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IIJmio meeting 8 続、MVNOとSIMフリー端末の問題について (iOS編)

techlog (Internet Initiative Japan Inc.)
25 Jul 2015
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IIJmio meeting 8 続、MVNOとSIMフリー端末の問題について (iOS編)

  1. 1 株式会社インターネットイニシアティブ 大内 宗徳 IIJmio mtg #8 続、MVNOとSIMフリー端末について(iOS編)
  2. 2 はじめに • 前回のIIJmio meeting 7ではAndroid 5.xで発生してい た問題を制御信号の視点で解析し、その結果や接続 問題の回避方法を紹介しました。 • 前回に引き続き、今回は日本で一番売れているス マートフォンであり、また、SIMフリー端末としても多く のユーザに利用されているiPhoneに焦点を当て、 MVNO SIMでiPhoneを利用した場合に観測されている 問題について調査したのでその内容を紹介します。
  3. 3 0. 結論
  4. 4 結論 • MVNO SIMでiPhone/iPadを利用する場合、下記の2 点に注意すること 1. 必ず、音声 or SMS SIMを利用する • データSIMは利用しないこと! • 音声/SMSを利用しない場合でも、最低限 SMS SIMの利用することを推奨 2. Cellular Payload版のAPN構成プロファイルを利用 • 現在、IIJではテスト版を公開中 http://techlog.iij.ad.jp/archives/1574 • なぜこの結論に至るのかは以降で詳細を説明
  5. 5 1. 接続問題の背景について IIJmio mtg #7 MVNOと SIMフリー端末についての復習 を兼ねて
  6. 6 技適とMNOの相互接続テスト(IOT)について - 1 • 技適マークのある’’SIMフリー端末’’は、モバイルキャ リアのネットワークに合法的に接続可能 • 技適は下記の2つの制度を意味 (引用) 総務省 電波利用ホームページ|無線機器基準認証制度について良くある質問(FAQ) http://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/equ/tech/faq/index.htm 1. 技術基準適合証明制度について (送信電波関連の制度) 詳細は IIJmio meeting #2 の資料に -> http://techlog.iij.ad.jp/archives/879 2. 技術基準適合認定制度について (電話、データ通信の制度) ⇒ 端末機器を電気通信事業者の電気通信回線設備に接続するためには、当該事業者の接続検査を 受けることが必要となっていますが、その端末機器を使用する者の利便の向上に資する等の観点から、 総務省令で定める端末機器について、登録認定機関が総務省令で定める技術基準に適合していること を認定する制度(技術基準適合認定制度)を特例として設けています。 この認定を受けた端末機器は、それを接続する場合に当該事業者による接続検 査が不要となる措置がとられており、その端末機器を使用する者の利便の向上 等に役立っています。 => SIMフリー端末はこの制度で利用可能になっているが。。。
  7. 7 技適とMNOの相互接続テスト(IOT)について – 2 • モバイルキャリアは接続テスト(IOT)の実施を推奨 • 相互接続ガイドブック | 企業情報 | NTTドコモ https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/disclosure/interconnection/guide/ -> 第2章 相互接続開始までの手順 -> 他事業者様が自ら移動無線装置を調達し接続される場合に必要となる事項、を抜粋 当社では、接続約款の中で混信等防止の規定を定めており、混信等が他事業者様が 自ら調達された移動無線装置に起因する場合は、発信停止等の対応を行うことになり ます。このような事態を未然に防ぐため、移動無線装置に係る確認試験により、事前 に当社ネットワークと正常な接続確認を行うことをおすすめします。 • IOTは非常に重要 • 接続時にやりとりされるパラメータや接続手順で、MNO側の設備との 接続に問題ないか確認しないと、接続が不安定になる要因に • 最初に端末を出す前やファームのバージョンアップの前には必須 • 一方、IOTはそれなりのコストがかかるため、SIMフリー端末の場合、 実施されない場合が多いが、これがトラブルにつながることに…
  8. 8 技適とMNOの相互接続テスト(IOT)について – 3 • SIMフリー版iPhoneについて • iPhone自体は各キャリアとのIOTを実施済み(のはず) • キャリア販売のモデルとの差は? -> 中身は一緒で、SIMロックの有無のみ(のはず) • しかし、キャリアSIMとMVNO SIMでは異なる挙動がある -> MVNO SIMだと3Gを掴んでしまい、LTE掴みにくい問題等 • この原因は何か? • SIMに何か違いがある? • MVNO SIMはキャリアから借りているもので差分などな いはずだが。。 • キャリアIOTでは行われてないMVNOに特有な何かが原 因? -> 端末(SIM)に起因する問題をどのように調べるか?
  9. 9 MVNOで端末に起因する問題が発生した場合 • MNOのIOTを通してない端末で問題が発生した場合 はMVNOの責任で頑張らないといけない • しかし、MNOと端末でやりとりされる制御情報は、 IIJにほ とんど分からない => 問題の切り分けがほとんど出来ないことに… • 具体的なシーケンスを例にこの問題を説明 MNO (NTTドコモ) IIJ インターネット・ ・
  10. 10 LTE端末の初期の接続シーケンス例 - 1 MME HSS端末 RRC Connection Request eNB S-GW IIJ P-GW RRC Connection Setup RRC Connection Setup Complete Attach Request Identity Request Identity Response Authentication Information Request Authentication Information Response Authentication Request Authentication Response Security Mode Command Security Mode Complete ESM Information Request ESM Information Response EIR Identity Check Request Identity Check Ack Update Location Request Update Location Answer Create Session Request Create Session Request MNO(NTTドコモ) ← モバイルネットワークへの 接続要求 ← IMSI or IMEI要求 ← SIM認証 ← ユーザ認証ベクトル生成 ← 端末とMME間の暗号化,IMEI要求 ← IMEIチェック ← 接続情報を通知:APN,PDP Type, PCO(user/pass,DNS要求) ← 位置情報更新/ユーザのサービス に利用する各種情報の取得 ← 下りデータ通信トンネルの 作成。MVNOのユーザ認証
  11. 11 MNO(NTTドコモ) LTE端末の初期の接続シーケンス例 - 2 MME HSS端末 eNB S-GW IIJ P-GWEIR UE Capability Enquiry UE Capability Response Security Mode Command Security Mode Complete Create Session Response RRC Connection Reconfiguration(Attach Accept) RRC Connection Reconfiguration Complete Attach Complete Initial Context Setup Request(Attach Accept) Initial Context Setup Response Modify Bearer Response Modify Bearer Request Modify Bearer Request Modify Bearer Response UE Capability Info Indication 接続シーケンス中で赤の部分しか、IIJは分からない これだけの情報で端末側の問題の調査はほぼ不可能 ← 上りデータ通信トンネル作成 IPアドレス, DNSアドレス返信 ← 端末の無線(3G/LTE)能力の取得 Create Session Response ← 端末とeNB間の暗号化 ← 上りデータ通信トンネル作成 ← データ通信トンネル作成 IPアドレス, DNSアドレス返信
  12. 12 端末の接続問題の調査のために • MVNOのネットワーク設備(P-GW/GGSN)だけでは、問 題の調査は不可能 • モバイルキャリアのネットワークを直接調べることは出来な いため • MVNOにできることは? • 端末<->基地局間の無線区間でやりとりされ制御情報を何 らかの方法で調べることぐらい • この具体的な調査方法について解説 MNO (NTTドコモ) IIJ
  13. 13 2. 無線区間の制御情報の調査手法に ついて
  14. 14 無線区間の制御信号を調べる調査手法 • MVNOで可能な下記の3種類を検討 1. 端末内のBasebandチップから制御情報を抜く 2. 無線区間で直接、制御情報を抜く 3. 基地局側(シミュレータ)で制御情報を抜く MNO (NTTドコモ)方法1 方法2 方法3
  15. 15 1. 端末内のBasebandチップから制御情報を抜く • Basebandチップとは? • デジタル信号と無線信号の相互変換、モバイルネットワークとの接続制 御を行っている • 原理的には制御情報をここから抜くことが可能 • 利点: Qualcommチップであれば比較的容易に可能。製品も存在する 暗号化前/復号化後の基地局との制御情報を取得可能 ‘’後述の方法’’に比べると安価 • 欠点: 市販の端末から制御情報を抜くことは敷居が高い Qualcommチップ以外だと制御情報を抜くのが困難 Application Processor モバイル制御部分 アプリケーションOS(Android/iOS) 制御情報 IPパケット RF Baseband Processor (Qualcommなど) 制御情報 (製品例) Meritech社 Sigma-ML/LA/PA (他にも他社製品がたくさん)
  16. 16 今回採用した無線区間の制御信号を調べる方法 • iPhoneのQualcomm Basebandチップから制御情報を 抜く方法を採用した • iPhoneは電話アプリで特定番号を押すことで、制御情報取 得が可能 (参考) http://openradar.appspot.com/11013406 • 制御情報のファイルフォーマットが、Qualcomm社の独自の 特殊なフォーマットのため、Meritech社に技術協力をお願い し、Meritech社のツールで読める形式に変換して頂いた • 制御情報の解析には、Meritech社の Sigma-PA を利用 • 制御情報としては、’L3プロトコル’ を中心に解析
  17. 17 Meritech社 Sigma-PA • 取得したデータを事後解析するソフト
  18. 18 3. iPhoneの制御情報解析について
  19. 19 • 事象 • iPhone5S,5c,iPadシリーズで、電源on,機内モードon/off等で、 再接続し3Gを掴んだ後にLTEにすぐに遷移しない。3Gから 全く遷移しない場合やLTEに遷移するのに約12分かかる • 動作 • iOS8.0以降の iPhone5S,5c,5,iPadで発生 • 古い一部の機種では放置した場合にLTEに遷移しない • 対策 • 3Gを掴んで切り替わらない場合は機内モードのon/offを試す • 音声/SMS SIMを利用の場合のみ • Cellular Payload版APN構成プロファイルを利用 (参考) http://techlog.iij.ad.jp/archives/1574 • 原因 • iOS7->iOS8での仕様変更の影響?! • 詳細は次のページからで説明 事例1:iPhone5S,5c等で3G->LTEにすぐに遷移しない問題
  20. 20 ドコモ網でのデータSIMと 音声/SMS SIMの挙動の違い
  21. 21 ドコモ網でのデータSIMと音声/SMS SIMの挙動の違い-1 • 端末がモバイル網を利用してデータ通信を行うためには、おお まかに下記の2つの手続きが必要 1. 位置登録 • MNO内で端末がどこにいるのか通知 • 端末着信時に位置情報を利用して端末の居場所を特定するため 2. データ通信接続の確立 • 端末がGGSN/PGWとのデータ通信用の接続を作成 • LTE端末が3G網から2つの手続きを行う場合に差が生じている MNO (NTTドコモ) IIJ HLR/HSS GGSN/PGW 1. 位置登録 2. データ通信接続の確立
  22. 22 ドコモ網でのデータSIMと音声/SMS SIMの挙動の違い-2 1. データSIMの場合 Step0. 3G網経由で接続を開始することを仮定 Step1. 3G網経由で位置登録する Step2. データ通信接続の確立時に、強制的にLTE網に遷移させられて しまいデータ通信接続が確立できない Step3. LTE網で位置登録からやり直しする (LTEから接続開始する場合) Step4. しかし、LTE網でのデータ通信接続の確立が失敗するため、3Gに 再度フォールバックする MNO (NTTドコモ) IIJ HLR/HSS GGSN/PGW 3G X LTE Step1 Step2 Step3 Step4 X
  23. 23 ドコモ網でのデータSIMと音声/SMS SIMの挙動の違い-2 1. データSIMの場合 Step5. 3Gフォールバック時に端末がLTE無線接続能力を無効化。 再度3G網経由で位置登録を行う Step6. LTE無線接続能力を無効化しているため、LTE網に遷移せずに 3Gデータ通信接続の確立が成功する Step7. 約12分後に、3G->LTEへ遷移して、LTE通信可能に MNO (NTTドコモ) IIJ HLR/HSS GGSN/PGW 3G LTE Step5 Step6 Step7 LTEに切り替わるまで12分程度かかる!
  24. 24 ドコモ網でのデータSIMと音声/SMS SIMの挙動の違い-4 2. 音声/SMS SIMの場合 Step0. 3G網経由で接続を開始することを仮定 Step1. 3G網経由で位置登録する Step2. 音声/SMS SIMの場合、LTE網に遷移せずに3Gデータ通信接続の 確立が成功 Step3. 短時間で3G->LTEへ遷移して、LTE通信可能に StepX. LTEで接続開始する場合はデータSIMの場合のStep3からと同じ MNO (NTTドコモ) IIJ HLR/HSS GGSN/PGW 3G LTE Step1 Step2 Step3 LTEに短時間で切り替わる!
  25. 25 ドコモ網でのデータSIMと音声/SMS SIMの挙動の違い-5 Q. 3Gでデータ接続確立できれば、短時間でLTEが利用出来る はずだが、どうすればよいか? A. 端末の特性として、機内モードon/offすると、再接続する 際に、最後に掴んだ無線網経由で再接続を行う。 3Gを掴んだままの時は、機内モードon/offすると、3Gで データ接続確立が行われて、すぐにLTEに遷移する。 ただし、データSIMだとこの方法は利用できない。 SIMの種類にかかわらず、高速にする場合は、後ほど説明 するCellular PayloadのAPN構成プロファイルを利用推奨。
  26. 26 データSIMの場合の詳細なシーケンス
  27. 27 端末 RRC Connection Request (registration, EUTRA) ドコモ 3G ドコモ LTE RRC Connection Setup RRC Connection Setup Complete Authentication And Ciphering Request Security Mode Command Security Mode Complete Attach Request Authentication And Ciphering Response Utran Mobility Information Ultran Mobility Information Confirm Attach Accept Attach Complete RRC Connection Release RRC Connection Release Complete RRC Connection Release Complete GMM Information 3Gに対してAttach (初期位置登録)要求。 (注)iPhoneの場合、3Gのデータ通信接続(PDP Context 確立)は、 attach完了後再接続して 行う 次のページにつづく Attach成功 iPhone5S/iOS8.4/データSIMの接続シーケンス - 1 3Gの接続を試みるが、ドコモ網の特徴で 端末が 1. EUTRA (LTE無線接続能力) 2. データSIMを利用 3. 位置登録求(registration)以外 を満たすと、LTEへリダイレクションされる。 この場合は、’位置登録要求’のため、 条件を満たさず、3Gへ接続。 一度、3G基地局との接続を解放
  28. 28 iPhone5S/iOS8.4/データSIMの接続シーケンス - 2 端末 RRC Connection Request (originating Subscribed Traffic Call, EUTRA) RRC Connection Reject (Redirection to LTE) ドコモ 3G ドコモ LTE RRC Connection Request RRC Connection Setup RRC Connection Setup Complete/Attach Request Authentication Request Authentication Response Security Mode Command Security Mode Complete ESM Information Request ESM Information Response RRC Connection Release/Attach Reject なぜか、APN:spmode.ne.jp へデータ通信接 続の確立を試みる 上記と同様のattachシーケンスをあと2回くり返すが、 APN:spmode.ne.jpに対する接続のため、全て失敗。 3Gにフォールバックする 次のページにつづく LTE網へAttach(位置登録) + データ通信 接続の確立を要求 MVNO SIMではドコモAPNに対し接続許可 されてないので拒否される データ通信接続確立のため、3Gへの接続を 試みるが、ドコモ網の特徴で端末が 1. EUTRA (LTE無線接続能力) 2. データSIMを利用 3. 位置登録求(registration)以外 を満たすため、LTEへリダイレクションされる。 ただし、3G網でデータ通信接続が確立できて ないため、LTE網でのAttach(初期位置登録) からやり直すことになる。
  29. 29 端末 RRC Connection Request (registration, no-EUTRA) ドコモ 3G ドコモ LTE RRC Connection Setup RRC Connection Setup Complete Authentication And Ciphering Request Security Mode Command Security Mode Complete Attach Request Authentication And Ciphering Response Utran Mobility Information Ultran Mobility Information Confirm Attach Accept Attach Complete RRC Connection Release RRC Connection Release Complete RRC Connection Release Complete GMM Information 3Gに対してAttach (初期位置登録)要求。 (注)iPhoneの場合、3Gのデータ通信接続の 確立は、 attach完了後再接続して行う 次のページにつづく Attach成功 iPhone5S/iOS8.4/データSIMの接続シーケンス - 3 LTE網へのAttachが失敗したため、EUTRA 能力を無効化して3G網でattachから再度や り直す。 3Gへの接続を試みるが、ドコモ網の特徴で 端末が 1. EUTRA (LTE無線接続能力) 2. データSIMを利用 3. 位置登録求(registration)以外 を満たすと、LTEへリダイレクションされる。 この場合は、EUTRA能力を持たず、また、 位置登録要求のため、条件を満たさず、3G へ接続。 一度、3G基地局との接続を解放
  30. 30 Transport Channel Reconfiguration Complete 端末 RRC Connection Request (originating Subscribed Traffic Call, no-EUTRA) ドコモ 3G ドコモ LTE RRC Connection Setup RRC Connection Setup Complete Security Mode Command Security Mode Complete Service Request Utran Mobility Information Utran Mobility Information Confirm Activate PDP Context Accept Measurement Report Transport Channel Reconfiguration Request APN:iijmio.jpへ3Gデータ通信接続の確立を要求 次のページにつづく Activate PDP Context Request iPhone5S/iOS8.4/データSIMの接続シーケンス - 4 データ通信接続確立のため、3Gへの接続を 試みるが、ドコモ網の特徴で端末が 1. EUTRA (LTE無線接続能力) 2. データSIMを利用 3. 位置登録求(registration)以外 を満たすと、LTEへリダイレクションされる。 この場合は、シーケンス2の場合と異なり、 EUTRA能力を無効化しているため、3Gへ接続 される。 約12分間、3G接続状態が継続 -> LTEを掴みにくい問題が発生 3Gデータ通信接続確立OK 以降、3Gデータ通信が可能な状態。 Radio Bearer Setup Radio Bearer Setup Complete Measurement Control
  31. 31 端末 ドコモ 3G ドコモ LTE RRC Connection Request RRC Connection Setup RRC Connection Setup Complete/Tracking Area Update Request Security Mode Command Security Mode Complete Tracking Area Update Complete RRC Connection Release EMM Inforamtion LTE網への位置登録更新完了 (補足) 3G網で、位置登録+データ通信接続 確立している場合は、位置登録更新のみで、 LTE網でデータ通信が可能 iPhone5S/iOS8.4/データSIMの接続シーケンス - 5 RRC Connection Request (registration, EUTRA) RRC Connection Setup RRC Connection Setup Complete Routing Area Update Request 12分後に端末はEUTRA能力を有効化する。 3G接続を試みるが、ドコモ網の特徴で 端末が 1. EUTRA (LTE無線接続能力) 2. データSIMを利用 3. 位置登録求(registration)以外 を満たすと、LTEへリダイレクションされる。 この場合は、’位置登録要求’のため、 条件を満たさず、3Gへ接続。 Routing Area Update Reject (Congestion) 位置登録更新を要求するが、3G網側から拒否 される RRC Connection Release RRC Connection Release Complete RRC Connection Release Complete 接続可能なLTE網を見つけたので接続し、位 置登録更新を要求 この部分は 様々なバリエー ションが存在。 今回はその一例 接続可能な無線網をサーチ
  32. 32 音声/SMS SIMの場合の 詳細なシーケンス
  33. 33 端末 RRC Connection Request (registration, EUTRA) ドコモ 3G ドコモ LTE RRC Connection Setup RRC Connection Setup Complete Authentication And Ciphering Request Security Mode Command Security Mode Complete Attach Request Authentication And Ciphering Response Utran Mobility Information Ultran Mobility Information Confirm Attach Accept Attach Complete RRC Connection Release RRC Connection Release Complete RRC Connection Release Complete GMM Information 3Gに対してAttach (初期位置登録)要求。 (注)iPhoneの場合、3Gのデータ通信接続(PDP Context 確立)は、 attach完了後再接続して 行う 次のページにつづく Attach成功 iPhone5S/iOS8.4/音声SMS SIMの接続シーケンス - 1 3Gへの接続を試みるが、ドコモ網の特徴で 端末が 1. EUTRA (LTE無線接続能力) 2. データSIMを利用 3. 位置登録求(registration)以外 を満たすと、LTEへリダイレクションされる。 この場合は、音声SIM + 位置登録要求のた め、条件を満たさず、3Gへ接続。 一度、3G基地局との接続を解放
  34. 34 Physical Channel Reconfiguration Complete 端末 RRC Connection Request (originating Subscribed Traffic Call, EUTRA) ドコモ 3G ドコモ LTE RRC Connection Setup RRC Connection Setup Complete Security Mode Command Security Mode Complete Service Request Utran Mobility Information Utran Mobility Information Confirm Activate PDP Context Accept Measurement Report Physical Channel Reconfiguration Request APN:iijmio.jpへ3Gデータ通信接続の確立を要求 次のページにつづく Activate PDP Context Request データ通信接続確立のため、3Gへの接続を 試みるが、ドコモ網の特徴で端末が 1. EUTRA (LTE無線接続能力) 2. データSIMを利用 3. 位置登録求(registration)以外 を満たすと、LTEへリダイレクションされる。 この場合は、音声SIMを利用しているため、 条件を満たさず3Gへ接続。 3Gデータ通信接続確立OK 以降、3Gデータ通信が可能な状態。 Radio Bearer Setup Radio Bearer Setup Complete Measurement Control iPhone5S/iOS8.4/音声SMS SIMの接続シーケンス - 2
  35. 35 端末 ドコモ 3G ドコモ LTE Tracking Area Update Request UE Capability Enquiry UE Capability Information Tracking Area Update Complete RRC Connection Release EMM Inforamtion LTE網への位置登録更新完了 (補足) 3G網で、位置登録+データ通信接続 確立している場合は、位置登録更新のみで、 LTE網でデータ通信が可能 基地局側から端末へLTE無線網の電波強 度の測定を指示 LTE網での位置登録更新を要求 この部分は 様々なバリエー ションが存在。 今回はその一例 iPhone5S/iOS8.4/音声SMS SIMの接続シーケンス - 3 Measurement Control Measurement Report(e3a) Measurement Report(e3a) Handover From UTRAN Command EUTRA/RRC Connection Reconfiguration RRC Connection Reconfiguration Complete LTE網の電波強度が強いと基地局へ通知 LTE網のハンドオーバーを指示 LTE網へ接続 RRC Connection Reconfiguration RRC Connection Reconfiguration Complete この場合一度、3Gを掴むがLTEへすぐに遷移する
  36. 36 Cellular Payload版のAPN構成 プロファイルを利用した場合
  37. 37 MNO (NTTドコモ) Cellular Payload版のAPN構成プロファイルの場合-1 1. データSIMの場合 Step0. 3G網経由で接続を開始することを仮定 Step1. 3G網経由で位置登録する Step2. データ通信接続の確立時に、強制的にLTE網に遷移させられて しまいデータ通信接続が確立できない Step3. LTE網で位置登録からやり直しする (LTEから接続開始する場合) Step4. LTEデータ通信接続の確立が成功して、すぐにLTE通信可能に IIJ HLR/HSS GGSN/PGW 3G X LTE Step1 Step2 Step3 Step4 LTEで接続確立出来なかった問題を改善
  38. 38 2. 音声/SMS SIMの場合 Step0. 3G網経由で接続を開始することを仮定 Step1. 3G網経由で位置登録する Step2. 音声/SMS SIMの場合、LTE網に遷移せずにデータ通信接続の 確立が成功する Step3. 短時間で3G->LTEへ遷移して、LTE通信可能に StepX. LTEで接続開始する場合はCellular Payload版のデータSIMの 場合のStep3からと同じ MNO (NTTドコモ) IIJ HLR/HSS GGSN/PGW 3G LTE Step1 Step2 Step3 Cellular Payload版のAPN構成プロファイルの場合-2
  39. 39 Cellular Payload版 APN構成プロファイル利用の場合で 音声/SMS SIMの場合の 詳細なシーケンス
  40. 40 iPhone5S/iOS8.4/音声SMS SIMの接続シーケンス - 1 端末 ドコモ 3G ドコモ LTE RRC Connection Request RRC Connection Setup RRC Connection Setup Complete/Attach Request Identity Request Identity Response Security Mode Command Security Mode Complete ESM Information Request ESM Information Response RRC Connection Reconfiguration/Activate Default EPS Bearer Context Request APN:iijmio.jp へデータ通信接続の確立を要 求 ここが従来のAPN構成プロファイルとの最大 の違い LTE網へAttach(位置登録) + データ通信 接続、を要求 MVNO SIMでもLTE接続が成功して すぐに利用可能に UE Capability Enquiry UE Capability Information RRC Connection Reconfiguration Complete Attach Complete
  41. 41 • 事象 • データSIMを利用して、機内モードon/off等で再接続時に iPhone5S(iOS8.4)で3Gデータ通信ができない場合がある • このとき、データ通信機能を起動できませんでした、と表示 される。 • 対策 • ブラウザー等で適当なページをリロードを何度も繰り返すと そのうちデータ通信ができる?! • データSIMを利用しない • Cellular Payload版のAPN構成プロファイルを利用 • 原因 • iOS8.3では問題がなかったのでiOS8.4の不具合? • 詳細は次のページからで説明 事例2:iPhone5Sで3Gでデータ通信ができない
  42. 42 iPhone5Sで3Gでデータ通信ができない - 1 1. データSIMで問題が発生する場合 Step0. 3G網経由で接続を開始することを仮定 Step1. 3G網経由で位置登録する Step2. データ通信接続の確立時に、強制的にLTE網に遷移させられて しまいデータ通信接続が確立できない Step3. LTE網で位置登録からやり直しする (LTEから接続開始する場合) Step4. しかし、LTE網でのデータ通信接続の確立が失敗するため、3Gに 再度フォールバックする MNO (NTTドコモ) IIJ HLR/HSS GGSN/PGW 3G X LTE Step1 Step2 Step3 Step4 X 最初の3G->LTE->3Gに遷移する 過程までは一緒!
  43. 43 iPhone5Sで3Gでデータ通信ができない - 2 1. データSIMで問題が発生する場合 Step5. 3Gフォールバック時に端末がLTE無線接続能力を無効化。 再度3G網経由で位置登録を行う Step6. 3Gデータ通信接続を確立するための制御信号が端末から出て こない。結果、3Gデータ通信ができない状態に。 刺激を与えるとデータ通信接続が確立出来る場合がある。 MNO (NTTドコモ) IIJ HLR/HSS GGSN/PGW 3G LTE Step5 Step6 Step7 データ通信確立のための制御信号が出てこない!
  44. 44 • 前に説明した iPhone5S/iOS8.4/データSIMの接続シーケンス とほぼ一緒なので詳細は省略 • シーケンススライドの1-3まで行われるが、4以降が 行われない状態になり、通信ができない iPhone5S/iOS8.4/データSIMの接続シーケンス
  45. 45 • 事象 • VoLTE対応iPhone6/6 plusはすぐにLTEを掴むこと が出来る • 対策 • VoLTE対応のiOS8.3以降のiPhone6/6 plusを利用 する • 原因 • VoLTE向けの対応の影響で、事例1の問題回避で きている • 詳細は次のページからで説明 事例3:iPhon6/6 plusでLTEをすぐに掴める現象
  46. 46 MNO (NTTドコモ) iPhoneのVoLTE対応端末の場合 - 1 • iPhone6/6 PlusのVoLTE対応端末の場合 Step1. LTE網で位置登録 Step2. IMS(VoLTE)用のデータ通信接続を確立 Step3. 通常のLTEデータ通信接続の確立が成功する。 この場合、旧式のプロファイルでもLTE接続がすぐに成功する。 IIJ HLR/HSS GGSN/PGW 3G LTE Step1 ドコモ IMS Step2 Step3
  47. 47 iPhone6/iOS8.4/データ SIMの接続シーケンス - 1 端末 ドコモ 3G ドコモ LTE RRC Connection Request RRC Connection Setup RRC Connection Setup Complete/Attach Request Identity Request Identity Response Security Mode Command Security Mode Complete RRC Connection Reconfiguration/Activate Default EPS Bearer Context Request LTE網へAttach(位置登録) + データ通信 接続、を要求 この時、APNを指定しないでIPv6で接続要 求する UE Capability Enquiry UE Capability Information RRC Connection Reconfiguration Complete Attach Complete APN:ims に接続成功。 VoLTE用のデータ通信接続を確立 RRC Connection Reconfiguration Complete Activate Default EPS Bearer Context Accept RRC Connection Reconfiguration/Activate Default EPS Bearer Context Request PDN Connectivity Request インターネット用のデータ通信接続、 APN:iijmio.jp へ接続要求 -> OK! VoLTE端末だと、旧式のAPN構成プロファ イルの設定を反映して接続してくれる
  48. 48 MNO (NTTドコモ) • Cellular Payload版のAPN構成プロファイルの場合 Step1. LTE網で位置登録 Step2. IIJmioのLTEデータ通信接続の確立が成功して、すぐにLTE通信 可能に Step3. IMS(VoLTE)用のデータ通信接続を確立 データ通信接続の確立の順番が入れ替わるだけで、特に副作用なし。 IIJ HLR/HSS GGSN/PGW 3G LTE Step1 ドコモ IMS Step3 Step2 iPhoneのVoLTE対応端末の場合- 2
  49. 49 iPhone6/iOS8.4/データ SIMの接続シーケンス – 2 端末 ドコモ 3G ドコモ LTE RRC Connection Request RRC Connection Setup RRC Connection Setup Complete/Attach Request Identity Request Identity Response Security Mode Command Security Mode Complete RRC Connection Reconfiguration/Activate Default EPS Bearer Context Request LTE網へAttach(位置登録) + データ通信 接続、を要求 UE Capability Enquiry UE Capability Information RRC Connection Reconfiguration Complete Attach Complete RRC Connection Reconfiguration Complete Activate Default EPS Bearer Context Accept RRC Connection Reconfiguration/Activate Default EPS Bearer Context Request PDN Connectivity Request VoLTE用のIPv6でAPN:ims へ接続要求 -> OK! ESM Information Request ESM Information Response Celluar Payload版のプロファイルだと先 に、インターネット用のデータ通信接続、 APN:iijmio.jp へ接続要求 -> OK!
  50. 50 • 事象 • iOS8以降の端末でKDDI網でのMVNO SIMが利用 できる • 対策 • iOS8以降の端末で、Cellular Payload版のAPN構成 プロファイルを利用することで、LTE接続が可能に • 原因 • 古いAPN構成プロファイルだと、LTEのデータ接続 が成功しないため、接続ができなかった • ただし、iPhone5S/5cなどの一部機種ではSMS送 受信ができない、接続が不安定になる場合がある • 詳細は次のページからで説明 事例4:KDDI網利用のMVNOでiPhoneが利用可能
  51. 51 KDDI網でのMVNO SIMの挙動-1 1. 古いAPN構成プロファイルの場合 Step0. LTE網経由で接続を開始することを仮定 Step1. LTE網経由で位置登録する Step2. LTEデータ通信接続の確立が失敗するため、CDMA2k網に フォールバック Step3. KDDI利用MVNOはCDMA2k網を利用出来ないため、CDMA2kの データ接続できず。結果、CDMA2k->LTEでも遷移できない MNO (KDDI) mineo HSS PGW C2k LTE Step1 KDDI IMSStep3 Step2 X X
  52. 52 KDDI網でのMVNO SIMの挙動-2 2. Cellular Payload版のAPN構成プロファイルの場合 Step0. LTE網経由で接続を開始することを仮定 Step1. LTE網経由で位置登録する Step2. LTEデータ通信接続の確立する。 iOSデバイスでもKDDI MVNOを利用することが可能に! Step3. iPhone5S/5c等でSMSのためにIMSへデータ通信接続の確立を 行うが失敗する。これが接続が不安定になる要因??? MNO (KDDI) mineo HSS PGW C2k Step1 KDDI IMS Step2 LTE Step3 X
  53. 53 iPhone5c/iOS8.4/mineo SIMの接続シーケンス – 1 端末 KDDI c2k KDDI LTE RRC Connection Request RRC Connection Setup RRC Connection Setup Complete/Attach Request Identity Request Identity Response Security Mode Command Security Mode Complete RRC Connection Reconfiguration/Activate Default EPS Bearer Context Request LTE網へAttach(位置登録) + データ通信 接続、を要求 UE Capability Enquiry UE Capability Information RRC Connection Reconfiguration Complete Attach Complete ESM Information Request ESM Information Response インターネット用のデータ通信接続、 APN:mineo.jp へ接続要求 -> OK! CSFB Parameters Request CDMA2000 CSFB Parameters Response CDMA2000 Dedicated Info CDMA2000_1XRTT Dedicated Info CDMA2000_1XRTT 次のページにつづく
  54. 54 iPhone5c/iOS8.4/mineo SIMの接続シーケンス – 2 端末 KDDI c2k KDDI LTE PDN Connectivity Request PDN Connectivity Reject IMS接続のため、IPv6 + P-CSCFアドレス要 求して、APN:imsに接続したいようだが。。。 Cellular Payload版のAPN構成プロファイル の影響で、IPv4v6 + P-CSCFアドレス要求 なしで、APN:mineo.jpへ接続を試みる-> 接 続拒否 同様の接続要求を間隔をおいて行うが全て 失敗。LTEでSMSが出来ない状態に。 PDN Connectivity Request PDN Connectivity Reject Detach Request Detach Accept 不定期な時間経過後、端末主導でLTE網 から切断要求 -> OK 以降、c2kへ落ちてしまうようで、LTEデータ 通信が出来なくなる 同じ端末で、IIJmobile TypeKのSIMだと、こ のDetach Requestが走らず、安定してデー タ通信可能。Detach Requestが発生する条 件は不明
  55. 55 4. まとめ
  56. 56 まとめ • iPhoneの各種事例を元に制御情報を解析した結果に ついて紹介しました。 • 再度繰り返しになりますが、NTTドコモ利用のMVNO SIMで、iPhone/iPadを利用する場合、下記の2点に注 意すること 1. 必ず、音声 or SMS SIMを利用する • データSIMは利用しないこと! • 音声/SMSを利用しない場合でも、最低限SMS SIM の利用することを推奨 2. Cellular Payload版のAPN構成プロファイルを利用 • 現在、IIJではテスト版を公開中 http://techlog.iij.ad.jp/archives/1574 • KDDI MVNOで不安定な問題はさらなる調査が必要
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