新しい時代に対応する観光復興ガイド―SNSから見える企画のタネ―
- 9. 0
2,000,000
4,000,000
6,000,000
8,000,000
10,000,000
2019年 春 2020年 春
0
1,000,000,000
2,000,000,000
3,000,000,000
4,000,000,000
5,000,000,000
2019年 春 2020年 春
9
旅行に関するSNSでの会話量はコロナをきっかけに大きく減少。
+6.7%
[投稿増加率]
[ 旅 行 に 関 す る 投 稿 数 ] [ 参 考 / Tw i t t e r 全 体 投 稿 数 ]
( 3 月 ~ 5 月 ) ( 3 月 ~ 5 月 ) ( 3 月 ~ 5 月 ) ( 3 月 ~ 5 月 )
10,097,288件 8,744,868 件
旅行に対する考え方の変化
※「旅行」「旅」「観光」を含むTwitter投稿からノイズを除外
※件数はRTを除いた数字
2019年春と2020年春の旅行に関するTwitter投稿数を比較。
外出自粛等によりTwitterはじめ各SNSの利用が活性化するなかで旅行に関する会話(発言機会)は顕著に減少しています。
背景として、旅行自体ができず、さらに旅行に関する話題を持ち出しにくい社会的空気が影響していると考えられます。
[投稿減少率]
-13.4%
- 10. 0
500,000
1,000,000
1,500,000
2,000,000
2,500,000
2019年 春 2020年 春
0
500,000
1,000,000
1,500,000
2,000,000
2,500,000
2019年 春 2020年 春
10
[ 旅 行 に 関 する ネ ガテ ィ ブ 投 稿 数 ]
923,798件 1,159,065件
[ 旅 行 に 関 する ポ ジ テ ィ ブ 投 稿 数 ]
2,220,318 件 1,757,787件
旅行に対する考え方の変化
ネ ガティ ブ な 意 識 / 発 話 が 増 加 。
旅行に関するTwitter投稿のうち「ポジティブ投稿」「ネガティブ投稿」の件数の変化を2019年/2020年で比較。
ポジティブな発話は全体と同じく減少している一方で、
旅行に関するネガティブな意識や発話だけは+25.5%と大きく増加してしまっています。
※「旅行」「旅」「観光」を含むTwitter投稿からノイズを除外
※件数はRTを除いた数字
( 3 月 ~ 5 月 ) ( 3 月 ~ 5 月 ) ( 3 月 ~ 5 月 ) ( 3 月 ~ 5 月 )
[投稿減少率]
-20.8%
[投稿増加率]
+25.5%
- 11. 11
[ 旅 行 に 関 す る S N S 投 稿 の 増 加 率 ( 感 情 別 ) ]
+ + + + + + + +
不安
悲しみ
怒り
嫌悪
信頼
期待
驚き
喜び
-25% 0% 25% 50% 75% 100% 125% 150% 175% 200%
不安
悲しみ
怒り
嫌悪
信頼
期待
驚き
喜び
-25% 0% 25% 50% 75% 100% 125% 150% 175% 200%
※「旅行」「旅」「観光」を含むTwitter投稿から8種の感情に紐づくキーワードを含む投稿を抽出
※「2019年春(3月-5月)」vs「2020年春(3月-5月)」の比較旅行に対する考え方の変化
特 に 増 加 して い る 感 情 は 「 不 安 」 。
旅行に関する投稿からさらに8種の感情に紐づく投稿を抽出し2019年*と比較した増加率を確認。
悲しみ(卒業旅行キャンセルetc..)や怒り(制度不備etc..)よりも圧倒的に不安が伸長していることがわかります。
各事業者はこの生活者の不安に応えていくことを求められています。
- 12. 施 設 の 消 毒 や 従 業 員 の 発 熱 チェ ッ ク
な ど、 基 本 的 な 感 染 予 防 対 策 が
き ち ん と 行 わ れて い る か 気 に な る 。
対応例)
「感染予防の取り組みを公式サイト
に掲載」など丁寧な情報発信の取り
組みを。
!12
移動手段/観光名所/店舗/イベントはじめ
旅行先での混雑状況がどの程度かわからず
不安を感じる。
対応例)
「ブログやSNSで定期的にアナウンスする」
「ライブカメラで通行量を可視化」など
旅行者への情報提供を。
他県からの移動者を非難する「他県ナン
バー狩り」が自粛期間中大きく話題に。
事業者/地域住民から歓迎されているか不安。
対応例)
「宿泊予約のリマインドメールで
歓迎の意思を伝える」など
細やかなフォローを。
旅 行 に 対 する 社 会 の 目 が 怖 い 。
旅 行 に 行 く / 行 っ た と い う 事 実 や 発 信 が
周 囲 か ら 不 謹 慎 に 思 わ れ な い か 心 配 。
対応例)
「SNS投稿大歓迎!」など旅行者が
気兼ねなく楽しめる後押しを
事業者からも。
不安②
「感染予防対策」
不安①
「密集」
不 安 ③
「 不 歓 迎 」
不 安 ④
「 自 粛 圧 力 」
旅行に対する考え方の変化
- 13. 状 況 の 急 変 に よ る キ ャ ン セ ル や 宿 泊 先 の
倒 産 な ど 不 測 の 事 態 が 起 こ っ た 場 合 の
補 償 や 規 定 が わ か ら ず 心 理 的 負 担 に 。
対応例)
「キャンセル規定」や「第2波発生時の
対応」など生活者の関心が想定される
項目を明文化。
!13
旅行に行きたい気持ちはあるが
いつから行ってよいものかタイミングが
わからず踏み出せない。
対応例)
「営業再開へ向けた準備の様子」
「現在の利用状況」など
コロナを乗り越えつつある現地の状況を発信。
コ ロ ナ に よ り 店 舗 / 施 設 の 営 業 状 況 は
一 変 。 最 新 の 営 業 情 報 が 不 明 で
行 程 に 組 み 込 んで よ い か 自 信 が な い 。
対応例)
「最新の営業時間/休業予定」を
公式サイトで頻度高く更新。
妊 婦 / 乳 児 / 障 が い / 持 病 e t c 。
特 別 な 配 慮 や 緊 急 時 の 対 応 が 必 要 な と き
周 囲 か ら 快 く 協 力 が 得 ら れ る か 不 安 。
対応例)
「不要な接触は避ける」一方で
「必要な接触は厭わない」
おもてなしのバランスに留意。
不安⑥
「補償」
不安⑤
「いつから」
不 安 ⑦
「 営 業 状 況 」
不 安 ⑧
「 特 別 な 配 慮 」
旅行に対する考え方の変化
- 16. 旅行意欲を高める20の兆し
こ こ で は 、 旅 行 に 行 き た い 人 が 今 、 何 を 望 み 、 どん な 体 験 を 求 め て い る か を
S N S の 投 稿 を も と に 紐 解 い て い ま す。 見 えて き た の は 「 2 0 の 兆 し 」 で し た 。
1
6
11
16
大自然
検討リスト
ペット愛
マイクロ
ツーリズム
2
7
12
17
応援
おひとり様
コロナ貯金
リベンジ帰省
3
8
13
18
再訪
地元色
下調べ
おこもり
ステイ
4
9
14
19
趣味旅
写真好き
バーチャル旅
貸切旅
5
10
15
20
旅館風景
補助制度
ワーケーション
卒業旅行
- 57. 1
6
11
16
2
7
12
17
3
8
13
18
4
9
14
19
5
10
15
20
企画例|飲食店の場合
!57
青空テラス席 先払い食券販売 来店感謝カード 歴史メニュー
浴衣/着物で
来店割引
大自然
検 討 リ ス ト
ペット愛
マイクロツーリズム
応援
おひとり様
コロナ貯金
リベンジ帰省
再訪
地 元 色
下 調 べ
お こ も り ス テ イ
趣 味 旅
写真好き
バーチャル旅
貸 切 旅
旅館風景
補 助 制 度
ワ ー ケ ー シ ョ ン
卒 業 旅 行
デカ盛り
お部屋で食べる
テイクアウト
メニュー
地元食材しばりの
メニュー
盛りすぎ!
刺し盛りセット
地域共通クーポン
限定割
ペット用
メニュー
コロナ
特別地酒
ご当地料理
うんちく
オンライン
レシピ公開
商店街ランチ巡り
ラリー
隠れご当地料理
帰っておいで
SNS投稿
お部屋
デリバリー
早朝貸切朝食 学割メニュー
①ガイドを読む
②ひとりで考える
③みんなで話し合う
④実際にやってみる
- 65. 65
オンラインは「その場に行かな
いと経験できないことがある」
と気づかされます。街の雰囲
気、圧倒される自然、そして人
の温かさ。オンラインは旅への
思いを強くするきっかけになります。
WhyKumano Hostel & Cafe Bar 後呂 孝哉
1989年和歌山県新宮市生まれ。大学・就職で約10年間関東で過ごし、「地元、熊野の魅力を世界へ広めたい」想いから新宮市へUターン。
2019年7月、和歌山県南部・熊野エリア観光の拠点となる那智勝浦町にホステル・カフェバー「WhyKumano(ワイクマノ)Hostel&Cafe Bar」を開業。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年4月から実店舗を一時休業し「オンライン宿泊」を開始。
開始から3ヶ月で宿泊者は約400名に達する。コロナ禍以降の新しい社会の宿泊の概念をつくるべく活動中。
地域の特産品を持って参加者の
住んでいる地域でオフ会を開催
することもできます。観光は
地域に来ていただくことだけではなく、
こちらから出向いて新たな地域
のコミュニティを生むことも可能です。
宿泊事業者の視点から ー オンライン宿泊 ー
テレビやWebニュースなどで有名な「オンライン宿泊」を始めたWhyKumano 代表 後呂さんに“オンライン”のコツを教えてもらいました。
これまで“現地に行かないと受けられなかったサービス”がオンラインならいつでも受けられ
ます。オンライン宿泊に参加された方の感想は「実際に現地に行ってみたくなった。」
という感想が一番多いです。ポイントはただオンラインにするのではなく、
ファンになるための工夫をすること。
一度ファンになったら、全国各地に参加者のコミュニティを作ることもできます。
各地域ごとにオフ会をやってファン同士で親睦を深めたり、オンラインにとどまらず、
オフラインを使って一時的な関係から継続的な関係になる新しい価値を創造できます。
1. オンラインで地域のファンをつくろう
2. 全国各地に地域のファンコミュニティをつくることも
3. 自分のメディア化も忘れずに
オンラインにしても、オフラインにしても、最後はキャラクターが大事。
オンラインといえど、どのようにして自分らしさができるか考え尽くしましょう。
そして、SNSやメディアでしっかりアピールしていきましょう。
SNSでの投稿はこまめに行う。
自分のキャラクターが出るように
するのはもちろん。毎日のように
投稿してファンの人と継続的に
繋がるように心がけています。
オンライン宿泊に参加した全国の参加者
オンライン宿泊で流すショートムービー
SNSの投稿例
- 67. 67
観光復興の視点から ー 支援の力をつかむために ー
政府の観光復興のお手伝いをしてきたTBWA HAKUHODO 木村から“復興”のコツをご紹介します。
1.SNSを活用して主体的に情報発信をしよう
いくら新しいことをやっても情報が伝わらないと思っているかたは多いと思います。
ただ、今の時代SNSでだれでも情報を発信できます。しかも、復興となれば、
応援したいと思う人の目に止まることも多いです。ハッシュタグを使って効果的に
発信してみましょう。使い方がわからない場合は地域の若い人たちに聞いてみましょう。
2.発信にとどまらず継続的な関係の構築にも繋げよう
一度SNSで繋がると、情報発信はもちろん、何かあった時に連絡する関係にもなります。
一方的な情報発信だけでなく、今後につながる関係をつくるように、
メッセージを送りあったり、フォローしたり、SNSの機能をうまく活用しましょう。
3.困ったことを逆手に取った取り組みをしてみても
困った時はお互い様。大変な人を助けようと思ってくれる人は大勢います。
そこで、困っていることは隠さずそれをうまく活用した企画をやってみましょう。
困っている部分が見えることで、より多くの人の支援につながります。
木村充慶
TBWA HAKUHODO PRディレクター / 一般社団法人 FUKKO DESIGN 理事
東日本大震災の後から公私ともに復興支援を行っており、近年では、西日本豪雨、北海道胆振東部地震、
山形県沖地震、台風15号、19号など様々な自然災害後の復興事業のお手伝いをしている。
FUKKOツイート旅
北海道地震が起きた後、風評被害に悩む北海道の応援をす
べく、現地に行ってツイートをして応援する取り組みを実
施。「#北海道のここがえーぞ」を使い、多くの人が投稿
をした。
もっけだの鶴岡
山形県沖地震で被害のあった酒蔵の支援プロジェクト。ラ
ベルのついていない様々な種類のお酒が散乱してしまった
が、それを逆手に取り、何が入っているかわからないラッ
キー日本酒ボトルとして販売した。
CtoCによる
ボランティア募集
SNSを通じてボランティアをマッチングする「スケット」
を活用してキャンプ場の支援を行なった。ボランティアか
ら、継続的なファンとなった人が数多く現れた。
- 70. ありがとうございました
資料に関するお問い合わせ
TBWA HAKUHODO 担当: 木村充慶
メールアドレス:mitsuyoshi.kimura@tbwahakuhodo.co.jp
資料をご活用したい方へ
一部著作権に関わるものを使用しております。
資料をご活用いただきたい方は以下の資料をご利用ください。
URL:http://www.tbwahakuhodo.co.jp/uploads/2020/06/200630_kankofukko_guide.pdf