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ビットコインとは何か~暗号貨幣の法的性質と法律実務に与える影響

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2014年4月16日開催九州IT法研究会共催・マルレク特別編:「Bitcoinと分散暗号通貨を考える」吉井発表資料

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ビットコインとは何か~暗号貨幣の法的性質と法律実務に与える影響

  1. 1. ビットコインとは何か ~暗号貨幣の法的性質と法律実務に与える影響 おおいた市民総合法律事務所弁護士・九州IT法研究会 弁 護 士 吉 井 和 明
  2. 2. 総論
  3. 3. ビットコインの法的性質についてありうる考え方 • 貨幣説 • 債権説(金融商品説?有価証券説?) • 情報説
  4. 4. なぜ、これらを考える必要がある? 1. 取引の法的性質の決定  売買、交換、寄託、委任、etc… 2. 強制執行の方法、可能性 3. 規制方法その他 以下では、法的性質の考え方を前提に、1と2を考える。
  5. 5. ビットコインの法的性質に関する 各種の見解
  6. 6. ビットコインの法的性質についてありうる見解[再掲] • 貨幣説 • 債権説(金融商品説?有価証券説?) • 情報説
  7. 7. 貨幣説 • 政府答弁では「通貨」にあたることは否定。 • 法貨について、貨幣については通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律、 日本銀行法で規定。 • 民法402条1項、2項における「通貨」は、強制通用の効力(以下「強制通用 力」という。)を有する貨幣及び日本銀行券であって、これを用いた金銭債務の 弁済が当然に有効となるもの • 外国為替及び外国貿易法第6条1項における「通貨」とは、強制通用力のある 銀行券、政府紙幣又は硬貨
  8. 8. 法貨通貨にあたらないとしても自由貨幣としては? • 債権者の承認があり、債権者が任意に自由貨幣を受領すれば、それ により弁済の効果が生ずるとする見解(森田宏樹「電子マネーの法的 構成(4)」34頁以下) • 自由貨幣 • 法貨のように強制通用力を有しないが、社会において取引上貨幣として通用するもの • 法貨との違いは(反対の特約の無い限り)受領を強制されるかどうかのみ ※ただし、この論者は、通貨単位を定める権限が通貨高権に属することから、私人が自由に新 たな通貨単位を創造することは、通貨高権に反するとする
  9. 9. 民法402条1項の解釈上の争い 債権の目的物が金銭であるときは、債務者は、その選択に従い、各種 の通貨で弁済をすることができる。ただし、特定の種類の通貨の給付を債 権の目的としたときは、この限りでない。 1. 自由貨幣を認めない説:金銭とは通貨であり強制通用力を付与さ れたものであって、402条は当然のことを定めたもの 2. 自由通貨を認める説:金銭には自由貨幣と法定貨幣があり、402 条は、どのような種類の金銭で合意するかについて、当事者の合意が ない場合は、強制通用力のある法貨である「通貨」で弁済することを 定めたもの
  10. 10. 法貨通貨にあたらないとしても自由貨幣としては? • 同論者による貨幣の要件 • 支払単位の組み込まれた媒体であること • 財産権としての排他性 • 転々流通性 • 社会における通貨媒体としての信認?  ビットコインの場合はどうだろうか? 森田宏樹「電子マネーをめぐる司法上の諸問題」(金融法研 究第15号)74頁以下
  11. 11. 債権説(金融商品?有価証券?) • 債権 • ある者が特定の者に対して一定の行為を要求することを内容とする権利 • ビットコイン自体は、誰に対する行為を要求する権利? ⇒誰が運営者・発行者?  発行者がいない?  P2Pシステム参加者全員が発行者?  ただ、この場合の債権とは何か?
  12. 12. 債権説(金融商品?有価証券?) • なお、ビットコインの売買契約や委託契約に基づく債権が発生するのは 別。 • これらは、ビットコインの個別取引の契約によって発生している債権であって、ビッ トコイン自体が債権かどうかとは別の問題。
  13. 13. 金融商品? • 金商法でいう金融商品は、単にデリバティブ取引の原資産を示すもの にすぎない 同法での金融商品にあたるとしても、これを原資とするデリバティブ取引 における規制の論拠にしかならない。
  14. 14. 参照:金融商品取引法2条24項 この法律において「金融商品」とは、次に掲げるものをいう。 一 有価証券 二 預金契約に基づく債権その他の権利又は当該権利を表示する証券若しくは証書で あつて政令で定めるもの(前号に掲げるものを除く。) 三 通貨 四 前三号に掲げるもののほか、同一の種類のものが多数存在し、価格の変動が著しい 資産であつて、当該資産に係るデリバティブ取引(デリバティブ取引に類似する取引を含 む。)について投資者の保護を確保することが必要と認められるものとして政令で定めるも の(商品先物取引法 (昭和二十五年法律第二百三十九号)第二条第一項 に規 定する商品を除く。) なお、ここでの政令は現在のところ定められていない。 五 第一号若しくは第二号に掲げるもの又は前号に掲げるもののうち内閣府令で定める ものについて、金融商品取引所が、市場デリバティブ取引を円滑化するため、利率、償還 期限その他の条件を標準化して設定した標準物
  15. 15. 有価証券? • 有価証券 • 金商法の有価証券:金商法2条1項に列記 • 民事上の有価証券:財産的価値を有する私権を表章する証券 ① 表章されるべき権利の発生・移転・行使の全部または一部が証券によってなされるもの ② 表章されるべき権利の移転および行使が証券によってなされるもの • 刑事上の有価証券:財産上の権利が証券に表示され、その表示された財産 上の権利の行使につきその証券の占有を必要とするもの(最判S32.7.25)
  16. 16. 情報説 • 実体から考えれば単なる情報 • 「物」ではない:物権ではない • 「債権」ではない • 情報である暗号貨幣を明文無く財産権として捉えることはできるか? • 憲法29条 1. 財産権は、これを侵してはならない。 2. 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。 3. 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる • また、情報が財産権にあたるとすれば、範囲の限定はどうすればよいのか。 • 情報なら何でも財産権ということになると広範に過ぎる。
  17. 17. 情報説 • 財産権ではなくても、契約自由の原則 • 情報が財産権でなくても、これを取引する契約は成立する。 • 問題は契約の性質決定  取引に問題が起こったとき、契約の性質が問題となる。  民法上の13の典型契約は、債権の性質のカタログのようなものであり、性質判 断の参考にされる。
  18. 18. 情報説 ビットコインによるピザの取得  交換の規定による?ただし、559条で有償契約には売買の規定が準用されるの で、交換か売買かはあまり論じる実益がない。 ビットコインの預かり  寄託は、「物」の保管という性質が強く、準委任によることになりそう。  準委任によることになると、情報の返還は?  民法646条「受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任 者に引き渡さなければならない。…」  情報も含まれるの?  もっとも、 利用契約に記載があれば、契約自由の原則から、それに従うが。
  19. 19. 民事執行の問題
  20. 20. 民事執行の類型 • 第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行  …  第三款 動産に対する強制執行(第百二十二条―第百四十二条)  第四款 債権及びその他の財産権に対する強制執行  … • 第三節 金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行
  21. 21. ビットコインの引渡しを求める場合 • ビットコインは執行法上も金銭と捉え得るのか? • 自由貨幣であるビットコインを目的とする債権の回収のために金銭執行ができる のか • 外国通貨の場合、403条の代用請求権のある貨幣と無い貨幣を分け、代用 請求権の認められる外国通貨債権の執行は金銭執行可、そうでない場合は、 169条、170条による引渡しの執行をすべきとの見解と、いずれも金銭執行すべ きとの見解がある(淺木愼一「外国通貨債権と民事執行」(神戸学院法学 23・3)) • 自由貨幣も同じように解することができるのか? • 何でも執行法上の金銭と捉えることで混乱が生じないか?
  22. 22. ビットコインの引渡しを求める場合 • 直接強制はできない(民執168~170) • 代執行も難しい(民法414ⅡⅢ・民執171) (作為義務の)代執行:「債務の性質が強制履行を許さない場合において、その債務が作 為を目的とするときは、債権者は、債務者の費用で第三者にこれをさせる」こと • 間接強制によるしかないか(民執172) • 作為又は不作為を目的とする債務で前条第一項の強制執行ができないものについての強制執 行は、執行裁判所が、債務者に対し、遅延の期間に応じ、又は相当と認める一定の期間内に 履行しないときは直ちに、債務の履行を確保するために相当と認める一定の額の金銭を債権者 に支払うべき旨を命ずる方法により行う。
  23. 23. ビットコインを差押の対象とする金銭執行 • 動産執行(民事執行法122条以下) • 動産(登記することができない土地の定着物、土地から分離する前の天然果 実で一月以内に収穫することが確実であるもの及び裏書の禁止されている有価 証券以 外の有価証券を含む。以下この節、次章及び第四章において同じ。) に対する強制執行(以下「動産執行」という。)は、執行官の目的物に対する 差押えにより 開始する。 • 民法85 この法律において「物」とは、有体物をいう。 • 民法86 1. 土地及びその定着物は、不動産とする。 2. 不動産以外の物は、すべて動産とする。 3. 無記名債権は、動産とみなす。
  24. 24. • 債権執行(民事執行法143条以下) • 金銭の支払又は船舶若しくは動産の引渡しを目的とする債権(動産執行の目 的となる有価証券が発行されている債権を除く。以下この節において「債権」とい う。)に対する強制執行(第百六十七条の二第二項に規定する少額訴訟債 権執行を除く。以下この節において「債権執行」という。)は、執行裁判所の差 押命令 により開始する。 • 前述のように、ビットコインを債権として捉えられるかは・・・? ビットコインを差押の目的とする金銭執行
  25. 25. • その他の財産権に対する強制執行(民執法167条) • 不動産、船舶、動産及び債権以外の財産権(以下この条において「その他の 財産権」という。)に対する強制執行については、特別の定めがあるもののほか、 債権執行の例による。 • その他の財産権の例 • ゴルフ場会員権 • 電話加入権 • 知的財産権 • ビットコインは財産権? • 財産的価値はあり、執行の引当てにはなりそうで、売却もできそうだが・・・ • ビットコインが情報だとすれば、財産権である情報の範囲をどう区切る? ビットコインを差押の目的とする金銭執行
  26. 26. なお、 債権的・動産的に考えることができる場合もあるかも • 債務者のPCにビットコインが記録されている場合 • PCごと動産執行する  ただ、暗号化されているビットコインをどうやって使うかという問題はある  また、そもそも、PCを差し押さえても、PCの中にあるビットコインのデータも一緒に権利移転す るのかという問題も。  情報として物に化体するのか? • ビットコインが取引所に保管されている場合  債務者の取引所に対するビットコイン保管債権あるいは返還請求権を差し押さ える?(その他財産権として?)
  27. 27. ビットコインとは何か ~暗号貨幣の法的性質と法律実務に与える影響 おおいた市民総合法律事務所弁護士・九州IT法研究会 弁 護 士 吉 井 和 明

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