2. GDC 2013 AUDIO REPORT
ゲームオーディオ トピック
2013/5/24
バンダイナムコスタジオ サウンド部 中西哲一

3. 本日の内容
 GDC Audio 関連全体像の紹介
 Audio Bootcamp
 その他、気になったトピックを紹介します
 情報量重視で行きます。とても駆け足です・・・
 シンプルにまとめていますが相当な意訳です。
 資料を公開するので後から深堀してください。
 これをきっかけに皆でディスカッションしてね。

4. GDC2013

5. Audio 2013
 オーディオセッション数
 34セッション
 チュートリアル（Audio Bootcamp）は1日のみ
 並行2セッションのため1人ではカバーできない
 参加人数(Audio Session)
 400人程度?
（日本人 10人くらい）

6. 職種比率(Audio)
 サウンドデザイナ 40%
 コンポーザー 30%
 オーディオプログラマ 20%
 その他 10%
毎年だいたい
このバランス

7. 会場の雰囲気
 こんな会場が、こんな感じに埋まります。

8. GDC2013 AUDIO BOOTCAMP
GDC 2013 AUDIO REPORT
ゲームオーディオの現状

9. AUDIO BOOT CAMP
1日まるごとオーディオ開発の基礎講座

10. 10:00から開始して・・・

11. 18:00まで・・・

12. 失敗する方法・・・そして作曲家として勝つには
 Composer向けの作曲に対する心構え いろいろ

13. 言いたいことは・・・
「人のまねしたってしょうがないよ」

14. これらワードを意識して
 ほんの少しのSURPRISEも忘れずにね

16. 作曲家たるもの愚か者であれ

17. ありきたりはやめなさい

18. 音楽で自分を埋め尽くせ！

19. ありがたいお言葉たち
 常に自分を磨いておけ
 テクノロジーを把握して活用しろ
 こだわりを持ち、いつも新しいものを取り入れる
チャレンジ精神が大事
 人まねではなくリードしろ ・・・など

20.  break

21. 動的に変化するサウンドの要素とは

22. 映画はいいよね、好き勝手できて
Unlimited!!

23. ゲームは制約だらけです・・・

24. ゲームエンジンの基礎知識
 フレームという時間単位で各要素を制御してるよ

25. ゲームエンジンの基礎知識
 マルチスレッド
 1つ処理で長時間占有してはいけないよ
 GPU処理とCPU処理
 オーディオ処理はわりとCPUを使えるかもね

26. ゲームエンジンの基礎知識
 各種ランタイムリソースは共有財産なので、
話し合ってバランスよく折り合いをつけてね

27. ゲーム開発の基礎知識

28. 開発予算に絡む話
 コンテンツを創ることはともかく、
生産性を向上させることも大切な仕事だよ

29. 爆発系の鳴らし方の常とう手段

30. 距離の変化の表現方法

31. 路面タイプの鳴らしわけ

32. 環境音の表現

33. 遮蔽効果

34. プレイヤーが生み出す様々な音

35. チームごとの鳴らしわけ

36. 視点ごとの鳴らしわけ

37. ミキシング状態の変更
 被弾時の耳鳴りとか

38. ゲーム状況による変化

39. プラットフォームごとの違い

40. 再生数による変更要素

41. ゲームオーディオは常に挑戦なのです

42.  break

43. Bring me problems, not solutions!
 Brizzardのテクニカルサウンドディレクターが語る開
発における職種間コラボレーションの秘訣
 解決方法ではなく、問題を持ってきてよ！
 コラボレーションが良い結果を生む
 テクニカルサウンドデザイナーは
どう動いたらうまくいく？

44. 解決方法ではなく・・・
それがどんな問題なのかを教えてほしい！

45. What:何が求められているのか考える
 相談をそのまま受け取らず、
本当の問題を見極めよう。

46. Why:それがなぜ必要かを説明する
 それがあると本当にゲームはよくなる？
 それはプレイヤーのためになっている？
 本当に効率があがる？
 関係者にどんなメリットがある？

47. How:どうやって実現するか決める
 現実的な解決方法を見つけよう
 開発コスト、処理速度、柔軟性、実装など考慮
 希望通りの設計でなくても、改善の手助けになる
場合もある

48. 本質の見極めが重要
 「体力低下時に専用のミックスを呼んで」と
いう相談は・・・
 →どんな状況においても適したミックスにしたい
 「マップにある音源すべて半径を微調整でき
るようにして」という相談・・・
 マップごとに最適な環境音をつけたい

49. コミュニケーション手段を最適化しよう
 何を達成したり要求したいのか整理する
 相談相手のコミュニケーション方法に合わせる

50.  break

51. 待ち時間に何をしておく？
 フィールドレコーディングにおける
準備やレコーディングのノウハウ

53. はじめるにあたり
 ブレスト する
 何が重要か確認する
 詳しく調べる
 wikipedia 、詳しいひとに聞く
 計画する
 録音するか、シンセするか
 人、機材、期間、場所
 安全性と契約を確認
 最終的な予算を詰める

54. 実際の収録例

55. 収録計画
 Close,Mid,Far 距離違いも同時録音
 チャンスは何度もない
 近距離はリスク高い
 入力レベルを変えて
たくさんのマイクで収録

56. 機材不足のないようにきちんと確認
ケーブルの数や長さ、端子にも不備がないように

57. 役割分担もきちんとしておけ
 段取り良くスピーディーに設置できるように
 安全面の配慮も忘れずに

64. 機動性を考えた機材セット

65.  break

66. AAAタイトルの音楽プロデュース
 計画から実装まで
 インタラクティブミュージックの組み立て方

67. 目標と課題を明確にしよう

68. 音楽の方向性：
どんなスタイルでどう世界を表現するか？

69. プロジェクト計画をたてる

70. レコーディング計画をたてる

71. どこでやるか

72. ワークフローの構築

74. オーディオツールやミドルウェアの選定

75. Adaptive Scoring （インタラクティブミュージック）の基礎
 Vertical:重ね合わせによる変化
 Horizontal:分岐による変化

76. 組み合わせによる表現とループ設計
 様々な推移が成立するような設計

77. 部品構成

78. どう変化させるかの構成フロー

79. より具体的なデザイン

80. より具体的なデザイン

81. DAWでシミュレーションしてみる

83.  break

84. EXCELはサウンドデザイナーの秘密兵器だぜ

85. 膨大なデータを整える

86. 色分けで管理する

87. CONCATENATEで連結する

88. 特定セルの指定には「$」を付けて
 セルG3のままではコピペでずれる
 セル$G$3とすれば、コピペで定数がずれない

89. 検索・置換にもワイルドカードが使える

90. 便利な関数がたくさんある

91. マトリクス表が得意

92. マクロやVB Scriptが使える

93.  break

94. ラウドネスとその測定方法

95. ラウドネスの規格
 いろいろ規格があるけど、ITU-R BS.1770を基
本に考えるよ

96. SCEEがラウドネス（聴感音量）基準を提案
 ゲームラウドネスの標準規格（ASWG-R001）

97. SCEEが提唱するラウドネス基準とは？
ITU-R BS.1770-3準拠
インタラクティブなゲームにも適用するため、
計測方法の指標を出した。
「据え置き機」と「携帯ゲーム機」は異なる基準にした。

98. 測定方法
様々なシーンを含む30分以上のゲームプレイ

99. ついに本格的な標準化の動きを見せ
るラウドネス（聴感音量基準）
 Loudness パネルディスカッションでは、
ついに他社がSCE基準に賛同。
 EA Sports, Activision, Microsoft …など
 ASWG-R001 が一気にWW標準へ!?
 今のところ準拠推奨。TCR化は検討中とか。

100.  break

101. 運営型ゲームのオーディオ開発ラインの組み立て方

102. 様々な運営型サービスゲームがある

103. ラインごとにプロジェクト担当制にする
と回らなくなるときがあった
 それぞれ細かく素早く対応しないといけない
 細かい単位になるほどロスが増え柔軟的な対応が難しい

104. そこで、全ラインをこなす
THE AUDIO PROJECT という１つの形にした
 アジャイルの導入

105. 複数ラインをうまく回せるようになった
1week スプリント（計画・実行・振り返り）
状況の視覚化、書面化

106.  break

107. Hitman:Absolution

108. 人ごみがすごい！

112. MaxMSPのようなUIでサウンド制御を設定

116. 見事な群衆サウンドの表現
 Hitman

118. Crowd AIと連携
 最大で1200人の群衆たち

119. 群衆音の基本構成
近接するものはオブジェクト単体で表現
群衆の数に応じた群衆音の切り替え

120. ４つの状態推移
通常 → パニック（さらに細分化）

121. パニック状態をさらに細分化
 警戒 → パニック → おびえ

122. 異なる状況の混ぜ具合を調整

127.  break

128. G.A.N.G.(Game Audio Network Guild)
インタラクティブオーディオ発展のための非営利団体
世界最大ゲームオーディオ コミュニティ
毎年GDCでアワードを開催している

132. 2012 GANG AWARDS
BEST ORIGINAL SOUNDTRACK ALBUM
Journey
BEST INTERACTIVE SCORE
Journey
BEST HANDHELD AUDIO
Uncharted: Golden Abyss
BEST CINEMATIC/CUT-SCENE AUDIO
Halo 4
BEST DIALOGUE
The Walking Dead/Far Cry 3 (TIE)
BEST ORIGINAL INSTRUMENTAL
Apotheosis - Journey
BEST ORIGINAL VOCAL SONG - CHORAL
Main Theme - Assassin's Creed: Liberation
BEST ORIGINAL VOCAL SONG - POP
I Was Born For This – Journey
BEST GAME AUDIO ARTICLE, PUBLICATION OR BROADCAST
All In The Mix - The Importance Of Real-Time Mixing In Video Games Garry Taylor
BEST USE OF LICENSED MUSIC
LittleBigPlanet Karting
BEST AUDIO MIX
Far Cry 3
BEST AUDIO IN A CASUAL/INDIE/SOCIAL GAME
Unfinished Swan
ROOKIE OF THE YEAR
Joel Corelitz/Jessica Curry (tie)
G.A.N.G. RECOGNITION AWARD
Chance Thomas
LIFETIME ACHIEVEMENT AWARD
Clint Bajakian
DISTINGUISHED SERVICE AWARD
Alexander Davis
Student/Apprentice Award Music
Anastasia Devana
Student/Apprentice Award Sound Design
Logan Byers
AUDIO OF THE YEAR
Diablo III
MUSIC OF THE YEAR
Journey
SOUND DESIGN OF THE YEAR
Halo 4

133. その他、注目セッション
 オーディオコールバックで、
音とアニメーションを同期させる

134. 映像タイミングのズレより
音タイミングのズレの方が気になる！

135. 映像タイミングより粒度の細かい
オーディオ割り込みで処理しよう

137. 口パクの動きに合わせて音楽を鳴らすのではなく、
音楽に合わせて口パクさせる

138. モバイル向けインディゲームでもAAA品質を
 モバイルゲームのオーディオもここまでやる

139. タブレットにおけるサウンドも気合い入れてます
 低予算、短期間ながらも、家庭用と同様の
演出をめざして工夫している
 Unity標準ではサウンド機能が弱いので、
独自に拡張している
 発音グループ管理
 各グループの音量調整

141.  Unityでノイズループとフィルタを使い、動的
な火炎放射サウンド

142.  音楽にもインタラクティブ要素足している

143.  適切なネーミングルールでデータ管理しやすく

144.  Max/MSPを利用し、コーディング前に
表現方法を追求することで実装ロスを減らす

146. 一番開発数の多いのはスマフォ・タブレット

147. アプリはAppleが断然多い

148. スマフォ・タブレットで一番多くの時間を使われているアプリはゲーム

149. プレイヤー層は全然違うよ

152. SSX3: リアルタイムFXとの連動

153. FRACTにおけるリアルタイムシンセ

154. Unity と PureDataの組み合わせ
ただしPureDataで組んだものは手動でC++へ移植

166. とにかく全部使って録音しておけ

167. いろんなポジションも押さえておけ

168. こんな装備作って放置しておく

188. おわり！