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米国の教育系スタートアップの潮流
               - 2013年の展望に関する考察




February 16, 2013
Packet Ver.1
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サマリー
米国では、2000年代半ば頃からインターネットを活用した教育分野のスタートアッ
プが表れ始め、2010年後半頃からその傾向が年々高まっています。
2013年1月現在、教育分野のスタートアップは米国シリコンバレー等のスタートア
ップ・VCのコミュニティにおいても最も取り上げられる分野の一つとなっており、そ
の結果、2012年10月現在で4億ドル以上もの投資資金が当該分野に流れていま
す。また、現地では当該分野をテーマとする各種イベントも多く開催されています
又、“教育ベンチャー”という括りで表現される中、その内容はオンライン授業やIT
ツール、ソーシャルツール等、多岐に渡ります。
これらのビジネスは、メディアで最も多く取り上げられるMassive-Open-Online-
Course(“MOOC”)から、大学や教育従事者向けのソーシャルツールやソフトウェ
ア等があげられます。
一方、こうしたトレンドが果たして今後どこまで持続的に伸びていくのか、どのよう
に選別されていくのかという課題も出始めています。
日本では教育系スタートアップがまだ教育機関や一般社会に影響を及ぼす程に
は至っていませんが、米国では2013年以降は勝ち組と負け組とが鮮明化していく
時期に差し掛かりつつあると考えられます。


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教育系スタートアップがひしめき合う2013年




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  米国の教育系スタートアップの体系化
オンライン授業系                 IT/ツール系
                           /                             ソーシャル/ゲーム系                    その他


                                                                                           (**)
                                                                                              )




                                          米国の
                                       E-ラーニング
                                         ラーニング
                                     市場規模 320億ドル(*)
                                             億ドル
備考: (*) 米GSV社データ等を参考。2012年の推定値
(**) 語学特化型のスタートアップ、退役軍人向けの教育支援サービス、その他

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  当該市場の全般的な背景
    米国では、国民が一定の教育を共通して受けられる仕組み
    が日本と比べてまだ完成されていません。
    米国特有の格差社会や、州政府各々の政策面での違い等、
    その原因は多くのものが重なり合っています。
    3年前に現職のオバマ政権が打ち出した『The Race To The
                            『
    Top』(通称『R2T』『
       』(通称『   』『RTTP』)は、米国が国際競争力を維持す
               』『    』
    るための対策の一つとして掲げられたものであり、連邦政府
    から公的機関への予算を削減する一方、民間セクターに教
    育システムの改革を促すものとなっています。
    上記に伴い、全米各州では、州政府予算の効率化をめざす
    べく、教育分野への歳出についてもその枠組みの改革を打
    ち出しており、公的機関への無駄な歳出は抑える一方で、民
    間からの支援が促進されるように各種対策への予算の拡大
    を打ち出されています(例: ミシガン州、ワシントン州、オレ
    ゴン州、ウィスコンシン州、アイダホ州、メイン州、その他)。
    その結果、教育に焦点を当てた起業家がこれをチャンスとと
    らえ、ここ数年に大学関係者やシリコンバレー等の起業家が
    こぞって各々の得意分野を生かした教育系スタートアップを
    設立し、今では少しづつその効果がメディア等を介して現れ
    始めたところです。


備考: 写真提供: 米国ホワイトハウス公式HP、education-portal.com等。

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 異なるターゲット層:K-12とHigher-EDとの違い
    教育系スタートアップの手掛ける様々な事業形態において、顧客層が教育を受ける立場の場合、大きく
    分けて大学以上(Higher-ED)と高等学校以下小学校まで(K-12)とで分けることが出来ます。
    米国内の市場規模としては、高校レベル以下、大学レベル以上、そして企業学習等を考えた場合に、
    大学レベル以上の教育(Higher-ED)が最も市場が大きいことがわかります。
    ただし、今後5年間の成長率を見ると、K-12層が20%と相対的に大きい模様です。

                                 米国での潜在的な市場規模

              単位:US$BN




備考: 米GSV社による予測データに基づく。
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MOOCは複数の現象のうちの一つに過ぎない
主要メディア(日本を含む)が2011年後半頃から、インターネットを駆使した教育系ベンチャーの中でもインターネ
ット上で主要大学における人気講義を無料で提供をするMOOC(=Massive-Online-Open-Courses)を多く取り上
げるようになりました。
しかしながら、この種のオンライン授業系は、広義での教育系スタートアップのうちの一部に過ぎません。




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   受講者向けVS.サービス提供者向け
      教育系スタートアップと言えば、まず我々                                しかし、その一方で、教育を提供する側、
      が想像しやすいのが、以下のような、大学                                教授・教員関係者への後方支援的なビジ
      キャンパス等での授業がオンラインで無料                                ネスも多く存在(当事者でないとわかりにく
      ・格安で受講できるタイプのビジネス(一番                               い付加価値等):
      わかりやすい):



            •   スタンフォード大学等の超一流
Coursera                                                                        •   教育従事者間のSNS的なサー
                大学の授業をオンラインで無料                      BetterLesson                    ビスプラットフォーム
                で受講可能。


                                                                                •   NYを拠点。主に学校等が学生
            •   2006年設立以降、教育スタート                                                    向け教育コンテンツの向上を図
                アップ関係で常に先を行く。                       Knewton                         るために適応学習のプラットホ
                                                                                    ーム等を提供。

            •   主に11項目の教育を提供し、
                SVに拠点を置く非営利組織。ヘ                                                 •   カナダ国籍企業。大学や企業・
Udacity                                                                             政府機関に対して教育関連シ
                ルスケア分野でのFutureMedの
                主催で注目を浴びる。                                                          ステムの構築を手掛ける。




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教育系スタートアップをめぐるキーワード
  教育系スタートアップというカテゴリーの中で、いろいろな角度からの新たなサービスが続々と生まれ始
  めています。
  以下は、いくつかのキーワードとして纏められるものです:


                             •   Ipad等のタブレット端末の普及により、PCのみならずに多くのモバイル端
モバイル                             末を介して授業を受ける環境が浸透。


                             •   大学構内で物理的に授業を受ける空間に行かなくとも、デジタルコンテン
デジタルコンテンツ
                                 ツとして手軽に受けられる環境が浸透。

                             •   授業そのものを創る教授が大学機関側にとって、生徒・学生が求めるも
クラウド                             のを正確かつタイムリーに把握する上で、クラウドを利用したデータ収集
                                 が可能ならしめてます。

                             •   edSurge社等、教育関係者向けの情報媒体も出始めています。こういった
メディア                             ニッチな分野特化型にもソーシャルメディアが生かされています。


                             •   オンライン授業やそれらのコンテンツ、幅広い領域でソフトウェア技術の
ソフトウェア                           開発が主に行われています。




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 主なVC投資資金の動向(全体)
    米国の2012年のVC投資は、全体で265億ドル、投資件数ベースで3698件と、前年比で10%、6%減って
    います。
    主な業種別で推移を見れば、ソフトウェア関連が唯一増えており、その他クリーンテクノロジーやバイオ
    等は5%~30%低下しています。ただし、インターネット関連とされる投資額そのものの水準に関しては、
                    ただし、インターネット関連とされる投資額そのものの水準に関しては、
    2001年以来 番目に高い水準となっています。
        年以来2番目に高い水準となっています。
        年以来
    全17業種中、ソフトウェア分野と小売・流通が投資金額が増加しています。




備考: 上記は米PwC社等による公表数値を参考としています。

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  主なVC投資資金の動向(教育系)
     米国のVC等による教育系スタートアップへの投資額は、2002年の約$140Mから急速に伸びております。
     特に2011年頃からマスコミ等で代表的なスタートアップが多く取り上げられるようになると、それらに追随
     をするスタートアップの数が増え、その結果、投資資金の流入も多くなっております。
     件数では、2010年の58社から2011年には82社へと増え、2012年においては恐らく100社を超えるものと
     予想されます。
     2012年10月現在、VCによる教育分野への投資額は4.63億米ドルに上る模様です。

  単位:US$BN         主な資金調達企業(累計):
                   2U社(旧 2tor社): $90.8MM
                     社(旧      社):
                   Knewton社: $54MM
                           社:
                   Coursera社: $22MM
                           社:
                   Udacity社: $21MM
                          社:
                   Codeacademy社: $10MM
                              社:




備考: 米National Venture Capital Association社による予測データに基づく。尚、2012年の数値は、NVCAによる実数値に基づいて当社が予測した
  ものであり、実績数値ではございません。
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主な教育系ベンチャーの最近の動き
           社名                      事業概要                                            特記事項


                 •   世界中のどこからでも無料でオンライ授業を •                    2006年シリコンバレーに元ヘッジファンドアナリストにより設立。
                     提供。非営利組織。 【オンライン授業】                      2011年に$5Mの助成金を受ける。3.5億人のユーザー

                                                          •   2012年に元スタンフォード大学教授等が設立。累計$22MのVC
                 •
Coursera
                     米国の一流大学等の授業をオンラインで無
                                                              投資等を受けている。教育ベンチャーの成功事例として今後ど
                     料で受講。【オンライン授業】
                                                              う事業がマネタイズされるのかが最も注目される。

                                                          •   2008年にNY設立。累計$54Mの投資資金を集める。適応学習
                 •   適応学習プラットフォーム(Adaptive Learning
                                                              とは、教材を各々の独自のニーズ・特性等にカスタマイズをする
                     Platform)の開発、提供。 【ITツール】
                                                              学習手法。

                 •                                        •   2010年にSF市設立。当該コンテンツ上でオリジナルのコンテン
Udemy
                     オンライン授業プラットフォーム。
                     【オンライン授業】                                ツを提供出来る。当該コンテンツ使用料を同社に支払う仕組み


                 •   学生間向け学習関係オンラインコミュニティ •                   2009年米国中西部ウィスコンシン州マディソン市設立。累計
StudyBlue            【ソーシャル・コミュニティ】                           $14.9Mの投資資金。

                 •   セミナー形式のオンライン授業プラットフォー •                  2012年ワシントンDC設立。2013年に$11Mの投資資金を集める
                     ム。生徒向けに受講コースのプランニング、                     。 米国のコミュニティカレッジと共にAmerican Honorsというプロ
                     キャリア相談等も。 【オンライン授業】                      グラムを主催。

                 •   教育関係ソフトウェア開発者向けの学生デー •                   2012年SV設立。有名インキュベーターのY-Combinator卒業生
                     タ(SiSシステム)のプラットフォームの構築。                  。最近$3Mを投資家から集める。40以上のソフトウェア会社から
                     【ITツール】                                  同社プラットフォームへのアクセス料等を獲得中。

                 •   クラウド上での教育関係者向け学生データベ
                                          •                   2011年7月ユタ州設立。2013年1月に$4.1Mの投資資金を集め
MasteryConnect       ースの提供プラットフォームの開発、運営。
                                                              る。 主にK-12向け生徒にフォーカス。
                     【ITツール】

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想定される課題事項
  教育産業は、VC業界が投資を積極的に手掛けるような業種とは異なり、政府や自治体等の役割、公共
  的な性質等でスタートアップが事業を始めるにはさまざまな見えざる壁があると考えられます:


                •   一般的に、教育に係る各々の社会的なシステム(並びに内包する課題)が制度的に変
ⅰ投資回収期間
 投資回収期間             化を成し遂げるまでに約~20年程度かかると言われます。一方、VCマネーの投資回
                    収期間は3年~5年です。このギャップが今後どう教育系スタートアップへの投資や事
                    業の発展持続性にどのように影響するかが焦点となりそうです。

                •   前頁の図でも示したとおり、このところ、類似するタイプの教育系ベンチャーがかなり
                    多く設立され、中には投資を成功裏に受けていますが、今後は勝ち組と負け組との選
ⅱ競争過多
 競争過多               別化が進むとみられます(既に一部のスタートアップでは早くもレイオフ等が起きてい
                    ます・・・)。

                •   当該分野を専門とする有識者や専門家あるいはVC関係者の考え方(教育は『質
                    (Quality)』の問題)と、学習を受ける側の考え方(教育は『費用(コスト)』の問題)との
 問題認知
   認知のズレ
ⅲ問題認知のズレ
                    認識のズレが、スタートアップの事業モデルの将来性に何らか影響を与える可能性が
                    あると考えます。

                •   現在投資を受けている米国発の教育系スタートアップの多くは、米国内の中流階級を
                    ターゲットの中心とするビジネスモデルである可能性が低くないと思われますが(もち
ⅳ市場性のズレ             ろん必ずしもそうとは言えないかもしれませんが)、むしろ本当の市場は米国以外の国
                    ・地域にある可能性もあり、それらにリーチを届かせるかもしくは当初からターゲットと
                    しない限り、事業が成功裏に拡大・持続する可能性が極めて限られるリスクも考えられ
                    ます。

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まとめ
 米国では教育費がますます高騰化する一方、教育を受けない限り職に就けないという懸念も同時に生ま
 れます。又、世界的にも教育問題は共通の課題でもあります。こうした中、インターネットで(英語という媒
 体を通じて)世界がつながりやすい環境となった今、教育系スタートアップには多くの可能性があります。
 その際、以下の事項がポイントとなると考えられます:

                 •   教育に関しては多くの人々は基本的な権利として考え、従ってより良いサービス(=教
                     育)を出来るだけ安価に手に入れられるものに付加価値を見出す可能性が高いと考え
価格力
                     られます。従って、必要とされる教育サービスをいかに受益者に安く提供出来る仕組
                     みが作れるかが重要なポイントと思われます。

                 •   教育関係の分野で事業を行う場合、多かれ少なかれ大学機関や公的機関と何らか関
                     わる可能性が高いと考えられます(例: 教育関係者へのソフトウェアツール開発である
営業の忍耐力               場合、教授等が最新の技術にすぐさま導入をするとも限らない)。忍耐強い営業力が
                     試されます。

                 •   前述のとおり、教育産業は成果が出るまで時間がかかる業界です。従って、事業を発
                     展させていくためにはVC等の5年以内に何らかの成果物を要求するアセットクラスより
資本政策
                     も、中長期的な観点で投資の成果を判断するような別の資金の出してを探す方が事
                     業運営上望ましいと言えます。


                 •   教育問題は米国はもとより、その他の諸外国にもより多くの問題が存在すると見られ
                     ます(経済格差や政策面での不備等の多くの要因)。今後は、より必要とされる市場を
市場の選択                いかに選択するか(ニッチなマーケットも含む)が、大切な要素となり得ると考えられま
                     す。


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Wild Card Report - KOEI 2013 02-16

  • 1. Strictly Confidential 米国の教育系スタートアップの潮流 - 2013年の展望に関する考察 February 16, 2013 Packet Ver.1
  • 2. Strictly Confidential サマリー 米国では、2000年代半ば頃からインターネットを活用した教育分野のスタートアッ プが表れ始め、2010年後半頃からその傾向が年々高まっています。 2013年1月現在、教育分野のスタートアップは米国シリコンバレー等のスタートア ップ・VCのコミュニティにおいても最も取り上げられる分野の一つとなっており、そ の結果、2012年10月現在で4億ドル以上もの投資資金が当該分野に流れていま す。また、現地では当該分野をテーマとする各種イベントも多く開催されています 又、“教育ベンチャー”という括りで表現される中、その内容はオンライン授業やIT ツール、ソーシャルツール等、多岐に渡ります。 これらのビジネスは、メディアで最も多く取り上げられるMassive-Open-Online- Course(“MOOC”)から、大学や教育従事者向けのソーシャルツールやソフトウェ ア等があげられます。 一方、こうしたトレンドが果たして今後どこまで持続的に伸びていくのか、どのよう に選別されていくのかという課題も出始めています。 日本では教育系スタートアップがまだ教育機関や一般社会に影響を及ぼす程に は至っていませんが、米国では2013年以降は勝ち組と負け組とが鮮明化していく 時期に差し掛かりつつあると考えられます。 Copyright : KOEI COMPANY, Inc. 2013 All Rights Reserved.
  • 3. Strictly Confidential 教育系スタートアップがひしめき合う2013年 Copyright : KOEI COMPANY, Inc. 2013 All Rights Reserved.
  • 4. Strictly Confidential 米国の教育系スタートアップの体系化 オンライン授業系 IT/ツール系 / ソーシャル/ゲーム系 その他 (**) ) 米国の E-ラーニング ラーニング 市場規模 320億ドル(*) 億ドル 備考: (*) 米GSV社データ等を参考。2012年の推定値 (**) 語学特化型のスタートアップ、退役軍人向けの教育支援サービス、その他 Copyright : KOEI COMPANY, Inc. 2013 All Rights Reserved.
  • 5. Strictly Confidential 当該市場の全般的な背景 米国では、国民が一定の教育を共通して受けられる仕組み が日本と比べてまだ完成されていません。 米国特有の格差社会や、州政府各々の政策面での違い等、 その原因は多くのものが重なり合っています。 3年前に現職のオバマ政権が打ち出した『The Race To The 『 Top』(通称『R2T』『 』(通称『 』『RTTP』)は、米国が国際競争力を維持す 』『 』 るための対策の一つとして掲げられたものであり、連邦政府 から公的機関への予算を削減する一方、民間セクターに教 育システムの改革を促すものとなっています。 上記に伴い、全米各州では、州政府予算の効率化をめざす べく、教育分野への歳出についてもその枠組みの改革を打 ち出しており、公的機関への無駄な歳出は抑える一方で、民 間からの支援が促進されるように各種対策への予算の拡大 を打ち出されています(例: ミシガン州、ワシントン州、オレ ゴン州、ウィスコンシン州、アイダホ州、メイン州、その他)。 その結果、教育に焦点を当てた起業家がこれをチャンスとと らえ、ここ数年に大学関係者やシリコンバレー等の起業家が こぞって各々の得意分野を生かした教育系スタートアップを 設立し、今では少しづつその効果がメディア等を介して現れ 始めたところです。 備考: 写真提供: 米国ホワイトハウス公式HP、education-portal.com等。 Copyright : KOEI COMPANY, Inc. 2013 All Rights Reserved.
  • 6. Strictly Confidential 異なるターゲット層:K-12とHigher-EDとの違い 教育系スタートアップの手掛ける様々な事業形態において、顧客層が教育を受ける立場の場合、大きく 分けて大学以上(Higher-ED)と高等学校以下小学校まで(K-12)とで分けることが出来ます。 米国内の市場規模としては、高校レベル以下、大学レベル以上、そして企業学習等を考えた場合に、 大学レベル以上の教育(Higher-ED)が最も市場が大きいことがわかります。 ただし、今後5年間の成長率を見ると、K-12層が20%と相対的に大きい模様です。 米国での潜在的な市場規模 単位:US$BN 備考: 米GSV社による予測データに基づく。 Copyright : KOEI COMPANY, Inc. 2013 All Rights Reserved.
  • 8. Strictly Confidential 受講者向けVS.サービス提供者向け 教育系スタートアップと言えば、まず我々 しかし、その一方で、教育を提供する側、 が想像しやすいのが、以下のような、大学 教授・教員関係者への後方支援的なビジ キャンパス等での授業がオンラインで無料 ネスも多く存在(当事者でないとわかりにく ・格安で受講できるタイプのビジネス(一番 い付加価値等): わかりやすい): • スタンフォード大学等の超一流 Coursera • 教育従事者間のSNS的なサー 大学の授業をオンラインで無料 BetterLesson ビスプラットフォーム で受講可能。 • NYを拠点。主に学校等が学生 • 2006年設立以降、教育スタート 向け教育コンテンツの向上を図 アップ関係で常に先を行く。 Knewton るために適応学習のプラットホ ーム等を提供。 • 主に11項目の教育を提供し、 SVに拠点を置く非営利組織。ヘ • カナダ国籍企業。大学や企業・ Udacity 政府機関に対して教育関連シ ルスケア分野でのFutureMedの 主催で注目を浴びる。 ステムの構築を手掛ける。 Copyright : KOEI COMPANY, Inc. 2013 All Rights Reserved.
  • 9. Strictly Confidential 教育系スタートアップをめぐるキーワード 教育系スタートアップというカテゴリーの中で、いろいろな角度からの新たなサービスが続々と生まれ始 めています。 以下は、いくつかのキーワードとして纏められるものです: • Ipad等のタブレット端末の普及により、PCのみならずに多くのモバイル端 モバイル 末を介して授業を受ける環境が浸透。 • 大学構内で物理的に授業を受ける空間に行かなくとも、デジタルコンテン デジタルコンテンツ ツとして手軽に受けられる環境が浸透。 • 授業そのものを創る教授が大学機関側にとって、生徒・学生が求めるも クラウド のを正確かつタイムリーに把握する上で、クラウドを利用したデータ収集 が可能ならしめてます。 • edSurge社等、教育関係者向けの情報媒体も出始めています。こういった メディア ニッチな分野特化型にもソーシャルメディアが生かされています。 • オンライン授業やそれらのコンテンツ、幅広い領域でソフトウェア技術の ソフトウェア 開発が主に行われています。 Copyright : KOEI COMPANY, Inc. 2013 All Rights Reserved.
  • 10. Strictly Confidential 主なVC投資資金の動向(全体) 米国の2012年のVC投資は、全体で265億ドル、投資件数ベースで3698件と、前年比で10%、6%減って います。 主な業種別で推移を見れば、ソフトウェア関連が唯一増えており、その他クリーンテクノロジーやバイオ 等は5%~30%低下しています。ただし、インターネット関連とされる投資額そのものの水準に関しては、 ただし、インターネット関連とされる投資額そのものの水準に関しては、 2001年以来 番目に高い水準となっています。 年以来2番目に高い水準となっています。 年以来 全17業種中、ソフトウェア分野と小売・流通が投資金額が増加しています。 備考: 上記は米PwC社等による公表数値を参考としています。 Copyright : KOEI COMPANY, Inc. 2013 All Rights Reserved.
  • 11. Strictly Confidential 主なVC投資資金の動向(教育系) 米国のVC等による教育系スタートアップへの投資額は、2002年の約$140Mから急速に伸びております。 特に2011年頃からマスコミ等で代表的なスタートアップが多く取り上げられるようになると、それらに追随 をするスタートアップの数が増え、その結果、投資資金の流入も多くなっております。 件数では、2010年の58社から2011年には82社へと増え、2012年においては恐らく100社を超えるものと 予想されます。 2012年10月現在、VCによる教育分野への投資額は4.63億米ドルに上る模様です。 単位:US$BN 主な資金調達企業(累計): 2U社(旧 2tor社): $90.8MM 社(旧 社): Knewton社: $54MM 社: Coursera社: $22MM 社: Udacity社: $21MM 社: Codeacademy社: $10MM 社: 備考: 米National Venture Capital Association社による予測データに基づく。尚、2012年の数値は、NVCAによる実数値に基づいて当社が予測した ものであり、実績数値ではございません。 Copyright : KOEI COMPANY, Inc. 2013 All Rights Reserved.
  • 12. Strictly Confidential 主な教育系ベンチャーの最近の動き 社名 事業概要 特記事項 • 世界中のどこからでも無料でオンライ授業を • 2006年シリコンバレーに元ヘッジファンドアナリストにより設立。 提供。非営利組織。 【オンライン授業】 2011年に$5Mの助成金を受ける。3.5億人のユーザー • 2012年に元スタンフォード大学教授等が設立。累計$22MのVC • Coursera 米国の一流大学等の授業をオンラインで無 投資等を受けている。教育ベンチャーの成功事例として今後ど 料で受講。【オンライン授業】 う事業がマネタイズされるのかが最も注目される。 • 2008年にNY設立。累計$54Mの投資資金を集める。適応学習 • 適応学習プラットフォーム(Adaptive Learning とは、教材を各々の独自のニーズ・特性等にカスタマイズをする Platform)の開発、提供。 【ITツール】 学習手法。 • • 2010年にSF市設立。当該コンテンツ上でオリジナルのコンテン Udemy オンライン授業プラットフォーム。 【オンライン授業】 ツを提供出来る。当該コンテンツ使用料を同社に支払う仕組み • 学生間向け学習関係オンラインコミュニティ • 2009年米国中西部ウィスコンシン州マディソン市設立。累計 StudyBlue 【ソーシャル・コミュニティ】 $14.9Mの投資資金。 • セミナー形式のオンライン授業プラットフォー • 2012年ワシントンDC設立。2013年に$11Mの投資資金を集める ム。生徒向けに受講コースのプランニング、 。 米国のコミュニティカレッジと共にAmerican Honorsというプロ キャリア相談等も。 【オンライン授業】 グラムを主催。 • 教育関係ソフトウェア開発者向けの学生デー • 2012年SV設立。有名インキュベーターのY-Combinator卒業生 タ(SiSシステム)のプラットフォームの構築。 。最近$3Mを投資家から集める。40以上のソフトウェア会社から 【ITツール】 同社プラットフォームへのアクセス料等を獲得中。 • クラウド上での教育関係者向け学生データベ • 2011年7月ユタ州設立。2013年1月に$4.1Mの投資資金を集め MasteryConnect ースの提供プラットフォームの開発、運営。 る。 主にK-12向け生徒にフォーカス。 【ITツール】 Copyright : KOEI COMPANY, Inc. 2013 All Rights Reserved.
  • 13. Strictly Confidential 想定される課題事項 教育産業は、VC業界が投資を積極的に手掛けるような業種とは異なり、政府や自治体等の役割、公共 的な性質等でスタートアップが事業を始めるにはさまざまな見えざる壁があると考えられます: • 一般的に、教育に係る各々の社会的なシステム(並びに内包する課題)が制度的に変 ⅰ投資回収期間 投資回収期間 化を成し遂げるまでに約~20年程度かかると言われます。一方、VCマネーの投資回 収期間は3年~5年です。このギャップが今後どう教育系スタートアップへの投資や事 業の発展持続性にどのように影響するかが焦点となりそうです。 • 前頁の図でも示したとおり、このところ、類似するタイプの教育系ベンチャーがかなり 多く設立され、中には投資を成功裏に受けていますが、今後は勝ち組と負け組との選 ⅱ競争過多 競争過多 別化が進むとみられます(既に一部のスタートアップでは早くもレイオフ等が起きてい ます・・・)。 • 当該分野を専門とする有識者や専門家あるいはVC関係者の考え方(教育は『質 (Quality)』の問題)と、学習を受ける側の考え方(教育は『費用(コスト)』の問題)との 問題認知 認知のズレ ⅲ問題認知のズレ 認識のズレが、スタートアップの事業モデルの将来性に何らか影響を与える可能性が あると考えます。 • 現在投資を受けている米国発の教育系スタートアップの多くは、米国内の中流階級を ターゲットの中心とするビジネスモデルである可能性が低くないと思われますが(もち ⅳ市場性のズレ ろん必ずしもそうとは言えないかもしれませんが)、むしろ本当の市場は米国以外の国 ・地域にある可能性もあり、それらにリーチを届かせるかもしくは当初からターゲットと しない限り、事業が成功裏に拡大・持続する可能性が極めて限られるリスクも考えられ ます。 Copyright : KOEI COMPANY, Inc. 2013 All Rights Reserved.
  • 14. Strictly Confidential まとめ 米国では教育費がますます高騰化する一方、教育を受けない限り職に就けないという懸念も同時に生ま れます。又、世界的にも教育問題は共通の課題でもあります。こうした中、インターネットで(英語という媒 体を通じて)世界がつながりやすい環境となった今、教育系スタートアップには多くの可能性があります。 その際、以下の事項がポイントとなると考えられます: • 教育に関しては多くの人々は基本的な権利として考え、従ってより良いサービス(=教 育)を出来るだけ安価に手に入れられるものに付加価値を見出す可能性が高いと考え 価格力 られます。従って、必要とされる教育サービスをいかに受益者に安く提供出来る仕組 みが作れるかが重要なポイントと思われます。 • 教育関係の分野で事業を行う場合、多かれ少なかれ大学機関や公的機関と何らか関 わる可能性が高いと考えられます(例: 教育関係者へのソフトウェアツール開発である 営業の忍耐力 場合、教授等が最新の技術にすぐさま導入をするとも限らない)。忍耐強い営業力が 試されます。 • 前述のとおり、教育産業は成果が出るまで時間がかかる業界です。従って、事業を発 展させていくためにはVC等の5年以内に何らかの成果物を要求するアセットクラスより 資本政策 も、中長期的な観点で投資の成果を判断するような別の資金の出してを探す方が事 業運営上望ましいと言えます。 • 教育問題は米国はもとより、その他の諸外国にもより多くの問題が存在すると見られ ます(経済格差や政策面での不備等の多くの要因)。今後は、より必要とされる市場を 市場の選択 いかに選択するか(ニッチなマーケットも含む)が、大切な要素となり得ると考えられま す。 Copyright : KOEI COMPANY, Inc. 2013 All Rights Reserved.