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量子回路上でのパズルゲーム解法プログラムの構築
- 12. 題材とした回路
① ② ③
④ ⑤ ⑥
⑦ ⑧ ⑨
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨
[1,1,0,0,1,0,1,0,1]
ライツアウトを解を求める回路
- 13. 1 1 0
1 0
1
0
0 1
[1,1,0,0,1,0,1,0,1]
押し方
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨
- 39. 結果
エラー率
繰り返し回数(回)
13 14 15 16 17
0.00088 48.7 49.2 48.7 50.9 49.2
0.00089 47.3 49.3 51.0 47.0 47.4
0.00090 48.8 51.7 48.6 47.4 46.0
0.00091 50.0 46.9 49.7 47.8 45.9
0.00092 44.5 45.5 47.0 45.9 44.3
:
0.00094 45.5 45.5 47.0 45.9 44.3
:
0.00096 47.8 45.0 43.9 47.0 44.4
:
0.00098 43.8 45.7 43.5 45.9 42.2
エラー率が0.00091以下のとき
正解の確率が50%を超えた
小数点以下第二位を四捨五入しています
Editor's Notes
- 今から物理班、量子コンピュータに関する研究の発表を始めます
私たちは近年注目されている量子コンピュータに興味を持ち、身近な具体例を通して研究しました
- まずは量子コンピュータについて説明します
- 量子コンピュータは一部の問題に対して現在のコンピュータに比べ早く解くことができ、
科学,金融,創薬などの分野への応用が期待されています
以降現在のコンピュータを古典コンピュータと呼びます
量子とは粒子と波の性質を併せ持ったとても小さな単位で例としては光,電子,中性子などがあります
古典コンピュータでは状態が0か1かに定まっていますが量子コンピュータでは
0と1を確率で表します
この性質を0と1を同時に取っていると表現しています
一方でエラーが多く本来の性能を発揮するにはまだ課題があります
- 次に古典コンピュータと量子コンピュータの違いについて説明します
古典コンピュータではすべての答えの候補を一つずつ正確に値を得ることができますが,時間がかかります
この点で古典コンピュータは決定的であるといえます
例として25の素因数分解を量子コンピュータと古典コンピュータで考えます
古典コンピュータでは1から5の自然数をひとつずつ調べるため正確な答えを得ることができますが,その分時間がかかっています
- 一方で量子コンピュータは確率的な性質を持っています
ランダム性を利用し結果を確率で表しているのです
また量子コンピュータでは短時間で答えが得られます
すべての答えの候補を1度に調べているのです
25の素因数分解を考えるとき量子コンピュータでは1から5の自然数を一度に調べるため計算時間は短いですが1,2などのあやまった答えが数パーセントの確率で出てきます
- 先ほど量子コンピュータでは結果を確率で表していると述べましたが
結果の確率をヒストグラムで表すとわかりやすいです
以降は量子コンピュータの結果をヒストグラムで表しますのでこの図を記憶にとどめておいていただければと思います
例えばこの場合は1から4が10%の確率で結果として出現し5は60%の確率で
結果として出現します
- 続いて量子コンピュータの回路の説明をします
量子コンピュータの回路では2つの重要な要素があります
量子状態,量子ゲートです
まず,量子状態は,量子ビットと呼ばれる線上における量子の状態です
次に量子ゲートとは量子の状態を変化させるものです
- 次に具体的な量子ゲートについて説明します。
まずはXゲートです
Xゲートを用いると0は1に,1は0に変化します。
- 次にCXゲートです
点の部分が1であるときのみ+の部分でXゲートの作用をします
点の部分が1でないときはこのゲートは何も作用しません
- ここからは研究の動機と問題設定についてです。
- 僕たちの班はIBMの主催する、Quantum Challenge2020というプログラミングコンテストに参加し、ライツアウトというゲームの答えを探す回路を作りました。ライツアウトとは、点灯しているマス目をすべて消灯させるゲームです。
あるマス目を押したときそのマス目と隣接しているマス目の状態が切り替わります。すべてのライトが消えたらクリアとなります。
- 本研究ではこのゲームの答えを求める回路を題材にしています。図の回路の内容ですが、研究の内容を理解するためには必要ない為、時間の都合上説明は省かせていただきます。この回路によって正解の押し方は、1と2と5と7と9を押せばよいと求まりました。
- 実際に押して確かめてみましょう。すべて消すことができました。
- 今、正解の押し方が求まったといいましたが、正解の押し方が得られる確率に着目すると、回路が100%の確率で正解を出すわけではなく、不正解の値も出てきてしまいます。正解する確率を高くすることができれば、より良い回路を作ることができます。そこで、正解率をより高くするにはどうすれば良いかについて研究をしていきます。
- 研究内容です。
- 正解率を高めるために、正解を増幅する回路を用います。この回路は繰り返し用いることで正解率を変化させることができるのですが、繰り返し数をとにかく増やせば、正解率が上がるわけではありません。よって繰り返しの回数によって正解率がどう変わるかを調べます。
- これを調べるために、ライツアウトの問題を設定し、回路を繰り返して、正解率の変化を見ていきます。
正解の確率と繰り返し回数の関係をグラフにします
- 繰り返し回数を増やしていくと、正解率は次のように変化していきました。
- この結果から、繰り返し回数を増やすと正解率はこのように周期的に変化していくと考えました
- 調べたところ、先行研究によって観測確率と繰り返し回数はsin^2関数で表せることを確認できました。
しかしこれはエラーを考慮していません。
- エラー率引用先
https://quantum-computing.ibm.com/services?services=systems&system=ibmq_brooklyn
- 最終的に正解率はランダムになる
- 確率的コンピュータでは 1 3 よりもエラーの確率が低いことがエラーが許容される目安とされている
- 1,わかったこと
- 1,わかったこと
- 今回の研究は日本IBMの中村悠馬さんの協力の下、行われました。参考資料はこちらです。
- 今回の課題研究の成果物として、メンバー5人全員で210枚のスライドをオンライン上に公開しました
- ご清聴ありがとうございました