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2019年6月5日
ヤフー株式会社 近藤 恭代・瀧 知惠美・金 鉉敏
メンター制による
HCD/UXD人財育成の取り組み
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活動の概要
2
UXデザインスキルアップWG
• 社内の有志活動
• 2015年10月 発足
• 2016年4月 活動開始
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活動の背景
4
ユーザーファーストなものづくりの質が向上
UXデザインを実践できる人が増える
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Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.
WGにおける「UXデザイナー」の定義
5
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両方を考慮しながら、
利用者のより良い体験につながるサービス開発に
継続的に取り組む人
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WGの基本方針
6
メンター制
• 「実践できる人」を育成するため
• 個々のスキル・業務に応じたきめ細かな対応
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WG内の役割
7
• UXデザインのスキルを身につけたい人
メンティ
メンター
• メンティに教える人
• スキルアッププランを策定する
• WGの運営も兼ねる(2019年度上半期の場合)
Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.
活動形態
8
• 半期(6カ月間)を1サイクル
• 継続参加OK
• UXデザイナースキルセット表を活用
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UXデザイナースキルセット表
9
• UXに関する文献・実践経験をもとに
運営メンバーが作成
• メンティのスキル・業務内容に応じて
効果的なスキルアップを図る
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UXデザイナースキルセット表の項目
10
1. 案件推進
区分 内容 スキル・知識
スキル
チームビルディング 状況・目的の整理、ビジョン策定
ファシリテーション PJ・会議のファシリテーション
プレゼンテーション 構成力、言葉・可視化による表現力
知識
思考法 ロジカルシンキングなど
計画 ロードマップ形成
チームビルディング リーダーシップ
教育、普及 ティーチング、コーチング
フレームワーク活用 デザイン思考、システム思考など
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UXデザイナースキルセット表の項目
11
2. ものづくり
区分 内容 スキル・知識
スキル
コンセプトメイキング ペルソナ、シナリオ、CJMなど
情報設計 情報整理、要件定義、UI設計
ビジュアルデザイン 色・フォント、レイアウトなど
ウェブ、アプリ開発 コーディングなど
ルールの適用 デザイン原則、ガイドラインなど
知識
人間中心デザイン、
ユーザビリティ、アク
セシビリティ
人間中心デザイン、ユーザビリ
ティ、アクセシビリティの概念
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UXデザイナースキルセット表の項目
12
3. ビジネス
区分 内容 スキル・知識
スキル 事業戦略
KGI・KPI策定、リーンキャンバス、
ビジネスモデルキャンバス、バリュー
プロポジションキャンバス
知識 マーケティング
市場分析、競合調査・分析、ブラン
ディング
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UXデザイナースキルセット表の項目
13
4. 定性調査
区分 内容 スキル
スキル
定性調査の設計 定性調査の計画、リクルーティング
被験者が不要な手法
ヒューリスティック評価、認知的
ウォークスルー、アクティングアウト
被験者が必要な手法
デプスインタビュー、グループインタ
ビュー、日記調査(フォトエッセイ)、
行動観察、ユーザビリティテストなど
調査の観察 調査記録
調査結果の分析 KJ法、KA法など
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UXデザイナースキルセット表の項目
14
5. 定量調査
区分 内容 スキル・知識
スキル
定量調査の設計
ログによる定量調査・効果検証の
設計、アンケート調査の設計
ログ調査の手法 サービス指標の独自集計など
アンケート調査の手法 NPS調査
知識
定量調査の基礎知識 統計学・グラフの基礎知識など
ログ調査の基礎知識
ログの理解、主要な指標の意味、
ログ集計方法など
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UXデザイナースキルセット表の項目
15
内容 スキル スキル詳細
定性調査の設計
定性調査全体の計画
案件の状況(課題や目的)に応じて適切な手法
を選択し、調査計画を立てられる。
リクルーティング
調査対象者を明確にし、調査内容に即したリク
ルート方法(機縁法やWEBリクルーティング)
を選択し、適切な被験者(ユーザー)を集めら
れる。
被験者が必要な手法の実
施
デプスインタビュー
調査対象者に対して、傾聴、共感し、会話しな
がら話の内容を構造化して更に質問できる。
グループインタビュー
複数の調査対象者を集め、参加者同士での会話
を活性化させながら、一度に意見を収集できる。
定性調査領域のスキルセット表(一部抜粋)
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UXデザイナースキルセット表
16
• 全項目のスキル・知識を身につける
必要はない
• メンティが目指すゴールに応じて、
スキルアップする項目を選定
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スキルレベル
17
Level 0 知識がない状態
Level 1 知識がある(内容を説明できる)状態
Level 2 他者のサポートを受けながら実践できる状態
Level 3
自分主導で計画を立て、実践できる状態
※そういった実務経験が1回以上ある状態
• 期初の時点でのスキルレベル確認
• 目標とするスキルレベル設定
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スキルアップの流れ
18
いつまでに実現したいかを設定
メンティが最終的に目指すゴールを設定
半期で目指すゴールを設定
(実践できる or 人に教えられる)
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スキルアップの流れ
19
期初
半期のゴール設定
スキルアッププラン策定
インタビューを
企画・実践できる
ようになる!
今期は
○○と△△のスキル
を伸ばしましょう
期中 期末
スキルアッププラン実行
• 定期的な1on1ミー
ティング
• 担当案件での実施計画
検討
• 担当案件での実践
• セミナー・ワーク
ショップ参加 など
スキルレベル確認
今期のゴール達成!
○○と△△のスキル
が十分
身につきましたね
メンティ
メンター
メンティ
メンター
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過去3年間の活動実績
20
約半数 最終ゴール達成、修了
メンティ 31名
ほぼ全員 半期のゴール達成
1名 メンターに
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2019年度上半期の活動状況
21
メンティ メンター
12名 5名
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  • 4. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. 活動の背景 4 ユーザーファーストなものづくりの質が向上 UXデザインを実践できる人が増える ヤフーのミッションの実現 利用者の課題解決 企業の成長 サービスの持続的成長
  • 5. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. WGにおける「UXデザイナー」の定義 5 利用者の課題解決とビジネスゴールの 両方を考慮しながら、 利用者のより良い体験につながるサービス開発に 継続的に取り組む人
  • 6. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. WGの基本方針 6 メンター制 • 「実践できる人」を育成するため • 個々のスキル・業務に応じたきめ細かな対応
  • 7. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. WG内の役割 7 • UXデザインのスキルを身につけたい人 メンティ メンター • メンティに教える人 • スキルアッププランを策定する • WGの運営も兼ねる(2019年度上半期の場合)
  • 8. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. 活動形態 8 • 半期(6カ月間)を1サイクル • 継続参加OK • UXデザイナースキルセット表を活用
  • 9. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. UXデザイナースキルセット表 9 • UXに関する文献・実践経験をもとに 運営メンバーが作成 • メンティのスキル・業務内容に応じて 効果的なスキルアップを図る
  • 10. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. UXデザイナースキルセット表の項目 10 1. 案件推進 区分 内容 スキル・知識 スキル チームビルディング 状況・目的の整理、ビジョン策定 ファシリテーション PJ・会議のファシリテーション プレゼンテーション 構成力、言葉・可視化による表現力 知識 思考法 ロジカルシンキングなど 計画 ロードマップ形成 チームビルディング リーダーシップ 教育、普及 ティーチング、コーチング フレームワーク活用 デザイン思考、システム思考など
  • 11. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. UXデザイナースキルセット表の項目 11 2. ものづくり 区分 内容 スキル・知識 スキル コンセプトメイキング ペルソナ、シナリオ、CJMなど 情報設計 情報整理、要件定義、UI設計 ビジュアルデザイン 色・フォント、レイアウトなど ウェブ、アプリ開発 コーディングなど ルールの適用 デザイン原則、ガイドラインなど 知識 人間中心デザイン、 ユーザビリティ、アク セシビリティ 人間中心デザイン、ユーザビリ ティ、アクセシビリティの概念
  • 12. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. UXデザイナースキルセット表の項目 12 3. ビジネス 区分 内容 スキル・知識 スキル 事業戦略 KGI・KPI策定、リーンキャンバス、 ビジネスモデルキャンバス、バリュー プロポジションキャンバス 知識 マーケティング 市場分析、競合調査・分析、ブラン ディング
  • 13. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. UXデザイナースキルセット表の項目 13 4. 定性調査 区分 内容 スキル スキル 定性調査の設計 定性調査の計画、リクルーティング 被験者が不要な手法 ヒューリスティック評価、認知的 ウォークスルー、アクティングアウト 被験者が必要な手法 デプスインタビュー、グループインタ ビュー、日記調査(フォトエッセイ)、 行動観察、ユーザビリティテストなど 調査の観察 調査記録 調査結果の分析 KJ法、KA法など
  • 14. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. UXデザイナースキルセット表の項目 14 5. 定量調査 区分 内容 スキル・知識 スキル 定量調査の設計 ログによる定量調査・効果検証の 設計、アンケート調査の設計 ログ調査の手法 サービス指標の独自集計など アンケート調査の手法 NPS調査 知識 定量調査の基礎知識 統計学・グラフの基礎知識など ログ調査の基礎知識 ログの理解、主要な指標の意味、 ログ集計方法など
  • 15. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. UXデザイナースキルセット表の項目 15 内容 スキル スキル詳細 定性調査の設計 定性調査全体の計画 案件の状況(課題や目的)に応じて適切な手法 を選択し、調査計画を立てられる。 リクルーティング 調査対象者を明確にし、調査内容に即したリク ルート方法(機縁法やWEBリクルーティング) を選択し、適切な被験者(ユーザー)を集めら れる。 被験者が必要な手法の実 施 デプスインタビュー 調査対象者に対して、傾聴、共感し、会話しな がら話の内容を構造化して更に質問できる。 グループインタビュー 複数の調査対象者を集め、参加者同士での会話 を活性化させながら、一度に意見を収集できる。 定性調査領域のスキルセット表(一部抜粋)
  • 16. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. UXデザイナースキルセット表 16 • 全項目のスキル・知識を身につける 必要はない • メンティが目指すゴールに応じて、 スキルアップする項目を選定
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  • 18. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. スキルアップの流れ 18 いつまでに実現したいかを設定 メンティが最終的に目指すゴールを設定 半期で目指すゴールを設定 (実践できる or 人に教えられる)
  • 19. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. スキルアップの流れ 19 期初 半期のゴール設定 スキルアッププラン策定 インタビューを 企画・実践できる ようになる! 今期は ○○と△△のスキル を伸ばしましょう 期中 期末 スキルアッププラン実行 • 定期的な1on1ミー ティング • 担当案件での実施計画 検討 • 担当案件での実践 • セミナー・ワーク ショップ参加 など スキルレベル確認 今期のゴール達成! ○○と△△のスキル が十分 身につきましたね メンティ メンター メンティ メンター
  • 20. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. 過去3年間の活動実績 20 約半数 最終ゴール達成、修了 メンティ 31名 ほぼ全員 半期のゴール達成 1名 メンターに
  • 21. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. 2019年度上半期の活動状況 21 メンティ メンター 12名 5名
  • 22. Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved. 質疑応答

Notes de l'éditeur

  1. ヤフー株式会社の近藤です。 本日は、HCDやUXデザインに関する人財育成の取り組みについて、弊社の事例をご紹介させていただきます。
  2. 弊社では、「UXデザインスキルアップワーキンググループ」という活動を有志で行っております。 2015年10月に発足し、約半年の準備期間を経て、2016年4月に活動を開始しました。
  3. そもそもどういった経緯でこのような活動を始めたのかと申しますと、 ヤフーでは、インターネットの力で日本のあらゆる課題を解決する「課題解決エンジン」というミッションを掲げております。
  4. UXデザインを実践できる人財が増えることにより、ユーザーファーストなものづくりの質が向上し、利用者の課題解決につながるサービスを提供でき、ヤフーのミッションの実現につながるのではないかと考えております。 あわせて、サービスの持続的な成長にもつながり、企業の成長にも貢献できるのではないかと考えております。 こうした考えのもとで、このワーキンググループが発足しました。
  5. 一言で「UXデザイン」「UXデザイナー」と申しましても、その解釈は人によってさまざまです。 このワーキンググループでは、さきほど申し上げた背景をふまえ、目指す方向性についてメンバーが共通認識を持てるよう、「UXデザイナー」としての定義を定めております。 このワーキンググループで定義する「UXデザイナー」とは、「利用者の課題解決とビジネスゴールの両方を考慮しながら、利用者のより良い体験につながるサービス開発に継続的に取り組む人」です。
  6. 「UXデザインを実践できる人財」を着実に育成するためには、個々のスキルや業務内容に応じたきめ細かな対応が必要となることから、このワーキンググループではメンター制を導入しております。
  7. 教わる人(メンティ)と、教える人(メンター)がペアを組んで、スキルアップのための取り組みを推進します。 メンティの職種はデザイナー、エンジニア、企画など様々です。 メンターは、スキルアッププランを策定してメンティをサポートします。 また、ワーキンググループの活動を円滑に進めるための運営の役割も担っております。 メンターとして参加しているのは、UXデザインの知見や実践経験が豊富で、ワーキンググループ活動の趣旨に賛同する社員です。 メンティとメンターの組み合わせは、部署や職種に関係なく、メンティが伸ばしたいスキルの内容やメンターの得意分野などを考慮して決めております。
  8. 活動は半期6カ月間を1サイクルとして実施していますが、必要なスキルを身につけるまで複数の期にわたって継続して参加することも可能です。 スキルの習得にあたっては、「UXデザイナースキルセット表」を活用しております。
  9. スキルセット表は、ワーキンググループ発足時の運営メンバーが、UXに関する文献や業務での実践経験をもとに作成しました。 内容は適宜ブラッシュアップしております。 メンティのスキルや業務内容に応じて効果的なスキルアップを図るためのツールとして、このスキルセット表を活用しております。
  10. スキルセット表の内容についてご説明します。 スキルセット表は、5つの領域で構成されています。 まず1つめは、案件推進の領域です。
  11. 2つめは、ものづくりの領域です。
  12. 3つめはビジネスの領域です。
  13. 4つめは定性調査の領域です。
  14. 5つめは定量調査の領域です。
  15. こちらは、定性調査領域のスキルセット表の一部を抜粋したものです。
  16. スキルセット表は、5つの領域あわせて76項目ありますが、すべての項目を網羅する必要はありません。 メンティが目指すゴールに応じて、スキルアップする項目を選定します。
  17. また、どの程度スキルが身に付いたかを測るものとして、4段階のスキルレベルを設定しております。 レベル0は、知識がない状態。 レベル1は、知識がある状態。その内容について説明できる状態を指します。 レベル2は、他者のサポートを受けながら実践できる状態。 レベル3は、自分主導で計画を立て、実践できる状態。そういった実務経験が1回以上ある状態です。 スキルセット表の項目に関して、期初の時点でのスキルレベルがどれにあたるを確認したうえで、目標とするスキルレベルを設定します。
  18. 続いて、どのような流れでスキルアップを進めていくのかについてご説明します。 まず、このワーキンググループ活動において、メンティが最終的に目指すゴールを設定します。 これは、自分で実践できる状態か、さらに進んで人に教えられる状態のどちらかを選びます。 そして、いつまでにそのゴールを実現したいのかを設定します。 そのうえで、半期で目指すゴールを設定します。
  19. 半期の中でどのように進めていくのかと言いますと、まず、期初に半期のゴールを設定し、それをもとにメンターがスキルアッププランを考えます。 例えば、メンティが「今期はインタビューを企画・実践できるようになる」というゴールを設定したとしたら、メンターは、スキルセット表の中からどの項目のスキルを伸ばす必要があるかを考えます。 そして、期中にスキルアッププランを実行していきます。 具体的には、メンティとメンターが定期的に1on1ミーティングを行いながら、メンティの担当する案件でどのように実践していくかの計画を立て、担当案件で実践していきます。 実践やその準備にあたっては、必要に応じてメンターがサポートします。 そのほか、必要な知識を習得するためセミナーやワークショップなどに参加したりします。 そして、期末に、メンティのスキルレベルがどのくらいになったかを確認します。
  20. 過去3年間の活動を通じて、合計31名のメンティを育成しました。 そのうち、ほぼ全員が半期のゴールを達成しております。 そのうち約半数が、最終的なゴールを達成してメンティを終えました。 1名は、メンターとして参加しております。 残りの半数はなぜ最終ゴールを達成できなかったのかと言いますと、複数の期にわたる参加を想定して活動していたのですけれども、業務都合により継続参加が難しくなったといった事情です。
  21. 現在は、12名のメンティと5名のメンターが参加しております。 ご覧のとおり、メンティの数に対してメンターが少ないため、1人のメンターが2~3名のメンティを担当しております。 メンターができる人財の確保が、今後の課題の一つと考えております。