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Linked Data
Webをグローバルなデータ空間にする仕組み
総合地球環境学研究所
南 佳孝
『第4章 つながるデータをデザインし
よう』
2013/8/5 第2回 Linked Open Data(LOD)とオントロジー勉強会
おさらい
① 事物の名前としてURIを使うこと
② 事物の名前を調べられるようにHTTP URIを使うこと
③ URIが参照されたとき、有用な情報を供給できるようにすること
④ データの中に他のURIへのリンクをいれること
Linked Data 4原則
303URI と ハッシュURI
RDFとその形式
他の事物へのリンク
URIで名前をつける
人物
建物
飼い犬
科学的な概念
どうやってURIを決めるの?
+
名前空間
※自分がコントロールできること
自分が管理する名前空間
新たなURIを発行
http://oreno.site
新たなURIを発行
http://omaeno.site
自分が管理できない名前空間
○ ×
Linked Dataを生成する最大の理由
内部・外部へリンクして、付加価値を生み出す!
http://oreno.site http://omaeno.site
じゃあ
リンクを貼ってもらうには?
• コントロール可能
• 実装に非依存
• Natural Key
一貫したルール
永続的・安定的
コントロール可能な名前空間
http://omaeno.site
http://omaeno.site/person/aho/
http://oreno.site
http://omaeno.site/person/aho/#comedian http://oreno.site/ahosisho/
同一のデータ
※ http://omaeno.site/がLinked Dataでなければ
Dbpediaなどをリンク先として考えるべき
実装に非依存
http://oreno.site
http://oreno.site/comedian.php?id=ahosisho&format=rdf
http://oreno.site:8080/comedian.php?id=ahosisho&format=rdf
http://oreno.site/comedian/ahosisho.rdf
ぴ、PHP?
ぽ、ポート番号?
○
×
×
ユニーク性を保証する
Natural Key(自然なキー)
http://oreno.site/comedian/ahosisho
http://oreno.site/comedian/geinin00001
ポイント
一般的な規則:
可能な限り、データセットを持つドメインで意味があるキー
を使う
※どちらを使うかについては未だに議論される
ところ
3種類のURI
• 現実世界の事物そのものを表現するURI
• 現実世界の事物の記述をHTMLによって表現した関連情
報リソースのURI
• 現実世界の事物の記述をRDF/XMLファイルによって表現
した関連情報リソースを示すURI
視覚的に区別しづらく、
間違ったURIを使ってしまう可能性がある
拡張子(.html .rdf)を使って
区別する方法が通常よく使われる
URIが参照されたら
① 事物の名前としてURIを使うこと
② 事物の名前を調べられるようにHTTP URIを使うこと
③ URIが参照されたとき、有用な情報を供給できるようにすること
④ データの中に他のURIへのリンクをいれること
Linked Data 4原則
どんな情報を載せればいい
の?
1. リテラル(文字列)のトリプル
2. 他のリソース(作者やタイプなど)にリンクするト
リプル
3. 他のリソースからリンクされるトリプル
4. 関係するリソース(リソースの名前や作者の所属な
ど)のトリプル
5. データの由来など、記述自体を記述するトリプル
6. リソース全体に関するトリプル
例えば、LODAC Species:http://lod.ac/species/Papilio_xuthus
データセットの記述
• 何を記述する?
– 製作者・更新状況・ライセンス・データの由
来など
• メカニズム
– Semantic Sitemaps
– voiD(the Vocabulary of Interlinked Datasets)
データを記述するための語彙
• 概念階層を表現するための語彙
– SKOS(Simple Knowledge Organization System)
• 概念モデルを記述するための語彙
– RDFS(RDF Vocabulary Description Language、
RDF Shema)
– OWL(Web Ontology Language)
rdfs:Class RDFクラスであるリソースのクラス
rdf:Property すべてのRDFプロパティのクラス
RDFSの基本
• クラスとプロパティの型定義から構成
• 2つの名前空間
– http://www.w3.org/2000/01/rdf-schema#
• プレフィックスは「rdfs:」
– http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#
• プレフィックスは「rdf:」
基本クラス
RDFSの基本
• アノテーション
– rdfs:label
– rdfs:comment
• クラスとプロパティの関係
– rdfs:subClassOf
– rdfs:subPropertyOf
– rdfs:domain
– rdfs:range
【推奨】語彙
• ダブリンコア・メタデータ・イニシアティブ(Dublin Core Metadata Initiative (DCMI) )
– http://dublincore.org/documents/dcmi-terms/
• フレンド・オブ・ア・フレンド(Friend-of-a-Friend (FOAF) )
– http://xmlns.com/foaf/spec/
• 意味論的相互リンク・オンライン・コミュニティ(Semantically-Interlinked Online Communities (SIOC) )
– http://rdfs.org/sioc/spec/
• プロジェクト記述(Description of a Project (DOAP) )
– http://trac.usefulinc.com/doap
• 音楽オントロジー(Music Ontology)
– http://musicontology.com/
• プログラム・オントロジー(Programmes Ontology)
– http://www.bbc.co.uk/ontologies/programmes/2009-09-07.shtml
• グッド・リレーション・オントロジー(Good Relations Ontology)
– http://purl.org/goodrelations/
• クリエイティブ・コモンズ(Creative Commons (CC) )
– http://creativecommons.org/ns#
• 書誌オントロジー(Bibliographic Ontology (BIBO) )
– http://bibliontology.com/
• OAIオブジェクト再利用・交換(OAI Object Reuse and Exchange)
– http://www.openarchives.org/ore/
• レビュー語彙(Review Vocabulary)
– http://purl.org/stuff/rev#
• ベーシック・ジオ(Basic Geo (WGS84) )
– http://www.w3.org/2003/01/geo/
語彙の選び方
• 利用と理解
– 広く用いられている
– 既存のアプリからアクセスできるようになる
• 維持管理
– 管理方針が明瞭である
– 維持活動が活発である
– 更新される基準がある
• カバー範囲
– データセットを十分にカバーしている
• 表現力
– 過不足ではなく適切な表現である
用語の定義
• 既存語彙を補充するため
• 管理できる名前空間内で
• RDFS、OWLを用いて既存語彙と関連させ
る
• Linked Data原則に則る
• 人間がわかりやすいラベルとコメント
• 必要最低限だけ
LODAC Speciesでは:http://lod.ac/ns/species#
リンクする
http://oreno.site
外からのリンクを得るには
1.データセットの価値
2.リンクすることで新たな事がで
きる
3.リンクの生成・維持が容易
外へのリンク先を選ぶ
データセットを包括的に維持する
CKAN http://data.linkedopendata.jp/
http://oreno.site http://omaeno.site
.html
自動化!
(参考)Silk:http://www.slideshare.net/YoshitakaMinami/silk-13745740
プロパティの選び方
1.どのくらい他で使われているか
2.参照してデータを得ることができ
るか
① 事物の名前としてURIを使うこと
② 事物の名前を調べられるようにHTTP URIを使うこと
③ URIが参照されたとき、有用な情報を供給できるようにすること
④ データの中に他のURIへのリンクをいれること
Linked Data 4原則
まとめ

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