」というのを既に⾒た。
Q:ローレンツ変換の下で変わらない不変量はあるのか?
ローレンツ変換で変わらないものとは?
光の波⾯を表す式は、慣性系K,慣性系Kʼそれぞれで
x2
+ y2
+ z2
− c2
t2
= 0
x′

2
+ y′

2
+ z′

2
− c2
t′

2
= 0
ローレンツ変換
(2.1)
(2.2)
x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 − V2
c2
=
1
1 − β2
(2.2)にローレンツ変換の式を代⼊してみる。
x′

2
+ y′

2
+ z′

2
− c2
t′

2
= x2
+ y2
+ z2
− c2
t2
以下の関係が得られる。
すなわち、2つの慣性系間のローレンツ変換で変化しない不変量である。
(2.1)式と(2.2)式では右辺が0だったが、右辺が任意の値でも同様な計算をすると、
x2
+ y2
+ z2
− (ct)2
= L2
x′

2
+ y′

2
+ z′

2
− (ct′

)2
= L2
が成り⽴つ。
つまり、ローレンツ変換によって は変化しない。すなわち、座標系に
依らない不変量である。⾔ってみれば、4次元時空における「⻑さ」
L2
= x2
+ y2
+ z2
− c2
t2
例えば、L=30万kmなど。
x2
+ y2
+ z2
− (ct)2
= L2
x′

2
+ y′

2
+ z′

2
− (ct′

)2
= L2
が表すもの
簡単のため、 とすると、
y′

= y = 0,z′

= z = 0
x2
− (ct)2
= L2
x′

2
− (ct′

)2
= L2
(数学の話)
で表される曲線を双曲線と呼ぶ
x2
a2
−
y2
b2
= 1
x2
− (ct)2
= L2 x2
L2
−
(ct)2
L2
= 1
4次元的⻑さLを与える式は、ミンコフスキー時空で双曲線になると予想される。
x2
− (ct)2
= L2
x′

2
− (ct′

)2
= L2
図4−2の双曲線は、
の両⽅を満たす双曲線となっている。
また、双曲線と 軸の交点は、慣性系Kʼで原点からの4次
元距離がLとなる時空上の点を表している。
x′

相対速度V(あるいは )がいろいろな値の場合での 軸もグラフ上に⽰した。
β x′

l = l0 1 − β2
棒本来の⻑さ
棒が運動して⾒える⼈に
とっての棒の⻑さ
ローレンツ収縮をミンコフスキー図で⾒る。
運動している物体の⻑さは短く⾒える
•慣性系Kʼで⻑さ30万kmの棒が 軸に静⽌して横たわっている場合を考える。( 万km)
x′

l′

= 30
•慣性系Kʼの慣性系Kに対する相対速度は光の半分( )
β = 0.5
これをミンコフスキー図で描いていく。
l = (30万km) × 1 − 0.52
∼ 24.9万km
ローレンツ収縮をミンコフスキー図で⾒る。
•慣性系Kのミンコフスキー図は
ローレンツ収縮をミンコフスキー図で⾒る。
•慣性系Kのミンコフスキー図は
ct
x
ローレンツ収縮をミンコフスキー図で⾒る。
•慣性系Kのミンコフスキー図は
ct
x
•慣性系Kʼは光の50%の速度( )で
運動しているので、ミンコフスキー図では
β = 0.5
ローレンツ収縮をミンコフスキー図で⾒る。
•慣性系Kのミンコフスキー図は
ct
x
•慣性系Kʼは光の50%の速度( )で
運動しているので、ミンコフスキー図では
β = 0.5
x′

ct′

ローレンツ収縮をミンコフスキー図で⾒る。
•慣性系Kのミンコフスキー図は
ct
x
•慣性系Kʼは光の50%の速度( )で
運動しているので、ミンコフスキー図では
β = 0.5
x′

ct′

•慣性系Kʼに⻑さ30万kmの棒が 軸に静⽌
して横たわっている
x′

ローレンツ収縮をミンコフスキー図で⾒る。
•慣性系Kのミンコフスキー図は
ct
x
•慣性系Kʼは光の50%の速度( )で
運動しているので、ミンコフスキー図では
β = 0.5
x′

ct′

•慣性系Kʼに⻑さ30万kmの棒が 軸に静⽌
して横たわっている
x′

•棒の左端と右端の時間が経過した時の軌跡は
ローレンツ収縮をミンコフスキー図で⾒る。
•慣性系Kのミンコフスキー図は
ct
x
•慣性系Kʼは光の50%の速度( )で
運動しているので、ミンコフスキー図では
β = 0.5
x′

ct′

•慣性系Kʼに⻑さ30万kmの棒が 軸に静⽌
して横たわっている
x′

•棒の左端と右端の時間が経過した時の軌跡は
ローレンツ収縮をミンコフスキー図で⾒る。
•慣性系Kのミンコフスキー図は
ct
x
•慣性系Kʼは光の50%の速度( )で
運動しているので、ミンコフスキー図では
β = 0.5
x′

ct′

•慣性系Kʼに⻑さ30万kmの棒が 軸に静⽌
して横たわっている
x′

棒の左端の軌跡 棒の右端の軌跡
•棒の左端と右端の時間が経過した時の軌跡は
ローレンツ収縮をミンコフスキー図で⾒る。
•慣性系Kのミンコフスキー図は
ct
x
•慣性系Kʼは光の50%の速度( )で
運動しているので、ミンコフスキー図では
β = 0.5
x′

ct′

•慣性系Kʼに⻑さ30万kmの棒が 軸に静⽌
して横たわっている
x′

棒の左端の軌跡 棒の右端の軌跡
•棒の左端と右端の時間が経過した時の軌跡は
•⼀⽅、慣性系Kで測ったときの棒の⻑さは
ローレンツ収縮をミンコフスキー図で⾒る。
•慣性系Kのミンコフスキー図は
ct
x
•慣性系Kʼは光の50%の速度( )で
運動しているので、ミンコフスキー図では
β = 0.5
x′

ct′

•慣性系Kʼに⻑さ30万kmの棒が 軸に静⽌
して横たわっている
x′

棒の左端の軌跡 棒の右端の軌跡
•棒の左端と右端の時間が経過した時の軌跡は
•⼀⽅、慣性系Kで測ったときの棒の⻑さは
ローレンツ収縮をミンコフスキー図で⾒る。
•慣性系Kのミンコフスキー図は
ct
x
•慣性系Kʼは光の50%の速度( )で
運動しているので、ミンコフスキー図では
β = 0.5
x′

ct′

•慣性系Kʼに⻑さ30万kmの棒が 軸に静⽌
して横たわっている
x′

棒の左端の軌跡 棒の右端の軌跡
•棒の左端と右端の時間が経過した時の軌跡は
•⼀⽅、慣性系Kで測ったときの棒の⻑さは
明らかに、慣性系Kで測った棒の⻑さは、慣性系Kʼで測った⻑さより短くなっている。
本⽇のまとめ
• はローレンツ変換によって変わ
らない不変量である。
• ミンコフスキー図を使って、ローレンツ収縮を理解でき
る。
L2
= x2
+ y2
+ z2
− c2
t2
x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 −
V2
c2
=
1
1 − β2
•相対性理論では異なる慣性系はローレンツ変換で結ばれる。
これまでの復習
•相対性理論では、3次元空間+時間を⼀つにした四次元時空(ミンコフスキー図、ミンコフスキー
空間)で考える。
L2
= x2
+ y2
+ z2
− c2
t2
•4次元時空での不変量
ローレンツ変換が変えないもの
•前回、ローレンツ変換に対して は共変的であることを⾒た。
この様に、座標変換によって値が変わらない量のことをスカラー量という。
L2
= x2
+ y2
+ z2
− c2
t2
•例えば、2次元空間や3次元空間では距離がスカラー量である。
2点間の距離
x
y
(x1, y1)
(x2, y2)
l2
= (x1 − x2)2
+ (y1 − y2)2
ct
•ミンコフスキー時空上での2点間の4次元的な距離を世界距離
という。
(Δs)2
≡ (x1 − x2)
2
+ (y1 − y2)
2
+ (z1 − z2)
2
− c2
(t1 − t2)
2
(Δs)2
≡ (x1 − x2)
2
+ (y1 − y2)
2
+ (z1 − z2)
2
− c2
(t1 − t2)
2
ローレンツ変換が変えないもの
本当にローレンツ変換によって不変なのか確かめてみる。
(Δs)2
≡ (x1 − x2)
2
+ (y1 − y2)
2
+ (z1 − z2)
2
− c2
(t1 − t2)
2
= x1
2
− 2x1x2 + x2
2
+ y1
2
− 2y1y2 + y2
2
+z1
2
− 2z1z2 + z2
2
− c2
(t1
2
− 2t1t2 + t2
2
)
= x1
2
+ y1
2
+ z1
2
− c2
t1
2
+x2
2
+ y2
2
+ z2
2
− c2
t2
2
−2x1x2 − 2y1y2 − 2z1z2 + 2c2
t1t2
⾚線部分はローレンツ変換に対して不変であることは既に⾒たので、⻘線部分がローレンツ変換
に対して共変的であることを証明すれば良い。
(Δs)2
≡ (x1 − x2)
2
+ (y1 − y2)
2
+ (z1 − z2)
2
− c2
(t1 − t2)
2
ローレンツ変換が変えないもの
がローレンツ変換に対して不変であることを⽰せた。
Δx = x1 − x2, Δy = y1 − y2, Δz = z1 − z2, Δt = t1 − t2
ただの書き⽅の問題だが、
とすると、
世界距離は
(Δs)2
≡ (Δx)2
+ (Δy)2
+ (Δz)2
− (cΔt)2
と表される。さらに差分(Δ)を無限⼩表⽰(d)すると、 ds2
≡ dx2
+ dy2
+ dz2
− c2
dt2
ローレンツ変換で は不変である。
ds2
≡ dx2
+ dy2
+ dz2
− c2
dt2
本⽇のまとめ
• ミンコフスキー時空図を⽤いて、時間の遅れを⾒た。
• ローレンツ変換に対して、 は不変で
ある。
ds2
≡ dx2
+ dy2
+ dz2
− c2
dt2
x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 −
V2
c2
=
1
1 − β2
•相対性理論では異なる慣性系はローレンツ変換で結ばれる。
これまでの復習
•相対性理論では、3次元空間+時間を⼀つにした四次元時空(ミンコフスキー図、ミンコフスキー
空間)で考える。
•4次元時空での不変量
ds2
≡ dx2
+ dy2
+ dz2
− c2
dt2
ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

= x − Vt
これまで、平⾏移動については何度も⾒てきた。
y′

= y
z′

= z
x
y
x′

y′

θ
(x0, y0, z0)
(x′

0, y′

0, z′

0) 座標軸を回転させると、回転後の座標系での座標の値
は、回転前の座標系での値を⽤いて以下の通り表せ
る。
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
z′

0 = z0
ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
z′

0 = z0
•空間的な座標回転において成り⽴つ重要な関係として、「回転前後の座標系で、原点からの距
離は変化しない」
x2
0 + y2
0 + z2
0 = x′

2
0 + y′

2
0 + z′

2
0
•この「距離が変わらない」というのはローレンツ変換で「世界距離 が
変化しない」と類似性がある。
L2
= x2
+ y2
+ z2
− c2
t2
•虚数 ( )を⽤いると、世界距離は となる。
i i2
= − 1 L2
= x2
+ y2
+ z2
+ (ict)2
ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
z′

0 = z0
x′

= γ(x − cβt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
虚数 を⽤いてローレンツ変換を書き直すと、
i
x′

= γ(x − cβt)
= xγ + (ict)(iβγ)
t′

= −
βγ
c
x + γt
∴ ict′

= − x(iβγ) + (ict)γ
ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
x′

= xγ + (ict)(iβγ)
ict′

= − x(iβγ) + (ict)γ
座標回転
ローレンツ変換
座標回転とローレンツ変換の式を⾒⽐べてみると、以下の対応関係がある。
x0, x′

0 ↔ x, x′

y0, y0′

↔ ict, ict′

cos θ ↔ γ sin θ ↔ iβγ
つまり、「ローレンツ変換は4次元時空(ミンコフスキー空間)での座標回転として表せる
のではないか?」
ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
x′

= xγ + (ict)(iβγ)
ict′

= − x(iβγ) + (ict)γ
座標回転
ローレンツ変換
x0, x′

0 ↔ x, x′

y0, y0′

↔ ict, ict′

cos θ ↔ γ sin θ ↔ iβγ
三⾓関数では、 が成り⽴つが、
が成り⽴つ。
cos2
θ + sin2
θ = 1
γ2
+ (iβγ)2
= γ2
− (βγ)2
= γ2
− β2
γ2
= γ2
(1 − β2
) = 1
すなわち、γ2
− (βγ)2
= 1
ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
x′

= xγ + (ict)(iβγ)
ict′

= − x(iβγ) + (ict)γ
座標回転
ローレンツ変換
γ2
− (βγ)2
= 1
cosh ϕ ≡
eϕ
+ e−ϕ
2
, sinh ϕ ≡
eϕ
− e−ϕ
2
突然だけど、以下で定義されるハイパーボリック関数を導⼊する。
cosh2
ϕ − sinh2
ϕ =
(
eϕ
+ e−ϕ
2 )
2
−
(
eϕ
− e−ϕ
2 )
2
=
1
4
(e2ϕ
+ 2eϕ
e−ϕ
+ e−2ϕ
)
−
1
4
(e2ϕ
− 2eϕ
e−ϕ
+ e−2ϕ
)
= 1
coshϕ = γ
sinhϕ = βγ
γ2
− (βγ)2
= 1
ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
x′

= xγ + (ict)(iβγ)
ict′

= − x(iβγ) + (ict)γ
座標回転
ローレンツ変換
γ2
− (βγ)2
= 1
coshϕ = γ
sinhϕ = βγ
x′

= xcoshϕ + (ict)(isinhϕ)
ict′

= − x(isinhϕ) + (ict)coshϕ
ハイパーボリック関数を⽤いて、ローレンツ変換を書き直すと、
ローレンツ変換の形がさらに座標回転の式に似てきた。
ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
座標回転
ローレンツ変換
γ2
− (βγ)2
= 1
coshϕ = γ
sinhϕ = βγ
x′

= xcoshϕ + (ict)(isinhϕ)
ict′

= − x(isinhϕ) + (ict)coshϕ
さらに、ハイパーボリック関数と三⾓関数の間には以下の関係が成り⽴つ。
coshϕ = cos(iϕ)
sinhϕ = − isin(iϕ)
x′

= xcos(iϕ) + (ict)sin(iϕ)
ict′

= − xsin(iϕ) + (ict)cos(iϕ)
これをローレンツ変換の式に代⼊すると、
(計算ノート参照)
ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
座標回転
ローレンツ変換
x′

= xcos(iϕ) + (ict)sin(iϕ)
ict′

= − xsin(iϕ) + (ict)cos(iϕ)
x0, x′

0 ↔ x, x′

y0, y0′

↔ ict, ict′

θ ↔ iϕ
すなわち、座標回転とローレンツ変換は以下の様な対応関係がある。
ローレンツ変換とは、4次元時空(ミンコフスキー空間)で虚数の⾓度 だけ座標回転させる事
と⾒なすことができる。
iϕ
4次元時空での座標回転としてのローレンツ変換
と の関係
ϕ β
coshϕ = γ
sinhϕ = βγ
より
sinh ϕ
cosh ϕ
=
−isin(iϕ)
cos(iϕ)
= − itan(iϕ) = β
したがって、
tan(iϕ) = iβ
(
= i
V
c )
本⽇のまとめ
• ローレンツ変換は4次元時空での虚数の⾓度の座標回転に
対応する。
x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 −
V2
c2
=
1
1 − β2
•相対性理論では異なる慣性系はローレンツ変換で結ばれる。
これまでの復習
•相対性理論では、3次元空間+時間を⼀つにした四次元時空(ミンコフスキー図、ミンコフスキー
空間)で考える。
•4次元時空での不変量
ds2
≡ dx2
+ dy2
+ dz2
− c2
dt2
•ローレンツ変換は4次元時空での虚数⾓の
座標回転に相当する。
c
c
速度の合成を座標回転で求める
疑問「光速で動いている物体が光を発射した時、静⽌している⼈から⾒ると光の速度はどうな
る?」
V(1+2) =
V1 + V2
1 +
V1V2
c2
ローレンツ変換を2回⾏うことで、速度の合成則を得
た(第6回講座)。
速度の合成を座標回転で求める
•ローレンツ変換は4次元時空では虚数⾓の回転に対応
している。
tan(iϕ) = iβ
(
= i
V
c )
•ローレンツ変換を2回⾏うということは、4次元時空
で2回転するということでは?
tan (iϕ1) = iβ1
tan (iϕ2) = iβ2
tan {i (ϕ1 + ϕ2)} =
tan (iϕ1) + tan (iϕ2)
1 − tan (iϕ1) tan (iϕ2)
ただし、それぞれの回転で合成する速度を とすると、
β1 = V1/c, β2 = V2/c
速度の合成を座標回転で求める
tan {i (ϕ1 + ϕ2)} =
tan (iϕ1) + tan (iϕ2)
1 − tan (iϕ1) tan (iϕ2)
= i
β1 + β2
1 + β1β2
= i
1
c
V1 + V2
1 +
V1 V2
c2
tan (iϕ1) = iβ1
tan (iϕ2) = iβ2
tan {i (ϕ1 + ϕ2)} = iβ(1+2) = i
V(1+2)
c
と⽐較すると、 V(1+2) =
V1 + V2
1 +
V1V2
c2
つまり、速度の合成則は4次元時空での回転を⽤いると簡単に得ることができる。
(発展的内容)ローレンツ変換を⾏列で表す
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
座標の回転は⾏列を使って表すこともできる。
同様にローレンツ変換も⾏列を使って表せる。
x′

= xγ − βγct
ct′

= − xβγ + ctγ
Y軸やZ軸も含めた4次元の場合でのローレンツ変換を⾏列で表すと、
(発展的内容)ローレンツ変換を⾏列で表す
また、ローレンツ逆変換の場合は、βを−βに置き換えれば良いので、
光円錐
•ミンコフスキー時空上で「時間t=0のときにx軸の原点x=0を通ってx軸上を光速cで運動する
粒⼦」は傾き1(45度)の直線で表された。
x
ct
•では、光速の50%では?
• あるいは、 なので、傾
き2の直線となる。
x = 0.5ct ct = 2x
•さて、相対性理論では光速よりも速い速度で運動する物体は存在しないので、すべての物
体の世界線は傾きが1よりも⼤きい直線で表される(傾き1よりも⼩さい直線は許されな
い)。
x
ct OK
ダメ
光円錐
•ミンコフスキー時空上で「時間t=0のときにx軸の原点x=0を通ってx軸上を光速cで運動する
粒⼦」は傾き1(45度)の直線で表された。
x
ct
•では、光速の50%では?
• あるいは、 なので、傾
き2の直線となる。
x = 0.5ct ct = 2x
•さて、相対性理論では光速よりも速い速度で運動する物体は存在しないので、すべての物
体の世界線は傾きが1よりも⼤きい直線で表される(傾き1よりも⼩さい直線は許されな
い)。
x
ct OK
ダメ
光円錐
•光速より遅い領域の事を時間的領域と呼ぶ。
特に、原点より下側を過去圏と呼び、原点より
上側を未来圏と呼ぶ。
•原点による観測者から⾒ると、未来圏に存在する
点は、必ず観測者より未来に存在し、過去圏に存
在する点は、観測者より過去に存在する。
•時間的領域以外の範囲を、空間的領域と呼ぶ。
•原点に静⽌している観測者から⾒れば、点Aの物体はt=0に空間的に離れた場所に存在する点
である。
﹅ ﹅ ﹅
光円錐
•また、点Bは慣性系Kに存在する⼈から⾒たら、
未来の出来事だが、観測者が慣性系Kʼの場合だ
と、 での空間的に離れた場所での現象にな
る。
﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅
t′

= 0
•⾔い換えると、空間的領域とは、「ローレンツ
変換によって原点と同じ時間にできる範囲」のこ
とである。
•まとめると、「空間的領域は、原点と同時間に起きる事ができる領域のことで、時間的領域
は、原点にとって、未来あるいは過去に起きる領域」
光円錐
•ここまでの話は、x軸⽅向の運動のみを考えたが、xy平⾯での⼆次元運動に拡張した場合、
世界線は光円錐(ライトコーン)で表される。(xyz空間の3次元運動は2次元の紙の上では
表せない・・・)
本⽇のまとめ
• 速度の合成則はローレンツ変換が、ミンコフスキー時空での虚数
⾓の回転であることを利⽤しても導出できる。
• ミンコフスキー時空は原点の観測者にとって、時間的領域、空間
的領域に分けることができ、この様⼦を描いた図を光円錐(ライ
トコーン)という。
第5章 相対論的⼒学の構築
ニュートン⼒学からの改⾰
•これまで⾒たようにローレンツ変換の下では時間と空間の概念は⼤きく変わった。
•ガリレオやニュートンが切り開いたニュートン⼒学も、相対性理論の下で改⾰する必要が
あるだろう。
•ということで、ニュートン⼒学を相対性理論的に書き直していく。
•ニュートン⼒学(+相対論的⼒学)について詳しく知りたい⽅は「ファインマン物理学」が
オススメ。⼤学の物理学科に⼊った学⽣の多くが⼀度は最初に名前を聞くくらい名著。英語
版は無料で読める(https://www.feynmanlectures.caltech.edu/I_toc.html)
ニュートン⼒学からの改⾰
•ニュートンの運動三法則
1・すべての物体は、外部から⼒を加えられない限り、「静⽌している物体は静⽌状態を続け、
運動している物体は等速直線運動を続ける」(慣性の法則)
﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅
2・物体に⼒が働く時、物体には⼒と同じ向きの加速度が⽣じ、その加速度の⼤きさは⼒の⼤
きさに⽐例し、物体の質量に反⽐例する。(ニュートンの運動⽅程式)
F = ma
⼒ 加速度
質量
3・物体Aから物体Bに⼒を加えると、物体Aは物体Bから⼤きさが同じ逆向きの⼒を同⼀作⽤線
上で働き返す(作⽤・反作⽤の法則)
ニュートン⼒学からの改⾰
•ニュートン⼒学と共に⽣まれたのが、微分積分学
(https://note.com/artemis35/n/n07910ee82824)
•微分とは「微⼩変化」を計算する⽅法で、グラフの微分は、「ある点でのグラフの傾き(接線)
を求める」
•「変位」の時間変化のグラフの場合だ
と、ある点での傾き(微分)は、その場
所での速度になる。
•「速度」の時間変化のグラフの場合だ
とだと、ある点での傾き(微分)は、そ
の場所での加速度になる。
a =
dv
dt
=
d2
x
dt2
ニュートン⼒学からの改⾰
F = ma
運動⽅程式を微分を使って書き直す。
加速度とは速度変化のことで、速度の時間微分で表すことができる。また、速度は位置の時間
微分で書き表す事ができる。すなわち、加速度は位置の2階微分(微分を2回⾏う)で表せる
したがって、運動⽅程式の加速度の部分を微分を使って表すと
ニュートン⼒学からの改⾰
m
dv
dt
= F
•あるいは、位置の2階微分ではなく、速度の1階微分を使っても運動⽅程式を書き表せる。
m
d2
x
dt2
= F
等価
何故、速度の微分を使って運動⽅程式を書き表したかと⾔うと、 を「運動量」と呼
び、運動量を⽤いると、運動⽅程式は
p = mv
dp
dt
= F
とも書けるからである。「運動量の時間変化は⼒に等しい」
*「運動量」は重い物体ほど⼤きく、また、速度が⼤きいほど⼤きい。ざっくり⾔うと、
「早く動く⼒⼠に⾼速で衝突されたらやばい。」
さて、ここでガリレイ変換を思い出そう。ガリレイ変換では2つの慣性系間の座標変換を表す。
•相対性原理について
m
d2
x0
dt2
= F
慣性系 での運動⽅程式は
K
慣性系 での運動⽅程式は
K′

m
d2
x′

0
dt2
= m
d2
dt2
(x0 − Vt) = m
d2
x0
dt2
= F
すなわち、
さて、ここでガリレイ変換を思い出そう。ガリレイ変換では2つの慣性系間の座標変換を表す。
•相対性原理について
m
d2
x0
dt2
= F
慣性系 での運動⽅程式は
K
慣性系 での運動⽅程式は
K′

m
d2
x′

0
dt2
= m
d2
dt2
(x0 − Vt) = m
d2
x0
dt2
= F
すなわち、
さて、ここでガリレイ変換を思い出そう。ガリレイ変換では2つの慣性系間の座標変換を表す。
•相対性原理について
m
d2
x0
dt2
= F
慣性系 での運動⽅程式は
K
慣性系 での運動⽅程式は
K′

m
d2
x′

0
dt2
= m
d2
dt2
(x0 − Vt) = m
d2
x0
dt2
= F
すなわち、
さて、ここでガリレイ変換を思い出そう。ガリレイ変換では2つの慣性系間の座標変換を表す。
•相対性原理について
m
d2
x0
dt2
= F
慣性系 での運動⽅程式は
K
慣性系 での運動⽅程式は
K′

m
d2
x′

0
dt2
= m
d2
dt2
(x0 − Vt) = m
d2
x0
dt2
= F
すなわち、
さて、ここでガリレイ変換を思い出そう。ガリレイ変換では2つの慣性系間の座標変換を表す。
•相対性原理について
m
d2
x0
dt2
= F
慣性系 での運動⽅程式は
K
慣性系 での運動⽅程式は
K′

m
d2
x′

0
dt2
= m
d2
dt2
(x0 − Vt) = m
d2
x0
dt2
= F
m
d2
x′

0
dt2
= F
すなわち、
さて、ここでガリレイ変換を思い出そう。ガリレイ変換では2つの慣性系間の座標変換を表す。
•相対性原理について
m
d2
x0
dt2
= F
慣性系 での運動⽅程式は
K
慣性系 での運動⽅程式は
K′

m
d2
x′

0
dt2
= m
d2
dt2
(x0 − Vt) = m
d2
x0
dt2
= F
m
d2
x′

0
dt2
= F
すなわち、
ニュートン⼒学ではガリレイ変換の下で運動⽅程式の
形は同じになる。すなわち、「ニュートンの運動⽅程
式はガリレイ変換に対して共変的である。」
m
d2
x
dt2
= F
万有引⼒の場合
ニュートンの運動⽅程式で、万有引⼒の場合を考えると、質量mの物体に対する運動⽅程式は
With F = G
Mm
r2
質量m
質量M
距離r
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