SlideShare a Scribd company logo
Soumettre la recherche
Mettre en ligne
S’identifier
S’inscrire
暗号資産の基礎
Signaler
The University of Tokyo
Suivre
A handicapped person. Assistant Staff à The University of Tokyo
25 Feb 2021
•
0 j'aime
•
380 vues
1
sur
67
暗号資産の基礎
25 Feb 2021
•
0 j'aime
•
380 vues
Télécharger maintenant
Télécharger pour lire hors ligne
Signaler
Économie & finance
暗号資産の基礎
The University of Tokyo
Suivre
A handicapped person. Assistant Staff à The University of Tokyo
Recommandé
ブロックチェーンを学ぶ 公開版
YamashitaKatsushi
872 vues
•
47 diapositives
What is blockchain japanese version
Tomoaki
226 vues
•
26 diapositives
Enigma
Toshihide Hara
1.4K vues
•
45 diapositives
Blockchain - Future Sync Vol5 Slide
Kenichi Kurimoto
6.8K vues
•
59 diapositives
ブロックチェーンの基本構造
Soichiro Takagi
7.5K vues
•
33 diapositives
GBA presentation 2017年11月30日
GBAtokyo
48 vues
•
19 diapositives
Contenu connexe
Similaire à 暗号資産の基礎
0からはじめるWeb3入門(WEB1.0 / WEB2.0 / BLOCKCHAIN / Bitcoin / Smart contract / DeFi ...
KAYATO SAITO
140 vues
•
82 diapositives
IoTへのブロックチェーン適応探索
Hiroshi Takahashi
288 vues
•
186 diapositives
フィンテックアプリケーション 金融への応用事例 2-april2016 のコピー
Yoshimitsu Homma
1.5K vues
•
105 diapositives
IoTプラットフォーム市場の高付加価値化
Hiroshi Takahashi
428 vues
•
48 diapositives
プラットフォームとしてのブロックチェーン
Hiroshi Takahashi
513 vues
•
50 diapositives
Summary of Crypto currency2018 02-17
Kenichi Takeuchi
170 vues
•
63 diapositives
Similaire à 暗号資産の基礎
(20)
0からはじめるWeb3入門(WEB1.0 / WEB2.0 / BLOCKCHAIN / Bitcoin / Smart contract / DeFi ...
KAYATO SAITO
•
140 vues
IoTへのブロックチェーン適応探索
Hiroshi Takahashi
•
288 vues
フィンテックアプリケーション 金融への応用事例 2-april2016 のコピー
Yoshimitsu Homma
•
1.5K vues
IoTプラットフォーム市場の高付加価値化
Hiroshi Takahashi
•
428 vues
プラットフォームとしてのブロックチェーン
Hiroshi Takahashi
•
513 vues
Summary of Crypto currency2018 02-17
Kenichi Takeuchi
•
170 vues
はじめてのWeb of Things
Saki Homma
•
3.2K vues
ブロックチェーン技術の基本と応用の可能性
Kenji Saito
•
63.5K vues
ブロックチェーンが切り拓く新たな市場
Hiroshi Takahashi
•
403 vues
シンプルに考えよう Zero Trust Network
Ryuki Yoshimatsu
•
13.1K vues
嘘つきはセキュリティの始まり ~偽装技術とセキュリティ~(NTTデータ テクノロジーカンファレンス 2020 発表資料)
NTT DATA Technology & Innovation
•
209 vues
Introducing IBM Cloud & Cognitive
Atsumori Sasaki
•
1.3K vues
ブロックチェーン技術の課題と社会応用
Yuto Takei
•
1.3K vues
Why we need blockchain for dx
SBI R3 Japan
•
19 vues
マルチクラウドってそもそも何?いるの?いらないの? (20201005)
Masanori KAMAYAMA
•
657 vues
日経ITpro EXPO2015 ソラコム特別講演: IoTのキャズムを超える by CEO玉川
SORACOM,INC
•
34.8K vues
EXE #6:Lightning Network入門
blockchainexe
•
2.4K vues
Lightning Network入門
Mitsuta Takashi
•
2.8K vues
ソーシャルCRMプラットフォームを活用した情報交換コミュニティ「みんなのドットコムマスター広場」のオープンについて - プレゼンテーション 20110606
NTTCom CHEO
•
653 vues
BlockChain Introduction
Hikoto Iseda
•
67 vues
暗号資産の基礎
1.
DRIVING THE FUTURE
OF DIGITAL FINANCE 暗号資産に関する報告資料 基礎編 Tatsuru Kikuchi, Ph.D. June 30, 2020 Digital Economy Project Graduate School of Economics, The University of Tokyo
2.
本資料の目的 暗号資産に関する基本事項 1. 暗号資産やブロックチェーンの基本的な事柄を整理すること 2. コンセンサスアルゴリズムに関する基本的な説明を行うこと 3.
暗号資産に関するデータの取得方法を提示すること ※本資料に記載されている事柄は大学の教養レベルの基本的な知識に過ぎないことを強調しておく 現在、多数の暗号資産管理プラットフォームがあり、そこから様々なデータを容易に取得することが可能 であることは周知の事実である。下記は一つのサンプルに過ぎないが、例として示す。 本資料の目的 2 © 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
3.
多様化する暗号資産関連ビジネス 暗号資産に関する基本事項 3 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
4.
次々と登場するマイニング手法 暗号資産に関する基本事項 「Microsoftの『身体活動データを使用した仮想通貨 システム』と題された特許書類には、マイニングマシ ンを使用するのではなく、“身体の活動”を使用して仮 想通貨をマイニングするシステムに関する説明が行わ れています。同社はこの技術を用いて、新しいタイプ のPoWを実現することを目指しています」 「マイニング」という言葉は技術的な意味が曖昧で、IT業界、 特に専門家たるデータサイエンティストが用いることはない。 旧来、データマイニングはパターン認識という意味合いで用 いられてきたが、今日では分類やクラスタリング、回帰分析 などの分析手法を用いられることが多い。 暗号資産業界で用いられる「マイニング」は業界の専門用語 と捉えるべきであろう。 4 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
5.
暗号資産ビジネスに対して強まる規制の動き 暗号資産に関する基本事項 5 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
6.
6 1. 本資料の目的 2. 多様化する暗号資産関連ビジネス 3.
次々と登場するマイニング手法 4. 暗号資産ビジネスに対して強まる規制の動き 5. ブロックチェーンの概要 6. 代表的な暗号資産 7. 暗号資産のコンセンサスアルゴリズム 8. データの取得方法 9. WEBAPIの仕組み 10. 暗号資産サービス事業所が提供するWEB API 11. 暗号資産の相関分析 12. 暗号資産の価格予測 13. 今後の話題ー量子耐性 Table of Contents
7.
暗号資産に関する基本事項 7
8.
© 2020 Digital
Economy Project June 30, 2020 暗号資産に関連する基本的な技術 ハッシュ値の検証(取引データとナンス値からハッシュ値を計算してデータを検証する=「マイニング」) マイニングの実行者(=マイナー)は、数値パラメータのナンス値を変化させてハッシュ値が目標値に収 束するまで計算を繰り返す。各マイナーはハッシュ値が目標値に収束した際のナンス値を出力して、他の マイナーのナンス値と比較・検証する。ナンス値が正しければ、その結果は「真」と判断される。 ブロックチェーンの概要 ブロックN-2の ハッシュ値 取引データ ナンス値 ブロックN-1 ブロックN-1の ハッシュ値 取引データ ナンス値 ブロックN ブロックNの ハッシュ値 取引データ ナンス値 ブロックN+1 ブロックN-1の 取引データ ナンス値 ハッシュ関数 ブロックN-1の ハッシュ値 目標値 検証 8
9.
ブロックチェーンの概要 暗号資産に関連する基本的な技術 ハッシュ関数「sha256」を用いたハッシュ値の計算例: 計算したハッシュ値の出力: 文字列「digieco」をハッシュ関数「sha256」でハッシュ化した結果を下記に示す。 ハッシュ関数「sha256」を用いたハッシュ値は、256ビット(32バイト)を持つ。 9 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
10.
ブロックチェーンの概要 暗号資産に関連する基本的な技術 ハッシュ関数「sha256」を用いたハッシュ値の計算スクリプト 10 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
11.
暗号資産に関連する基本的な技術 暗号化の技術ーハッシュ化の特徴 計算された出力値(=ブロックN-1のハッシュ値)から入力値(=ブロックN-2のハッシュ値)を再現できない 1. 不可逆性 入力値を少しでも変えると出力値を再現できない 2. 機密性 入力値の長さに依らず、出力値の長さ(バイト)は必ず同じ長さになる 3.
固定長 個々のマイナーは ブロックN-2の ハッシュ値(入力値) からブロックN-1の ハッシュ値(出力値) を計算する ブロックN-2の ハッシュ値 ブロックN-1の ハッシュ値 ブロックN-1 計算 11
12.
2 暗号資産に関連する基本的な技術 暗号化の技術ー公開鍵暗号基盤(PKI ) 暗号化 (encryption) 復号化 (decryption) 公開鍵 (一般に公開) 秘密鍵 (マイナーが保管) SSL証明書が公開鍵 と 秘密鍵のペアを 生成 SSL証明 書 ブロックN-2の ハッシュ値 ブロックN-1の ハッシュ値 ブロックN-1 イントラネット 計算 ブロックN-1の ハッシュ値 検証 インターネット 各マイナーは秘密鍵を用いて 計算したハッシュ値を暗号化 マイナー ブロックN-1の ハッシュ値 暗号化したハッシュ値と公開鍵を セットにしてP2Pネットワークに 送信・公開する ブロックN-1の ハッシュ値 受信した公開鍵を用いて暗号化 されたハッシュ値を復号化 ハッシュ値の検証を行う 目標値 P2Pネットワー ク 1
13.
コンセンサスアルゴリズムの概要 暗号資産に関連する基本的な技術 コンセンサスアルゴリズムの基本的なフロー (目的:ブロックN-1のハッシュ値を計算して検証すること) 1.入力値は、ブロックN-2のハッシュ値(文字列「digieco」をハッシュ化した値)を与える。 2.目標とするハッシュ値は、先頭に「0000」という値が並ぶハッシュ値に設定する。 3.任意の数値パラメータであるナンス値を変化させてハッシュ値が目標値に収束するまで計算を繰り返す。 最終的に、計算を93,022回!繰り返した結果、目標とするハッシュ値に計算結果が収束した。 このハッシュ値に対応するナンス値は「333184」で、この値は目標のハッシュ値に対して一意的であり、 他のマイナーの計算結果と比較することで検証することができる。 13 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
14.
コンセンサスの速さを決めるハッシュパワー 暗号資産に関連する基本的な技術 ハッシュパワー:ハッシュ値の計算に要する時間 ハッシュパワーの推移(縦軸はlogスケール) ブロックN-2のハッシュ値からN-1の正しいハッシュ値を計算して出力するには大きなマシンパワーが必要 となる。上記の図からマシンパワーの増大に従い、ハッシュパワーが指数関数的に増大していっているこ とが見て取れる。いわゆる、ムーアの法則を超える速度で計算処理能力は増大し続けている。 14 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
15.
代表的な暗号資産 暗号資産の一部抜粋(データ取得で使用するものに限定) 15 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020 ティッカー 名称 開始年 概要 BTC ビットコイン 2009年 取引承認による新規通貨発行の仕組みが特徴的。 ETH イーサリアム 2015年 ブロックチェーン上にサブプログラムを書き込めるスマートコントラ クトと呼ばれる機能が実装されていることが特徴。 LTC ライトコイン 2011年 ビットコインのソースコードを利用しており、類似する点は多い。違 いは、ブロック生成が早く、取引承認時間が短いことにある。 XRP リップル 2013年 分散型台帳技術を利用した即時グロス決済システム、 外国為替・送金 ネットワーク。二重支払いの検知をPoWではなく、独自に開発された コンセンサスシステムによって行う。 ETC イーサリアムクラ シック 2015年 2016年にイーサリアムで発覚した不正取引事件を機に分裂して出来た 暗号資産。 DASH ダッシュ 2014年 ビットコインのソースコードをベースに開発されたオープンソースプ ロトコルに基づくP2P型の決済ネットワーク、及び暗号資産。 SC シアコイン 2014年 ブロックチェーンを利用したクラウドストレージのシェアリングが特 徴。 XMR モネロ 2014年 プライバシーの機能に特徴を持つ暗号資産。2018年8月に日本国内で の取引は廃止されている。 XEM ネム 2015年 取引承認にハーベスティングと呼ばれる手法を用いていることが特徴。 取引承認への参加権はネムのシステムに対する貢献度によって決定さ れている。そのため、ネムのコンセンサスアルゴリズムはPoI(プ ルーフ・オブ・インポータンス)と呼ばれている。
16.
コンセンサスアルゴリズム 16
17.
17 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
18.
ビザンチン将軍問題 P2Pネットワークの信頼性に関わる根本的な問題 ビザンチン将軍問題 ビザンチン将軍問題の舞台はビザンチン帝国の将軍たちがそれぞれ部隊を率いて敵を包囲している戦場。 各部隊はそれぞれ 離れた場所にいて伝令を相互に送ることでしか連絡できない。戦局は将軍たちがいっせいに指令を出して攻撃を仕掛ければ 勝てるが、一部の部隊だけで攻撃を仕掛けると負けてしまうという状態。つまり、攻撃か撤退かのどちらかを全将軍が一致 して同意しなければならない。しかし、将軍たちの中には裏切り者がいるかもしれない。 A. 攻撃を提案した将軍1は、他の将軍たちにその提案を送る。その提案を受け取った将軍は別の将軍に転送するとする。し かし、将軍2が裏切り者の場合は、攻撃を撤退に替えて将軍3に送る。このとき将軍3は最初の提案が攻撃だったのか撤退 だったのかわからない。 B.
ビザンチン将軍問題では、攻撃を提案した将軍1が裏切り者である場合も想定する。この場合は他の将軍たちに、攻撃ま たは撤退を替えて送ることもある。 18 © 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
19.
ビザンチン将軍問題 P2Pネットワークの信頼性に関わる根本的な問 題 ビザンチン将軍問題とは、誠実な将軍たちが全員一致で攻撃または撤退に同意できる場合、つまり正しい判断に対して、将 軍たちの判断を全員一致へと導く方法を考えることである。一般に、裏切り者の将軍がN 人のとき、誠実な将軍が2N +1人 以上であれば、誠実な将軍どうしの判断が一致できることがわかっている。 将軍4人のうち1人が裏切り者である場合(N=1)、即ち、誠実な将軍が2N+1(=3人)いる場合を以下に示す。 ビザンチン将軍問題 参照)Leslie
Lamport, Robert Shostak, Marshall Pease: “The Byzantine Generals Problem”, ACM Transactions on Programming Languages and Systems, Vol.4, No.3, pp. 382-401, 1982. https://dl.acm.org/doi/10.1145/357172.357176 19 © 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
20.
ビザンチン将軍問題 P2Pネットワークの信頼性に関わる根本的な問 題 P2Pネットワー ク ビザンチン将軍問題は、インターネット上での合意形成問題によく当てはまる。P2P ネットワーク上においては、各ノード間で調停を行うことはできず、相互にメッセー ジを送りつける通信を行うことしかできない。これは、各将軍が全員の将軍の意思決 定が分からない中で、相互にメッセージを送ることしかできないというビザンチン将 軍問題の状態と同様であると言える。どちらもこのような状況の中でいかに全員の合 意形成を取るかということが問題になってくる。 P2Pネットワークのビザンチン将軍問題 ビザンチン将軍問題を解決して、P2Pネットワークが正常に稼働するプロトコールの ことを一般的に、 Byzantine Fault
Tolerance(ビザンチン障害耐性、BFT)を持つプ ロトコールと言う。 例えば、代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)では、PoW(Proof of Work)と言うBFTを持つコンセンサスアルゴリズムが採用されている。その他に も BFTを持つコンセンサスアルゴリズムは多数提案されている(次頁参照) BFTを持つコンセンサスアルゴリズム 参 照 ) Leslie Lamport: "The part-time parliament ", ACM Transactions on Computer Systems, Vol.16, No.2, pp. 133-169, 1 9 9 8 . https://dl.acm.org/doi/10.1145/279227.279229 20 © 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
21.
暗号資産のコンセンサスアルゴリズム 暗号資産ビジネスの信頼性を担保するコンセンサスアルゴリズム PoW (Proof of Work) PoS (Proof
of Stake) PoI (Proof of Importance) PBFT (Practical Bizantine Fault Tolerance) LCP (Ledger Consensus Protocol) コンセンサスアルゴリズム 21 © 2020 Digital Economy Project June 30, 2020 KPI(重要評価指標 ) 計算能力 (特定資産の) 保有量 (特定資産の) 総合スコア 信用度 (多数決/管理者あり) 信用度 (多数決) BTC、ETH、LTC LSK XEM XIL、ARK XRP 代表的な通貨 特徴 誰もが参加可能 維持コストが高い 誰もが参加可能 維持コストが安い 流動性が低下 誰もが参加可能 維持コストが安い 流動性を担保 コンソーシアム型 維持コストが安い 維持コストが安い PBFTよりも待ち時間が短い 注)XRPのコンセンサスアルゴリズムは、正しくはPoCではなく「LCP」(或いは「RPCA」)と呼ばれてい る
22.
コンセンサスアルゴリズムー「PoW」の概要 BFTを持つコンセンサスアルゴリズム 1. 各ノードによるハッシュ値の計算 2. ハッシュ値の計算結果の検証による合意形成(コンセンサス) 3.
合意を得たノードが新しいブロックの形成権を得る 4. ハッシュ値を計算する処理能力(ハッシュパワー)に見合うインセンティブ を得ることが出来るかどうかがビザンチン障害耐性に対する一つの解決策と なっている PoW(Proof of Work)の特徴ーマイニングによるハッシュ値の検証 P2Pネットワー ク ブロックN-2の ハッシュ値 ブロックN-1の ハッシュ値 ブロックN-1 ブロックN-1の ハッシュ値 ブロックNの ハッシュ値 ブロックN ブロックNの ハッシュ値 ブロックN+1の ハッシュ値 ブロックN+1 検証 承認 ハッシュ値 の計算 ブロック の追加 検証 承認 ハッシュ値 の計算 ブロック の追加 検証 承認 ハッシュ値 の計算 ブロック の追加 22 © 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
23.
コンセンサスアルゴリズムー「PoW」の概要 BFTを持つコンセンサスアルゴリズ ム ブロックN-2の ハッシュ値 ブロックN-1の ハッシュ値 ブロックN-1 ブロックN-1の ハッシュ値 ブロックNの ハッシュ値 ブロックN Nの 値 ブロック ハッシュ N+1の 値 ブロックハ ッシュ ブロックN+1 Nの 値 ブロック ハッシュ N+1の 値 ブロックハ ッシュ ブロックN+1 ブロックN+1の ハッシュ値 ブロックN+2の ハッシュ値 ブロックN+2 ブロックN+2の ハッシュ値 ブロックN+3の ハッシュ値 ブロックN+3 ブロックN+1におけるマイニングの結果、二つの異なるノードで同時に同じハッシュ値を計算できた場合、 二つのノードの結果が共に承認されて、ブロックチェーンの分岐が生じる。PoWアルゴリズムでは、最終 的に、数多くのブロックで承認されて長く伸びたブロックチェーンが採用されることになる。 ブロックチェーンの分岐(fork)問題 長く伸びたブロックチェーンが採用される 同時に承認 23 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
24.
コンセンサスアルゴリズムー「PoS」の概 要 BFTを持つコンセンサスアルゴリズ ム マイニングによるハッシュ値の検証過程において、暗号資産の保有量に比例した インセンティブを与える。その結果、暗号資産の保有量が多いノードほどマイニ ングの検証・承認の成功確率が高くなるような合意形成の仕組み。 PoS(Proof of Stake)の特徴ー「保有量」に比例したハッシュ値の検証 P2Pネットワー ク •
PoWでは、計算処理能力(ハッシュパワー)の大きなノードがマイニングに 成功しやすいという特徴がある。 • 一方で、ハッシュパワーの大きなノードは、その計算処理能力を新しい通貨 に適応することで、P2Pネットワークへの悪意を持った攻撃が可能になると いう課題がある。 PoW(Proof of Work)の課題 ブロックN-2の ハッシュ値 ブロックN-1の ハッシュ値 ブロックN-1 目標値 暗号資産の保有量 (残高) 検証 24 © 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
25.
コンセンサスアルゴリズムー「PoI」の概要 BFTを持つコンセンサスアルゴリズム • PoI(Proof of
Importance)では、PoSにおける暗号資産の保有量に比例し たインセンティブを一般化。 • 総合スコア=保有量、取引量、取引回数など • マイニングによるハッシュ値の検証過程において、暗号資産の総合スコアに 比例したインセンティブを与える。その結果、暗号資産の総合スコアが多い ノードほどマイニングの検証・承認の成功確率が高くなるような合意形成の 仕組み。 PoI(Proof of Importance)の特徴ー総合スコアに比例したハッシュ値の検証 P2Pネットワー ク ブロックN-2の ハッシュ値 ブロックN-1の ハッシュ値 ブロックN-1 目標値 暗号資産の総合スコア (保有量、取引量、取引回数など) 検証 25 © 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
26.
コンセンサスアルゴリズムー「PBFT」の概 要 June 30, 2020 26
© 2020 Digital Economy Project BFTを持つコンセンサスアルゴリズ ム 1. BFTを持つコンセンサスアルゴリズムの一つ 2. 取引の合意形成(コンセンサス)に至るまでの時間が短い ※マイニングを用いた承認ではない(バリデータがその役割を担う) 3. バリデータに対する信頼性が高い ※この点は中央集権的ではないかとの批判もある(P2Pの本来的な意図に反するようにさえ見える) 4. リーダーと呼ばれる存在(バリデータにバリデーションの指示) PBFT(Practical Bizantine Fault Tolerance)の特徴 1. リーダーはバリデータにデータを転送 2. バリデータは転送されたデータに「不正」がないことを確認 3. 転送されたデータに問題がないことの合意形成(コンセンサス) 4. 取引データのバリデーション実行 5. 取引データの合意形成(コンセンサス) PBFTの合意形成プロセス • 実質的な意味を為さないリーダーの存在 • 複数回必要な合意形成(コンセンサス) • 通信トラブルなどにより、リーダーが複数ブロックをバリデータに 転送する問題が生じる可能性がある(時間の浪費) ※バリデータは通常、単一ブロックのバリデーションのみを行う PBFTの問題点 リーダー 転送処理 バリデータ バリデータ 転送処理の 合意形成 バリデータ マイニングの 合意形成
27.
コンセンサスアルゴリズムー「LCP」の概 要 暗号資産XRPの信頼性を担保するコンセンサスアルゴリズム コンセンサスUNLの柔軟性を高める新しい アトミックブロードキャストアルゴリズム 「Cobalt」の提唱。 XRP Ledgerのコンセンサスアルゴ リズムとその安全性および活性の 特性に関する最新の詳細な分析。 XRP Ledgerで採用されている コンセンサスアルゴリズムの提唱。 2018年 LCPを発展させたアルゴリズム 「Cobalt」の提唱 27
© 2020 Digital Economy Project June 30, 2020 2014年 新たなアルゴリズム 「RPCA」の提唱 2018年 XRPのアルゴリズム 「LCP」の実装と浸透
28.
コンセンサスアルゴリズムー「LCP」の概 要 暗号資産XRPの信頼性を担保するコンセンサスアルゴリズ ム 1. 取引の合意形成(コンセンサス)に至るまでの時間が短い ※マイニングを用いた承認ではない(バリデータがその役割を担う) 2. バリデータに対する信頼性が高い ※この点は中央集権的ではないかとの批判もある(P2Pの本来的な意図に反するようにさえ見える) 3.
PBFTと比較すると、リーダーは存在せず、誤った転送処理が生じて時間を浪費することがない LCP(Ledger Consensus Protocol)の特徴 • XRPのコンセンサスアルゴリズムは、正式には「RPCA」(Ripple Protocol Consensus Algorithm) 或いは「LCP」(Ledger Consensus Protocol)と呼ばれている。 • LCPの特徴は「待ち時間の少ないBFTを持つプロトコールである」と言える。 ※PoC(Proof of Consensus)は国内のメディアでは度々使用されているが、それは正しい表現ではない。 XRPのコンセンサスアルゴリズムー「LCP」 “The Ripple Protocol Consensus Algorithm” (2014)からの抜粋。 28 © 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
29.
29 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
30.
30 データの取得方法
31.
WEB APIの仕組み WEB API
を用いたデータの取 得 レスポンス(例) 200: OK 400: リクエスト不正 404: データ不明 500: サーバー内部エラー WEB API:Web上でクライアントからサービスを呼び出す方式 リクエストの送信 レスポンスの送信 取得されたデータ JSON・XML形式 リクエスト(例) GET: データ取得 POST: データ作成 PUT: データ変更・更 新 DELETE: データ削 除 31 © 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
32.
暗号資産サービス事業所が提供するWEB API WEB API を用いたデータの取得 暗号資産サービス事業所などが提供する WEB
API(下記はその一例) URL: https://min-api.cryptocompare.com リクエストの送信 レスポンスの送信 取得されたデータ JSON・XML形式 レスポンス(例) 200: OK 400: リクエスト不正 404: データ不明 500: サーバー内部エラー リクエスト(例) GET: データ取得 POST: データ作成 PUT: データ変更・更 新 DELETE: データ削 除 Pythonの場合、下記のコマンドでAPIを 叩いてデータを取得できる: requests.get(“URL”) 32 © 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
33.
データ取得方法ーWEB APIからデータを取 得 Pythonを用いたWEBAPIの読み込み 必要なモジュールをインポートする。 WEB APIを叩いて暗号資産に関するデータを取得する 。 33
© 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
34.
データ取得方法ーWEB APIからデータを取 得 Pythonを用いたWEB APIの読み込み 複数通貨のデータをデータフレームに格納する。 34
© 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
35.
データ取得方法ーWEB APIからデータを取 得 Pythonを用いたWEB APIの読み込み 1年毎にデータを分けてデータフレームに格納、csv形式でデータを保存する。 35
© 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
36.
データ取得方法ーWEB APIからデータを取 得 Pythonを用いたWEB APIの読み込み 1年毎にデータを分けてデータフレームに格納、csv形式でデータを保存する。 下記、2019年のデータの一部を表示する。 36
© 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
37.
© 2020 Digital
Economy Project June 30, 2020 取得したデータの表示ーデータの視覚化 Pythonを用いたデータの視覚化 暗号資産の価格(終値)の推移をプロットする。 37
38.
取得したデータの表示ーデータの視覚化 Pythonを用いたデータの視覚化 暗号資産の価格(終値)の推移をプロットする。 38 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
39.
暗号資産の相関分析 39
40.
暗号資産の相関分析 ピアソンの相関係数の比較 複数通貨のデータに関して、相関分析を実行する。 ピアソンの相関係数を計算して、ヒートマップとしてプロットする。 40 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
41.
41 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020 暗号資産の相関分析 ピアソンの相関係数の比較 複数通貨のデータに関して、相関分析を実行する。 ピアソンの相関係数を計算して、ヒートマップとしてプロットする。
42.
42 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020 暗号資産の相関分析 ピアソンの相関係数の比較 複数通貨のデータに関して、相関分析を実行する。 ピアソンの相関係数を計算して、ヒートマップとしてプロットする。
43.
43 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020 暗号資産の相関分析 ピアソンの相関係数の比較 複数通貨のデータに関して、相関分析を実行する。 ピアソンの相関係数を計算して、ヒートマップとしてプロットする。
44.
44 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020 暗号資産の相関分析 ピアソンの相関係数の比較 複数通貨のデータに関して、相関分析を実行する。 ピアソンの相関係数を計算して、ヒートマップとしてプロットする。
45.
2016年以前は通貨間の相関性は低かった。しかしながら、2017年以降、通貨間の相関性 は次第に強く相関するようになっている。理由はよく知られているように、2017年以降、 ヘッジファンドが暗号資産市場での取引を開始したためである。 相関分析から得られるインサイト 視覚化したデータの背景にあるもの https://fortune.com/2017/07/26/bitcoin-cryptocurrency-hedge-fund-sequoia-andreessen-horowitz-metastable/ https://www.forbes.com/sites/laurashin/2017/07/12/crypto-boom-15-new-hedge-funds-want-in-on-84000- returns/#7c709ab3416a 45 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
46.
暗号資産の相関分析 ピアソンの相関係数の比較 ここで、別の視点からピアソンの相関係数を表示する。 年度毎の相関係数を確立密度分布の形に変換してプロットする。 46 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
47.
暗号資産の相関分析 ピアソンの相関係数の比較 年度毎の相関係数を確立密度分布の形に変換してプロットする。 2016年から2017年、2018年と推移するに連れて、相関性が強くなっていく様子が見て取れる。 47 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
48.
暗号資産の価格予測 48
49.
時系列分析の概要 基本的な時系列分析手法 • 平滑化スプライン(分析手法というよりは、データフィッティング手法と呼ぶのが適切) (典型例:指数平滑化) • 自己回帰型モデル (典型例:AR、MA、ARIMA、SARIMA、VAR) •
状態空間型ベイズ統計モデル (典型例:カルマンフィルタ、粒子フィルタ、MCMC、自己組織化型状態空間、HMM) • ディープラーニング (典型例:LSTM(Long-Short Term Memory)) 時系列データの分析手法 49 © 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
50.
時系列分析の概要 基本的な時系列分析手法 分析⼿法 概要 メリット トレンド分析
上昇傾向か下降傾向かを⾒る 傾向を掴むのに便利 ⾃⼰相関分析 ⼀期前と⼆期前のデータ間の相関性を⾒る ARIMAモデルをやる理由の明確化 ARIMA 過去の振る舞いから未来を予測 汎⽤性の⾼いメジャーなモデル ARCH (GARCH) 予測誤差の振る舞いをモデル化 周期的なピークなどにも対応可能 スペクトル分析 期間ごとの周期性を⾒出す 周期を使った詳細な分析が可能 指数平滑化 ⼀期前と⼆期前の今期への影響の違いを 1つのパラメータで表現 パラメータが少なく予測が容易 交差相関分析 2つの時系列データの関係を⾒る 関係性から要因分析が可能 ランダムウォーク ランダムな振る舞いを確率論から予測 ランダムなデータにも対応可能 デメリット 傾向がないと使えない ⾃⼰相関性がないと使えない 周期的なピークの予測には弱い 周期的なピークがなければ不要 周期性がないと使えない 予測精度に限界がある 1つの時系列データのみでは 使えない 確率論や微分⽅程式の知識が必要 時系列分析手法の概要 50 © 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
51.
時系列分析の概要 基本的な時系列分析手法 自己回帰型モデルの基本:将来の振る舞いは過去の振る舞いを繰り返す ARモデル︓時系列データの因果関係を元にしたモデル 先⽉の売上⾼と今⽉の売上⾼には何らかの関係があるだろうと想定するモデル MAモデル︓⼀部のデータに相関性があることをモデル化 ARモデルでは常に因果関係を想定するが、MAモデルでは時間⽅向にスライドさせてマッチするデータがあれば、 何らかの相関があるとするモデル ARIMAモデル︓⾮定常過程を分析するために差分の推移をモデル化 51
© 2020 Digital Economy Project June 30, 2020 ARMAモデルでは定常過程にのみ適⽤可能 ARMAモデルを⾮定常過程にも適⽤するため、変数の差分を取って、その推移の時系列をモデル化したもの 基本的な自己回帰型モデル
52.
Prophetの概要 • Facebook社が開発した時系列予測のオープンソース・プログラム • 特徴的な事柄は、トレンド抽出や変化点抽出を容易に行うことが出来る点にある •
Prophet は、以下のような特徴を持つデータに有用である 長期(月次、年次)に渡る詳細な履歴(毎時、日次、週次)がある 複数の強い季節性を持つ 不規則なイベントを含む データポイントがないか、大きな外れ値がある 非線形成長トレンドがある • Prophetは、一般化加法モデルの一つであり、局所的なベイズ構造時系列モデルを採用している • 一般化加法モデルの予測式は下記のように表される: 予測値=「トレンド効果」+「季節効果」+「祝日等の不定期効果」+「誤差」 • 各パラメーターの推定には、MAP推定(事後確率最大化推定)を用いる。具体的には、MAP推定の実 行には統計パッケージ「Stan」を使用している。Stanは一般的な統計分析プログラムであり、C++で 書かれている 将来価格の予測ー時系列分析 Prophetを用いた時系列分析 52 © 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
53.
将来価格の予測ー時系列分析 Prophetを用いた時系列分析 • 暗号資産の価格(時系列データ)をモデル化して、将来価格の予測を行う • 今回は、Facebook社が開発した時系列分析モジュールProphetを使用する •
例として、ビットコイン(BTC)のデータの予測を実行する。 • 以下、暗号資産に関するデータ取得の部分から再掲する 必要なモジュールをインポートする。 ビットコイン(BTC)の価格予 測 53 © 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
54.
将来価格の予測ー時系列分析 Prophetを用いた時系列分析 WEB APIを叩いて暗号資産に関するデータを取得する 。 例として、BTCの時系列データのみを抽出する。 ビットコイン(BTC)の価格予 測 54
© 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
55.
将来価格の予測ー時系列分析 Prophetを用いた時系列分析 • Prophetを使用して時系列分析のモデルを構築する。 • トレンド予測のモデルとして線形モデルを採用。なお、ロジスティックモデルも適用可能。 •
複数の周期性を持つ場合にも対応したモデルを追加。 • 更に、祝日を考慮に入れてモデルを修正した。 ビットコイン(BTC)の価格予 測 55 © 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
56.
将来価格の予測ー時系列分析 Prophetを用いた時系列分析 トレンドの予測結果を下記に示す。 黒い点は実際の値、青い線はモデルの予測値を表す。 ビットコイン(BTC)の価格予 測 56 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
57.
将来価格の予測ー時系列分析 Prophetを用いた時系列分析 周期性の予測結果を下記に示す。 年間の周期性: 決算期末に最安値を示し、夏 季(7〜9月)に最高値を示す 傾向にある。 週間の周期性: 変動幅は小さいが、木曜日に 終値は最安値を示し、土曜日 に最高値を示す傾向にある。 トレンド: 2018年までは増加傾向にあっ たが、その後、価格は減少し て、2019年以降はやや回復基 調にある。 ビットコイン(BTC)の価格予 測 57 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
58.
58 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020 将来価格の予測ー時系列分析 Prophetを用いた時系列分析 変化点の予測結果を下記に示す。 赤い点線の日時にトレンドの変化が生じていることを示している。 ビットコイン(BTC)の価格予 測
59.
将来価格の予測ー時系列分析 Prophetを用いた時系列分析 イーサリアム(ETH)の価格の予測を同様に実行する 。 周期性の予測結果を下記に示す。 年間の周期性: 3月末に最安値を示し、1月に最 高値を示す傾向にある。 週間の周期性: 変動幅は小さいが、木曜日に終 値は最安値を示し、土曜日に最 高値を示す傾向にある。 トレンド: 2018年までは増加傾向にあった が、その後、価格は減少して、 2019年以降はやや回復したが、 下落基調にある。 イーサリアム(ETH)の価格予測 59 ©
2020 Digital Economy Project June 30, 2020
60.
将来価格の予測ー時系列分析 Prophetを用いた時系列分析 変化点の予測結果を下記に示す。 赤い点線の日時にトレンドの変化が生じていることを示している。 イーサリアム(ETH)の価格予測 60 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
61.
将来価格の予測ー時系列分析 Prophetを用いた時系列分析 リップル(XRP)の価格の予測を同様に実行する 。 周期性の予測結果を下記に示す。 年間の周期性: 12月末に最安値を示し、1月に 最高値を示す傾向にある。 週間の周期性: 変動幅は小さいが、火曜日に終 値は最安値を示し、土曜日に最 高値を示す傾向にある。 トレンド: 2018年までは増加傾向にあった が、その後、価格は減少して、 2019年以降はやや回復したが、 下落基調にある。 リップル(XRP)の価格予測 61 ©
2020 Digital Economy Project June 30, 2020
62.
将来価格の予測ー時系列分析 Prophetを用いた時系列分析 変化点の予測結果を下記に示す。 赤い点線の日時にトレンドの変化が生じていることを示している。 リップル(XRP)の価格予測 62 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
63.
今後の話題 © 2 0 62 30Digital E c o n J u o n m e y 3 P 0 r , o 2 j e 0 c 2 0 t
64.
暗号資産に要求される量子耐性 量子超越性を持つコンピュータの脅威 Google社による量子超越性の実現とブロックチェーンの暗号化技術に対する脅威 64 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020
65.
暗号資産に要求される量子耐性 量子超越性を持つコンピュータの脅威 2019年10月、Google社は量子コンピュータがスーパーコンピュータの計算能力をしのぐ「量子超越性」を実現し たことを発表した。Natureに掲載された論文「プログラム可能な超伝導プロセッサを使用した量子超越性」によ ると、Googleの53量子ビットプロセッサ「Sycamore」を搭載した量子コンピュータが、世界最速のスーパーコ ンピュータが約1万年かかる計算をわすが200秒程度で完了させたことを報告している。このことは、これまで極 端に時間のかかっていた計算が、量子コンピュータによって実用的な速度で計算をすることができる可能性を示し ており、セキュリティ面では既存の暗号技術に対する脅威となることが問題視されている。 量子超越性(Quantum Supremacy)の実現 • 今後、ブロックチェーンの暗号化技術は、量子超越性を持つコンピュータに対する障害耐性(量子耐性、 Quantum
Tolerance)を持つことが要求されている。 • 「非対称暗号は秘密鍵と公開鍵という鍵のペアに依存している。公開鍵は秘密鍵から計算できるが、その逆は 不可能。これは一定の数学問題が解読不可能なためだ。量子コンピューターはこの計算を桁違いに効率的に実 行できる。仮に公開鍵から秘密鍵という逆方向の計算が可能になれば、その時は全スキームが駄目になる。こ れは実証されており、あとはより多くの量子ビットと安定性が必要なだけ。開発は絶え間なく続いている」 (イーサリアム創業者Buterin氏) • 「マイニングに必要なPoWプロトコルのハッシングアルゴリズムは通常、量子コンピューティングに耐性があ る。量子コンピューターを使った攻撃者の方向性としてより可能性が高いのは、PoWあるいはPoSプロトコル のウォレットのセキュリティを破ること」 (暗号資産Praxxis創業者Chaum氏) 暗号資産に要求される量子耐性(Quantum Tolerance) 65 © 2020 Digital Economy Project June 30, 2020
66.
参考文献 66 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020 1. CryptoCompare official documentation https://min-api.cryptocompare.com/documentation?key=Historical&cat=dataHistoday 2. CryptoCompare API quick-start guide https://blog.cryptocompare.com/cryptocompare-api-quick- start-guide-f7abbd20d260 3. HodlBlog: An Analysis of Correlation in the Cryptocurrency Market https://www.hodlbot.io/blog/how- many-cryptocurrencies-are-simply-following-the-market 4. Blockchain.com: hash-rate https://www.blockchain.com/charts/hash-rate?timespan=all 5. 書籍「Pythonで動かして学ぶ!あたらしいブロックチェーンの教科書」(翔泳社) https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798159447 6. 書籍「ブロックチェーン技術入門」(森北書店) https://www.morikita.co.jp/books/book/3182 7. 国立情報学研究所:ビザンチン将軍問題とは何か https://www.nii.ac.jp/today/69/4.html 8. Ripple社:コンセンサスの研究 https://xrpl.org/ja/consensus-research.html 9. IBM社:はじめてのBlockchainーIBM Cloud 上の Blockchain サービスを使ったブロックチェーンの概要 https://developer.ibm.com/jp/tutorials/j-cl-blockchain-basics-bluemix/# 10. Facebook社:Prophet’s official homepage https://facebook.github.io/prophet
67.
67 © 2020
Digital Economy Project June 30, 2020