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情報工学の道具としての
ハードウエアと半導体
秋田純一(金沢大)
2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
Contents
自己紹介
情報工学とコンピュータと半導体の歴史
「道具の民主化」がもたらすこと
情報工学と半導体の新しい関係
2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
自己紹介
 浅田研@東大(VDEC)でPh.D(‘98)(イメージセンサ)
 金沢大(’98~’00・’04~)
 公立はこだて未来大(’00~’04)
 ’95〜’00:はこだて未来大 計画策定委員
 本業:(機能つき)イメージセンサ
 +LSIを使うデバイス・システム(←電子工少年)
LSI(イメージセンサ)のレイアウト図
(プロッタ出力して目視チェック)
チップと基板をつなぐ
ワイヤーボンディング 基板設計
はんだ部屋
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情報工学とコンピュータと
半導体の歴史
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コンピュータの歴史
(1946)
真空管: 18,000本
消費電力: 140kW
サイズ: 30m×3m×1m
演算性能: 5,000加算/s
(ENIAC:世界最初のコンピュータ)
(2007)
最小加工寸法: 0.065μm(65nm)
素子数: ~50,000,000
消費電力: 100W~数mW
サイズ: 10mm×10mm程度
演算性能: 10,000,000,000演算/s
(1960)集積回路(IC)の発明
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集積回路(IC)の発明
US Patent No. 2 981 877 (R. Noyce)
(1961)
US Patent No. 2 138 743 (J. Kilby)
(1959)
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ICの進化の歴史:Mooreの法則
ref: http://www.intel.com/jp/intel/museum/processor/index.htm
傾き:×約1.5/年
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Mooreの法則のカラクリ:スケーリング
MOSトランジスタを、より小さく作ると・・・?
寸法: 1/α
不純物濃度: α
電源電圧: 1/α
結論:いいことばかり
速度↑
消費電力↓
集積度(機能)↑
技術が進むべき方向性が極めて明確なまれなケース
p-Si
S DG
n-Sin-Si
p-Si
S DG
n-Sin-Si
L
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MOSトランジスタの微細化の歴史
微細化するほど
メリットがある
=がんばって微細化
そろそろ「原子」が
見えてきている
ref: 日経BP Tech-On! 2009/03/30の記事
L=20nm(いま)
L=5nm(2020年ごろ?)
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コンピュータの高速化の歴史
DEC VAX(1976)
1MIPS
Cray-1 (1978)
100MIPS
1000MIPS
300MIPS
10MIPS
100MIPS
20MIPS
MIPS:Million Instruction Per Second (1秒間に実行できる命令数)
(世界最初のスーパーコンピュータ)
「世界トップの高速化」+「身近なものにも高速化の恩恵」の2つの側面がある
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情報工学の広がり
(昔)コンピュータが高価で性能が低かった
紙テープ、テキスト/CUI (Character UI)
TSS(大学に1台、企業に1台)
(少し昔)
凝った信号処理もOK/GUI (Graphical UI)
個人に1台(PC)
(いま)
画像、動画、3Dの処理はあたりまえ
Natural UI (ジェスチャなど)/Physical Computing
一人で何台も(ユビキタス化)
コンピュータが「お手軽」に
→利用場面の拡大
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マテリアル化するマイコン
NXP LPC1102
(Coretex-M0/50MHz)
Atmel ATtiny10(8MHz)
(通称:ふりかけマイコン)
マイコンの「粒」は小さくなってきた&コストも安い→「原子」へ
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「LED点滅(Lチカ)」のパラダイムシフト
コスト面:マイコン○(「もったいなくない」)
機能面:マイコン○(多機能・仕様変更も容易)
「枯れた技術」でも、世の中は変わりうる
※ただし、「それを使うこと」ができれば
マイコン使用
部品点数=1
コスト:100円
発振回路(555)
部品点数=4
コスト:150円
while(1){
a = 1;
sleep(1);
a = 0;
sleep(1);
}
※さすがにPCではちょっと・・・
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ムーアの法則のもたらしたもの(その2)
コストダウン
同一機能を小チップ=低価格で
古い世代の製造装置でも作れるLSIも、
「そこそこ」高性能
=パラダイムが
変わる可能性
14
(C.クリステンセン「イノベーションのジレンマ—技術革新が
巨大企業を滅ぼすとき」(翔泳社(2001))
マイコン
SoC
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「道具の民主化」がもたらすこと
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「道具の普及」がもたらしたもの
(昔)「表現」はプロの特権だった
音楽、映画、・・・
私たち=Consumer
(今)「表現」は誰でもできる
「道具」の普及
(DTM、初音ミク、などなど)
「発表機会」の普及
(ニコ動、などなど)
私たち=Creator/Makerになることができる
(ならなくてもいい)
宮下芳明「コンテンツは民主化をめざす
―表現のためのメディア技術」
(明治大学出版会, 2015)
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SFの世界でも?
日本の次期月探査計画に関わっていた大学院生・
蓮見省一の夢は、彗星が月面に衝突した瞬間に潰
え、恋人の奈美までが彼のもとを去った。
省一はただ、奈美への愛をボーカロイドの小隅レイ
に歌わせ、ピアピア動画にアップロードするしかな
かった。
しかし、月からの放出物が地球に双極ジェットを形
成することが判明、ピアピア技術部による“宇宙男
プロジェクト”が開始される・・・・・・
ネットと宇宙開発の未来を描く4篇収録の連作集
・・・・???
野尻「南極点のピアピア動画」
(早川書房 , 2012)
(少しネタバレと示唆するもの)
• すごい能力を持った個人が、たくさんいる(が普段は目立たない)
• それらの人が力をあわせると、すごいこと(場合によってはイノベーション)ができる
例:野尻抱介「南極点のピアピア動画」
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ユーザーイノベーション
発明・イノベーションは、
ユーザーが行う場合も多い
道具が民主化されている
(=やろうと思えばできる)
ユーザーは「アツい心」をもつ
(=採算・労力を度外視で
がんばれる)
小川進「ユーザーイノベーション:
消費者から始まるものづくりの未来」
(東洋経済新報社, 2013)
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情報工学ではどうか?
プログラミング言語・環境の民主化
(昔)PCもコンパイラも高価
=「遊びに使う」なんて論外
(今)PCも安価、コンパイラはタダ
=「遊びに使う」からはじめられる
ユーザ・コミュニティによる「知の蓄積」も後押し
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技術の「民主化」という見方
(従来)技術=プロの特権
(いま)技術=誰でも使える(民主化)
ユーザの裾野が広がる(多様化)
その中から「アタリ(イノベーション)」が生まれる
相対的に「プロ」の重要性↑↑(「遊び」だけでない)
(L.Fleming, Harvard Business Review,
8(9), pp.22-24 (2004))
メンバの「均一性」
生まれる成果
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こんなことやってます:NT金沢
「つくってみた」の「ドヤ顔大会」
遊び・アツい思い(多様性)→アタリは出るか?
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ハードウエアはどうか?最近の秋葉原
※客層が変わってきている(こっちの)
(昔)ロボコン高専生・電子工作マニア(おっさん)
(今)↑+テクノ手芸女子、親子連れ、美大生
22
西餅「ハルロック」
(週刊モーニングで連載中)
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Make: 理工離れ?どこの世界の話?
“Maker”の活動の広がり
実はみんな「作るのが大好き」
FabLab(レーザーカッター、3Dプリンタ等の
加工機をコアにしたコミュニティ)
いままでは「技術が手元になかった」だけ
道具・技術が「民主化」されて、使えるようになった
「半導体ユーザが多様化した」と見ることもできる
MakerFaireTokyo2013
の様子
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“Maker”から産業へ
ロングテール:嗜好の多様化+それに応える産業
「本当に欲しいもの」が手に入る
実際に製造業でも
小規模製造業、高い技術力
熱心なユーザ・ファン、ユニークな製品
市場調査+資金調達=CrowdFunding
サプライチェーン・製造技術の活用
製造業におけるロングテールの具現化
「ハードウエア・スタートアップ」が続々
(C.アンダーソン「ロングテール」,早川書房 (2009))
全体の40%
「一人家電メーカ」BsizeのStroke(39,900円)
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なぜMakerが生まれたのか?
製造技術が真の意味で普及したから
技術がこなれてきた
ノウハウがたまった
ユーザの「幅」が広がった
Arduino←→無数のマイコンボードの違いは?
使いやすさ+ユーザコミュニティ(主にオンライン)
ArduinoUno
25
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「技術の普及」の結果:深圳の華強北
26
山寨(ShanZhai)の例
※FakeCopyではなく、プロダクトの
進化系。これが1週間で量産される
無限に続くパーツ屋
築地のような活気
“Used Mobile Phone Shop”の実体
パーツに分解
(BGAも)
路上で解体
店頭でリペア
(BGAも手はんだ:ボール再生機あり)
ShenZhen HuaQiangBei
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情報工学と半導体の新しい関係
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(おさらい)情報工学と半導体
半導体とコンピュータ・情報工学
ムーア法則→コンピュータの性能向上
コンピュータの性能向上→情報工学の幅の広がり
CUI→GUI→NUI→・・・
単体→インターネット→クラウド→・・・
「技術の民主化」という見方
プロの特権→誰でも使える(コスト面・使い勝手面)
多様な人が使う → アウトプットの多様性↑
その中からイノベーションが出る(かもしれない)
2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
半導体(IC)は「道具」になっているか?
高性能な「汎用品」:道具になった
(マイコン、FPGA、オペアンプ、・・・)
「専用品」(カスタムLSI)は?:現状、無理
例:学部1年生にLSIを作らせる?
「高いんだぞ・・・」「失敗したらシャレにならんぞ」
「ツールの使い方が難しいぞ」
「基礎知識(回路理論など)をいっぱい勉強しろ」
「ちゃんと動かすのは難しいぞ」
作れない→経験できない→学べない
29
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失敗から学ぶ:「手軽に試せる」環境
30
http://www.viscuit.com/column01/column02/
原田康徳氏(NTT CS研)
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MakerがLSIを「つくる」ためのハードル
設計CAD
市販の業務用CAD: 高すぎ、高機能すぎ
製造方法
高すぎ、時間かかりすぎ(1000万円・半年)
NDA(設計ルールなどのアクセス制限)が厳しすぎ
ユーザ・コミュニティ
参入障壁:現状は専門家ばかり
※人気がないのは、半導体業界の苦境、は
原因ではないと思う
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ICが道具になったら何をしたい?
https://www.youtube.com/watch?v=A188CYfuKQ0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm23660093
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LチカLSI動画:ニコ動でのコメント
 こっから?
 ニコ技界のTOKIO
 ゲートの無駄遣い
 ここから!!?
 ひでえ、勿体ない使い方wwwww
 マジかよ。レジストレベルの設計とか
ガチすぎる。
 無駄遣い過ぎるだろw
 贅沢というかなんというか
 え?まじでここからかよ」wwww」」
 IC版FusionPCB的なところが現れれば・・・
 (FPGAでは)いかんのか?
 俺はFPGAで我慢することにする
 いや、そこまでは必要ないです
 量産品すらFPGA使う時代に専用LSI・・・
 アマチュアはFPGAで良いんだよなぁ・・・w
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「カスタムIC」ならではのことは?
実世界との界面
センサ、アクチュエータ(MEMS)
アナログ回路
超LowPower
カスタムマイコン
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LチカLSI ver2
タッチセンサ 光センサ ※北九州学術研究都市 共同研究開発センターの半導体試作施設において、
(一財)ファジィシステム研究所の協力の下、他大学学生のLSI製造演習として
試作されました
CMOS 2um 2Al
3.2mm x 3.2mm
https://www.youtube.com/watch?v=NN1wNf66vXw
http://www.nicovideo.jp/watch/sm24280073
CAD:フリーウエア(Inkscape)
製造:北九州の時間貸しクリーンルーム
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IC製造方法の革命:ミニマルファブ
0.5インチウエハ・局所クリーン化・DLP露光
工程ごとの小型装置群
小ロットのLSI製造
加工寸法:1um程度
単TAT(1〜2日)
pMOS, nMOS:OK
→CMOS回路へ/MEMS
「ミニマルCAD」も進行中
一部装置は既に販売開始
CMOS製造装置群はあと5〜10年程度?
作る→試す→学ぶ、の教育サイクル◎
http://unit.aist.go.jp/neri/mini-sys/fabsystem/minimalfab.html
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ICを道具にするために: MakeLSI:
情報収集・整理
フリーCADなど
VDEC非依存の環境で
仲間さがし
けっこういる
素人で作ってみる?
2015/8に北九州Fabで製造開始
http://ifdl.jp/make_lsi
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「道具」としてのICを持つこと
ふつうの情報工学の研究・・・「あるもの」を使う
カメラ、Kinect、マイコン、FPGA・・・
新技術で、一気にパラダイムが変わることがある
「LSIをつくれる」という道具
=「いまできること」という発想から脱却
「カメラをつくれる」→画素をいじってみる
「容量センサをつくれる」→回路とつなげる
Depth画像
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具体例1:擬似的不規則画素配置
格子状の画素配置
擬似的に不規則な画素配置
「画素」から、いじる
少画素でもジャギー解消
視覚の特性(副尺視力)
方向依存性がないジャギー
擬似的不規則画素配置をもつイメージセンサ(カメラ) 擬似的不規則画素配置をもつ模擬ディスプレイ
プロジェクタ+縮小投影で模擬
画素パラメータの最適化
低解像度でも高い画質
画像計測への応用
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具体例2:視線計測カメラ素子
カメラ+画像処理回路
(列並列処理)
超高速化(〜1000fps)
小型化(カメラサイズ)
低レイテンシ化
列並列構成で高解像度化
高速カメラ+FPGAによる
エミュレーション・システム
カメラ
(受光素子)
画像処理回路
(並列処理)
サッケード(急速眼球運動)
到達点のリアルタイム予測
CMOS0.18um
#Pixel: 16x16
→176x144
PixelSize: 10[um]
Column Parallel
サッケードに同期した
残像ディスプレイ
APSR/O&CmpSSXSY
APSR/O&CmpSSXSY
APSR/O&CmpSSXSY
APSR/O&CmpSSXSY
RawOut
Y & Yrst
X
X
X&Y
Accum
Vref
S S
Accum
SX SX
Accum
SY SY
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具体例3:可視光インタフェース
可視光による入力
(2色対応:赤・緑)
ブロック型デバイス
→連結拡張(マグネット)
パターン認識
→機能定義・インタラクション
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具体例4:電力重畳通信ブロック
ネジ
基板
バネ
2極で給電+通信(重畳)
隣接ブロックとの通信
接続情報取得→全体形状認識など
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研究室内サークル:マイコンブ
マイコンペ(コンペ)
→各種イベントで展示
ノウハウ共有
使うマイコンの共通化
いずれも学生の発案
http://combu.ifdl.jp/
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前座:B3自主課題研究「PSoCを用いた○○の製作」
作りたいもののアイディアを出す
(実現性は考慮しない)
そのアイディアの実現可能性を、指導者と吟味
用いるセンサ・アクチュエータを選定
期間内に実現できそうなレベル・複雑度を設定
学習方法の効率化
用いるマイコン(Cypress PSoC1)を共通化=ノウハウ共有・蓄
積
用いる部品のデータシートの読み方を学習
=自ら先へ進めるようにステップアップ
「自分で考えた、作りたいもの」を作るので、
モチベーションを維持しやすい
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結果:作品例
タッチ式記憶ゲーム 学習式目覚まし時計
作曲機能つき
ミニゲーム機
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まとめ
半導体とコンピュータ・情報工学
ムーア法則→コンピュータの性能向上
コンピュータの性能向上→情報工学の幅の広がり
「技術の民主化」という見方
プロの特権→誰でも使える(コスト面・使い勝手面)
多様な人が使う → アウトプットの多様性↑
その中からイノベーションが出る(かもしれない)
「半導体の民主化」
そのための道筋
それによって広がる「情報工学」の守備範囲・可能性
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課題
MOSトランジスタのスケーリング則・ムーアの
法則がもつ技術的・社会的・経済的意義につ
いて、あなた自身のこれまで勉強したことや
今後の進路との関連を交えて、あなた自身の
観点でまとめてください。もちろん独断が入っ
ても構いません。(A4で1枚程度)
提出方法・期限:7/23木
宛先:以下の2箇所に送信してください
akita@ifdl.jp, t-kawanami@neptune.kanazwa-it.ac.jp

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情報工学の道具としての ハードウエアと半導体

  • 1. Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 情報工学の道具としての ハードウエアと半導体 秋田純一(金沢大)
  • 2. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Contents 自己紹介 情報工学とコンピュータと半導体の歴史 「道具の民主化」がもたらすこと 情報工学と半導体の新しい関係
  • 3. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 自己紹介  浅田研@東大(VDEC)でPh.D(‘98)(イメージセンサ)  金沢大(’98~’00・’04~)  公立はこだて未来大(’00~’04)  ’95〜’00:はこだて未来大 計画策定委員  本業:(機能つき)イメージセンサ  +LSIを使うデバイス・システム(←電子工少年) LSI(イメージセンサ)のレイアウト図 (プロッタ出力して目視チェック) チップと基板をつなぐ ワイヤーボンディング 基板設計 はんだ部屋
  • 4. Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 情報工学とコンピュータと 半導体の歴史
  • 5. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ コンピュータの歴史 (1946) 真空管: 18,000本 消費電力: 140kW サイズ: 30m×3m×1m 演算性能: 5,000加算/s (ENIAC:世界最初のコンピュータ) (2007) 最小加工寸法: 0.065μm(65nm) 素子数: ~50,000,000 消費電力: 100W~数mW サイズ: 10mm×10mm程度 演算性能: 10,000,000,000演算/s (1960)集積回路(IC)の発明
  • 6. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 集積回路(IC)の発明 US Patent No. 2 981 877 (R. Noyce) (1961) US Patent No. 2 138 743 (J. Kilby) (1959)
  • 7. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ICの進化の歴史:Mooreの法則 ref: http://www.intel.com/jp/intel/museum/processor/index.htm 傾き:×約1.5/年
  • 8. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Mooreの法則のカラクリ:スケーリング MOSトランジスタを、より小さく作ると・・・? 寸法: 1/α 不純物濃度: α 電源電圧: 1/α 結論:いいことばかり 速度↑ 消費電力↓ 集積度(機能)↑ 技術が進むべき方向性が極めて明確なまれなケース p-Si S DG n-Sin-Si p-Si S DG n-Sin-Si L
  • 9. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ MOSトランジスタの微細化の歴史 微細化するほど メリットがある =がんばって微細化 そろそろ「原子」が 見えてきている ref: 日経BP Tech-On! 2009/03/30の記事 L=20nm(いま) L=5nm(2020年ごろ?)
  • 10. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ コンピュータの高速化の歴史 DEC VAX(1976) 1MIPS Cray-1 (1978) 100MIPS 1000MIPS 300MIPS 10MIPS 100MIPS 20MIPS MIPS:Million Instruction Per Second (1秒間に実行できる命令数) (世界最初のスーパーコンピュータ) 「世界トップの高速化」+「身近なものにも高速化の恩恵」の2つの側面がある
  • 11. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 情報工学の広がり (昔)コンピュータが高価で性能が低かった 紙テープ、テキスト/CUI (Character UI) TSS(大学に1台、企業に1台) (少し昔) 凝った信号処理もOK/GUI (Graphical UI) 個人に1台(PC) (いま) 画像、動画、3Dの処理はあたりまえ Natural UI (ジェスチャなど)/Physical Computing 一人で何台も(ユビキタス化) コンピュータが「お手軽」に →利用場面の拡大
  • 12. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ マテリアル化するマイコン NXP LPC1102 (Coretex-M0/50MHz) Atmel ATtiny10(8MHz) (通称:ふりかけマイコン) マイコンの「粒」は小さくなってきた&コストも安い→「原子」へ
  • 13. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「LED点滅(Lチカ)」のパラダイムシフト コスト面:マイコン○(「もったいなくない」) 機能面:マイコン○(多機能・仕様変更も容易) 「枯れた技術」でも、世の中は変わりうる ※ただし、「それを使うこと」ができれば マイコン使用 部品点数=1 コスト:100円 発振回路(555) 部品点数=4 コスト:150円 while(1){ a = 1; sleep(1); a = 0; sleep(1); } ※さすがにPCではちょっと・・・
  • 14. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ムーアの法則のもたらしたもの(その2) コストダウン 同一機能を小チップ=低価格で 古い世代の製造装置でも作れるLSIも、 「そこそこ」高性能 =パラダイムが 変わる可能性 14 (C.クリステンセン「イノベーションのジレンマ—技術革新が 巨大企業を滅ぼすとき」(翔泳社(2001)) マイコン SoC
  • 15. Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「道具の民主化」がもたらすこと
  • 16. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「道具の普及」がもたらしたもの (昔)「表現」はプロの特権だった 音楽、映画、・・・ 私たち=Consumer (今)「表現」は誰でもできる 「道具」の普及 (DTM、初音ミク、などなど) 「発表機会」の普及 (ニコ動、などなど) 私たち=Creator/Makerになることができる (ならなくてもいい) 宮下芳明「コンテンツは民主化をめざす ―表現のためのメディア技術」 (明治大学出版会, 2015)
  • 17. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ SFの世界でも? 日本の次期月探査計画に関わっていた大学院生・ 蓮見省一の夢は、彗星が月面に衝突した瞬間に潰 え、恋人の奈美までが彼のもとを去った。 省一はただ、奈美への愛をボーカロイドの小隅レイ に歌わせ、ピアピア動画にアップロードするしかな かった。 しかし、月からの放出物が地球に双極ジェットを形 成することが判明、ピアピア技術部による“宇宙男 プロジェクト”が開始される・・・・・・ ネットと宇宙開発の未来を描く4篇収録の連作集 ・・・・??? 野尻「南極点のピアピア動画」 (早川書房 , 2012) (少しネタバレと示唆するもの) • すごい能力を持った個人が、たくさんいる(が普段は目立たない) • それらの人が力をあわせると、すごいこと(場合によってはイノベーション)ができる 例:野尻抱介「南極点のピアピア動画」
  • 18. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ユーザーイノベーション 発明・イノベーションは、 ユーザーが行う場合も多い 道具が民主化されている (=やろうと思えばできる) ユーザーは「アツい心」をもつ (=採算・労力を度外視で がんばれる) 小川進「ユーザーイノベーション: 消費者から始まるものづくりの未来」 (東洋経済新報社, 2013)
  • 19. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 情報工学ではどうか? プログラミング言語・環境の民主化 (昔)PCもコンパイラも高価 =「遊びに使う」なんて論外 (今)PCも安価、コンパイラはタダ =「遊びに使う」からはじめられる ユーザ・コミュニティによる「知の蓄積」も後押し
  • 20. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術の「民主化」という見方 (従来)技術=プロの特権 (いま)技術=誰でも使える(民主化) ユーザの裾野が広がる(多様化) その中から「アタリ(イノベーション)」が生まれる 相対的に「プロ」の重要性↑↑(「遊び」だけでない) (L.Fleming, Harvard Business Review, 8(9), pp.22-24 (2004)) メンバの「均一性」 生まれる成果
  • 21. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ こんなことやってます:NT金沢 「つくってみた」の「ドヤ顔大会」 遊び・アツい思い(多様性)→アタリは出るか?
  • 22. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ハードウエアはどうか?最近の秋葉原 ※客層が変わってきている(こっちの) (昔)ロボコン高専生・電子工作マニア(おっさん) (今)↑+テクノ手芸女子、親子連れ、美大生 22 西餅「ハルロック」 (週刊モーニングで連載中)
  • 23. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Make: 理工離れ?どこの世界の話? “Maker”の活動の広がり 実はみんな「作るのが大好き」 FabLab(レーザーカッター、3Dプリンタ等の 加工機をコアにしたコミュニティ) いままでは「技術が手元になかった」だけ 道具・技術が「民主化」されて、使えるようになった 「半導体ユーザが多様化した」と見ることもできる MakerFaireTokyo2013 の様子
  • 24. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ “Maker”から産業へ ロングテール:嗜好の多様化+それに応える産業 「本当に欲しいもの」が手に入る 実際に製造業でも 小規模製造業、高い技術力 熱心なユーザ・ファン、ユニークな製品 市場調査+資金調達=CrowdFunding サプライチェーン・製造技術の活用 製造業におけるロングテールの具現化 「ハードウエア・スタートアップ」が続々 (C.アンダーソン「ロングテール」,早川書房 (2009)) 全体の40% 「一人家電メーカ」BsizeのStroke(39,900円)
  • 25. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ なぜMakerが生まれたのか? 製造技術が真の意味で普及したから 技術がこなれてきた ノウハウがたまった ユーザの「幅」が広がった Arduino←→無数のマイコンボードの違いは? 使いやすさ+ユーザコミュニティ(主にオンライン) ArduinoUno 25
  • 26. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「技術の普及」の結果:深圳の華強北 26 山寨(ShanZhai)の例 ※FakeCopyではなく、プロダクトの 進化系。これが1週間で量産される 無限に続くパーツ屋 築地のような活気 “Used Mobile Phone Shop”の実体 パーツに分解 (BGAも) 路上で解体 店頭でリペア (BGAも手はんだ:ボール再生機あり) ShenZhen HuaQiangBei
  • 27. Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 情報工学と半導体の新しい関係
  • 28. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ (おさらい)情報工学と半導体 半導体とコンピュータ・情報工学 ムーア法則→コンピュータの性能向上 コンピュータの性能向上→情報工学の幅の広がり CUI→GUI→NUI→・・・ 単体→インターネット→クラウド→・・・ 「技術の民主化」という見方 プロの特権→誰でも使える(コスト面・使い勝手面) 多様な人が使う → アウトプットの多様性↑ その中からイノベーションが出る(かもしれない)
  • 29. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体(IC)は「道具」になっているか? 高性能な「汎用品」:道具になった (マイコン、FPGA、オペアンプ、・・・) 「専用品」(カスタムLSI)は?:現状、無理 例:学部1年生にLSIを作らせる? 「高いんだぞ・・・」「失敗したらシャレにならんぞ」 「ツールの使い方が難しいぞ」 「基礎知識(回路理論など)をいっぱい勉強しろ」 「ちゃんと動かすのは難しいぞ」 作れない→経験できない→学べない 29
  • 30. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 失敗から学ぶ:「手軽に試せる」環境 30 http://www.viscuit.com/column01/column02/ 原田康徳氏(NTT CS研)
  • 31. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ MakerがLSIを「つくる」ためのハードル 設計CAD 市販の業務用CAD: 高すぎ、高機能すぎ 製造方法 高すぎ、時間かかりすぎ(1000万円・半年) NDA(設計ルールなどのアクセス制限)が厳しすぎ ユーザ・コミュニティ 参入障壁:現状は専門家ばかり ※人気がないのは、半導体業界の苦境、は 原因ではないと思う
  • 32. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ICが道具になったら何をしたい? https://www.youtube.com/watch?v=A188CYfuKQ0 http://www.nicovideo.jp/watch/sm23660093
  • 33. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ LチカLSI動画:ニコ動でのコメント  こっから?  ニコ技界のTOKIO  ゲートの無駄遣い  ここから!!?  ひでえ、勿体ない使い方wwwww  マジかよ。レジストレベルの設計とか ガチすぎる。  無駄遣い過ぎるだろw  贅沢というかなんというか  え?まじでここからかよ」wwww」」  IC版FusionPCB的なところが現れれば・・・  (FPGAでは)いかんのか?  俺はFPGAで我慢することにする  いや、そこまでは必要ないです  量産品すらFPGA使う時代に専用LSI・・・  アマチュアはFPGAで良いんだよなぁ・・・w
  • 34. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「カスタムIC」ならではのことは? 実世界との界面 センサ、アクチュエータ(MEMS) アナログ回路 超LowPower カスタムマイコン 34
  • 35. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ LチカLSI ver2 タッチセンサ 光センサ ※北九州学術研究都市 共同研究開発センターの半導体試作施設において、 (一財)ファジィシステム研究所の協力の下、他大学学生のLSI製造演習として 試作されました CMOS 2um 2Al 3.2mm x 3.2mm https://www.youtube.com/watch?v=NN1wNf66vXw http://www.nicovideo.jp/watch/sm24280073 CAD:フリーウエア(Inkscape) 製造:北九州の時間貸しクリーンルーム
  • 36. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ IC製造方法の革命:ミニマルファブ 0.5インチウエハ・局所クリーン化・DLP露光 工程ごとの小型装置群 小ロットのLSI製造 加工寸法:1um程度 単TAT(1〜2日) pMOS, nMOS:OK →CMOS回路へ/MEMS 「ミニマルCAD」も進行中 一部装置は既に販売開始 CMOS製造装置群はあと5〜10年程度? 作る→試す→学ぶ、の教育サイクル◎ http://unit.aist.go.jp/neri/mini-sys/fabsystem/minimalfab.html
  • 37. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ICを道具にするために: MakeLSI: 情報収集・整理 フリーCADなど VDEC非依存の環境で 仲間さがし けっこういる 素人で作ってみる? 2015/8に北九州Fabで製造開始 http://ifdl.jp/make_lsi
  • 38. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
  • 39. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「道具」としてのICを持つこと ふつうの情報工学の研究・・・「あるもの」を使う カメラ、Kinect、マイコン、FPGA・・・ 新技術で、一気にパラダイムが変わることがある 「LSIをつくれる」という道具 =「いまできること」という発想から脱却 「カメラをつくれる」→画素をいじってみる 「容量センサをつくれる」→回路とつなげる Depth画像
  • 40. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 具体例1:擬似的不規則画素配置 格子状の画素配置 擬似的に不規則な画素配置 「画素」から、いじる 少画素でもジャギー解消 視覚の特性(副尺視力) 方向依存性がないジャギー 擬似的不規則画素配置をもつイメージセンサ(カメラ) 擬似的不規則画素配置をもつ模擬ディスプレイ プロジェクタ+縮小投影で模擬 画素パラメータの最適化 低解像度でも高い画質 画像計測への応用
  • 41. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 具体例2:視線計測カメラ素子 カメラ+画像処理回路 (列並列処理) 超高速化(〜1000fps) 小型化(カメラサイズ) 低レイテンシ化 列並列構成で高解像度化 高速カメラ+FPGAによる エミュレーション・システム カメラ (受光素子) 画像処理回路 (並列処理) サッケード(急速眼球運動) 到達点のリアルタイム予測 CMOS0.18um #Pixel: 16x16 →176x144 PixelSize: 10[um] Column Parallel サッケードに同期した 残像ディスプレイ APSR/O&CmpSSXSY APSR/O&CmpSSXSY APSR/O&CmpSSXSY APSR/O&CmpSSXSY RawOut Y & Yrst X X X&Y Accum Vref S S Accum SX SX Accum SY SY
  • 42. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 具体例3:可視光インタフェース 可視光による入力 (2色対応:赤・緑) ブロック型デバイス →連結拡張(マグネット) パターン認識 →機能定義・インタラクション
  • 43. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 具体例4:電力重畳通信ブロック ネジ 基板 バネ 2極で給電+通信(重畳) 隣接ブロックとの通信 接続情報取得→全体形状認識など
  • 44. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 研究室内サークル:マイコンブ マイコンペ(コンペ) →各種イベントで展示 ノウハウ共有 使うマイコンの共通化 いずれも学生の発案 http://combu.ifdl.jp/
  • 45. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 前座:B3自主課題研究「PSoCを用いた○○の製作」 作りたいもののアイディアを出す (実現性は考慮しない) そのアイディアの実現可能性を、指導者と吟味 用いるセンサ・アクチュエータを選定 期間内に実現できそうなレベル・複雑度を設定 学習方法の効率化 用いるマイコン(Cypress PSoC1)を共通化=ノウハウ共有・蓄 積 用いる部品のデータシートの読み方を学習 =自ら先へ進めるようにステップアップ 「自分で考えた、作りたいもの」を作るので、 モチベーションを維持しやすい
  • 46. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 結果:作品例 タッチ式記憶ゲーム 学習式目覚まし時計 作曲機能つき ミニゲーム機
  • 47. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ まとめ 半導体とコンピュータ・情報工学 ムーア法則→コンピュータの性能向上 コンピュータの性能向上→情報工学の幅の広がり 「技術の民主化」という見方 プロの特権→誰でも使える(コスト面・使い勝手面) 多様な人が使う → アウトプットの多様性↑ その中からイノベーションが出る(かもしれない) 「半導体の民主化」 そのための道筋 それによって広がる「情報工学」の守備範囲・可能性
  • 48. 2015/7/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 課題 MOSトランジスタのスケーリング則・ムーアの 法則がもつ技術的・社会的・経済的意義につ いて、あなた自身のこれまで勉強したことや 今後の進路との関連を交えて、あなた自身の 観点でまとめてください。もちろん独断が入っ ても構いません。(A4で1枚程度) 提出方法・期限:7/23木 宛先:以下の2箇所に送信してください akita@ifdl.jp, t-kawanami@neptune.kanazwa-it.ac.jp