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「ソフトを他人に作らせる日本、
自分で作る米国」を読んで
株式会社SRA
阪井 誠
気になった内容
• 情報量の多い話
– 一般企業:IT企業のIT技術者(p.12)
• 日本25.5万人:77.1万人、米国236.2万人:94.1万人

• ソフトウェアの信頼性
– 米国の情報システム部門は日本の10倍(p.13)
– 開発や運用を外注して責任をとれるのか

• 技術のあり方
– 手段に集中、目的を忘れる(p.85)
– 科学は最も普遍的なものを対象とし、技術は最も具体的なも
のを対象とした(p.215)

2
情報量の定義
• 「情報量とは驚きの量」
• 砂漠で晴れの予報に驚きはないが、雨が降る予報に
は驚きがある。それが情報量
• データ圧縮ツールを考えると、単調なデータは圧縮して
小さくできるが、複雑なデータはあまり圧縮できない
• 一見複雑なデータであっても、そこに規則的なパターン
があれば圧縮できる
=>時系列で考えてみる。背景を考える

3
ソフトウェアエンジニアリング&業界
1968 NATO SE

1970

狭義のソフト工学
DoD

機能
指向

NASA
メトリクス

1980

開発法

アポロ
スカイラブ

SA/SD

DOA

プロト
タイピング

UNIX

ISPW

データ
指向

スパイラル

RAD

1990

インター
ネット

インタネット

CMM

オブジェクト
指向

オフショア

2000
2010

エンピリカル
アジャイル
開発
機能安全

リーン
スタートアップ

4
アメリカのソフトウェアと日本
• ソフトの信頼性は低い(テラダイン社最終システムテストとフィールド保守)
– ハンフリー「ソフトウェアでビジネスに勝つ 」pp.75-76
– 20欠陥/KLOC=>1欠陥/KLOC TSPによる

• アメリカは自社開発の比率が高い
– 適切な外注先がない/オフショアで良い・・・かも
– 20年失われていなかった

• 80年代から「日本は5-10年遅れている」と言われた
– マネではいつまでも勝てないし、まねをされていることも多い
– アメリカは単純化・アピールがうまい(CMM、リーン、CCPM)

5
進むべき方向
• 独自性を出す
– インターネット、ソフトウェアプロセス、アジャイル開発
など、日本は標準化で負けている
– 米国以外も参考に。ヨーロッパはSPICEを標準化した
ので、CMMIに入れざるを得なくなった

• 強みを生かす

RubyとPython
は似ている

– 高信頼性・親切機能で勝負

• 弱みを減らす

東京と大阪の関係

– IT技術をビジネスに生かす(景気・不景気にのる)
– 教育(計算量や統計学でまけない。科学、工学、技術)
6
最近の動向
科学

1968 NATO SE

1970

狭義のソフト工学
DoD

アポロ
スカイラブ

科学、工学、技術の統合
1980
UNIX
・コンピュータ科学(計算量)
ISPW
・統計学(メトリクス、ビッグデータ)
スパイラル
・リーンスタートアップ
インター
・オブジェクト指向
1990
ネット
・アジャイル
CMM
=> 基礎知識が必要

2000

科学

機能
指向

NASA
メトリクス

2010

技術
データ
指向

SA/SD

DOA

プロト
タイピング
RAD
インタネット

オブジェクト
指向

オフショア

エンピリカル
アジャイル
開発
機能安全

工学

リーン
スタートアップ

技術
7
Go one better!

完
8

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