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顧客、会社、チームをHappyにするプロダクトマネジメント
- 13. 13
成功へ導く3つの問い
常にBusiness / UX / Marketingの3つ問いかけを持ってリード。
UX
Marketing
Business
A. Impactful
会社にとってどんな意義を作るの?
– Happy outcome
– 勝ちにつながるか
– 儲かるか
C. Attractive
どんな風に惹き付けるの?
– Happy choice
– FOR, POD, benefit
B. Comfortable
どんな嬉しい経験/習慣にするの?
– Happy experience
– NPS
Multi-sided Product Concept
Editor's Notes
- こんにちは、楽天の山下と申します。
本日は、「顧客、会社、チームをHappyにするプロダクトマネジメント」というテーマで、我々の組織でのプロダクトマネージャーの考え方や取り組みをご紹介したいと思います。
- はじめに自己紹介ですが、私は顧客戦略統括部という部署にて、楽天のエコシステム戦略をリードするためのプロダクトやUXを担っております。もともとウェブディレクターから始まり、現在はプロダクトマネージャーや組織のマネジメントを担っております。
写真にあるとおりキャンプが好きで、焚き火を眺めながらプロダクトの戦略を考えています。
- さて、私がいる顧客戦略統括部の位置を少しご説明します。
楽天市場などの各サービスにあるのではなく楽天グループのヘッドクオーターにあたり、横断組織としてグループの戦略やマーケティング、横断系プロダクトをリードし楽天全社へ貢献するという部署になります。本日はこの組織でのプロダクトマネジメントの取り組みや考え方をご紹介します。
- 本日のテーマ「愛されるプロダクトを創ろう」ですが、「偏った愛」による失敗、ありますよね?
例えば
・要求が高すぎるムリゲー →受注したからとにかく1ヶ月以内にリリースしろ!
・儲からない自己満プロダクト →最先端のテクノロジーを使ってなんか面白いことやろうぜ
・バラバラ誰トクプロジェクト →これ僕らの成果にならないし、面倒だから無視しておこう。
など、うまくいかない形は多く有ると思います。
- .少し前に話題になったこの絵、見たことがある方いらっしゃいます?
Roleによって要求が全く異なり、想像しないようなプロダクトが出来てしまう失敗を上手く表現していますね。
- では、私達は、何のためにプロダクトを生み出し頑張って成長させるのでしょうか?ユーザー?会社?
- 私達は、顧客、会社、チームという3者をHappyにするためだと考えています。
顧客のためだけではない、会社もチームも3つ全てをHappyにする、この目的を持ち続けることが大切です。
- この目的のもと我々のチームで扱っているプロダクトの1つに、楽天ポイントクラブというサービスがございます。
- 楽天PointClubは、楽天ポイントユーザーの必須アプリとして、数多くのお客様に高い満足度のもとご利用いただいております。
また、売上貢献も昨年対比で2倍と大きく成長しております。そして、そのような結果を生み出しているのが、右の写真のチーム、ハロウィンの写真ですが、こういったイベントもやりながら、チームも日々楽しく切磋琢磨しております。
- では、このように顧客、会社、チームをHappyにするプロダクト成長がなぜできるのでしょうか?
- それは、2つの成功要因があると考えています。
1つ目は成功へ導く観点やプロセス 2つ目は強みを最大限活用する、ということです。詳しくご説明します。
- 私達は、プロダクトを企画、開発する際、常にBusiness, Marketing, UXの3領域に対し本質的な問いかけを繰り返します。
ビジネス観点で、「会社にとってどんな意義を作るの?」UX観点「どんな嬉しい経験にするの?」マーケ観点「どんな風に惹き付けるの」という問い、これらが欠けること無くそれぞれがHappyなのかをPJT内で常に持つことで、質の高いプロダクトを創ることが出来ます。
- そして、それらの問いと答えを凝縮したものが本質的で価値の高いコンセプトになり、デザイン、開発での作り込み、磨き上げを経て、ユーザーへ届き、成果が生まれます。その結果から学びや課題、チャンスがうまれ、また3つの領域で吟味し、解決へ向かう、このようなプロセスをワンチームで回し続けることで、目的である顧客、会社、チームという3者をHappyにするということができるのだと考えています。
この中でプロダクトマネージャーは、コアな価値の創出とプロセスを回す責任があります。
- では、プロダクトマネージャーは、どのようなスキルが求められるでしょうか?それはプロセスのフェーズによって変わります。
- 例えばコンセプト設計前は、ROIやKPI、UXリサーチやログ分析など、課題やチャンスの特定とビジネスロジックの理解が求められます。
- 実際のプロダクト開発フェーズでは、IAやデザイン領域、開発ディレクションスキルやスクラムへの理解、
- リリース時にはコミュニケーション設計、マーケティング、成果面ではKPIやP/Lのスキルが求めらます。
このように、Business、UX、Marketingの広範囲な理解とPJTを推進するリーダーシップを持って成果を作っていく、それがプロダクトマネージャーには求められます。
- ただ、すべて出来るヒトは稀ですよね?どうやったら良いのでしょうか?
- 例えば、我々の部署で最近本格提供したポイント運用の事例をご紹介します。
こちらはPointClubで10/3に本格提供を開始した新しい機能、サービスです。
- このポイント運用では、ビジネス、マーケ、UXがそれぞれのスキルを活かしこのような意見や要件を出していきました。
ビジネスインパクトを出すためにKPI達成したい、投資未経験者にも自然に楽しめるUXにしたい、運用の魅力が伝えられるコピー・説明にしたい、など。
それらの意見をまとめながらプロダクトのコンセプトや機能要件を作っていきますが、プロダクトマネージャーはここでどれだけ価値を高められるか、が重要になります。
- つまり、本質的な問いをチームにかけ続けることで、それぞれのCapabilityを最大化し、チームとしてクオリティの高い企画や設計を作り上げることが出来ます。
プロダクトマネージャーは、チームとプロダクトの質を引き上げること、これが大切です。
- そして、我々顧客戦略部は、すべてのプロジェクトにこの体制を敷いています。常に、どのプロジェクトのどのフェーズでもこの3つの問いに答えられるよう、ビジネス、UX、マーケティング体制を共通化することで、部全体のクオリティを底上げしています。
- さて、これまでは、成功へ導く観点とプロセス、という要因をお話してきましたが、
もう1つの大きな要因、強みの最大活用 のお話を致します。
- みなさんの会社にも、それぞれのユニークな強みがあると思います。
顧客、会社、チームをよりHappyにするためには、そういった強みを最大限活かす必要があります。
- 楽天の強みはといいいますと、9500万を誇る会員基盤や、No.1ポイントである楽天ポイント2000億ポイント以上の年間発行数、70以上のサービスやブランド力ですが、これらのアセットを活かしてプロダクトの価値を増幅させる、強みを最大活用するのもプロダクトマネージャーは必須です。
PointClubでは、ポイントのブランドや会員基盤を活かしキャンペーなどによって多くのお客様を集客します。そして、70以上ある様々なサービスからコンテンツを用意し、様々な文脈で良い体験が出来る仕掛けを作り続けています。
- さて、これまで目的達成のための要因を説明してきました。まとめとして、私がこの場でお伝えしたいことは、「顧客、会社、チームをHappyにする目的で本質を掴み、強みを活かしてプロダクトを成長させよう」 ということです。
Roleやプロセスを目的化せず、プロダクトマネージャーは本来の事業の目的とそのためのプロダクトの価値を高めるところでリーダーシップを発揮し、活躍していただければと思います。
- さて最後になりましたが、楽天の顧客戦略は面白い仕事やってます。ポイントクラブの他にも楽天市場の検索UI/UX改善なんかも手がけています。成長速度が非常に早いスペシャルな組織で、プロダクトマネージャーとして一緒に切磋琢磨できる仲間を募集中ですので、ご興味あればコンタクト頂ければと思います。