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© 2020 IBM Corporation
IBM Cloud
Direct Linkガイド
2020/11/02
日本アイ・ビー・エム
クラウド事業統括
新島 智之
© 2020 IBM Corporation
Direct Link 概要
▪ IBM Cloud Infrastructureでは専用線や閉域網VPN経由での接続を希望されるお客様に、
Direct Linkというサービスで対応しています。
▪ Direct Linkは以下のタイプで提供されます。
– Direct Link Exchange 1.0
• Equinix社のECX (Equinix Cloud Exchange)、または@Tokyo社のATBeXなどのサー
ビス経由での接続です。
– Direct Link Connect 1.0 および 2.0
• キャリア様のネットワークサービスとの連携によって提供されるサービスです。
– Direct Link Dedicated 1.0 および 2.0
• 帯域を占有した接続が必要な場合はこちらをご利用ください。
• DC側でDirect Link接続が必要な場合はこちらをご利用ください。
▪ 2016年10月からDirect LinkではBGPでの経路制御が必須となりました。また、Direct
Linkを利用するアカウントは、VRF環境に移行されます。VRF環境ではアカウント間
VLAN spanningが利用できません。また、IPsec VPN、PPTP VPN、SSL VPNの利用に制
約があります。
▪ Direct Link Exchange、Direct Link Dedicated共、2契約をオーダーすることで、冗長構
成をとることが出来ます。
▪ 上記の他にDirect Link Dedicated Hostingという名称で、お客様機器を収容するラックと
セットで提供するものがありますが、この資料では説明していません。
2
© 2020 IBM Corporation
Direct Link 1.0と2.0の違い
Direct Link 1.0
▪ IBM Cloud Classicへの接続のみ
▪ 帯域ごとの固定料金での請求
▪ Dedicated、Exchange、Connectの3タイプ
▪ 一部を除いてCaseを通じたマニュアル・プロセ
スによる接続
▪ XCR/CER間subnetはIBM Cloud側で数日後に割
当
▪ 2.0の提供エリアが充足した後、将来サービス停
止される可能性あり
Direct Link 2.0
▪ IBM Cloud Classicに加え、VPC Gen1、VPC
Gen2との接続が自由に組合せ・変更・削除可能
▪ 帯域ごとの固定料金制に加え、従量課金制も選
択可能
▪ DedicatedとConnectの2タイプ (Exchangeと
Connectの統合)
▪ API連動による自動オーダープロセスに移行予定
▪ XCR/CER間subnetはユーザー指定も可能で即時
決定
▪ Connect 2.0の接続実績のあるプロバイダーはま
だ限定的
3
お客様
XCRCER Classic IaaS
お客様
XCRCER Classic Iaas
VPC Gen2DL
VRF
VPC Gen1
Direct Link Connect 2.0は、現時点では限定的なサービスです。IBM Cloudポータル上で利用可能となっ
ているサイトやプロバイダーでも、まだ接続実績がない場合や、プロバイダー側の対応が必要となる場
合があります。ご検討の際には、必ずIBMの営業等にご相談いただき、最新の情報でご検討ください。
© 2020 IBM Corporation4
Direct Link Exchange 1.0概要
▪ Equinix社が提供するECX (Equinix Cloud eXchange)もしくはAT Tokyo社のATBeXなどの
Exchange providerのサービス経由でIBM Cloudと接続するサービスです。
▪ PoPのあるデータセンターまでの接続の料金および手続きについては、お客様側で対応していた
だきます。Exchangeサービスとの構内接続、VC (Virtual Circuit) の費用と手配もお客様にご対応
頂きます。
▪ 準備に30~60日かかります。
▪ 50M、100M、200M、500M、1G、2G、5Gbpsの接続が選択できます。
▪ お客様側ルーター(CER)とIBM Cloud側ルーター(XCR)接続用のIP addressを提供します。
▪ お客様側ネットワークとIBM Cloud側ネットワークの経路制御は、BGPで行います。
▪ 1000BASE-LXもしくは10GBASE-LRのsingle mode fibreでの接続となります。
▪ 802.1Qもしくは802.1adによるVLAN接続となります。お客様側のVLAN IDについては、お客様に
ご指定いただけます。
お客様
CER XCR
PoP
PoPのあるDC IBM Cloud
データセンター
BCR
VM
Private VLAN
Public VLAN
Internet
お客様手配 弊社手配
CX
802.1Q
Or
802.1ad
802.1Q
BGP
VC
© 2020 IBM Corporation5
Direct Link Exchange 1.0接続の手続きの流れ(ECX経由以外)
1. IBM Cloudにアカウントを取る。
2. IBM Cloud Infrastructure上にサーバーを作成し、Private VLANのIP addressを確認する。
3. PoPのあるDCプロバイダーと以下のものを契約する。
– PoPのあるDCのいずれかにお客様側ルーターをハウジング
– Exchange service (ATBeXなど)
– Exchange serviceとお客様ルーターのcross connect
4. IBM CloudにアカウントのVRF移行を依頼する。
5. IBM CloudにDirect Link Exchangeをオーダーして、Service KeyとCIDを取り、接続諸条件を確
認する。
6. IBM Cloud側でオーダーの承認を受けた後、exchange provider (CX)にVCをオーダーする。
1. お客様ルーターCX間のVLAN方式として、Dot1QもしくはQinQを指定する。
2. Dot1Q、QinQで使用するお客様側VLAN IDを指定する。
3. Service KeyとCIDを指定する。
4. オーダー後、チケットを更新してサポートにその旨伝えるとVC受け入れ処理が行われる。
7. お客様側ルーターを構成する。
8. Direct Link接続完了後、 IBM Cloud側ルーターとの疎通確認する。
9. 必要に応じてNAT GWなどを構成する。
10.お客様拠点からIBM Cloud上のサーバーまでの疎通確認を行う。
© 2020 IBM Corporation6
Direct Link Exchange 1.0 ECX経由の接続の手続きの流れ
1. IBM Cloudにアカウントを取る。
2. IBM Cloud Infrastructure上にサーバーを作成し、Private VLANのIP addressを確認する。
3. 必要に応じてPoPのあるDCプロバイダーと以下のものを契約する。
– PoPのあるDCのいずれかにお客様側ルーターをハウジング
– Exchange service (ECX)
– Exchange serviceとお客様ルーターのcross connect
4. 接続先のIBM CloudのアカウントでCaseを通じてVRF移行を依頼し、完了させる。
5. ECXポータルのDirect Link ExchangeのメニューでVCをオーダーする。
• 接続先として、TOK01 PoPの場合はTokyo、TOK03 PoPの場合はTokyo3、OSA01 PoPの場合はOsakaを指定する。
• 接続先のIBM Cloudのアカウント番号と、buyer’s portを指定する。(P.8参照)
• お客様ルーターECX間のVLAN方式として、Dot1QもしくはQinQを指定する。
• Dot1Q、QinQで使用するお客様側VLAN IDを指定する。
• VCの速度を指定する。
• CER側のBGP ASNを指定する。
6. 接続先のIBM CloudのアカウントでIBM Cloudのポータルにログインし、Direct Link Exchange 1.0の一覧画面から、VCの承認
とDirect Link Exchange 1.0のオーダーを行う。VCオーダー後、時間が経過するとVCがキャンセルされてしまいますので、早め
に承認してください。
7. お客様側ルーターを構成する。
8. Direct Link接続完了後、 IBM Cloud側ルーターとの疎通確認する。
9. 必要に応じてNAT GWなどを構成する。
10. お客様拠点からIBM Cloud上のサーバーまでの疎通確認を行う。
© 2020 IBM Corporation7
Direct Link Exchange 1.0物理接続詳細
▪ お客様拠点からPoPまで
– PoPのあるDCまでキャリアに依頼して、専用線もしくは閉域網IP-VPNなどで接続してください。
DCプロバイダーやExchangeサービスによっては、同地域の別DCからでも接続できる場合が
あります。回線、ルーターハウジングともに、お客様手配、費用負担です。
▪ PoPでの接続
– 1000BASE-LXもしくは10GBASE-LRのsingle mode fibreでの接続となります。
– お客様ルーターから、お客様ルーターのあるキャビネットのパッチパネルまでを、光ファイバー
で接続してください。
– お客様側パッチパネルからExchangeサービス (CX)までは、DCプロバイダー提供のケーブル
で接続されます。
– ExchangeサービスからIBM Cloud側の接続は、IBM Cloud側で実施します。
– 冗長構成で接続する場合は、2系統の接続が必要です。ExchangeサービスもIBM Cloudも冗
長構成の機器を持っており、2系統で接続されています。
CER01 XCR01
専用線
お客様拠点へ IBM Cloud DCへ
お客様手配 IBM Cloud手配
PoPのあるDC
CX
Exchangeプロバイダー手配
CER02 XCR02
© 2020 IBM Corporation8
Direct Link Exchange 1.0 (ECX経由)のポートについて
▪ ECXは各拠点にサービスノードがふたつあり、SE01、SE02と呼ばれています。
▪ ECXとIBM Cloudの接続は、2本のSeller’s portでつながっていて、XCR01がSE01と、XCR02がSE02とつな
がっています。
▪ 2本のSeller’s portには、以下の様に-PRI-と-SEC-を含む名前がついています。
– SOFTLAYER-TY2-CX-PRI-01
– SOFTLAYER-TY2-CX-SEC-01
▪ ECX経由のDirect Link Exchangeをオーダーする場合、あるアカウントで、あるPoPで、初めてのDirect Link
Exchangeをオーダーする場合、seller’s portは指定できません。オーダーした後、Direct Link Exchangeの一覧
画面から、対象のリンクのAction > EditメニューでEdit画面を開くと、port名を確認することが出来ます。
▪ また、2本目のDirect Link Exchangeをオーダーするとき、seller’s portを指定することが出来、かつ、既存のlink
が何本どちらのportにつながっているか確認できます。
▪ 冗長構成をする場合、2本のDirect Link Exchangeが、それぞれ異なるseller’s portに準備されるようにしてくだ
さい。
▪ また、ECXポータルでVCをオーダーする際、各linkの接続先のサービスノードの情報を元に、正しく対応するよう
にbuyer’s portを指定してください。Buyer’s portの名前にも-PRI-や-SEC-が含まれますが、必ずしも-PRI-が
SE01につながっているとは限りません。不明な場合は、Equinixに確認してください。
CER01 XCR01
SE02
ECX
CER02 XCR02
SE01
Seller’s portBuyer’s port
-PRI-
-SEC-
-PRI-
-SEC-
© 2020 IBM Corporation
Direct Link Connect 1.0および2.0概要
▪ キャリア各社が提供するネットワーク・サービスとの相互接続によって、IBM Cloudと接続するサー
ビスです。
▪ 対象のキャリアのネットワーク・サービスと、IBM Cloudの間は、共用の接続設備が用意されており、
お客様のオーダーに対して対応する帯域の仮想的な接続を払い出す形で接続します。
▪ 対象のキャリアのネットワーク・サービスと、IBM Cloudへの接続サービスの接続の料金および手
続きについては、お客様側で対応していただきます。
▪ 準備に30~60日かかります。
▪ 50M、100M、200M、500M、1G、2G、5Gbpsの接続が選択できます。
▪ IBM Cloud側ルーター(XCR)との接続用のIP addressを提供します。
▪ お客様側の対抗ルーターは、キャリアのPEルーターの場合と、お客様のCERルーターの場合があ
ります。(P.10参照)
▪ お客様側ネットワークとIBM Cloud側ネットワークの経路制御は、BGPで行います。
▪ 経由するキャリアのネットワーク・サービスによって、冗長接続必須のものと、単一接続可能なもの
があります。
© 2020 IBM Corporation10
Direct Link Connect 1.0および2.0概要 (続き)
▪ キャリアが提供するネットワーク・サービスがL3網の場合は、キャリアのPEルーターがXCRの対抗
ルーターとなります。
▪ キャリアが提供するネットワーク・サービスがL2網の場合は、お客様側のルーター(CER)がXCRの
対抗ルーターとなります。
参考: キャリア毎のL2、L3の分類 https://cloud.ibm.com/docs/infrastructure/direct-link?topic=direct-link-comparing-layer-2-layer-3
お客様
PECE XCR
PoP
IBM Cloud
データセンター
BCR
VM
Private VLAN
Public VLAN
Internet
お客様手配 弊社手配
BGP
VC
キャリアの
L3ネット
ワーク・
サービス
お客様
SWCER XCR
PoP
IBM Cloud
データセンター
BCR
VM
Private VLAN
Public VLAN
Internet
お客様手配 弊社手配
BGP
VC
お客様
CE
キャリアの
L2ネットワーク・サービス
© 2020 IBM Corporation11
Direct Link Connect 1.0および2.0接続の手続きの流れ
1. IBM Cloudにアカウントを取る。
2. IBM Cloud Infrastructure上にサーバーを作成し、Private VLANのIP addressを確認する。
3. 対応するネットワーク・サービス・プロバイダー以下のものを契約する。
– お客様拠点からのネットワーク接続
– サービス・プロバイダーのクラウド接続サービス
4. IBM CloudにアカウントのVRF移行を依頼する。
5. IBM CloudにDirect Link Connectをオーダーして、Service KeyとCIDを取り、接続諸条件を確認する。(1.0の
場合はService Keyとしてオーダー時にオープンされたCase番号を使う)
6. IBM Cloud側でオーダーの承認を受けた後、サービス・プロバイダーにVCをオーダーする。
1. Service KeyとCID、その他必要なパラメータを指定する。
2. オーダー後、チケットを更新してサポートにその旨伝えるとVC受け入れ処理が行われる。 ECX経由の接
続の場合、VCオーダー後、時間が経過するとVCがキャンセルされてしまいますので、早めに受入れ依頼
をしてください。
7. お客様側ルーターを構成する。
8. Direct Link接続完了後、 IBM Cloud側ルーターとの疎通確認する。
9. 必要に応じてNAT GWなどを構成する。
10. お客様拠点からIBM Cloud上のサーバーまでの疎通確認を行う。
※Direct Link Connect 2.0のオーダー方法は、サービス・プロバイダーとのAPI連動が実装され次第、順次自動化
されたプロセスに変更されます。
© 2020 IBM Corporation12
Direct Link Dedicated 1.0および2.0概要
▪ PoPのあるデータセンターまでの接続の料金および手続きについては、お客様側で対応していた
だきます。構内接続の費用もお客様にご負担頂きます。
▪ IBM Cloud TOK02データセンター側での構内接続も可能です。
▪ 準備に30~60日かかります。
▪ 1G、2G、5Gと10Gbpsの接続が選択できます。
▪ お客様側ルーター(CER)とIBM Cloud側ルーター(XCR)接続用のIP addressを提供します。
▪ お客様側ネットワークとIBM Cloud側ネットワークの経路制御は、BGPで行います。
▪ 1000BASE-LXもしくは10GBASE-LRのsingle mode fibreでの接続となります。
お客様
CER XCR
PoP
データセンター
IBM Cloud
データセンター
BCR
VM
Private VLAN
Public VLAN
Internet
お客様手配 弊社手配
BGP
© 2020 IBM Corporation13
Direct Link Dedicated 1.0および2.0接続の手続きの流れ
1. IBM Cloudにアカウントを取る。
2. IBM Cloud上にサーバーを作成し、Private VLANのIP addressを確認する。
3. DCプロバイダーと契約し、お客様側ルーターをハウジングする。
4. IBM CloudにDirect Link Dedicatedをオーダーして、LOA (Letter of Agreement)を貰う。
5. キャリアと契約し、お客様拠点からお客様側ルーターまでを専用線などで接続する。
6. LOAを添付して、DCプロバイダーにcross connectをオーダーする。
7. お客様側ルーターを構成する。
8. Direct Link接続完了後、 接続完了通知書をチケットに添付してサポートに知らせる。
9. IBM Cloud側ルーターとの疎通確認する。
10.必要に応じてNAT GWなどを構成する。
11.お客様拠点からIBM Cloud上のサーバーまでの疎通確認を行う。
© 2020 IBM Corporation14
Direct Link Dedicated 1.0および2.0物理接続詳細
▪ お客様拠点からPoPまで
– PoPのあるDCまでキャリアに依頼して、専用線もしくは閉域網IP-VPNなどで接続してください。
回線、DCでのルーターハウジングともに、お客様手配、費用負担です。
▪ PoPでの接続
– 1000BASE-LXもしくは10GBASE-LRのsingle mode fibreでの接続となります。
– お客様ルーターから、お客様ルーターのあるキャビネットのパッチパネルまでを、光ファイバー
で接続してください。
– お客様側パッチパネルからIBM Cloud側パッチパネルまでは、DCプロバイダー提供のケーブ
ルで接続されます。
– IBM Cloud側のパッチパネルからIBM Cloud側ルーターまでは、IBM Cloud側で接続します。
ルーター
パッチパネル
ルーター
パッチパネル
専用線
お客様拠点へ IBM Cloud DCへ
お客様手配 IBM Cloud手配
DCプロバイダー手配
PoPのあるDC
© 2020 IBM Corporation15
PoP/DCでの接続の契約と費用
▪ お客様拠点から接続拠点まで
– 費用は接続形態により様々です。キャリアにご相談ください。
– お客様ルーターを接続拠点のデータセンターにハウジングして頂く場合があります。ハウジン
グ費用は各拠点のDC業者にご確認ください。
▪ PoP/DCでの接続
– Cross connect費用や、Exchangeサービスの費用については、各拠点のDC業者、Exchange
サービス業者にご確認ください。
▪ IBM CloudのDirect Linkの費用
– Direct Linkの費用についてはIBMもしくはIBM Cloudにご確認ください。
お客様
CER XCR
IBM Cloudサービス範囲
BCR
VM
Private VLAN
Public VLAN
Internet
お客様手配 IBM手配
© 2020 IBM Corporation16
Direct Link Classic IaaSとの接続のルーティング方式
▪ Direct Linkの接続用の、お客様側ルーターをCER (Customer’s Endpoint Router)、IBM Cloud側のルーターをXCR (Cross
Connect Router)と呼びます。
▪ IBM Cloudからは、CERとIBM Cloud側ルーターの間のsubnet (10.254.x.x/31*) が払い出されます。Direct Link 2.0では、自動選
択を選ぶと169.254.x.x/31が払い出されます。手動指定を選ぶと、10.254.0.0/16、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16の範囲から/30
もしくは/31でのsubnetや、若番の割り当て先ルーターが指定可能です。
▪ XCR/BCR間にVRF環境が構成され、お客様ネットワークまでのルーティングが可能になります。2.0ではXCR上にDL VRFが構成
され、Classic IaaSの他、各VPCにVCを構成可能です。
▪ CERとXCRの間にBGPセッションを構成します。
▪ CERからXCRへはお客様ネットワークへのルーティング情報を、XCRからCERへはIBM Cloudネットワークへのルーティング情報を、
それぞれ広告します。
▪ CERからXCRへは、IBM Cloud側で予約する以下のネットワーク・アドレスへのルーティングを広告することはできません。
10.0.0.0/14、10.200.0.0/14、10.198.0.0/15、169.254.0.0/16、224.0.0.0/4
Direct Link用のアドレス (10.254.0.0/16の中から/31または/30)
Private VLAN用にお客様アカウントに割り当てられたアドレス
お客様
CER BCR
Private VLAN
Public VLAN
VM
XCR
10.254.x.x/31*
IBM Cloudサービス範囲
BGP
お客様アドレス IBM Cloudアドレス
VRF環境
*ルーターによって/31のsubnetが設定できない場合は、/30
でリクエストして下さい。
10.254.0.0/16レンジで問題がある場合、172.16.0.0/12レン
ジから払い出してもらうこともできます。
また、これらのレンジの中で、特定のアドレスを指定する
ことも出来ます。
© 2020 IBM Corporation17
Direct Link 2.0 VPCとの接続のルーティング方式
▪ Direct Linkの接続用の、お客様側ルーターをCER (Customer‘s Endpoint Router)、IBM Cloud側のルーターをXCR (Cross
Connect Router)と呼びます。
▪ CERとIBM Cloud側ルーターの間のsubnetについては、自動選択を選ぶと169.254.x.x/31が払い出されます。手動指定を選ぶと、
10.254.0.0/16、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16の範囲から/30もしくは/31でのsubnetや、若番の割り当て先ルーターが指定可能
です。
▪ XCR上にDL VRFが構成され、各VPCにVCを構成可能です。(Classic IaaSとの同時接続も可能です)
▪ CERとXCRの間にBGPセッションを構成します。
▪ CERからXCRへはお客様ネットワークへのルーティング情報を、XCRからCERへはVPCへのルーティング情報を、それぞれ広告し
ます。
▪ Classic IaaSとの接続を行わない場合、CERからXCRへのルート広告について、特に制限はありません。Classic IaaSとの同時接
続を行う場合は、前頁の制約を参照してください。
▪ ひとつのDirect Link 2.0から複数のVPCやClassic IaaSと同時に接続した場合、それだけでは各VPCやClassic IaaS間はルーティ
ングされません。各VPC間やClassic IaaS間の通信を行いたい場合は、Transit Gatewayを併用するか、CER側で折り返すルート
を設けてください。
お客様
CER
VM
XCR
IBM Cloudサービス範囲
BGP
お客様アドレス
VC
DL
VRF
VPC
VRF
VM
VPC
VRF
VC
© 2020 IBM Corporation18
Direct LinkにおけるBGPの詳細
1. 使えるASの範囲は?
IBM Cloud側のAS番号は13884です。これはpublic側、private側共通となります。また、広告す
る各ルートにAS PATH属性にIBM Cloud内部のprivate ASNの一部を指定します。
お客様側AS番号は、public AS番号(1~64511)もしくはprivate AS番号(64999を推奨)を指定し
てください。ただしPrivate AS番号のうち、64512, 64513, 65100, 65201–65234, 65402–65433,
65500, 4201065000~4201065999は使用できません。
2. IBM Cloud側から広告されるルートのsubnetの単位は?
接続先アカウントに属するPrivate VLAN上のsubnetの単位で広告されます。10.132.a.0/26と
10.132.b.128/26など、複数のsubnetを持っている場合、subnetの数だけルートが広告されます。
3. 利用できるattributeは?
Well-known mandatoryとWell-known discretionaryがサポートされます。
4. 利用できるcapabilityは?
以下のものが確認できています。利用不可のcapabilityを送ると単に無視します。
Multi protocol Extensions Capability(address family IPv4 unicastのみ)
Route-Refresh Capability
4 Octets-AS Capability
5. keepalive/holdタイマーの設定値は?
デフォルトでkeepalive 30sec / hold time 90secという設定です。
© 2020 IBM Corporation19
Direct Link 経由のルーティング方式 補足
お客様側ネットワークでBGPに広告できないアドレス・レンジを使っている場合、以下の方法で解決
して下さい。
▪ IBM Cloud上にVRAもしくはLinuxでGWを構成します。
▪ CERもしくはBGPによる広告で到達可能なルーターと、GWの間にGREもしくはIPSecでトンネルを
構成します。
▪ GWからトンネル経由・お客様側は、お客様イントラネットのネットワーク・アドレスを、GWからIBM
Cloud側は、IBM Cloudのネットワークアドレスを利用します。
▪ IBM Cloud側のサーバーでは、BGPに広告できないお客様ネットワークへのgatewayにGWを設
定してください。
▪ お客様ネットワーク・アドレスと、IBM Cloud側ネットワーク・アドレスに重複がある場合は、GW上な
どにNATを構成し、双方向で、送信元アドレスの書き換え(SNAT)、および宛先アドレスの書き換え
(DNAT)を行う必要があります。
お客様
CER BCR
Private VLAN
Public VLAN
お客様アドレス
IBM Cloudアドレス
VMGW
XCR
10.254.x.x/31
IBM Cloudサービス範囲
NAT
BGP
GRE tunnel
VRF環境
© 2020 IBM Corporation20
Direct Linkにおける冗長構成について
1. Direct Link Exchange、Direct Link Connect、Direct Link Dedicatedは、いずれも1オーダーで単一接続の提
供です。冗長構成が必要な場合は、2オーダーを行ってください。
2. Direct Link Connectで冗長構成を組む場合、キャリアによって特定のDC/PoPでの同一タイプの2オーダーを
必要とする場合があります。
3. 上記2以外は、異なるタイプのDirect Linkの組み合わせでも、同一のタイプの組み合わせでも、異なるPoP/DC
での組み合わせでも冗長構成を組むことが出来ます。
4. 2つのDirect Linkによる冗長構成を行う場合、BGP AS PATHを利用したactive / standbyの構成がお勧めです。
a. CERからXCRに向けて、primary側でAS PATH=64999でルート広告する場合、secondary側ではAS
PATH=“64999 64999”で同じsubnetへのルート広告を行います。
b. これによってIBM Cloud側からオンプレ向けへのパケットは、通常時やsecondary側が切断された場合は
primary側を通り、primary側が切断された場合はsecondary側を通るようになります。
c. オンプレ側からIBM Cloud側へのパケットの経路は、オンプレ側から2台のCERへのルートの制御によっ
て管理してください。2台のCERのオンプレ側のインターフェースで、HSRPやVRRPなどによって、
gateway addressをprimaryとsecondaryの間で共有し、障害時に切り替える方式が一般的です。
5. XCRからCERに対しては、全てのlinkで、全てのprivate subnetを、同じ内容で広告します。
CER1
CER2
XCR1
XCR2
IBM Cloud
Customer’s
Network
BGPgateway
address
AS PATH=64999
AS PATH=“64999 64999”
AS 13884AS 64999
© 2020 IBM Corporation21
アドレス重複とルーティング方式の確認の流れ (Classic IaaSとの接続)
1. IBM Cloud上のprivate VLANに割り当てられるsubnetと、オンプレ側や、キャリア様の網内で利
用しているsubnetが重複している場合
– L2 network service経由の接続であれば、VRAでのNATとGREトンネルの組み合わせか、
お客様側でのNATによって衝突回避できる可能性があります。
– L3 network service経由の場合、キャリア様の網内ではNATの構成もGREトンネルの終端も
出来ないので、解決できない場合があります。
2. オンプレ側で10.0.0.0/14、10.200.0.0/14、10.198.0.0/15などを使っている場合
– L2 network service経由の接続であれば、GREトンネルや、お客様側でのNATによって衝突
回避できる可能性があります。
– L3 network service経由の場合、キャリア様の網内ではNATの構成もGREトンネルの終端も
出来ないので、解決できない場合があります。
3. 1もしくは2のケースで、解決のためにVRAやvSRXを使う場合、transit VLANのsubnetとオンプ
レ側でIP addressが重複していない必要があります。重複している場合は、CER側でPBR
(policy base routing)を設定し、CERからVRAへのGREトンネルのパケットのみVRAにルートを
向けることで回避できる可能性があります。
4. CERはBGP ASNとして64999を使うか、お客様またはキャリア様のpublic ASNを使う必要があ
ります。4byte ASNも使えますが、ほとんど普及していません。CER候補のルーターが他のASN
を利用している場合、別途CERを用意するか、CER上にVRFを構成して既存のルーターと分離
することで回避できる可能性があります。CER/XCR間でBGPを使わず、CERからVRAまでGRE
トンネルを張って、CER/VRA間でBGPもしくはOSPFを使って冗長経路を組むことも出来ます。
© 2020 IBM Corporation
参考資料
▪ IBM Cloud / Direct Link
https://cloud.ibm.com/docs/direct-link
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IBM Cloud: Direct Link Guide (Japanese)

  • 1. © 2020 IBM Corporation IBM Cloud Direct Linkガイド 2020/11/02 日本アイ・ビー・エム クラウド事業統括 新島 智之
  • 2. © 2020 IBM Corporation Direct Link 概要 ▪ IBM Cloud Infrastructureでは専用線や閉域網VPN経由での接続を希望されるお客様に、 Direct Linkというサービスで対応しています。 ▪ Direct Linkは以下のタイプで提供されます。 – Direct Link Exchange 1.0 • Equinix社のECX (Equinix Cloud Exchange)、または@Tokyo社のATBeXなどのサー ビス経由での接続です。 – Direct Link Connect 1.0 および 2.0 • キャリア様のネットワークサービスとの連携によって提供されるサービスです。 – Direct Link Dedicated 1.0 および 2.0 • 帯域を占有した接続が必要な場合はこちらをご利用ください。 • DC側でDirect Link接続が必要な場合はこちらをご利用ください。 ▪ 2016年10月からDirect LinkではBGPでの経路制御が必須となりました。また、Direct Linkを利用するアカウントは、VRF環境に移行されます。VRF環境ではアカウント間 VLAN spanningが利用できません。また、IPsec VPN、PPTP VPN、SSL VPNの利用に制 約があります。 ▪ Direct Link Exchange、Direct Link Dedicated共、2契約をオーダーすることで、冗長構 成をとることが出来ます。 ▪ 上記の他にDirect Link Dedicated Hostingという名称で、お客様機器を収容するラックと セットで提供するものがありますが、この資料では説明していません。 2
  • 3. © 2020 IBM Corporation Direct Link 1.0と2.0の違い Direct Link 1.0 ▪ IBM Cloud Classicへの接続のみ ▪ 帯域ごとの固定料金での請求 ▪ Dedicated、Exchange、Connectの3タイプ ▪ 一部を除いてCaseを通じたマニュアル・プロセ スによる接続 ▪ XCR/CER間subnetはIBM Cloud側で数日後に割 当 ▪ 2.0の提供エリアが充足した後、将来サービス停 止される可能性あり Direct Link 2.0 ▪ IBM Cloud Classicに加え、VPC Gen1、VPC Gen2との接続が自由に組合せ・変更・削除可能 ▪ 帯域ごとの固定料金制に加え、従量課金制も選 択可能 ▪ DedicatedとConnectの2タイプ (Exchangeと Connectの統合) ▪ API連動による自動オーダープロセスに移行予定 ▪ XCR/CER間subnetはユーザー指定も可能で即時 決定 ▪ Connect 2.0の接続実績のあるプロバイダーはま だ限定的 3 お客様 XCRCER Classic IaaS お客様 XCRCER Classic Iaas VPC Gen2DL VRF VPC Gen1 Direct Link Connect 2.0は、現時点では限定的なサービスです。IBM Cloudポータル上で利用可能となっ ているサイトやプロバイダーでも、まだ接続実績がない場合や、プロバイダー側の対応が必要となる場 合があります。ご検討の際には、必ずIBMの営業等にご相談いただき、最新の情報でご検討ください。
  • 4. © 2020 IBM Corporation4 Direct Link Exchange 1.0概要 ▪ Equinix社が提供するECX (Equinix Cloud eXchange)もしくはAT Tokyo社のATBeXなどの Exchange providerのサービス経由でIBM Cloudと接続するサービスです。 ▪ PoPのあるデータセンターまでの接続の料金および手続きについては、お客様側で対応していた だきます。Exchangeサービスとの構内接続、VC (Virtual Circuit) の費用と手配もお客様にご対応 頂きます。 ▪ 準備に30~60日かかります。 ▪ 50M、100M、200M、500M、1G、2G、5Gbpsの接続が選択できます。 ▪ お客様側ルーター(CER)とIBM Cloud側ルーター(XCR)接続用のIP addressを提供します。 ▪ お客様側ネットワークとIBM Cloud側ネットワークの経路制御は、BGPで行います。 ▪ 1000BASE-LXもしくは10GBASE-LRのsingle mode fibreでの接続となります。 ▪ 802.1Qもしくは802.1adによるVLAN接続となります。お客様側のVLAN IDについては、お客様に ご指定いただけます。 お客様 CER XCR PoP PoPのあるDC IBM Cloud データセンター BCR VM Private VLAN Public VLAN Internet お客様手配 弊社手配 CX 802.1Q Or 802.1ad 802.1Q BGP VC
  • 5. © 2020 IBM Corporation5 Direct Link Exchange 1.0接続の手続きの流れ(ECX経由以外) 1. IBM Cloudにアカウントを取る。 2. IBM Cloud Infrastructure上にサーバーを作成し、Private VLANのIP addressを確認する。 3. PoPのあるDCプロバイダーと以下のものを契約する。 – PoPのあるDCのいずれかにお客様側ルーターをハウジング – Exchange service (ATBeXなど) – Exchange serviceとお客様ルーターのcross connect 4. IBM CloudにアカウントのVRF移行を依頼する。 5. IBM CloudにDirect Link Exchangeをオーダーして、Service KeyとCIDを取り、接続諸条件を確 認する。 6. IBM Cloud側でオーダーの承認を受けた後、exchange provider (CX)にVCをオーダーする。 1. お客様ルーターCX間のVLAN方式として、Dot1QもしくはQinQを指定する。 2. Dot1Q、QinQで使用するお客様側VLAN IDを指定する。 3. Service KeyとCIDを指定する。 4. オーダー後、チケットを更新してサポートにその旨伝えるとVC受け入れ処理が行われる。 7. お客様側ルーターを構成する。 8. Direct Link接続完了後、 IBM Cloud側ルーターとの疎通確認する。 9. 必要に応じてNAT GWなどを構成する。 10.お客様拠点からIBM Cloud上のサーバーまでの疎通確認を行う。
  • 6. © 2020 IBM Corporation6 Direct Link Exchange 1.0 ECX経由の接続の手続きの流れ 1. IBM Cloudにアカウントを取る。 2. IBM Cloud Infrastructure上にサーバーを作成し、Private VLANのIP addressを確認する。 3. 必要に応じてPoPのあるDCプロバイダーと以下のものを契約する。 – PoPのあるDCのいずれかにお客様側ルーターをハウジング – Exchange service (ECX) – Exchange serviceとお客様ルーターのcross connect 4. 接続先のIBM CloudのアカウントでCaseを通じてVRF移行を依頼し、完了させる。 5. ECXポータルのDirect Link ExchangeのメニューでVCをオーダーする。 • 接続先として、TOK01 PoPの場合はTokyo、TOK03 PoPの場合はTokyo3、OSA01 PoPの場合はOsakaを指定する。 • 接続先のIBM Cloudのアカウント番号と、buyer’s portを指定する。(P.8参照) • お客様ルーターECX間のVLAN方式として、Dot1QもしくはQinQを指定する。 • Dot1Q、QinQで使用するお客様側VLAN IDを指定する。 • VCの速度を指定する。 • CER側のBGP ASNを指定する。 6. 接続先のIBM CloudのアカウントでIBM Cloudのポータルにログインし、Direct Link Exchange 1.0の一覧画面から、VCの承認 とDirect Link Exchange 1.0のオーダーを行う。VCオーダー後、時間が経過するとVCがキャンセルされてしまいますので、早め に承認してください。 7. お客様側ルーターを構成する。 8. Direct Link接続完了後、 IBM Cloud側ルーターとの疎通確認する。 9. 必要に応じてNAT GWなどを構成する。 10. お客様拠点からIBM Cloud上のサーバーまでの疎通確認を行う。
  • 7. © 2020 IBM Corporation7 Direct Link Exchange 1.0物理接続詳細 ▪ お客様拠点からPoPまで – PoPのあるDCまでキャリアに依頼して、専用線もしくは閉域網IP-VPNなどで接続してください。 DCプロバイダーやExchangeサービスによっては、同地域の別DCからでも接続できる場合が あります。回線、ルーターハウジングともに、お客様手配、費用負担です。 ▪ PoPでの接続 – 1000BASE-LXもしくは10GBASE-LRのsingle mode fibreでの接続となります。 – お客様ルーターから、お客様ルーターのあるキャビネットのパッチパネルまでを、光ファイバー で接続してください。 – お客様側パッチパネルからExchangeサービス (CX)までは、DCプロバイダー提供のケーブル で接続されます。 – ExchangeサービスからIBM Cloud側の接続は、IBM Cloud側で実施します。 – 冗長構成で接続する場合は、2系統の接続が必要です。ExchangeサービスもIBM Cloudも冗 長構成の機器を持っており、2系統で接続されています。 CER01 XCR01 専用線 お客様拠点へ IBM Cloud DCへ お客様手配 IBM Cloud手配 PoPのあるDC CX Exchangeプロバイダー手配 CER02 XCR02
  • 8. © 2020 IBM Corporation8 Direct Link Exchange 1.0 (ECX経由)のポートについて ▪ ECXは各拠点にサービスノードがふたつあり、SE01、SE02と呼ばれています。 ▪ ECXとIBM Cloudの接続は、2本のSeller’s portでつながっていて、XCR01がSE01と、XCR02がSE02とつな がっています。 ▪ 2本のSeller’s portには、以下の様に-PRI-と-SEC-を含む名前がついています。 – SOFTLAYER-TY2-CX-PRI-01 – SOFTLAYER-TY2-CX-SEC-01 ▪ ECX経由のDirect Link Exchangeをオーダーする場合、あるアカウントで、あるPoPで、初めてのDirect Link Exchangeをオーダーする場合、seller’s portは指定できません。オーダーした後、Direct Link Exchangeの一覧 画面から、対象のリンクのAction > EditメニューでEdit画面を開くと、port名を確認することが出来ます。 ▪ また、2本目のDirect Link Exchangeをオーダーするとき、seller’s portを指定することが出来、かつ、既存のlink が何本どちらのportにつながっているか確認できます。 ▪ 冗長構成をする場合、2本のDirect Link Exchangeが、それぞれ異なるseller’s portに準備されるようにしてくだ さい。 ▪ また、ECXポータルでVCをオーダーする際、各linkの接続先のサービスノードの情報を元に、正しく対応するよう にbuyer’s portを指定してください。Buyer’s portの名前にも-PRI-や-SEC-が含まれますが、必ずしも-PRI-が SE01につながっているとは限りません。不明な場合は、Equinixに確認してください。 CER01 XCR01 SE02 ECX CER02 XCR02 SE01 Seller’s portBuyer’s port -PRI- -SEC- -PRI- -SEC-
  • 9. © 2020 IBM Corporation Direct Link Connect 1.0および2.0概要 ▪ キャリア各社が提供するネットワーク・サービスとの相互接続によって、IBM Cloudと接続するサー ビスです。 ▪ 対象のキャリアのネットワーク・サービスと、IBM Cloudの間は、共用の接続設備が用意されており、 お客様のオーダーに対して対応する帯域の仮想的な接続を払い出す形で接続します。 ▪ 対象のキャリアのネットワーク・サービスと、IBM Cloudへの接続サービスの接続の料金および手 続きについては、お客様側で対応していただきます。 ▪ 準備に30~60日かかります。 ▪ 50M、100M、200M、500M、1G、2G、5Gbpsの接続が選択できます。 ▪ IBM Cloud側ルーター(XCR)との接続用のIP addressを提供します。 ▪ お客様側の対抗ルーターは、キャリアのPEルーターの場合と、お客様のCERルーターの場合があ ります。(P.10参照) ▪ お客様側ネットワークとIBM Cloud側ネットワークの経路制御は、BGPで行います。 ▪ 経由するキャリアのネットワーク・サービスによって、冗長接続必須のものと、単一接続可能なもの があります。
  • 10. © 2020 IBM Corporation10 Direct Link Connect 1.0および2.0概要 (続き) ▪ キャリアが提供するネットワーク・サービスがL3網の場合は、キャリアのPEルーターがXCRの対抗 ルーターとなります。 ▪ キャリアが提供するネットワーク・サービスがL2網の場合は、お客様側のルーター(CER)がXCRの 対抗ルーターとなります。 参考: キャリア毎のL2、L3の分類 https://cloud.ibm.com/docs/infrastructure/direct-link?topic=direct-link-comparing-layer-2-layer-3 お客様 PECE XCR PoP IBM Cloud データセンター BCR VM Private VLAN Public VLAN Internet お客様手配 弊社手配 BGP VC キャリアの L3ネット ワーク・ サービス お客様 SWCER XCR PoP IBM Cloud データセンター BCR VM Private VLAN Public VLAN Internet お客様手配 弊社手配 BGP VC お客様 CE キャリアの L2ネットワーク・サービス
  • 11. © 2020 IBM Corporation11 Direct Link Connect 1.0および2.0接続の手続きの流れ 1. IBM Cloudにアカウントを取る。 2. IBM Cloud Infrastructure上にサーバーを作成し、Private VLANのIP addressを確認する。 3. 対応するネットワーク・サービス・プロバイダー以下のものを契約する。 – お客様拠点からのネットワーク接続 – サービス・プロバイダーのクラウド接続サービス 4. IBM CloudにアカウントのVRF移行を依頼する。 5. IBM CloudにDirect Link Connectをオーダーして、Service KeyとCIDを取り、接続諸条件を確認する。(1.0の 場合はService Keyとしてオーダー時にオープンされたCase番号を使う) 6. IBM Cloud側でオーダーの承認を受けた後、サービス・プロバイダーにVCをオーダーする。 1. Service KeyとCID、その他必要なパラメータを指定する。 2. オーダー後、チケットを更新してサポートにその旨伝えるとVC受け入れ処理が行われる。 ECX経由の接 続の場合、VCオーダー後、時間が経過するとVCがキャンセルされてしまいますので、早めに受入れ依頼 をしてください。 7. お客様側ルーターを構成する。 8. Direct Link接続完了後、 IBM Cloud側ルーターとの疎通確認する。 9. 必要に応じてNAT GWなどを構成する。 10. お客様拠点からIBM Cloud上のサーバーまでの疎通確認を行う。 ※Direct Link Connect 2.0のオーダー方法は、サービス・プロバイダーとのAPI連動が実装され次第、順次自動化 されたプロセスに変更されます。
  • 12. © 2020 IBM Corporation12 Direct Link Dedicated 1.0および2.0概要 ▪ PoPのあるデータセンターまでの接続の料金および手続きについては、お客様側で対応していた だきます。構内接続の費用もお客様にご負担頂きます。 ▪ IBM Cloud TOK02データセンター側での構内接続も可能です。 ▪ 準備に30~60日かかります。 ▪ 1G、2G、5Gと10Gbpsの接続が選択できます。 ▪ お客様側ルーター(CER)とIBM Cloud側ルーター(XCR)接続用のIP addressを提供します。 ▪ お客様側ネットワークとIBM Cloud側ネットワークの経路制御は、BGPで行います。 ▪ 1000BASE-LXもしくは10GBASE-LRのsingle mode fibreでの接続となります。 お客様 CER XCR PoP データセンター IBM Cloud データセンター BCR VM Private VLAN Public VLAN Internet お客様手配 弊社手配 BGP
  • 13. © 2020 IBM Corporation13 Direct Link Dedicated 1.0および2.0接続の手続きの流れ 1. IBM Cloudにアカウントを取る。 2. IBM Cloud上にサーバーを作成し、Private VLANのIP addressを確認する。 3. DCプロバイダーと契約し、お客様側ルーターをハウジングする。 4. IBM CloudにDirect Link Dedicatedをオーダーして、LOA (Letter of Agreement)を貰う。 5. キャリアと契約し、お客様拠点からお客様側ルーターまでを専用線などで接続する。 6. LOAを添付して、DCプロバイダーにcross connectをオーダーする。 7. お客様側ルーターを構成する。 8. Direct Link接続完了後、 接続完了通知書をチケットに添付してサポートに知らせる。 9. IBM Cloud側ルーターとの疎通確認する。 10.必要に応じてNAT GWなどを構成する。 11.お客様拠点からIBM Cloud上のサーバーまでの疎通確認を行う。
  • 14. © 2020 IBM Corporation14 Direct Link Dedicated 1.0および2.0物理接続詳細 ▪ お客様拠点からPoPまで – PoPのあるDCまでキャリアに依頼して、専用線もしくは閉域網IP-VPNなどで接続してください。 回線、DCでのルーターハウジングともに、お客様手配、費用負担です。 ▪ PoPでの接続 – 1000BASE-LXもしくは10GBASE-LRのsingle mode fibreでの接続となります。 – お客様ルーターから、お客様ルーターのあるキャビネットのパッチパネルまでを、光ファイバー で接続してください。 – お客様側パッチパネルからIBM Cloud側パッチパネルまでは、DCプロバイダー提供のケーブ ルで接続されます。 – IBM Cloud側のパッチパネルからIBM Cloud側ルーターまでは、IBM Cloud側で接続します。 ルーター パッチパネル ルーター パッチパネル 専用線 お客様拠点へ IBM Cloud DCへ お客様手配 IBM Cloud手配 DCプロバイダー手配 PoPのあるDC
  • 15. © 2020 IBM Corporation15 PoP/DCでの接続の契約と費用 ▪ お客様拠点から接続拠点まで – 費用は接続形態により様々です。キャリアにご相談ください。 – お客様ルーターを接続拠点のデータセンターにハウジングして頂く場合があります。ハウジン グ費用は各拠点のDC業者にご確認ください。 ▪ PoP/DCでの接続 – Cross connect費用や、Exchangeサービスの費用については、各拠点のDC業者、Exchange サービス業者にご確認ください。 ▪ IBM CloudのDirect Linkの費用 – Direct Linkの費用についてはIBMもしくはIBM Cloudにご確認ください。 お客様 CER XCR IBM Cloudサービス範囲 BCR VM Private VLAN Public VLAN Internet お客様手配 IBM手配
  • 16. © 2020 IBM Corporation16 Direct Link Classic IaaSとの接続のルーティング方式 ▪ Direct Linkの接続用の、お客様側ルーターをCER (Customer’s Endpoint Router)、IBM Cloud側のルーターをXCR (Cross Connect Router)と呼びます。 ▪ IBM Cloudからは、CERとIBM Cloud側ルーターの間のsubnet (10.254.x.x/31*) が払い出されます。Direct Link 2.0では、自動選 択を選ぶと169.254.x.x/31が払い出されます。手動指定を選ぶと、10.254.0.0/16、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16の範囲から/30 もしくは/31でのsubnetや、若番の割り当て先ルーターが指定可能です。 ▪ XCR/BCR間にVRF環境が構成され、お客様ネットワークまでのルーティングが可能になります。2.0ではXCR上にDL VRFが構成 され、Classic IaaSの他、各VPCにVCを構成可能です。 ▪ CERとXCRの間にBGPセッションを構成します。 ▪ CERからXCRへはお客様ネットワークへのルーティング情報を、XCRからCERへはIBM Cloudネットワークへのルーティング情報を、 それぞれ広告します。 ▪ CERからXCRへは、IBM Cloud側で予約する以下のネットワーク・アドレスへのルーティングを広告することはできません。 10.0.0.0/14、10.200.0.0/14、10.198.0.0/15、169.254.0.0/16、224.0.0.0/4 Direct Link用のアドレス (10.254.0.0/16の中から/31または/30) Private VLAN用にお客様アカウントに割り当てられたアドレス お客様 CER BCR Private VLAN Public VLAN VM XCR 10.254.x.x/31* IBM Cloudサービス範囲 BGP お客様アドレス IBM Cloudアドレス VRF環境 *ルーターによって/31のsubnetが設定できない場合は、/30 でリクエストして下さい。 10.254.0.0/16レンジで問題がある場合、172.16.0.0/12レン ジから払い出してもらうこともできます。 また、これらのレンジの中で、特定のアドレスを指定する ことも出来ます。
  • 17. © 2020 IBM Corporation17 Direct Link 2.0 VPCとの接続のルーティング方式 ▪ Direct Linkの接続用の、お客様側ルーターをCER (Customer‘s Endpoint Router)、IBM Cloud側のルーターをXCR (Cross Connect Router)と呼びます。 ▪ CERとIBM Cloud側ルーターの間のsubnetについては、自動選択を選ぶと169.254.x.x/31が払い出されます。手動指定を選ぶと、 10.254.0.0/16、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16の範囲から/30もしくは/31でのsubnetや、若番の割り当て先ルーターが指定可能 です。 ▪ XCR上にDL VRFが構成され、各VPCにVCを構成可能です。(Classic IaaSとの同時接続も可能です) ▪ CERとXCRの間にBGPセッションを構成します。 ▪ CERからXCRへはお客様ネットワークへのルーティング情報を、XCRからCERへはVPCへのルーティング情報を、それぞれ広告し ます。 ▪ Classic IaaSとの接続を行わない場合、CERからXCRへのルート広告について、特に制限はありません。Classic IaaSとの同時接 続を行う場合は、前頁の制約を参照してください。 ▪ ひとつのDirect Link 2.0から複数のVPCやClassic IaaSと同時に接続した場合、それだけでは各VPCやClassic IaaS間はルーティ ングされません。各VPC間やClassic IaaS間の通信を行いたい場合は、Transit Gatewayを併用するか、CER側で折り返すルート を設けてください。 お客様 CER VM XCR IBM Cloudサービス範囲 BGP お客様アドレス VC DL VRF VPC VRF VM VPC VRF VC
  • 18. © 2020 IBM Corporation18 Direct LinkにおけるBGPの詳細 1. 使えるASの範囲は? IBM Cloud側のAS番号は13884です。これはpublic側、private側共通となります。また、広告す る各ルートにAS PATH属性にIBM Cloud内部のprivate ASNの一部を指定します。 お客様側AS番号は、public AS番号(1~64511)もしくはprivate AS番号(64999を推奨)を指定し てください。ただしPrivate AS番号のうち、64512, 64513, 65100, 65201–65234, 65402–65433, 65500, 4201065000~4201065999は使用できません。 2. IBM Cloud側から広告されるルートのsubnetの単位は? 接続先アカウントに属するPrivate VLAN上のsubnetの単位で広告されます。10.132.a.0/26と 10.132.b.128/26など、複数のsubnetを持っている場合、subnetの数だけルートが広告されます。 3. 利用できるattributeは? Well-known mandatoryとWell-known discretionaryがサポートされます。 4. 利用できるcapabilityは? 以下のものが確認できています。利用不可のcapabilityを送ると単に無視します。 Multi protocol Extensions Capability(address family IPv4 unicastのみ) Route-Refresh Capability 4 Octets-AS Capability 5. keepalive/holdタイマーの設定値は? デフォルトでkeepalive 30sec / hold time 90secという設定です。
  • 19. © 2020 IBM Corporation19 Direct Link 経由のルーティング方式 補足 お客様側ネットワークでBGPに広告できないアドレス・レンジを使っている場合、以下の方法で解決 して下さい。 ▪ IBM Cloud上にVRAもしくはLinuxでGWを構成します。 ▪ CERもしくはBGPによる広告で到達可能なルーターと、GWの間にGREもしくはIPSecでトンネルを 構成します。 ▪ GWからトンネル経由・お客様側は、お客様イントラネットのネットワーク・アドレスを、GWからIBM Cloud側は、IBM Cloudのネットワークアドレスを利用します。 ▪ IBM Cloud側のサーバーでは、BGPに広告できないお客様ネットワークへのgatewayにGWを設 定してください。 ▪ お客様ネットワーク・アドレスと、IBM Cloud側ネットワーク・アドレスに重複がある場合は、GW上な どにNATを構成し、双方向で、送信元アドレスの書き換え(SNAT)、および宛先アドレスの書き換え (DNAT)を行う必要があります。 お客様 CER BCR Private VLAN Public VLAN お客様アドレス IBM Cloudアドレス VMGW XCR 10.254.x.x/31 IBM Cloudサービス範囲 NAT BGP GRE tunnel VRF環境
  • 20. © 2020 IBM Corporation20 Direct Linkにおける冗長構成について 1. Direct Link Exchange、Direct Link Connect、Direct Link Dedicatedは、いずれも1オーダーで単一接続の提 供です。冗長構成が必要な場合は、2オーダーを行ってください。 2. Direct Link Connectで冗長構成を組む場合、キャリアによって特定のDC/PoPでの同一タイプの2オーダーを 必要とする場合があります。 3. 上記2以外は、異なるタイプのDirect Linkの組み合わせでも、同一のタイプの組み合わせでも、異なるPoP/DC での組み合わせでも冗長構成を組むことが出来ます。 4. 2つのDirect Linkによる冗長構成を行う場合、BGP AS PATHを利用したactive / standbyの構成がお勧めです。 a. CERからXCRに向けて、primary側でAS PATH=64999でルート広告する場合、secondary側ではAS PATH=“64999 64999”で同じsubnetへのルート広告を行います。 b. これによってIBM Cloud側からオンプレ向けへのパケットは、通常時やsecondary側が切断された場合は primary側を通り、primary側が切断された場合はsecondary側を通るようになります。 c. オンプレ側からIBM Cloud側へのパケットの経路は、オンプレ側から2台のCERへのルートの制御によっ て管理してください。2台のCERのオンプレ側のインターフェースで、HSRPやVRRPなどによって、 gateway addressをprimaryとsecondaryの間で共有し、障害時に切り替える方式が一般的です。 5. XCRからCERに対しては、全てのlinkで、全てのprivate subnetを、同じ内容で広告します。 CER1 CER2 XCR1 XCR2 IBM Cloud Customer’s Network BGPgateway address AS PATH=64999 AS PATH=“64999 64999” AS 13884AS 64999
  • 21. © 2020 IBM Corporation21 アドレス重複とルーティング方式の確認の流れ (Classic IaaSとの接続) 1. IBM Cloud上のprivate VLANに割り当てられるsubnetと、オンプレ側や、キャリア様の網内で利 用しているsubnetが重複している場合 – L2 network service経由の接続であれば、VRAでのNATとGREトンネルの組み合わせか、 お客様側でのNATによって衝突回避できる可能性があります。 – L3 network service経由の場合、キャリア様の網内ではNATの構成もGREトンネルの終端も 出来ないので、解決できない場合があります。 2. オンプレ側で10.0.0.0/14、10.200.0.0/14、10.198.0.0/15などを使っている場合 – L2 network service経由の接続であれば、GREトンネルや、お客様側でのNATによって衝突 回避できる可能性があります。 – L3 network service経由の場合、キャリア様の網内ではNATの構成もGREトンネルの終端も 出来ないので、解決できない場合があります。 3. 1もしくは2のケースで、解決のためにVRAやvSRXを使う場合、transit VLANのsubnetとオンプ レ側でIP addressが重複していない必要があります。重複している場合は、CER側でPBR (policy base routing)を設定し、CERからVRAへのGREトンネルのパケットのみVRAにルートを 向けることで回避できる可能性があります。 4. CERはBGP ASNとして64999を使うか、お客様またはキャリア様のpublic ASNを使う必要があ ります。4byte ASNも使えますが、ほとんど普及していません。CER候補のルーターが他のASN を利用している場合、別途CERを用意するか、CER上にVRFを構成して既存のルーターと分離 することで回避できる可能性があります。CER/XCR間でBGPを使わず、CERからVRAまでGRE トンネルを張って、CER/VRA間でBGPもしくはOSPFを使って冗長経路を組むことも出来ます。
  • 22. © 2020 IBM Corporation 参考資料 ▪ IBM Cloud / Direct Link https://cloud.ibm.com/docs/direct-link 22