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第 11 回 日銀グランプリ応募原稿
メディカル・マッチング
- 金 融 の 力 で 患 者 の ベ ス ト パ ー ト ナ ー を 見 つ け よ う -
(大学・学部名) (氏名)
東京経済大学経済学部 籾山 真貴志
東京経済大学経済学部 鈴木 佑悟
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿
1
今日、我が国では高齢化が進んでいる。高齢人口は 急増しそれ に伴 い 社 会 保
障費も増加している。一方で社会保険料収入は横ば いで推移し ており 、 税 金 だ
けではまかなえず、国債でまかなう部分が毎年増加 している。 そこで 、 私 た ち
は社会保障費の約半分を占め、実生活に最も近いと 考えられる 医療費 の 削 減 を
考えた。医療費の問題として「重複受診」による、 必要以上に 浪費し て い る 医
療費が存在していることが上げられる。
「重複受診」は患者が病院の診断結果に満足できな いことが理 由の 一 つ で は
ないかと私たちは考えた。また、病院から患者へ来 院するよう に促す よ う な 仕
組みはほとんどないため、自分が重病なのか判断で きないとい うこと も あ る の
ではないかと考えた。そこで、私たちは、患者が病 院を探すス キーム と 病 院 が
患者に来院するよう呼び掛けられるスキームを有し たマッチン グサイ ト を 提 言
する。
提言の全体像としてはシンクタンクが金融機関から 資金を借り 入れ 、 患 者 と
病院のマッチングを改善するというものである。具 体的な方法 は、シ ン ク タ ン
クがマッチングサイトを作成し、全国の病院の情報 や患者の症 状など を 掲 載 す
る。そして、シンクタンクは患者が診察を受けるご とに病院か ら報告 し て も ら
うようにし、患者の情報を更新することを狙ってい る。そうす ること で 、 患 者
が自分に適した病院を探すことができたり、病院が 患者の症状 を見て 来 院 す る
ように促せたりできるようにする。
まず、患者にとっては自分に合った病院を探せるよ うになる。 これ に よ り 患
者は複数の病院に行く必要がなくなるため、必要最 低限の医療 を受診 す る こ と
ができる。
次に病院には 3 つのメリットがあると考えている。1 つ目は 病院側 か ら 患 者
にむけて直接情報を発信できることである。2 つ目は病院の 経営状況 の 改 善 が
期待できることである。3 つ目は患者が複数の病院にかかっ ていない か ど う か
など、病院が患者の現状をより正確に把握できるようにな ることであ る。
3つ目にシンクタンクは社会貢献に寄与できるとい う点と、収 入源 が 増 え る
ことがメリットになる。
最後に金融機関の場合ではシンクタンクの調査と 開示された 患者の 情 報 か ら
新しい金融商品を作ることが期待できる。また、融 資先が増え るため 、 収 入 が
増える見込みも立つことになる。
この提言により、「重複受診」による社会保障費の削減、病院と患者 の 良 好 な
マッチングを実現できるのではないかと考える。
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0章 はじめに
今日、我が国では高齢化に伴い社会保障費が増加している 。社会保 障 費 の 約
半分を占め、私たちの実生活に近い医療費に着目した。医療費の問 題と し て「 重
複受診」による必要以上に浪費している医療費が存在して いることが あ げ ら れ
る。
そこで、私たちはシンクタンクが金融機関から資金を借り 入れ、患 者 と 病 院
のマッチングを改善するスキームを提言する。この提言 により、「重複 受 診 」の
削減、病院と患者の良好なマッチングを実現できるのでは ないかと考 える。
本稿の構成は以下のようになっている。1章では、社会保 障費と医 療 の 動 向
を整理する。そして、2章では医療費の増加要因となって いる「重複 受 診 」 に
ついて言及している。3章では、その「重複受診」を削減 する提言を 示 し 、 4
章でおわりとする。
1章 現状分析
今日、我が国では高齢化により 65 歳以上の高齢人口は過去 最高の 307 9 万 人
を超え、総人口の 24.1%に達している。(図1参照)それ に伴い年金 や 医 療 、
介護などの社会保障費は急激に増加することになる。(図2 参照)社会 保 障 費 が
増加する中で、社会保険料収入は横ばいで推移している。 また、社会 保 障 費 を
税収ではまかなえていないため、国債でまかなう部分が毎 年増加して い る 。 こ
のことから、社会保障費を削減せざるを得ない状況である と考えられ る。
さて、部門別に社会保障給付費をみると、「医療」が 35.1 兆円(32.1% )、「 年
金」が 53 兆 8 兆円(49.1%)、「福祉その他」が 20.6 兆円 (18.8%) と な っ て
いる。(図3参照)その中でも本稿では、私たち の実生活に 最も近いと 考 え ら れ
る医療分野に着目する。医療費は主に診療費と薬剤費に分 けられてお り 、 そ れ
ぞれ増加傾向にある。ところで、日本経済新聞によれば、 一つの症状 で 複 数 の
病院を受診して回る「重複受診」が問題とされている。こ れは、現在 か か っ て
いる病院の医師にいわゆる紹介状を作成してもらい、他の 病院で診て も ら う セ
カンドオピニオン1
とは異なるものである。セカンドオピ ニオンでは 、他 の 病 院
にかかる診療費などは実費となるが、「重複受診」に ついては初 めの病 院 も 、他
の病院もそれぞれ初診として扱われるので保険が適用され る。以降で は 、 こ の
「重複受診」について取り上げ、医療費の浪費の抑制を考 察していき たい。
2章 問題意識
「重複受診」した場合、患者はわずかな費用を負担するだ けで済む こ と に な
1 セカンドオピニオンについてはコラム①を参照のこと
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るが、健康保険組合には 2 つの医院から費用請求がまわっ てくること に な る 。
それぞれの医院では、同じ症状に対しては同じ診察が行わ れるため、 通 常 の 倍
の額が請求されることになる。総務省の推計によると同じ 検査や投薬 を 重 複 し
て受けることで年間約 2 兆円の医療費がかかるとされてい る。このこと か ら「 重
複受診」による必要以上に浪費している医療費が存在して いることが わ か る 。
そして、この 2 兆円は総医療費のうち 7.5%であるといわれ ている。
一方で、現在の医療の問題を解決するため、医療分野にお ける ICT 化 が 進 め
られている。その中でも EHR2
という仕組みがあり、以降ではこ れに着目 し て い
く。これは個人の医療・健康等に係る様々な情報を蓄積し 、参照・活 用 ・ 共 有
等を行う仕組みのことである。しかしながら、普及率は低 く医療の現 場 で 活 か
しきれていないことが現状である。
また、先に述べた 2 兆円のうち EHR 事業の推進・運営主体 の負担が 改 善 さ れ
全国各地で普及することを考慮にいれると、平成 25 年度の 社会保障費 約 39 兆
円のうち約 321 億円が削減可能と推計できる。
さらに、「重複受診」は患者が病院の診断結果に満足できな い ことが 理 由 の 一
つではないかと私たちは考えた。また、病院から患者へ来 院するよう に 促 す よ
うな仕組みはほとんどないため、本当に自分が重病なのか 判断できな い と い う
こともあると考えた。
3章 提言内容
前章まででは「重複受診」によって 2 兆円もの社会保障費 が浪費さ れ て い る
ことを明らかにした。そして、「重複受診」の原因は、患者 が病院の診 察 に 満 足
ができていなことにあることを示した。そこで、私たちは 、患者が病 院 を 探 す
スキームと病院が患者に来院するよう呼び掛けられるスキ ームを有し た マ ッ チ
ングサイトを提言する。
私たちの提言はシンクタンクが金融機関から資金を借り入 れ、患者 と 病 院 の
マッチングを改善するものである。(図4参照)これ による特徴 は3つ あ る 。そ
れは、『患者と病院の接点を従来は患者が作っていたが、病 院も作れる よ う に な
ること』『病院間の比較ができるようになること』『融資の 返済手段に 情 報 開 示
が適用できること』の3つである。
具体的には、シンクタンクがマッチングサイトを作成し全 国の病院 の 情 報 を
掲載する。さらに、ナショナルデータベース3
という、政府が運営している EHR
のデータベースから全国民の EHR をダウンロードし、病院 が症状など を 見 ら れ
2 EHR の詳しい内容については、参考資料のコラム②を参照の こと。
3 ナショナルデータベースについては、参考資料のコラム③ を参照のこ と。
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るようにする。(図5参照)そして、シンクタンクは患者が診 察を受ける ご と に 、
病院から報告してもらうようにし、患者の情報を更新する 。そうする こ と で 、
患者が自分に適した病院を探すことができたり、病院が患 者の症状を 見 て 来 院
するように促せたりできるようにする。
また、シンクタンクは借入先の金融機関から求められた際 に、金融 機 関 の 契
約者の EHR を開示することができる。そして、金融機関は シンクタン ク に 新 た
な融資を行う際に、契約者の EHR を求めることができる。 その結果、 継 続 的 に
金融機関はシンクタンクに融資を行い、契約者の EHR を開 示してもら う こ と が
できる。
以上が本提言における一連の流れであり、以降では各プレ イヤーの イ ン セ ン
ティブについて説明する。
3.1 節 患者のインセンティブ
本提言は患者が利用するインセンティブは自分に合った 病院を探せ る こ と と 、
病院に自分が気づかない病気を察知してもらえることにあ る。まず、 1 つ 目 に
ついて説明する。「重複受診」が生じる原因は、患者が初め に受診した 病 院 の 診
断に満足ができないからである。しかし、本提言によって 病名などか ら 病 院 を
検索することが可能になる。そして、病院を探す際に過去 にその病院 を 受 診 し
た人の評価やコメントを見ることができるようになる。そ うすること で 、 自 分
の満足のいくような病院を探せるようになる。その結果、 複数の病院 に 行 く 必
要がなくなるため、必要最低限の医療を受診することがで きるように なる。
2つ目は、自分の症状などを登録することで、病院が患 者の症状を 分 析 す る
ことができるようになる。そして、病院に自分では気づか ないような 病 気 を 察
知してもらえるようになる。例えば、がんなどの早期発見 も期待でき る よ う に
なる。また、自分のスケジュールを登録することで、病院 から来院す る よ う に
促されても、診察を受ける日の日程調整などがつけやすく なる。
したがって、患者にとって本提言の活用によって自分にと って最適 と 思 わ れ
る病院を探せるようになることと、病院に自分の潜在的な 病気を察知 し て も ら
えるようになることが患者にとってのインセンティブにな ると考えて いる。
3.2 節 病院のインセンティブについて
私たちは病院のインセンティブは3つあると考えている 。1つ目は 、 病 院 側
から患者にアプローチするチャネルができることである。
そもそも病院とは、患者が健康に生活を営むための活動を 行う機関 で あ る 。
そのため、それを支援する活動も病院が行う必要があると 考えた。し か し 、 現
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状では患者が医師に診察をしてほしいと希望しなければ、 病院が患者 の 健 康 維
持に携わる場面はあまりない。つまり、患者が診察を希望 するかどう か で 、 病
院は患者の健康的な生活の支援が行えるかどうかが決まっ てしまうの である。
ところが、本提言では、病院側から患者へ来院するように 促すチャ ネ ル が で
きるので、病が深刻化する前に処置を行うことができるよ うになる。
そして2つ目は、病院の経営状況の改善に役立つことが期 待できる こ と で あ
る。病院の経営について、医療費の抑制によって経営難に 陥っている と い う 問
題がある。財務省の調査によると、この原因の一つに病院 が時代の変 化 に 対 応
できないでいることがあげられている。
本提言では、良質な医療サービスを提供する病院ほど、受 診者の評 価 や コ メ
ントが多くなり、より多くの受診者の獲得が期待できる。 そのため、 病 院 は 医
療サービスの向上に努めれば努めるほど患者が来院するよ うになり、 収 益 が よ
くなると期待できる。
最後に、患者が複数の病院にかかっていないかどうかなど 、病院が 患 者 の 現
状をより正確に把握できるようになる。
以上から、病院は本提言により潜在的な患者を見つけやす くなり、 収 益 の 向
上も期待ができることから十分なインセンティブがあるも のと考えた 。
3.3 節 シンクタンクのインセンティブについて
本提言ではシンクタンクに病院と患者のマッチングをや ってもらう こ と を 考
えている。そうすることで、シンクタンクが社会貢献へ寄与 できるとい う 点 と 、
収入源が増えるという点でインセンティブがあると考えて いる。
現在、シンクタンクの主な業務は、顧客から依頼された ことを調査 及 び 研 究
することや、セミナーの講師を務めること、コンサルティ ングを行う こ と で あ
る。これらの業務は、シンクタンクの調査結果を世の中へ 発信するこ と で 社 会
貢献するという点で共通している。
また、本提言において、シンクタンクが病院と患者の仲介 役を担う こ と は 、
日頃の調査結果を世の中へ発信する一つの手段となってい るといえる 。 な ぜ な
ら、すでに医療関係の調査を行っているシンクタンクは複 数あるため 、 競 争 原
理が働きより患者と病院が満足できるマッチングを提供し ようとする は ず で あ
るからである。競争原理によって、病院や患者のニーズの 把握が必要 になる。
そのときに、現行の医療制度や病院を取り巻く環境の現状 把握が必 要 と な る
であろう。しかし、すでにその知識をシンクタンクは有し ているため 、 そ れ が
活用されると考えられる。
以上から、シンクタンクの機能を果たすことになるので、 シンクタ ン ク に 病
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院と患者の仲介役をやってもらうことにした。
3.4 節 金融機関のインセンティブ
金融機関にシンクタンクへの融資をしてもらい、シンク タンクはそ の 利 子 の
支払いをする。さらに、患者がマッチングサイトに登録し ている内容 を 開 示 す
るという仕組みになっている。
金融機関のインセンティブは、例えば保険会社であれば、 保険契約 者 の 情 報
をシンクタンクから取得し、保険契約者の契約時の情報の 信憑性を確 認 で き る
ことにあると考えられる。さらに、シンクタンクの調査と 開示された 患 者 の 情
報から新しい保険を作ることも期待できる。
また、金融機関全般としは融資先が増えるため、収入が増 える見込 み も 立 つ
ことになる。以上から金融機関のインセンティブが十分あ ると考えた 。
4章 おわりに
前章までで、「重複受診」の問題と、その改善策 として患者 と病院の マ ッ チ ン
グの提言を行った。本章では、今後考察する必要がある点 や今後の展 望 に つ い
て述べる。
まず、本提言の展望について述べる。病院間での競争が誘 発され、 良 質 な サ
ービスを提供できる病院が残るようになると考えられる。 そのため、 患 者 は 安
心して良質なサービスを提供してくれる病院を探せるよう になる。
また、本提言では受診回数の適正化を図るものとなってい る。その た め 、 病
院が処方箋を出す機会も減少するはずなので、薬剤費の抑 制にも貢献 できる。
今後考察したい点として、病院の属性を本稿では同一視し ている点 と 病 院 間
での競争が誘発されない可能性が生じる点をあげる。
本提言では、国立の病院も民間の病院も区別せずに考えて いる。し か し 、 実
際には国立の病院には行政の意向が反映されると考えられ るので、競 争 を 抑 制
するような働きをする可能性も在り得ることに注意する必 要がある。
最後に、病院の経営について本稿ではマーケティング面での 言及を行 っ た が 、
医師不足などの問題については言及していない。やはり、 医師が十分 に い る こ
とで病院間での競争が活発されると考えるので、あまりに も医師が不 足 す る よ
うな事態が今後生じれば、病院間での競争が起きず、市場 の失敗にな り か ね な
いという可能性もある。
以上本提言では、社会保障費の浪費部分の削減を患者と病 院のマッ チ ン グ で
行うことを述べてきた。まだ解決すべき問題が山積してい るが、本稿 が 今 後 の
日本社会における社会保障費の問題の改善への第一歩とな ることを切 に願う。
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参照文献
トーマス・H・ダベンポート. (2014 年 5 月 7 日). データ・アナリティクス 3.0
ビッグデータ超先進企業の挑戦. 日経 BP 者.
厚生労働省. (健康・医療・介護分野における ICT 化の推進について). 健康・医
療・介護分野における ICT 化の推進について. 平成 26 年 3 月 31 日.
厚生労働省. (平成 25 年度). 医療費の動向.
厚生労働省. (平成 26 年 2 月 18 日). 厚生労働省における医療 ICT 化 の 取 り 組
みについて.
財務省. (平成 21 年 5 月 11 日). 病院経営が抱える諸問題.
総務省. (2012 年 03 月). 医療分野のICT化の社会経済効果に関す る 調 査 研
究.
第一生命経済研究所 経済調査部. (2014 年 3 月 27 日). 医療分野における可 能
性と課題 (中編 ).
内閣府. (2013 年5月 16 日). 社会保障の現状と課題.
内閣府. (平成 26 年4月 21 日). 社会保障の現状について.
日本経済新聞. (2015 年 09 月 19 日). 削りしろ探せ(5)Q&A――複数 の 病
院で検査・投薬…、「はしご受診」で費用負担増(医出づる国)終, ペー
ジ: 42.
富士通. (2014 年 1 月 20 日). 日本の医療情報システムの現状と番号制度.
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参考資料
図1 65 歳以上の老年人口の推移
(出所:総務省統計局 日本の統計より筆者作成)
図 2 社会保障費の将来推計値
(出所:内閣府 社会保障の現状と課題より筆者作成)
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
40,000
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
27
32
37
42
47
57
67
77
87
97
107
117
単
位
:
千
人
平成
65歳以上(老年人口)
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図3 社会保障の給付と負担の現状(2013 年度予算ベース)
(出所:内閣府 社会保障の現状についてより筆者作成)
図4 本提言のイメージ図
筆者作成
【給付】
【負担】
うち地方
11.2兆円
10.9%
社会保障の給付と負担の現状(2013年度予算ベース)
(社会保障給付費 2013年度(予算ベース)110.6兆円(対GDP比 22.7%)
社会保障給付費
年金 53..5兆円(48.4%) 医療 35.1兆円(32.1%)
福祉その他
21.1兆円(19.1%)
33.7兆円(32.7%) 28.5兆円(27.6%) 29.7兆円(28.8%)
<対GDP比 11.0%> <対GDP比 7.3%) <対GDP比>
保険料 62.2兆円(60.3%) 税 41.0兆円(39.7%)
うち被保険者拠出 うち事業主拠出 うち国
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上図についての一連の流れ
【患者が病院を探す際のスキーム】
① 患者が吐血してしまうなどの自分の症状を検索エンジンに 記入する
② 症状に関する病名から、サイト上に診察可能な病院の一覧 を表示する
③ 病院名をクリックするとその病院のホームページにジャン プできる
(ただし、病院のホームページが ない場 合、サ イトで 作成す る 紹 介 ペ ー
ジへジャンプする)
④ 病院のホームページでは、過去に 受診し た人の コメン トや診 察 に つ い て
の満足度を閲覧することができる
⑤ 病院のホームページ上で診療の予約を入れる
【病院が患者を探す際のスキーム】
① 病院はサイトに登録されている患者の症状の一覧を見る
② 症状とデータベースを照合し、必要に応じて来院するよう に連絡する
(連絡手段は電話もしくはメールで行う)
本提言におけるサイトが保有する機能について
【患者向けの機能】
 サイト内の検索エンジンを設ける ことで 、症状 や病院 名、所 在 地 と い っ
たフリーワードで病院の検索ができる機能
 都道府県や市区町村別に病院を探せる機能
 現在地やサイトに登録している住 所から 指定し た時間 内で行 く こ と が 可
能な病院を表示させる機能
 病院の評価やコメントを閲覧できる機能
 受診した病院への自分の評価やコメントを入力できる機能
 病院からメールなどの連絡があった場合の通知をする機能
 病名や症状を入力するとオススメの病院を表示してくれる 機能
【病院向けの機能】
 患者の一覧を表示する機能
(ただし、表示されるのは登録されている病名と症状、連 絡先のみ)
 自院に来たことがある患者に関し て、一 定の期 間が過 ぎたら 検 診 に く る
ように促せる機能
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【シンクタンクの収入源の源泉】
 運営するマッチングサイト上でのバナー広告の掲載料
図5 病院が症状を閲覧する際の一覧表のイメージ
筆者作成
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コ ラ ム ① セ カ ン ド オ ピニオン について
セ カ ン ド オピ ニオンを 受ける医 師や病院 の選び方
近 年 、 が ん医療 を行って いる病院 では「セカ ンドオピニオン外来」を設置し
て い る と ころ がふえて います。セカン ドオピニ オンをどこで受けるか迷う場
合 に は 、 がん 診療連携 拠点病院 のがん相 談支援セ ンターに問い合わせると、
そ の 地 域 のセ カンドオ ピニオン 外来を行 っている 病院や、専門領域などの情
報 を 得 る こと ができま す。そ のような ところを 積極的に活用するのもよいで
し ょ う 。 このほ か、例え ば「手術を 勧められ ているけれども、放射線治療を
検 討 し た い」と いった、具 体的な治 療方法に 関する希望がある場合には、が
ん の 放 射 線 治 療 を 専 門 と す る 医師 に セ カン ド オ ピニ オ ン を受 け るという方
法 も あ り ます 。
ど の 医 療 機関 でセカン ドオピニ オンを受 けるのか が決まったら、その医療機
関 の 窓 口 に連 絡して、セ カンドオ ピニオン を受けるために必要な手続き(受
診 方 法 、 予約、 費用、診 察時間、必 要な書類 など)を確認しましょう。セカ
ン ド オ ピ ニオ ン外来は 、基本的 に公的医 療保険が 適用されない自費診療で、
病 院 に よ って 費用が異 なってい ます。
ま た 、 セ カンドオ ピニオ ンを受け るときに 伝えたいこと、聞きたいことを整
理 し 、 自 分の病気 の経過 と質問事 項をメモ してから行くと、限られた時間を
有 効 に 使 えま す。で きるだけ ひとりで はなく信 頼できる人に同行してもらう
と よ い で しょ う。その際 に、セカンド オピニオ ンの目的やこれまでの担当医
の 説 明 内 容に ついて、 もう一度 確認して おきまし ょう。
( 国 立 が ん研 究センタ ーがん対 策情報セ ンターよ り引用
URL: http://ganjoho.jp/hikkei/chapter2-1/02-01-07.html)
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コ ラ ム ② EH R に ついて
EH R と は、Erectric Health Record の略 ですが、日本語では「生涯健康医療
電 子 記 録 」と も訳され 、患者の 生涯にわ たる医療 情報を、地域レベル、また
は 国 家 レ ベル で共有す るという 大きなプ ロジェク トのこ とです。
日 本 政 府 は 2009 年 6 月、「i-Japan 戦略 2015( 案)」を発表、その中の医療
分 野 で 「 日本 版 EHR」構 想を掲 げました 。それま での各内閣の IT 戦略で掲
げ て き た 医療 分野での 電子カル テ普及を 一歩進め て、院内にとどまる患者情
報( EMR)を 地域で共 有利用す る、という構 想です。「日本版 EHR」という
文 言 か ら 分 か る通 り 、 患者 デ ー タ の病 院 を 越え た 利 用は む し ろ海 外 で 活 発
で 、 日 本 では 電子カル テという 形で施設 内での電 子化ばかりが先行し、病院
の 外 へ の 展開 に手が付 けられて いません でした。
( 株 式 会 社浅 沼商会よ り引用
URL :
h ttp://www.asanumashoukai.co.jp/sanki/dictionary/detail/word0035.ph p?
m=4 &p=4&s=)
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コ ラ ム ③ ナ シ ョ ナ ル データベ ースにつ いて
近 年 、 ビ ッグデ ータの 活用が一 種のブー ムとなっており、医療分野におい
て も 各 種 活用 が進めら れていま す。ビッグ データの定義は様々ですが、医療
分 野 の ビ ッグ データと しては、厚生労 働省が整 備してきたナショナルデータ
ベ ー ス ( 以 下 、NDB)も含 まれるの ではない でしょう か。
ND B と は 、国が保 有するサ ーバに格 納された レセプト情報・特定健診等の
デ ー タ ベ ース を指し、その 規模は平 成 26 年 2 月末時点でレセプト情報が 72
億 件 、 特 定健 診等情報 は約 9,000 万件に 上ります ※1。
厚 生 労 働 省 は、平成 23 年 度から同 省で毎年 作成している社会医療行為別
調 査 の 集 計へ の NDB 活用を開 始した ほか※2、行政機関・研究者等への提供
( 以 下 、 NDB 第 三者提供)も 平成 25 年度 から本格 運用して います 。
本 コ ラ ム で は、主に NDB 第三者提 供による 研究への活用のこれまでとこ
れ か ら を 簡単 にご紹介 したいと 思います 。
1 . ND B 第三者提 供の実 績
ND B の 第 三者 提供は、 平成 23~ 平成 24 年度の 2 年間の試行期間を経て
平 成 2 5 年 4 月より 本格運用 されてい ます。試 行期間中に第三者提供が行わ
れ た 件 数 は 19 件、本格運 用開始後 に、第 三者提供が行われた件数は 20 件に
上 っ て い ます ※3。なお、データ 提供が行 われた延べ 39 件のうち、国の行政
機 関 が 5 件、都 道府県が 2 件、研究 開発独立 行政法人が 5 件、大学院を含む
大 学 が 2 3 件(うち 国立大学 12 件 )、その他 が 4 件と、NDB のユーザーとし
て は 大 学 が目 立ちます ※4。
次 節 に ご 紹 介するよ うに、実 際に NDB を利 用した研究成果も発表され始
め 、 研 究 への活用 の仕方 もイメー ジし易く なりつつあると考えられます。第
三 者 提 供 につ いては多 少手続き の煩雑さ 等がある ものの、提供数については
今 後 も 堅 調に 伸びてい くものと 考えます 。
第 2 回 へ 続く...
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿
15
第 3 回 は こちら をご覧く ださい。
<注 釈 >
※ 1 厚 生 労 働 省 レ セ プ ト 情 報 等 の 提 供 に 関す る 有 識者 会 議「 レセプト情
報 ・ 特 定 健診 等情報の 利活用の 促進に係 る中間と りまとめ」平成 26 年 3 月
2 0 日 (http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-
S ou muka/0000042585.pdf)
※ 2 厚 生 労 働 省 厚 生 労 働 省統計 一覧より「社会医療行為別調査:調査の概
要 」( http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/26-19a.html#link08)
※ 3 厚 生 労 働 省 レ セ プ ト 情 報 等 の 提 供 に 関す る 有 識者 会 議お よびレセプ
ト 情 報 等 の提 供に関す る有識者 会議 審 査 分 科 会 資料より PRRISM 集計(件
数 は 申 出 時期 で分類し ており、 提供が翌 年度とな ったも のも含む 。)
※ 4 厚 生 労 働 省 レ セ プ ト 情 報 等 の 提 供 に 関す る 有 識者 会 議お よびレセプ
ト 情 報 等 の提 供に関す る有識者 会議 審 査 分 科 会 資料より PRRISM 集計(分
類 は 「 レ セプ ト情報・ 特定健診 等情報の 提供に関 するガ イドライ ン 平成 25
年 8 月 改 正 」に 定め られ たデ ータ 提供 先の 範囲 に記 され ている分類に基づ
く 。)
( 株 式 会 社健 康保険医 療情報総 合研究所 より引用
URL: http://prrismcolumn.blogspot.jp/2015/01/ndb13.html)

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メディカル・マッチング -金融の力で患者のベストパートナーを見つけよう-

  • 1. 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿 メディカル・マッチング - 金 融 の 力 で 患 者 の ベ ス ト パ ー ト ナ ー を 見 つ け よ う - (大学・学部名) (氏名) 東京経済大学経済学部 籾山 真貴志 東京経済大学経済学部 鈴木 佑悟
  • 2. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿 1 今日、我が国では高齢化が進んでいる。高齢人口は 急増しそれ に伴 い 社 会 保 障費も増加している。一方で社会保険料収入は横ば いで推移し ており 、 税 金 だ けではまかなえず、国債でまかなう部分が毎年増加 している。 そこで 、 私 た ち は社会保障費の約半分を占め、実生活に最も近いと 考えられる 医療費 の 削 減 を 考えた。医療費の問題として「重複受診」による、 必要以上に 浪費し て い る 医 療費が存在していることが上げられる。 「重複受診」は患者が病院の診断結果に満足できな いことが理 由の 一 つ で は ないかと私たちは考えた。また、病院から患者へ来 院するよう に促す よ う な 仕 組みはほとんどないため、自分が重病なのか判断で きないとい うこと も あ る の ではないかと考えた。そこで、私たちは、患者が病 院を探すス キーム と 病 院 が 患者に来院するよう呼び掛けられるスキームを有し たマッチン グサイ ト を 提 言 する。 提言の全体像としてはシンクタンクが金融機関から 資金を借り 入れ 、 患 者 と 病院のマッチングを改善するというものである。具 体的な方法 は、シ ン ク タ ン クがマッチングサイトを作成し、全国の病院の情報 や患者の症 状など を 掲 載 す る。そして、シンクタンクは患者が診察を受けるご とに病院か ら報告 し て も ら うようにし、患者の情報を更新することを狙ってい る。そうす ること で 、 患 者 が自分に適した病院を探すことができたり、病院が 患者の症状 を見て 来 院 す る ように促せたりできるようにする。 まず、患者にとっては自分に合った病院を探せるよ うになる。 これ に よ り 患 者は複数の病院に行く必要がなくなるため、必要最 低限の医療 を受診 す る こ と ができる。 次に病院には 3 つのメリットがあると考えている。1 つ目は 病院側 か ら 患 者 にむけて直接情報を発信できることである。2 つ目は病院の 経営状況 の 改 善 が 期待できることである。3 つ目は患者が複数の病院にかかっ ていない か ど う か など、病院が患者の現状をより正確に把握できるようにな ることであ る。 3つ目にシンクタンクは社会貢献に寄与できるとい う点と、収 入源 が 増 え る ことがメリットになる。 最後に金融機関の場合ではシンクタンクの調査と 開示された 患者の 情 報 か ら 新しい金融商品を作ることが期待できる。また、融 資先が増え るため 、 収 入 が 増える見込みも立つことになる。 この提言により、「重複受診」による社会保障費の削減、病院と患者 の 良 好 な マッチングを実現できるのではないかと考える。
  • 3. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿 2 0章 はじめに 今日、我が国では高齢化に伴い社会保障費が増加している 。社会保 障 費 の 約 半分を占め、私たちの実生活に近い医療費に着目した。医療費の問 題と し て「 重 複受診」による必要以上に浪費している医療費が存在して いることが あ げ ら れ る。 そこで、私たちはシンクタンクが金融機関から資金を借り 入れ、患 者 と 病 院 のマッチングを改善するスキームを提言する。この提言 により、「重複 受 診 」の 削減、病院と患者の良好なマッチングを実現できるのでは ないかと考 える。 本稿の構成は以下のようになっている。1章では、社会保 障費と医 療 の 動 向 を整理する。そして、2章では医療費の増加要因となって いる「重複 受 診 」 に ついて言及している。3章では、その「重複受診」を削減 する提言を 示 し 、 4 章でおわりとする。 1章 現状分析 今日、我が国では高齢化により 65 歳以上の高齢人口は過去 最高の 307 9 万 人 を超え、総人口の 24.1%に達している。(図1参照)それ に伴い年金 や 医 療 、 介護などの社会保障費は急激に増加することになる。(図2 参照)社会 保 障 費 が 増加する中で、社会保険料収入は横ばいで推移している。 また、社会 保 障 費 を 税収ではまかなえていないため、国債でまかなう部分が毎 年増加して い る 。 こ のことから、社会保障費を削減せざるを得ない状況である と考えられ る。 さて、部門別に社会保障給付費をみると、「医療」が 35.1 兆円(32.1% )、「 年 金」が 53 兆 8 兆円(49.1%)、「福祉その他」が 20.6 兆円 (18.8%) と な っ て いる。(図3参照)その中でも本稿では、私たち の実生活に 最も近いと 考 え ら れ る医療分野に着目する。医療費は主に診療費と薬剤費に分 けられてお り 、 そ れ ぞれ増加傾向にある。ところで、日本経済新聞によれば、 一つの症状 で 複 数 の 病院を受診して回る「重複受診」が問題とされている。こ れは、現在 か か っ て いる病院の医師にいわゆる紹介状を作成してもらい、他の 病院で診て も ら う セ カンドオピニオン1 とは異なるものである。セカンドオピ ニオンでは 、他 の 病 院 にかかる診療費などは実費となるが、「重複受診」に ついては初 めの病 院 も 、他 の病院もそれぞれ初診として扱われるので保険が適用され る。以降で は 、 こ の 「重複受診」について取り上げ、医療費の浪費の抑制を考 察していき たい。 2章 問題意識 「重複受診」した場合、患者はわずかな費用を負担するだ けで済む こ と に な 1 セカンドオピニオンについてはコラム①を参照のこと
  • 4. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿 3 るが、健康保険組合には 2 つの医院から費用請求がまわっ てくること に な る 。 それぞれの医院では、同じ症状に対しては同じ診察が行わ れるため、 通 常 の 倍 の額が請求されることになる。総務省の推計によると同じ 検査や投薬 を 重 複 し て受けることで年間約 2 兆円の医療費がかかるとされてい る。このこと か ら「 重 複受診」による必要以上に浪費している医療費が存在して いることが わ か る 。 そして、この 2 兆円は総医療費のうち 7.5%であるといわれ ている。 一方で、現在の医療の問題を解決するため、医療分野にお ける ICT 化 が 進 め られている。その中でも EHR2 という仕組みがあり、以降ではこ れに着目 し て い く。これは個人の医療・健康等に係る様々な情報を蓄積し 、参照・活 用 ・ 共 有 等を行う仕組みのことである。しかしながら、普及率は低 く医療の現 場 で 活 か しきれていないことが現状である。 また、先に述べた 2 兆円のうち EHR 事業の推進・運営主体 の負担が 改 善 さ れ 全国各地で普及することを考慮にいれると、平成 25 年度の 社会保障費 約 39 兆 円のうち約 321 億円が削減可能と推計できる。 さらに、「重複受診」は患者が病院の診断結果に満足できな い ことが 理 由 の 一 つではないかと私たちは考えた。また、病院から患者へ来 院するよう に 促 す よ うな仕組みはほとんどないため、本当に自分が重病なのか 判断できな い と い う こともあると考えた。 3章 提言内容 前章まででは「重複受診」によって 2 兆円もの社会保障費 が浪費さ れ て い る ことを明らかにした。そして、「重複受診」の原因は、患者 が病院の診 察 に 満 足 ができていなことにあることを示した。そこで、私たちは 、患者が病 院 を 探 す スキームと病院が患者に来院するよう呼び掛けられるスキ ームを有し た マ ッ チ ングサイトを提言する。 私たちの提言はシンクタンクが金融機関から資金を借り入 れ、患者 と 病 院 の マッチングを改善するものである。(図4参照)これ による特徴 は3つ あ る 。そ れは、『患者と病院の接点を従来は患者が作っていたが、病 院も作れる よ う に な ること』『病院間の比較ができるようになること』『融資の 返済手段に 情 報 開 示 が適用できること』の3つである。 具体的には、シンクタンクがマッチングサイトを作成し全 国の病院 の 情 報 を 掲載する。さらに、ナショナルデータベース3 という、政府が運営している EHR のデータベースから全国民の EHR をダウンロードし、病院 が症状など を 見 ら れ 2 EHR の詳しい内容については、参考資料のコラム②を参照の こと。 3 ナショナルデータベースについては、参考資料のコラム③ を参照のこ と。
  • 5. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿 4 るようにする。(図5参照)そして、シンクタンクは患者が診 察を受ける ご と に 、 病院から報告してもらうようにし、患者の情報を更新する 。そうする こ と で 、 患者が自分に適した病院を探すことができたり、病院が患 者の症状を 見 て 来 院 するように促せたりできるようにする。 また、シンクタンクは借入先の金融機関から求められた際 に、金融 機 関 の 契 約者の EHR を開示することができる。そして、金融機関は シンクタン ク に 新 た な融資を行う際に、契約者の EHR を求めることができる。 その結果、 継 続 的 に 金融機関はシンクタンクに融資を行い、契約者の EHR を開 示してもら う こ と が できる。 以上が本提言における一連の流れであり、以降では各プレ イヤーの イ ン セ ン ティブについて説明する。 3.1 節 患者のインセンティブ 本提言は患者が利用するインセンティブは自分に合った 病院を探せ る こ と と 、 病院に自分が気づかない病気を察知してもらえることにあ る。まず、 1 つ 目 に ついて説明する。「重複受診」が生じる原因は、患者が初め に受診した 病 院 の 診 断に満足ができないからである。しかし、本提言によって 病名などか ら 病 院 を 検索することが可能になる。そして、病院を探す際に過去 にその病院 を 受 診 し た人の評価やコメントを見ることができるようになる。そ うすること で 、 自 分 の満足のいくような病院を探せるようになる。その結果、 複数の病院 に 行 く 必 要がなくなるため、必要最低限の医療を受診することがで きるように なる。 2つ目は、自分の症状などを登録することで、病院が患 者の症状を 分 析 す る ことができるようになる。そして、病院に自分では気づか ないような 病 気 を 察 知してもらえるようになる。例えば、がんなどの早期発見 も期待でき る よ う に なる。また、自分のスケジュールを登録することで、病院 から来院す る よ う に 促されても、診察を受ける日の日程調整などがつけやすく なる。 したがって、患者にとって本提言の活用によって自分にと って最適 と 思 わ れ る病院を探せるようになることと、病院に自分の潜在的な 病気を察知 し て も ら えるようになることが患者にとってのインセンティブにな ると考えて いる。 3.2 節 病院のインセンティブについて 私たちは病院のインセンティブは3つあると考えている 。1つ目は 、 病 院 側 から患者にアプローチするチャネルができることである。 そもそも病院とは、患者が健康に生活を営むための活動を 行う機関 で あ る 。 そのため、それを支援する活動も病院が行う必要があると 考えた。し か し 、 現
  • 6. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿 5 状では患者が医師に診察をしてほしいと希望しなければ、 病院が患者 の 健 康 維 持に携わる場面はあまりない。つまり、患者が診察を希望 するかどう か で 、 病 院は患者の健康的な生活の支援が行えるかどうかが決まっ てしまうの である。 ところが、本提言では、病院側から患者へ来院するように 促すチャ ネ ル が で きるので、病が深刻化する前に処置を行うことができるよ うになる。 そして2つ目は、病院の経営状況の改善に役立つことが期 待できる こ と で あ る。病院の経営について、医療費の抑制によって経営難に 陥っている と い う 問 題がある。財務省の調査によると、この原因の一つに病院 が時代の変 化 に 対 応 できないでいることがあげられている。 本提言では、良質な医療サービスを提供する病院ほど、受 診者の評 価 や コ メ ントが多くなり、より多くの受診者の獲得が期待できる。 そのため、 病 院 は 医 療サービスの向上に努めれば努めるほど患者が来院するよ うになり、 収 益 が よ くなると期待できる。 最後に、患者が複数の病院にかかっていないかどうかなど 、病院が 患 者 の 現 状をより正確に把握できるようになる。 以上から、病院は本提言により潜在的な患者を見つけやす くなり、 収 益 の 向 上も期待ができることから十分なインセンティブがあるも のと考えた 。 3.3 節 シンクタンクのインセンティブについて 本提言ではシンクタンクに病院と患者のマッチングをや ってもらう こ と を 考 えている。そうすることで、シンクタンクが社会貢献へ寄与 できるとい う 点 と 、 収入源が増えるという点でインセンティブがあると考えて いる。 現在、シンクタンクの主な業務は、顧客から依頼された ことを調査 及 び 研 究 することや、セミナーの講師を務めること、コンサルティ ングを行う こ と で あ る。これらの業務は、シンクタンクの調査結果を世の中へ 発信するこ と で 社 会 貢献するという点で共通している。 また、本提言において、シンクタンクが病院と患者の仲介 役を担う こ と は 、 日頃の調査結果を世の中へ発信する一つの手段となってい るといえる 。 な ぜ な ら、すでに医療関係の調査を行っているシンクタンクは複 数あるため 、 競 争 原 理が働きより患者と病院が満足できるマッチングを提供し ようとする は ず で あ るからである。競争原理によって、病院や患者のニーズの 把握が必要 になる。 そのときに、現行の医療制度や病院を取り巻く環境の現状 把握が必 要 と な る であろう。しかし、すでにその知識をシンクタンクは有し ているため 、 そ れ が 活用されると考えられる。 以上から、シンクタンクの機能を果たすことになるので、 シンクタ ン ク に 病
  • 7. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿 6 院と患者の仲介役をやってもらうことにした。 3.4 節 金融機関のインセンティブ 金融機関にシンクタンクへの融資をしてもらい、シンク タンクはそ の 利 子 の 支払いをする。さらに、患者がマッチングサイトに登録し ている内容 を 開 示 す るという仕組みになっている。 金融機関のインセンティブは、例えば保険会社であれば、 保険契約 者 の 情 報 をシンクタンクから取得し、保険契約者の契約時の情報の 信憑性を確 認 で き る ことにあると考えられる。さらに、シンクタンクの調査と 開示された 患 者 の 情 報から新しい保険を作ることも期待できる。 また、金融機関全般としは融資先が増えるため、収入が増 える見込 み も 立 つ ことになる。以上から金融機関のインセンティブが十分あ ると考えた 。 4章 おわりに 前章までで、「重複受診」の問題と、その改善策 として患者 と病院の マ ッ チ ン グの提言を行った。本章では、今後考察する必要がある点 や今後の展 望 に つ い て述べる。 まず、本提言の展望について述べる。病院間での競争が誘 発され、 良 質 な サ ービスを提供できる病院が残るようになると考えられる。 そのため、 患 者 は 安 心して良質なサービスを提供してくれる病院を探せるよう になる。 また、本提言では受診回数の適正化を図るものとなってい る。その た め 、 病 院が処方箋を出す機会も減少するはずなので、薬剤費の抑 制にも貢献 できる。 今後考察したい点として、病院の属性を本稿では同一視し ている点 と 病 院 間 での競争が誘発されない可能性が生じる点をあげる。 本提言では、国立の病院も民間の病院も区別せずに考えて いる。し か し 、 実 際には国立の病院には行政の意向が反映されると考えられ るので、競 争 を 抑 制 するような働きをする可能性も在り得ることに注意する必 要がある。 最後に、病院の経営について本稿ではマーケティング面での 言及を行 っ た が 、 医師不足などの問題については言及していない。やはり、 医師が十分 に い る こ とで病院間での競争が活発されると考えるので、あまりに も医師が不 足 す る よ うな事態が今後生じれば、病院間での競争が起きず、市場 の失敗にな り か ね な いという可能性もある。 以上本提言では、社会保障費の浪費部分の削減を患者と病 院のマッ チ ン グ で 行うことを述べてきた。まだ解決すべき問題が山積してい るが、本稿 が 今 後 の 日本社会における社会保障費の問題の改善への第一歩とな ることを切 に願う。
  • 8. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿 7 参照文献 トーマス・H・ダベンポート. (2014 年 5 月 7 日). データ・アナリティクス 3.0 ビッグデータ超先進企業の挑戦. 日経 BP 者. 厚生労働省. (健康・医療・介護分野における ICT 化の推進について). 健康・医 療・介護分野における ICT 化の推進について. 平成 26 年 3 月 31 日. 厚生労働省. (平成 25 年度). 医療費の動向. 厚生労働省. (平成 26 年 2 月 18 日). 厚生労働省における医療 ICT 化 の 取 り 組 みについて. 財務省. (平成 21 年 5 月 11 日). 病院経営が抱える諸問題. 総務省. (2012 年 03 月). 医療分野のICT化の社会経済効果に関す る 調 査 研 究. 第一生命経済研究所 経済調査部. (2014 年 3 月 27 日). 医療分野における可 能 性と課題 (中編 ). 内閣府. (2013 年5月 16 日). 社会保障の現状と課題. 内閣府. (平成 26 年4月 21 日). 社会保障の現状について. 日本経済新聞. (2015 年 09 月 19 日). 削りしろ探せ(5)Q&A――複数 の 病 院で検査・投薬…、「はしご受診」で費用負担増(医出づる国)終, ペー ジ: 42. 富士通. (2014 年 1 月 20 日). 日本の医療情報システムの現状と番号制度.
  • 9. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿 8 参考資料 図1 65 歳以上の老年人口の推移 (出所:総務省統計局 日本の統計より筆者作成) 図 2 社会保障費の将来推計値 (出所:内閣府 社会保障の現状と課題より筆者作成) 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 27 32 37 42 47 57 67 77 87 97 107 117 単 位 : 千 人 平成 65歳以上(老年人口)
  • 10. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿 9 図3 社会保障の給付と負担の現状(2013 年度予算ベース) (出所:内閣府 社会保障の現状についてより筆者作成) 図4 本提言のイメージ図 筆者作成 【給付】 【負担】 うち地方 11.2兆円 10.9% 社会保障の給付と負担の現状(2013年度予算ベース) (社会保障給付費 2013年度(予算ベース)110.6兆円(対GDP比 22.7%) 社会保障給付費 年金 53..5兆円(48.4%) 医療 35.1兆円(32.1%) 福祉その他 21.1兆円(19.1%) 33.7兆円(32.7%) 28.5兆円(27.6%) 29.7兆円(28.8%) <対GDP比 11.0%> <対GDP比 7.3%) <対GDP比> 保険料 62.2兆円(60.3%) 税 41.0兆円(39.7%) うち被保険者拠出 うち事業主拠出 うち国
  • 11. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿 10 上図についての一連の流れ 【患者が病院を探す際のスキーム】 ① 患者が吐血してしまうなどの自分の症状を検索エンジンに 記入する ② 症状に関する病名から、サイト上に診察可能な病院の一覧 を表示する ③ 病院名をクリックするとその病院のホームページにジャン プできる (ただし、病院のホームページが ない場 合、サ イトで 作成す る 紹 介 ペ ー ジへジャンプする) ④ 病院のホームページでは、過去に 受診し た人の コメン トや診 察 に つ い て の満足度を閲覧することができる ⑤ 病院のホームページ上で診療の予約を入れる 【病院が患者を探す際のスキーム】 ① 病院はサイトに登録されている患者の症状の一覧を見る ② 症状とデータベースを照合し、必要に応じて来院するよう に連絡する (連絡手段は電話もしくはメールで行う) 本提言におけるサイトが保有する機能について 【患者向けの機能】  サイト内の検索エンジンを設ける ことで 、症状 や病院 名、所 在 地 と い っ たフリーワードで病院の検索ができる機能  都道府県や市区町村別に病院を探せる機能  現在地やサイトに登録している住 所から 指定し た時間 内で行 く こ と が 可 能な病院を表示させる機能  病院の評価やコメントを閲覧できる機能  受診した病院への自分の評価やコメントを入力できる機能  病院からメールなどの連絡があった場合の通知をする機能  病名や症状を入力するとオススメの病院を表示してくれる 機能 【病院向けの機能】  患者の一覧を表示する機能 (ただし、表示されるのは登録されている病名と症状、連 絡先のみ)  自院に来たことがある患者に関し て、一 定の期 間が過 ぎたら 検 診 に く る ように促せる機能
  • 12. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿 11 【シンクタンクの収入源の源泉】  運営するマッチングサイト上でのバナー広告の掲載料 図5 病院が症状を閲覧する際の一覧表のイメージ 筆者作成
  • 13. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿 12 コ ラ ム ① セ カ ン ド オ ピニオン について セ カ ン ド オピ ニオンを 受ける医 師や病院 の選び方 近 年 、 が ん医療 を行って いる病院 では「セカ ンドオピニオン外来」を設置し て い る と ころ がふえて います。セカン ドオピニ オンをどこで受けるか迷う場 合 に は 、 がん 診療連携 拠点病院 のがん相 談支援セ ンターに問い合わせると、 そ の 地 域 のセ カンドオ ピニオン 外来を行 っている 病院や、専門領域などの情 報 を 得 る こと ができま す。そ のような ところを 積極的に活用するのもよいで し ょ う 。 このほ か、例え ば「手術を 勧められ ているけれども、放射線治療を 検 討 し た い」と いった、具 体的な治 療方法に 関する希望がある場合には、が ん の 放 射 線 治 療 を 専 門 と す る 医師 に セ カン ド オ ピニ オ ン を受 け るという方 法 も あ り ます 。 ど の 医 療 機関 でセカン ドオピニ オンを受 けるのか が決まったら、その医療機 関 の 窓 口 に連 絡して、セ カンドオ ピニオン を受けるために必要な手続き(受 診 方 法 、 予約、 費用、診 察時間、必 要な書類 など)を確認しましょう。セカ ン ド オ ピ ニオ ン外来は 、基本的 に公的医 療保険が 適用されない自費診療で、 病 院 に よ って 費用が異 なってい ます。 ま た 、 セ カンドオ ピニオ ンを受け るときに 伝えたいこと、聞きたいことを整 理 し 、 自 分の病気 の経過 と質問事 項をメモ してから行くと、限られた時間を 有 効 に 使 えま す。で きるだけ ひとりで はなく信 頼できる人に同行してもらう と よ い で しょ う。その際 に、セカンド オピニオ ンの目的やこれまでの担当医 の 説 明 内 容に ついて、 もう一度 確認して おきまし ょう。 ( 国 立 が ん研 究センタ ーがん対 策情報セ ンターよ り引用 URL: http://ganjoho.jp/hikkei/chapter2-1/02-01-07.html)
  • 14. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿 13 コ ラ ム ② EH R に ついて EH R と は、Erectric Health Record の略 ですが、日本語では「生涯健康医療 電 子 記 録 」と も訳され 、患者の 生涯にわ たる医療 情報を、地域レベル、また は 国 家 レ ベル で共有す るという 大きなプ ロジェク トのこ とです。 日 本 政 府 は 2009 年 6 月、「i-Japan 戦略 2015( 案)」を発表、その中の医療 分 野 で 「 日本 版 EHR」構 想を掲 げました 。それま での各内閣の IT 戦略で掲 げ て き た 医療 分野での 電子カル テ普及を 一歩進め て、院内にとどまる患者情 報( EMR)を 地域で共 有利用す る、という構 想です。「日本版 EHR」という 文 言 か ら 分 か る通 り 、 患者 デ ー タ の病 院 を 越え た 利 用は む し ろ海 外 で 活 発 で 、 日 本 では 電子カル テという 形で施設 内での電 子化ばかりが先行し、病院 の 外 へ の 展開 に手が付 けられて いません でした。 ( 株 式 会 社浅 沼商会よ り引用 URL : h ttp://www.asanumashoukai.co.jp/sanki/dictionary/detail/word0035.ph p? m=4 &p=4&s=)
  • 15. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿 14 コ ラ ム ③ ナ シ ョ ナ ル データベ ースにつ いて 近 年 、 ビ ッグデ ータの 活用が一 種のブー ムとなっており、医療分野におい て も 各 種 活用 が進めら れていま す。ビッグ データの定義は様々ですが、医療 分 野 の ビ ッグ データと しては、厚生労 働省が整 備してきたナショナルデータ ベ ー ス ( 以 下 、NDB)も含 まれるの ではない でしょう か。 ND B と は 、国が保 有するサ ーバに格 納された レセプト情報・特定健診等の デ ー タ ベ ース を指し、その 規模は平 成 26 年 2 月末時点でレセプト情報が 72 億 件 、 特 定健 診等情報 は約 9,000 万件に 上ります ※1。 厚 生 労 働 省 は、平成 23 年 度から同 省で毎年 作成している社会医療行為別 調 査 の 集 計へ の NDB 活用を開 始した ほか※2、行政機関・研究者等への提供 ( 以 下 、 NDB 第 三者提供)も 平成 25 年度 から本格 運用して います 。 本 コ ラ ム で は、主に NDB 第三者提 供による 研究への活用のこれまでとこ れ か ら を 簡単 にご紹介 したいと 思います 。 1 . ND B 第三者提 供の実 績 ND B の 第 三者 提供は、 平成 23~ 平成 24 年度の 2 年間の試行期間を経て 平 成 2 5 年 4 月より 本格運用 されてい ます。試 行期間中に第三者提供が行わ れ た 件 数 は 19 件、本格運 用開始後 に、第 三者提供が行われた件数は 20 件に 上 っ て い ます ※3。なお、データ 提供が行 われた延べ 39 件のうち、国の行政 機 関 が 5 件、都 道府県が 2 件、研究 開発独立 行政法人が 5 件、大学院を含む 大 学 が 2 3 件(うち 国立大学 12 件 )、その他 が 4 件と、NDB のユーザーとし て は 大 学 が目 立ちます ※4。 次 節 に ご 紹 介するよ うに、実 際に NDB を利 用した研究成果も発表され始 め 、 研 究 への活用 の仕方 もイメー ジし易く なりつつあると考えられます。第 三 者 提 供 につ いては多 少手続き の煩雑さ 等がある ものの、提供数については 今 後 も 堅 調に 伸びてい くものと 考えます 。 第 2 回 へ 続く...
  • 16. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 11 回 日銀グランプリ応募原稿 15 第 3 回 は こちら をご覧く ださい。 <注 釈 > ※ 1 厚 生 労 働 省 レ セ プ ト 情 報 等 の 提 供 に 関す る 有 識者 会 議「 レセプト情 報 ・ 特 定 健診 等情報の 利活用の 促進に係 る中間と りまとめ」平成 26 年 3 月 2 0 日 (http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku- S ou muka/0000042585.pdf) ※ 2 厚 生 労 働 省 厚 生 労 働 省統計 一覧より「社会医療行為別調査:調査の概 要 」( http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/26-19a.html#link08) ※ 3 厚 生 労 働 省 レ セ プ ト 情 報 等 の 提 供 に 関す る 有 識者 会 議お よびレセプ ト 情 報 等 の提 供に関す る有識者 会議 審 査 分 科 会 資料より PRRISM 集計(件 数 は 申 出 時期 で分類し ており、 提供が翌 年度とな ったも のも含む 。) ※ 4 厚 生 労 働 省 レ セ プ ト 情 報 等 の 提 供 に 関す る 有 識者 会 議お よびレセプ ト 情 報 等 の提 供に関す る有識者 会議 審 査 分 科 会 資料より PRRISM 集計(分 類 は 「 レ セプ ト情報・ 特定健診 等情報の 提供に関 するガ イドライ ン 平成 25 年 8 月 改 正 」に 定め られ たデ ータ 提供 先の 範囲 に記 され ている分類に基づ く 。) ( 株 式 会 社健 康保険医 療情報総 合研究所 より引用 URL: http://prrismcolumn.blogspot.jp/2015/01/ndb13.html)