Learning Process-Based Therapy_Chapter 3 (Book Club Japan).pdf
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Process-Based Therapy勉強会の第2回前半，重枝 裕子さんによる発表資料です。"Learning Process-Based Therapy"という書籍の第3章の内容がまとめられています。 勉強会の概要はこちら。 https://note.com/junkashihara/n/n6e93928a8fcb
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- 1. 1 Chapter 3. The Extended Evolutionary Meta-Model Process-Based Therapy勉強会 2022年4月27日 重枝 裕子 (国立精神神経・医療研究センター)
- 2. 2 自己紹介
- 4. 4 第3章の要約
- 5. 第3章の概要 5 Extended Evolutionary Meta-Model (EEMM) • 拡張進化メタモデル への道筋 • EEMMについて PBT治療の10ステップ
- 7. 変化プロセスを語る共通言語があると 7 クライエントを混乱させない 臨床家同士のコミュニケーションがしやすい 心理療法を効果的に研究・実践できる 特定の理論モデル上で“共通言語”を作る試みは あったが… 学派横断的に受け入れられることは限定的だった
- 9. PBTのプロセスに求められる特徴 9 理論に基づいている (Theory-based) 動的である (Dynamic) 漸進的である (Progressive) 文脈的である (Contextual) 階層性をもつ (Multilevel) 詳細はPBT勉強会第一回目資料Chapter2（樫原）10、11ページ参照
- 10. PBTを進める際に意識すべきポイント 10 正確性(Precision) • 「ヒューリスティック」や「ゆるいメタファー」にとどまらず， 明瞭かつ詳細に治療プロセスを記述する 例) 「回避」ではなく，「激しい感情の回避」など正確に 範囲・視野(Scope) • 幅広い現象に適用可能な治療プロセスを扱う 深み(Depth) • 生物学的なものも含めた科学的データとの整合性を保つ PBT勉強会第一回目資料Chapter2（樫原）12ページ
- 12. PBTは単純な変数ではなく・・ 12 治療的な変化プロセス を組み合わせたネット ワークモデルを基礎にし たセラピー ネットワーク図: Hayes, S. C., Hofmann, S. G., & Stanton, C. E. (2020)より
- 14. モデルが満たすべき基準(1) 14 1. 十分な範囲の問題に対する十分な変化のプロセ スをカバーしている 2. 動機づけ、自己、感情など人の内面の変化と持 続が捉えられるプロセスが選択されている 3. DSMやICDの代替となるとしてもごく一部で かつ比較可能であること
- 15. モデルが満たすべき基準(2) 15 4. モデルに含まれる変化プロセスは首尾一貫して エビデンスも完結していること 5. 新たな見立てを可能にし、より良いアウトカム が期待できる実用的なプロセスであること 6. クライエントの社会的・文化的背景を問わない モデルであること
- 16. 変化のプロセスを進化と捉える 16 生命体のどのような機能にも進化論的な説明がつ く ⇒変化のプロセスを進化論的に説明する Variation and Retention of what is Selecte d in Context at right Dimension and Level VRSCDL
- 17. 進化的アプローチにおけるキー概念（１） 17 1. Variation • 変化できる、少し違う選択をする 2. Retention • 保持 良い結果が繰り返し使われ、強化されて習慣 化する 3. Selection • 有益な結果をもたらす方を選ぶ
- 18. 進化的アプローチにおけるキー概念（2） 18 4. Context • 文脈 それが起きるのはどういう状況なのか、どう いう状況を想定した介入目標かなど 5. Dimension • 次元 変化が起こる次元 (心理学では感情、認知、注 意、自己、動機、表出行動など) 6. Level • レベル それがどこで起きているか（心理的レベル、 文化的レベル、社会的レベル等）
- 19. 拡張進化メタモデル 19 Extended Evolutionary Meta-Model(イーム) 進化的アプローチのキー概念を統合 複数の、多次元・多階層の変化プロセスモデル をまとめて整理できるメタモデル
- 20. 拡張進化メタモデル 20 ドメイン Variation Selection Retention Context Affect Cognition Attention Self Motivation Overt Behavior Bio-physiological Sociocultural ドメイン Variation Selection Retention Context Affect Cognition Attention Self Motivation Overt Behavior Bio-physiological Sociocultural 不適応的 適応的 次元 レベル
- 21. 拡張進化メタモデル 21 ドメイン Variation Selection Retention Context Affect Cognition Attention Self Motivation Overt Behavior Bio-physiological Sociocultural ドメイン Variation Selection R e Co nte Affect 自信のない誘 いは断る その瞬間は安心するが次の誘 いが怖くなる Cognition 成功より失敗 を考えがち 失敗を恐れて会話が楽しめな い Attention 不安の予兆を 常に気にする 他の事が出来ずもっと不安に なる Self Motivation Overt Behavior Bio-physiological Sociocultural 不適応的 適応的 次元 レベル
- 22. 変化には複数の要因がある 22
- 23. 6つのMediator 23 最初の12件のメタアナリシスから同定 • 強迫観念の変化 • 認知的デフュージョン • マインドフルな気づき • 侵入思考の変化 • 不安感受性 • マインドフルネスの実践頻度
- 26. プロセスベースの機能分析 26 ３．ケースの特徴をネットワークで表す • 既知の変化のプロセスと、これらのモデレーターに 整理する • オリジンと維持条件の両方の観点から表現する • 特に、ネットワーク内の自己増幅関係とサブネット ワークに注目する • 可能な限り、個々のクライエントレベルで経験的に 確立された関係に頼る
- 27. プロセスベースの機能分析 27 ４．ケースの特徴をネットワークで表す • 既知の変化のプロセスと、これらのモデレーターに 整理する • オリジンと維持条件の両方の観点から表現する • 特に、ネットワーク内の自己増幅関係とサブネット ワークに注目する • 可能な限り、個々のクライエントレベルで経験的に 確立された関係に頼る
- 28. プロセスベースの機能分析 28 ５．ネットワークを再考する • 過去に使われてきた類似のプロトタイプに照らす • 不適応ネットワークの発達と維持について統合的な プロセスベースの観点からネットワークを整理する • 機能分析でありプロセスベースドな診断となる
- 29. プロセスベースの機能分析 29 ６．どうしたら揺さぶりをかけられるか • ネットワークの支配的特徴に直接的、間接的に揺さ ぶりをかけられる介入を検討する • 利用可能で反応性があること • 保持される可能性が高いこと • 不適応部分内の機能ネットワークを変えること • 新たな適応ネットワークで強化が続くこと
- 31. プロセスベースの機能分析 31 ８．介入をおこなう • 主要な変化のプロセス，治療の状況や関係性，クラ イエントの目標への進捗を繰り返し測定する • ネットワークの摂動とプロセスレベルの変化の度合 いを評価する • 治療の文脈と関係を考慮する
- 32. プロセスベースの機能分析 32 ９．変化が無い、不十分なとき • ステップ2または3に戻る • ステップ1で選択したEEMMベースのモデルを再考が 必要な場合もある 十分な変化がある場合は、介入を継続する
- 33. プロセスベースの機能分析 33 １０．十分な変化が見られた • プロセス、治療、アウトカムの分析を、従来(nomot hetic)のプロトタイプに入れ込むことを試みる • 症例のたびにおこなう 十分な変化が見られない時はステップ１，２ま たは３に戻る
- 35. 35 考察・発展的な議論
- 36. 感想のみです 36 暗黙知、実践知を数理的に説明しよう • Let’s document it 理屈は理解できる気がするが、自分で実践するイメージ が湧かない • 臨床が足りない よさそう、できるといいね、でも・・
- 37. Reference 37 Hayes, S. C., Hofmann, S. G., & Stanton, C. E. (2020). Process-based functional analysis can help behavioral science step up to novel cha llenges: COVID - 19 as an example. Journal of contextual behavioral science, 18, 128–145. https://doi.org/10.1016/j.jcbs.2020.08.009
- 38. 38 ありがとうございました