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03 3 断片的情報の構造化_KJ法の背景
- 1. 京大サマーデザインスクール2014 京大サマーデザイン スクール2014 (c)2014 西尾泰和(サイボウズ・ラボ) 西尾泰和 1
- 2. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 KJ法の背景 2
- 3. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 KJ法の作者 川喜田二郎は 文化人類学者 3
- 4. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 フィールドワークで 大量の情報を収集 → まとめる必要性 →KJ法の発明 4
- 5. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 まとめるって何？ 「まとめる」 って何？ 5
- 6. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 まとめるって何？ 一組のデータからいかにして 意味のある結合を発見できるか 新しい発想を打ち上げられるか 川喜田二郎(1967)『発想法 : 創造性開発のために』p.54 6
- 7. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 まとめるって何？ たとえば、 7
- 8. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 まとめるって何？ トライサイクル＝三輪車 ↓ 三(トライ) 輪(サイクル) 8
- 9. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 まとめるって何？ ケラチン＝角質 ↓ ケラト(ツノ) -イン(たんぱく質) 9
- 10. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 まとめるって何？ この二つのデータと 恐竜の知識から 「ハッ！」と気づく 10
- 11. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 まとめるって何？ もしかして トリケラトプスって名前 三つのツノがあるから？ 思いついた時点では仮説 11
- 12. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 まとめるって何？ 関係の発見＝仮説の発想 12
- 13. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 まとめるって何？ 関係を発見する力は みんな昔から持っていた 「ツバメが低く飛んだら雨」 これも仮説 13
- 14. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 実験科学との違い フィールドワークで集めた 情報から仮説を形成する これを野外科学と呼ぶ 14
- 15. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 実験科学との違い 野外科学 ↔ 実験科学 15
- 16. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 実験科学との違い 実験科学は 仮説を検証する 16
- 17. 仮説の検証 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 実験科学との違い その仮説はどうやって 導かれたの？ 17
- 18. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 実験科学との違い 『発想法』p.22 それが野外科学 研究という名の仕事 書斎科学 野外科学実験科学 事実と思考の区別は、事実と解釈の区別に通じるところがある 問題提起 探検観察 発想 仮説の採択 推論 観察 実験計画 検証 思考 事実 18
- 19. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 実験科学との違い 野外科学が仮説を作り 実験科学が仮説を検証する 19
- 20. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 進むためには問題の明確化が必要 仮説がないと実験できない よくわからないと 行動を起こせない 川喜田二郎(1977)『「知」の探検学 : 取材から創造へ』p7 20
- 21. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 進むためには問題の明確化が必要 このWSのゴール 改善計画づくり 改善＝問題を解決すること 21
- 22. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 進むためには問題の明確化が必要 何が解決すべき問題か？ 22
- 23. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 進むためには問題の明確化が必要 問題はかならずしも 明確に言語化できていない 「問題は暗黙のうちにしか認識されない」『創造的想像力』p143 マイケル・ポラニー(2007)『創造的想像力 増補版』 慶伊富長 編訳, ハーベスト社 23
- 24. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 進むためには問題の明確化が必要 問題はまず 「なにか問題を感じる」 当惑という状態から始まる 『発想法』p29 24
- 25. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 進むためには問題の明確化が必要 問題は言語化できていない ↓ 関係ありそうなことを 全部書きだしてみよう 『発想法』p29 25
- 26. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 進むためには問題の明確化が必要 全部書き出し 組み立ててみて はじめて問題の 構造がわかる 『発想法』p29 26
- 27. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 進むためには問題の明確化が必要 たとえば 1つだと思い込んでいた問題が 実は2つの問題の重なりだったり 『発想法』p30 27
- 28. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 進むためには問題の明確化が必要 “問題の言語化”とは何か 28
- 29. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 進むためには問題の明確化が必要 これが問題だろう これを解決すれば もっと良くなるだろう これも仮説 29
- 30. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 進むためには問題の明確化が必要 問題の言語化＝仮説の発想 30
- 31. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 進むためには問題の明確化が必要 仮説実験 結果の 考察 仮説の 修正 問題の明確化（＝仮説）が正しいかどうかは、 その理解に基づいて行動（＝実験）することで検証される 31
- 32. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 チームで チームでの問題解決について 32
- 33. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 チームで チームで問題の解決に あたる場合はどうする？ 33
- 34. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 チームで チームで問題解決するには 問題意識の共有が必須 34
- 35. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 チームワークのための問題の明確化 川喜田二郎(1970)『続・発想法 : ＫＪ法の展開と応用』p27 A氏B氏とD氏では問題意識に違いがあり、喧嘩になる。C氏は両方の立場がわかるが… 35
- 36. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 チームワークのための問題の明確化 問題意識が共通でないと チームが一丸となって 進むことはできない 36
- 37. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 チームワークのための問題の明確化 どうやって共通化する？ 37
- 38. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 チームワークのための問題の明確化 メンバー全員の視点から 書き出して 組み立ててみて 初めて構造がわかる 38
- 39. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 チームワークのための問題の明確化 個人がデータを組み立てるのと チームが個人の能力を組み立てるの 水準が違うだけで性質は同じ 『発想法』p56 39
- 40. まとめ 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 演習 40
- 41. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 演習 情報の構造化 ＝ まとめる ＝ 関係の発見 ＝ 仮説の発想 ＝ 問題の明確化 ＝ 改善の第一歩 個人でもチームでも まずは書き出して組み立てよう 41
- 42. オリエンテーション 参考文献 •川喜田二郎(1967)『発想法 : 創造性開発のため に』中央公論社 •川喜田二郎(1970)『続・発想法 : ＫＪ法の展開 と応用』中央公論社 •川喜田二郎(1977)『「知」の探検学 : 取材から 創造へ』講談社 •マイケル・ポラニー(2007)『創造的想像力 増補 版』 慶伊富長 編訳, ハーベスト社 42
- 43. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 反復可能性 反復可能性について 43
- 44. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 反復可能性 実験科学は 明確な仮説を 反復可能な状況設定で 繰り返し実験して検証する 44
- 45. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 反復可能性 現実世界って 反復可能な状況設定が あるとは限らないよね 45
- 46. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 反復可能性 あなたが今後の人生で 選択肢Aを取るのと 選択肢Bを取るのと どちらがよいだろうか 就職するのがよいか、大学に残るのがいいか？etc. 46
- 47. 実験科学は 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 反復可能性 科学知の発展の功績で 重視されるようになった 47
- 48. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 反復可能性 しかし、万能ではない 現実社会の意思決定は 十分なデータがなくても 行わなければならない 48
- 49. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 反復可能性 反復実験できない 1回だけの事例などから どうやって仮説を立てる？ 49
- 50. 断片的情報の構造化 - KJ法の背景 反復可能性 川喜田二郎が 「離れザルを捨てるな」 と言う理由はこれだ 50
- 51. このスライドについて このスライドは、サイボウズ・ラボの西尾泰和 と竹迫良範が、 京都大学サマーデザインスクー ル 2014で行った「学び方のデザイン」の講義資 料の一部です。 他のスライドは http://nhiro.org/kuds2014/ で見つ けることができます。 51