1. アナログ・ディジタル併⽤の
異種冗⻑な計測系による
データ完全性と可⽤性の保護の検討
2023年度情報処理学会関⻄⽀部⼤会 G-12
京都⼤学
下⽥ 康世, ⼩⾕ ⼤祐, 岡部 寿男
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2. 背景: 制御システムにおけるセンサデータの重要性
• センサデータの改竄・妨害により不適切な制御の危険
• ヒューマンエラー・災害・サイバー攻撃などへの情報セキュリティ
• ⾃然故障を想定した冗⻑化は同⼀機器・原理によるもの
• 単⼀の脆弱性により全ての系統が攻撃される危険
• 計測系の異種冗⻑化の必要
• 異なる機器・計測原理
• 課題
• 異種な計測系のセキュリティ評価
• 冗⻑系の構成のため改修したくない
• ＝ システムに内在する異種冗⻑性の利⽤ 2

3. 本研究の概要
• 異種冗⻑化⼿法の⼀つとしてアナログ計器の⾃動読み取りと
ディジタルセンサの併⽤に注⽬
• 背景1.運⽤上の理由によるアナログ計器•ディジタルセンサの併存
• 背景2.アナログ計器の⾃動読み取り技術の研究・商⽤化
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本研究の達成
1. アナログ計器の⾃動読み取りとディジタルセンサの整合性をもとに
攻撃を検出する異種冗⻑な計測系のモデル化
2. 異種冗⻑な計測系の特定の実装において攻撃検出能⼒の議論を⾏う
ことで、提案したモデルの有⽤性を確認

4. 先⾏研究：異種冗⻑性
• 異種冗⻑系を動的に構成するアーキテクチャ[Huら 2018]
• 異種冗⻑系による多数決器の攻撃表⾯メトリクス[Wangら 2019]
• 想定する攻撃、攻撃されるシステムの範囲が限定的
→本研究：システム全体を検討対象
：内在する異種冗⻑性の利⽤
• ドローンの異種冗⻑な計測系への攻撃実証とその回避[梨本ら 2018]
• ジャイロ・加速度センサ・地磁気センサによる姿勢推定
• 攻撃能⼒に基づく分類による攻撃者モデル
• 物理的な信号注⼊のみを検討
→本研究：物理・ディジタルを包括した検討が可能
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5. 先⾏研究：アナログ計器読み取り
• 畳み込みニューラルネットによる画像処理[Zuoら 2020]など多数
• 回転式の計器を頑健に読み取り
• 既に商⽤化も進んでいる
• カメラによるもの
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出典：https://lilz.jp/lilzgauge/ (2023/9/20)
• 磁⽯の回転によるもの
出典：https://sirc.co.jp/cms/wp-content/
uploads/2019/09/magnetic.pdf (2023/9/20)
→本研究：ディジタルセンサとの組み合わせによる異種冗⻑化

6. 計測系のモデル
• アナログ計器読み取りの系統＋ディジタルセンサの系統
• 機能ごとに分割したコンポーネントと通信路からなる
• 計測系統間の整合性が取れているか+計測値を出⼒
• 構成要素の実装⽅法について⼀般化
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7. 攻撃者モデル
• 各コンポーネント・通信路に対する攻撃能⼒を3クラスで分類
- [梨本ら 2018]中の攻撃者モデルを基に拡張
• C(Controllable)：次のコンポーネント/通信路への出⼒を任意に決定可能
• D(Disrup1ve)： 〜 出⼒を妨害できるが、値の制御はできない
• U(Uncontrollable)： 〜 出⼒に何の介⼊もできない
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8. 温度を測定対象とした実装
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• 実装した計測系
• 温度計のカメラ読み取り
• IC温度センサ+A/D変換器

9. 実装における攻撃の検出
• 温度⼀定な平常時には⼀致
• 温度を測定対象
• 温度計のカメラ読み取りとIC温度センサ
• それぞれ精度±1℃→2℃以上の差で”不⼀致”
• IC温度センサのシリアル通信経路
への妨害を検出
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10. 提案したモデルに基づく攻撃検出能⼒の議論
• 誤検出の潜在的要因：2つの計器の特性差(計測範囲、感度など)、⾃然故障
→これらが問題にならないとしたとき
• 検出される：SW3で計測値2つが不⼀致と判定され、そのまま出⼒される攻撃
• 検出されない：そうでないもの
• SW3の改ざん、計測値2つを協調させながら改ざんなど モデルに基づいた構成要素ごと
での攻撃リスク検討・分類
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⼀致？

11. まとめ・今後の課題
• 課題１：異種冗⻑な計測系のセキュリティ評価
• 課題２：改修せずシステムに内在する異種冗⻑性の利⽤
→アナログ計器とディジタルセンサの併存に注⽬
• 系統間の整合性をもとに攻撃を検出する異種冗⻑な計測系のモデル化
• 特定の実装で攻撃検出能⼒の議論を⾏い、モデルの有⽤性を確認
• 今後の課題
• 冗⻑系統間の異種性・異種性によるデータ保護効果の定量的評価
• 複数の脆弱性を併⽤した攻撃への耐性の検討
• 実環境の制御システムでの利⽤における要求への適合
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