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実践のためのスクラムガイド
京都大学大学院 情報学研究科
松永 大河
( )
この資料の目的
• スクラムガイドを読んで、
理解を深めたいと感じたところをまとめること
• 開発の流れを図式化
• それぞれのイベントで行うことを具体的に記載
• 実際の開発において、
分からないことが出てきたときに参照できる資料とすること
スクラムは「理解が容易」、「習得は困難」であるため、
この資料は「習得のために用いる資料」として作成
スクラムの理論
経験主義 を基本とする
検査
• 進捗を頻繁に検査
透明化
現状や問題の見える化
• 用語の共有
• 「完成」の定義の共有
適応
• プロセスや
構成要素を調整
開発の流れ
スプリントバックログ
プロダクトバックログ
スプリントプランニング
デイリースクラム
開発
リリース可能なインクリメント
スプリントレビュー
スプリント
レトロスペクティブ
作成
把握
選択
作成
検査
スプリント
毎日の繰り返し
参考:https://innolution.com/resources/
visual-agilexicon
• プロダクトに必要な機能の順位付き一覧
• アイテムには詳細、並び順、見積り、価値の属性があり、チーム全員が
追加可能
• 優先順位は顧客要求、市場調査結果、リスク対応、機能要件、
非機能要件、依存関係などを考慮して最終的にPOが決定 補足1参照
• 順位が高いものほど明確で詳細
プロダクトバックログ
具体的に何を書くのか?
→ユーザーストーリーとして記述することが多い
ユーザーストーリーとは
→要求を自然言語で簡潔に記載
テストのための受け入れ条件(ストーリーをDoneとみなす条件)も含める
e.g.) <役割>として<機能や性能>ができる。それは<ビジネス価値>のためだ
参考: https://junhiguchi.hatenablog.jp/entry/20190725/1564015238
https://tech.smarthr.jp/entry/2019/01/10/122048
スプリントプランニング
1. POとスプリントバックログの抽出
2. スプリントで達成すべきゴールを設定
スプリントプランニング1
1. スプリントバックログをタスクに分割
2. タスクボードにまとめる
スプリントプランニング2
受け入れ条件が曖昧だと
ゴールが見えず時間がかかる
タスクの書き方の例
統一することが重要
参考:https://www.agilejapan.org/image/AgileJapan2016-pre-2-3-Itou.pdf
https://masaytan.com/archives/974
https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1208/07/news128.html
目的:
何をどのようにつくるかを決定
その他のイベント
デイリースクラム
目的:開発チームの検査
• 15分間のタイムボックス
• 次の24時間の作業の計画
• 昨日やったこと、
今日やること、課題の共有
• 進捗報告、割当は
タスクボードを用いる
• インクリメントが
達成可能かの検査
スプリント
レビュー
目的:より良いプロダクトを
得るための手がかりを模索
以下を説明
• オーナー:
プロダクトバックログの完成
したもの、してないもの
• チーム:
うまくいったこと、
問題点と解決策
• プロダクトバックログの適応
• インクリメントのデモ
スプリント
レトロスペクティブ
目的:スクラムチームの検査、
適応
• 人、関係、プロセス、ツール
からスプリントを検査
• うまくいったor改善が必要な
項目を特定、整理
• チーム作業の改善実施計画を
作成
参考:https://qiita.com/gold-kou/items/90ba982a14ca79d843c9
https://tech-cci.io/archives/3177#title4
補足1:プロダクトバックログの優先順位の付け方
MoSCoW法
M: MUST HAVE
S: SHOULD HAVE
C: COULD HAVE
W: WON’T HAVE
狩野モデル
Must-Be: あって当たり前
One-Dimensional: ないと不満、あると差別化
Attractive: あると魅力的
Indifferent: 顧客が無関心
Reverse: あると困る
上記の2つは、アイテムに順位ラベルをつける方法
個人的には、狩野モデルは視覚的にも理解しやすい
参考:https://ssaits.jp/promapedia/method/moscow-method.html
https://goworkship.com/magazine/kano-model-analysis/
補足2:うまくいくスプリントの進め方
参考:https://www.ryuzee.com/contents/blog/7111
同時に着手するプロダクトバックログアイテムの数は少なくする
↓
スプリントの成果が0になるリスクを低減、予測精度が向上

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