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IMS aQTI
インフォザイン松田
2016/03/30
aQTI:a+QTI
aの意味?
・Advanced:アドバンスト
・Accessibility:アクセシビリティ
・Assistive:アシスティブ
・Adaptive:アダプティブ
・Agile:アジャイル
・Arnhem:アーネム(最初に会議が開催されたオランダの都市名)
aQTIの前に、まずQTIについて
Question & Test Interoperability
対象
・テスト手順ワークフロー
・テストの問題(アイテム)とテスト(アイテム集合)のフォーマット
・テスト結果のフォーマット
当初コンセプト
・教育理論からは独立
・簡単なQ&Aパターンから複雑なQ&Aパターンまで対応
・簡単なことから始めて複雑なことは将来に
・Summativeテスト(評価)とFormativeテスト(モニタリング)対応
・全てXMLで
・拡張&カスタマイズ可能
QTIのユースケース
<アクター>
問題作成者
問題バンク管理者
テスト作成者
試験管理者
採点者
チューター
受験者
<外部インタフェース>
結果データ
外部問題バンク
IRTエンジン
<他のIMS規格との連携:aQTI>
Edupub連携:Edupubの中からアセスメントを行う
Caliper連携:テスト受験の際のアクティビティログ取得 → テスト時のアクティビティと成績との相関
OneRoster連携:受験者情報マネジメント
1.テスト作成
2.テスト管理
3.テスト実施
4.テスト結果
<データモデル>
問題(アイテム)
セクション(アイテムの集合)
テスト(セクションの集合)
人
グループ
デリバリー
結果フォーマット
…
QTIのデータモデル(例)
QTIのQ&Aパターン
associateInteraction:関連付け
choiceInteraction:選択式
customInteraction:カスタマイズ拡張
drawingInteraction:図形描画
endAttemptInteraction:エンドアテンプト
extendedTextInteraction:拡張テキスト
gapMatchInteraction:ギャップマッチ
graphicAssociateInteraction:画像関連付け
graphicGapMatchInteraction:画像ギャップマッチ
graphicOrderInteraction:画像並べ替え
hotspotInteraction:ホットポイント
hotTextInteraction:ホットテキスト
inlineChoiceInteraction:インライン選択
matchInteraction:マッチヒント
orderInteraction:並べ替え
positionObjectInteraction:オブジェクト位置付け
selectionPointInteraction:場所選択
sliderInteraction:スライダー
textEntryInteraction:テキスト入力
uploadInteraction:ファイルアップロード
QTIのバージョン
バージョンヒストリー
・Version 1.0(2000/06)
・Version 1.1(2001/03)
・Version 1.2 Lite(2002/02/11)
・Version 1.2(2002/02/11)
・Version 2.1 Final(2012/08/31)
・Version 2.2 Final(2015/09/01) → QTIの最終版?/仕様膨大
詳細情報
https://www.imsglobal.org/
question/index.html
QTIのメリット
資産の再利用
標準規格であるQTIに対応した「テスト」は、QTIに対応したテストシステムで
あれば何でも利用可能。問題作成の投資が無駄にならない。
ビジネスエコシステム
ZIPで配布可能。テストや問題が「プロダクト」に。
ePubと同じ
海外ではスタンダード
Canvas
最近普及しているRoRのオープンソースLMS
ILIAS
ドイツ発の全部入りオープンソースLMS
TAO
ルクセンブルグOAT社のCBTシステム
FLEXITE!EXAM
ノルウェーのクラウド型CBTサービス
欧米(特にヨーロッパ)の背景
進度別学習 → 習得知識のアセスメントにCBTは必須、とのこと。
<適合レベル>
・Basic
・Intermediate
・Advanced
日本では:普及していない
状況
・仕様が膨大 →学習コストと開発コストの増大
・標準に準拠するメリットがない →エコシステムがないから
結果
・CBTは独自仕様で開発されることが多い
・LMS製品内のテスト機能も独自で
日本事例
(株)イースト様Classmate Study:QTI一部対応
個人的感想
・ビジネス観点:世界標準に準拠しないわけにはいかない。
・車輪の再発明は無駄:QTIと同様の仕様を考えるだけでも大変。
・NIH症候群脱却:海外製品をエンジンとして利用すべし。
aQTI
守備範囲を広げたQTI
・各種規格(LTI/Caliper/OneRoster)との連携
・アクセシビリティ対応:問題制作、配信、レポーティングの場面で
・コンテンツ変換最小限:エキスポート/変換/インポートではなく
ルクセンブルグOAT社CEO Marc Ozwald氏 NWEA Rob Howard氏
aQTIユースケース
aQTIの目的
・QTIにAPIP(Accessible Portable Item Protocol)を反映させる
・作成から配信までを広くカバーする
・プラットホーム毎のレンダリングの差をなくす:プレゼンテーション情報組込
・相互互換性をさらに改善しIMS(Caliper/LTI2.0/OneRoster)やIMS以外の
各種規格と連携
・各製品の適合度テスト用ツール提供
aQTIの機能要件
・国際化:縦書きや右書きレンダリング
・ユーザエクスペリエンス互換性
・アクセシビリティとそのサポート技術の組込み
・メタデータ対応(各オブジェクトに必要なプロパティを設定可能)
・成績データ:Caliper経由でLRSに蓄積
・テスト時アクティビティデータ利用:Caliper経由でLRSに蓄積
・コンテクスト情報反映:同じ問題でもコンテクストで点数を変える
・アダプティブテストとシークエンス変更対応
・パッケージング規格:テストコンテンツの流通
・セキュリティ確保
・モバイルデバイス対応
aQTIの非機能要件
・シンプリシティ確保(命名規約/わかりやすいシンタックス)
・既存規格との整合性
・QTI2.xを包含
・非QTIコンテンツの移行
予定
・2016/11:ドラフト
・2017 :デモ実装
・2017/05:ドラフト最終
・2018/02:最終ドキュメント
・2018/05:パブリックリリース
TAO
インフォザインで取扱開始(2016/05〜)/ローカライズ作業中
松田まで matsuda@infosign.co.jp
実績:
OECD PISA(OECD加盟国学習到達度調査)、ETS(TOEIC)
CommonCore PARCC(米学力テスト)、ACT(米高校卒業認定テスト)

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