Identity と Idetifier の区別
論理学は勉強したことがあります(⽯本新先⽣)
l 英語は⽇本語である (ラッセルのパラドックス)
実は,ウンベルト・エコ先⽣と対談したことがあります︕
l 「その薔薇」の「その名前」の唯名論的解釈
「初めに⾔葉があった」 (ヨハネ福⾳書)
l 名前が出てこない少⼥の名前がたぶん「薔薇の名前」
識別⼦(Identifier) と エンティティ (entity)
エンティティ(entity)
l 実在する対象(⼈,もの,組織,抽象的対象)
識別⼦(Identifier)
l エンティティを指し⽰す記号
識別⼦ エンティティ
⼈
もの
組織
リアリティ
⽒名と個⼈番号(⽇本国⺠のIdentifier)の場合
出⽣届の⽒名 (⼾籍法が根拠法(法務省))
l 識別⼦の⽣成︓ ⽗⺟など(本⼈ではない)
l コントローラ︓ 原則として⽗⼜は⺟(出⽣届提出義務)
l レジストリ︓ (⺟親が属する)⼾籍
個⼈番号(マイナンバー)(番号法が根拠法(総務省))
l 識別⼦の⽣成︓ J-LIS (デジタル庁/地⽅地⾃体の共同運営法⼈)がランダムかつ⼀意に⽣成
l コントローラ︓ 市町村⻑(住⺠基本台帳)+ J-LIS (本⼈は申請しない/できない)
l レジストリ︓ J-LISのコンピュータシステム/マイナンバーカード
転居,結婚,離婚などでも変更されない識別⼦
プライバシー権(とDID)
様々な議論がある
l ⼀⼈でいさせてもらう権利(the right to be let alone)
← メディアの知る権利
l 公権⼒が侵すべきでない個⼈の私的領域
← 捜査令状
l ⾃⼰に関する情報をコントロールする権利 (最もポピュラーな定義)
法制化
l 憲法13条(個⼈の尊厳),個⼈情報保護法
l GDPR (EU⼀般データ保護規則)
個⼈データの収集および利⽤⽬的への明確な同意(オプトイン)
個⼈データはデータ管理者に妨げられることなく可搬性を持つこと(データポータビリティ)
l CCPA (カリフォルニア州消費者プライバシー法)
DID / SSI / VC
DID (decentralized Idenfiers)
l 集中型レジストリやIdPや認証局を必要とせずに検証可能なエンティティ識別⼦
SSI (Self-Sovereign Identity)
l ⾃分の情報を⾃分でコントロールできるアイデンティティ
VC (Verifiable Credentials)
l 検証可能なアイデンティティ情報
DID
(識別⼦)
SSI
(アイデンティティ)
VC
(クレデンシャル)
DID
l W3C (World Wide Web Consortium) 標準規格
l 2022年7⽉19⽇に勧告
集中型レジストリ,IdP(アイデンティティプロバイダ),認証局を必要としない
l 単⼀障害点を持たない
l IdPの倒産などで⾃分のアイデンティティを失うことがない
アイデンティティ情報を検証可能なエンティティ識別⼦
X X ?
W3C のDIDのアーキテクチャ
今⽇は以下を説明します
l DID サブジェクト
l DID
l DID コントローラ
l DID ドキュメント
l 検証可能データレジストリ
Decentralized Identifiers (DIDs) v1.0
Core architecture, data model, and representations
W3C Recommendation 19 July 2022
DID メソッドの例
did:ion ( sidetree,Bitcoin )
l 例 did:ion:EiC4gAQxXVCnbGQKFW7wgr0nbrOxXsF5CnglU8j1sXARaA
did:elem (sidetree,Ethereum )
l 例 did:elem:ropsten:EiBOWH8368BI9NSaVZTmtxuqwpfN9NwAwy4Z95_VCl6A9g
did:web (webのドメイン名を利⽤してDID名前解決)
l 例 did:web:veramo-agent.herokuapp.com
did:ethr (Ethereum アドレスとスマートコントラクトでDID名前解決)
l 例 did:ethr:0xc530503a148babcaca68565cfa576d6f43427a2d
DIDメソッドは乱⽴している
l https://www.w3.org/TR/did-spec-registries/#did-methods
SBT: ソウルバウンドトークン
譲渡できないNFT
l Decentralized Society: Finding Web3ʼs Soul. E. Glen Weyl, Puja Ohlhaver, Vitalik Buterin.
May 2022
SBTの⽬的(web3 市場の健全化にはネイティブな web3 ID = DID が必要)
l シビル攻撃耐性
l 構成員の共有権利
l 構成員の持ち分保護
l アーティストとしての⼈格
l 構成員のトラスト(評判の蓄積に基づく)
l ヴァンパイア攻撃耐性
魂
web3 ID
(SBT)