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大分大学を中心とした
   遠隔医療支援システム	




   大分大学医学部附属病院医療情報部
         三宅秀敏

      平成23年6月21日
地域医療連携の必要性	
 n    社会構造の変化
 n    疾病構造の変化
 n    医療機関・医師の役割分担
 n    患者の安心感・健康に対する意識向上
 n    医療機関のIT化	


       地域完結型医療の推進、医療機関の役割分担、
       医療機関間の医療情報連携


       情報共有の必要性


       医療機関間の情報ネットワーク化推進
ITの活用	




<地域が抱える課題>      <ITの活用>
・過疎、高齢化の進行      ・ITの活用で地域医療レベル
・医師の偏在による専門医の   の高度化構築
不足、都市部との医療格
                (都市部の病院と同様の診断
(専門医の診断を受けるため   が可能となり、医療格差是正)	
に大学病院に通院、あるいは
専門医が出かけていく)
地域医療事情	


n    画像診断専門医による遠隔画像診断

n    画像等を提供し治療方針相談
n    医療機関間で必要な情報の共有=患者の安心感
n    医療機関間で必要な情報の共有=医療者の安心感

n    地域連携パス(脳卒中、がんなど)
大分大学を中心とした
  遠隔医療支援システム	




・遠隔画像診断(2005年8月   )


・画像診断情報ネットワーク(予定)
大分県における遠隔画像診断	




 ・画像診断専門医によるCT,MRの一次読影
 ・臓器別診断専門医への振り分け
VPN

                                VPN


VPN                             地域医療機関	




                     遠隔画像診断	
      大学病院	
                     Teleradiology
契約医療機関	
             30

読影件数	
    約3,000 / 月	
         (2010年10月1日現在)
VPN

                          VPN


VPN
      『VPN 接続』
      ・コンピュータ端末を限定	
      	
        人(読影医)が移動、もしくは人数分の端末を用意	
        	
        	
      ・実データ(DICOM)を扱う	
      	
        データ量に応じた転送時間(ブロードバンド環境が必須)	
        ワークステーションを用いた高度な画像解析が可能
VPN
『クラウド・コンピューティング』	
・汎用コンピュータを利用	
・インタ-ネット環境さえあれば閲覧可能	
   自由度の高い運用	
   (留学、育児、学会出張)	
・実データ(DICOM)の移動がなく安全	
   サーバからの転送時間が不要	
   モバイル環境でも利用可能	
・機能はクラウド上の環境に依存	
   多断面再構成など	
                         Web browser




                         Cloud Computing
100歳の命救う 
    100歳の命救う 
大動脈瘤破裂開胸せず 
    大動脈瘤破裂開胸せず 
ステントグラフト治療
    ステントグラフト治療
       2008年1月17日 大分合同新聞	
   2008年1月17日 大分合同新聞
100歳女性	
             主訴:吐血	




       大動脈ステントグラフト	
適応
100歳女性	
                 主訴:吐血	




DICOM データが必要
100歳女性	
      主訴:吐血	




大動脈ステントグラフト内挿術
遠隔画像診断の問題点	



 診断の質の確保
n 

 ・依頼情報、診療・履歴情報
 ・単純X線を含めた過去画像
 ・依頼医、放射線技師との連携
 ・読影能力、撮影技術
 ・結果確認
画像診断情報ネットワークの必要性
画像診断情報ネットワーク	


n    セカンドオピニン(二次読影)

n    画像を含めた診療情報をリアルタイムに、かつ、
      安全に共有

n    大分県内の病院間の患者紹介・逆紹介

n    双方向性の病・病連携、病・診連携

              (大分県医療情報ネットワーク政策協議会)
患者診療情報提供書(電子診療データ提供書)	




IHE-PDI形式
n  診療情報提供書 (XML HL7 CDA R2)

n  処方歴       (HL7 ER7形式ファイル)

n  検査結果歴    (HL7 ER7ファイル)

n  画像ファイル    (DICOM)

n              (ビューア)
一次、二次読影の環境の違い	



n    1日のCT・MR読影件数
n    画像送信・表示レスポンス
n    画像表示レイアウト
n    過去画像参照
n    各種処理機能・画像再構成
n    レポート作成(依頼情報、フォーマット、文字変換、
      一時保存・修正・確定、承認機能)
n    読影端末
1中核病院多診療所 データ参照のみ 中核病院にデータサーバ	


                   公開元中核病院




                                院内PACS
                                電子カルテ




                    連携サーバ




VPN Client                               VPN Client

                    IPSec VPN




             診療所                          小病院
閲覧施設のファイルのアップロード	
                   自動解凍
                   ファイル	


DICOM              圧縮ファイル	
         PDF公開	
データ	
                  アイコン反
JPG                    映	
              閲覧施設
データ	

         他施設一時保管領域           自動圧縮	
     ①ファイルアップロード	
         アップロード
         ダウンロード	
                       (画像(DICOMデータの場合は閲覧す
                                        る場合ビューアー必要。他)・文書・そ
                            自動PDF変換	
         自施設情報公開領域	
                    の他PPT等)	
 DICOM
 データ	
                 テキスト入力	
         ②文書アップロード	
                                         WORD文書、EXCELその他	
④画像アップロード	
                                        ③オーダ情報アップロード	
(公開施設)
                                         処方・注射・検査・画像オーダ	
・PACSからDICOMデータを抽出。
自動でJPG変換しオリジナル
ビューアにて参照画像見ることが
可能。	
                                            上記を手動でアップロード 
                                             
「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第4.1
版」(厚生労働省)2010・4	




6.11 「外部と個人情報を含む医療情報を交換する場合の
    安全管理」

8.1.2 「外部保存を受託する機関の選定基準および情報の
     取り扱いに関する基準」
外部保存(事業者)	



民間事業者などが医療機関などとの契約に基づいて外部保存が可能 	
‐以下のガイドラインを遵守することが前提	
	
*ASP(Application Service Provider)及びSaaS(Software as a Service)は、ともにネット
  ワークを通じてアプリケーション・サービスを提供する。	

n    「ASP・SaaSにおける情報セキュリティ対策ガイドライン」(総務省)2008・1	

n    「ASP・SaaS事業者が医療情報を取扱う際の安全管理に関するガイドライン
      第1.1版」(総務省)2010・12	

n    「医療情報を受託管理する事業者向けガイドライン」(経済産業省)2008・7
(集中型) 多中核病院多診療所 データ双方向 
     ベンダーデータセンターに参加機関全ての共有データサーバ	

        中核病院                                      中核病院

    VPN Client                                VPN Client
                                                           院内PACS
                                                           電子カルテ
                 院内PACS
                 電子カルテ




                   IPSec VPN
                                       ベンダーデータセンター

                               共有データ
                                サーバ
                                       DICO
VPN Client                                 M ST
                                               ORA                  VPN Client
                                                   GE




                                                           院内PACS


                 診療所                                                 小病院
大学病院                           VPN Client
 分 散 型	

                                                                                          診療所         VPN Client

                    院内PACS
                    電子カルテ

                                                                              AGE
                                                                   DICOM STOR
                                                診療所用

                     DICOM Q
                                          連携
                                         サーバ
                                               	
データ
                                                 サーバ
                            uery/Retr
                                     ieve



                       IPSec VPN                                             VPN Client      公開元中核病院


                                                                                                               院内PACS
                                        ID連携サーバ                                                                電子カルテ
                                                                                                    TORAGE
                                                                                          DICOM S
   小病院
                                                                               連携サーバ
VPN Client                                                                                                      e
                                            ベンダー                                                     ery/Retriev
                                             データセンター                                      DICOM Qu

                                                                 Type                     機   能
             院内
             PACS                                           大学病院        連携・診療所用データサーバ併設

                                                            中核病院        連携用データサーバ

                                                             診療所        データ双方【アップロード・参照】

                                                            小病院         データ双方【アップロード(PACS含)・参照】
地域医療連携システム構築の留意点	



n    各医療機関の病院情報システムと地域連携システムの接続
  外部のシステムとの情報交換機能の整備・診療情報の標準の採用(厳密すぎないように)


n    患者IDの統合と管理
  地域全体で診療情報を管理、連携するために患者単位で一本化されたIDが必要


n    地域医療連携ネットワークのインフラ整備
  安価で拡張性のあるインターネットでの接続(柔軟性のあるネットワークVPNの利用)


n    持続的に運用可能な情報連携ネットワークシステム
  ASP,SaaSの利用


n    ネットワーク及びシステムを運用する機関の設置
  障害、要望、バージョンアップ、セキュリティ管理、ユーザ管理
ユーザ管理	

n    遠隔画像診断とは大きく異なる(参加数、職種、危機管理意識)

  ユーザ登録
n 

   ユーザ名設定
   バスワード設定
   ユーザ属性記録・ユーザ情報更新・ユーザ登録抹消

  アクセス権付与
n 

   利用できるシステムの設定
   参照・登録・変更できる情報の設定

  アクセスログ管理
n 

   適正利用のチェック
   データ変更履歴の管理

n    不正アクセスの管理
システムのコスト	

  初期費用
  n  機器およびシステムパッケージの購入費

  n  ネットワーク設置などの工事費

  n  システムの設置・インストールにかかる人件費



  ランニングコスト
  n  機器の保守費用

  n  運用担当者の人件費

  n  電気代

  n  要望によるシステム改修費用

  n  システムの障害によってもたらされる費用
システムの継続性	


 ●    継続性(事業支援後)

 ●    コスト負担(初期導入費用、維持費用、開発費用)

 ●    安定稼動 

 ●    利用する機能の選定・追加

 ●    拡張性、汎用性、利便性	
 	
 ●    利用者の拡大、患者の参加
地域医療連携システム構築	



n    人的ネットワークがなければ、有効に利用されない。

n    物理的ネットワークシステムがあっても、相談する相手は決まっ
      ている。

  すべての医療機関の、全ての医療従事者が希望する機能を、
n 

  ひとつのシステムで持つことはできない。

n    利用者も、利用できる機能も、小規模から徐々に拡大していく。

n    国の支援がなくても、継続・維持できる医療連携システムである。

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大分大学を中心とした遠隔医療支援システム

  • 1. 大分大学を中心とした    遠隔医療支援システム 大分大学医学部附属病院医療情報部 三宅秀敏 平成23年6月21日
  • 2. 地域医療連携の必要性 n  社会構造の変化 n  疾病構造の変化 n  医療機関・医師の役割分担 n  患者の安心感・健康に対する意識向上 n  医療機関のIT化 地域完結型医療の推進、医療機関の役割分担、 医療機関間の医療情報連携 情報共有の必要性 医療機関間の情報ネットワーク化推進
  • 3. ITの活用 <地域が抱える課題> <ITの活用> ・過疎、高齢化の進行 ・ITの活用で地域医療レベル ・医師の偏在による専門医の の高度化構築 不足、都市部との医療格 (都市部の病院と同様の診断 (専門医の診断を受けるため が可能となり、医療格差是正) に大学病院に通院、あるいは 専門医が出かけていく)
  • 4. 地域医療事情 n  画像診断専門医による遠隔画像診断 n  画像等を提供し治療方針相談 n  医療機関間で必要な情報の共有=患者の安心感 n  医療機関間で必要な情報の共有=医療者の安心感 n  地域連携パス(脳卒中、がんなど)
  • 7. VPN VPN VPN 地域医療機関 遠隔画像診断 大学病院 Teleradiology
  • 8. 契約医療機関 30 読影件数 約3,000 / 月 (2010年10月1日現在)
  • 9. VPN VPN VPN 『VPN 接続』 ・コンピュータ端末を限定 人(読影医)が移動、もしくは人数分の端末を用意 ・実データ(DICOM)を扱う データ量に応じた転送時間(ブロードバンド環境が必須) ワークステーションを用いた高度な画像解析が可能
  • 10. VPN 『クラウド・コンピューティング』 ・汎用コンピュータを利用 ・インタ-ネット環境さえあれば閲覧可能 自由度の高い運用 (留学、育児、学会出張) ・実データ(DICOM)の移動がなく安全 サーバからの転送時間が不要 モバイル環境でも利用可能 ・機能はクラウド上の環境に依存 多断面再構成など Web browser Cloud Computing
  • 11. 100歳の命救う  100歳の命救う  大動脈瘤破裂開胸せず  大動脈瘤破裂開胸せず  ステントグラフト治療 ステントグラフト治療 2008年1月17日 大分合同新聞 2008年1月17日 大分合同新聞
  • 12. 100歳女性 主訴:吐血 大動脈ステントグラフト 適応
  • 13. 100歳女性 主訴:吐血 DICOM データが必要
  • 14. 100歳女性 主訴:吐血 大動脈ステントグラフト内挿術
  • 17. 画像診断情報ネットワーク n  セカンドオピニン(二次読影) n  画像を含めた診療情報をリアルタイムに、かつ、 安全に共有 n  大分県内の病院間の患者紹介・逆紹介 n  双方向性の病・病連携、病・診連携 (大分県医療情報ネットワーク政策協議会)
  • 18. 患者診療情報提供書(電子診療データ提供書) IHE-PDI形式 n  診療情報提供書 (XML HL7 CDA R2) n  処方歴       (HL7 ER7形式ファイル) n  検査結果歴    (HL7 ER7ファイル) n  画像ファイル    (DICOM) n              (ビューア)
  • 19. 一次、二次読影の環境の違い n  1日のCT・MR読影件数 n  画像送信・表示レスポンス n  画像表示レイアウト n  過去画像参照 n  各種処理機能・画像再構成 n  レポート作成(依頼情報、フォーマット、文字変換、 一時保存・修正・確定、承認機能) n  読影端末
  • 20. 1中核病院多診療所 データ参照のみ 中核病院にデータサーバ 公開元中核病院 院内PACS 電子カルテ 連携サーバ VPN Client VPN Client IPSec VPN 診療所 小病院
  • 21. 閲覧施設のファイルのアップロード 自動解凍 ファイル DICOM 圧縮ファイル PDF公開 データ アイコン反 JPG 映 閲覧施設 データ 他施設一時保管領域 自動圧縮 ①ファイルアップロード アップロード ダウンロード (画像(DICOMデータの場合は閲覧す る場合ビューアー必要。他)・文書・そ 自動PDF変換 自施設情報公開領域 の他PPT等) DICOM データ テキスト入力 ②文書アップロード  WORD文書、EXCELその他 ④画像アップロード ③オーダ情報アップロード (公開施設)  処方・注射・検査・画像オーダ ・PACSからDICOMデータを抽出。 自動でJPG変換しオリジナル ビューアにて参照画像見ることが 可能。 上記を手動でアップロード   
  • 23. 外部保存(事業者) 民間事業者などが医療機関などとの契約に基づいて外部保存が可能  ‐以下のガイドラインを遵守することが前提 *ASP(Application Service Provider)及びSaaS(Software as a Service)は、ともにネット ワークを通じてアプリケーション・サービスを提供する。 n  「ASP・SaaSにおける情報セキュリティ対策ガイドライン」(総務省)2008・1 n  「ASP・SaaS事業者が医療情報を取扱う際の安全管理に関するガイドライン 第1.1版」(総務省)2010・12 n  「医療情報を受託管理する事業者向けガイドライン」(経済産業省)2008・7
  • 24. (集中型) 多中核病院多診療所 データ双方向  ベンダーデータセンターに参加機関全ての共有データサーバ 中核病院 中核病院 VPN Client VPN Client 院内PACS 電子カルテ 院内PACS 電子カルテ IPSec VPN ベンダーデータセンター 共有データ サーバ DICO VPN Client M ST ORA VPN Client GE 院内PACS 診療所 小病院
  • 25. 大学病院 VPN Client 分 散 型 診療所 VPN Client 院内PACS 電子カルテ AGE DICOM STOR 診療所用 DICOM Q 連携 サーバ データ サーバ uery/Retr ieve IPSec VPN VPN Client 公開元中核病院 院内PACS ID連携サーバ 電子カルテ TORAGE DICOM S 小病院 連携サーバ VPN Client e ベンダー  ery/Retriev  データセンター DICOM Qu Type 機   能 院内 PACS 大学病院 連携・診療所用データサーバ併設 中核病院 連携用データサーバ  診療所 データ双方【アップロード・参照】 小病院 データ双方【アップロード(PACS含)・参照】
  • 26. 地域医療連携システム構築の留意点 n  各医療機関の病院情報システムと地域連携システムの接続   外部のシステムとの情報交換機能の整備・診療情報の標準の採用(厳密すぎないように) n  患者IDの統合と管理   地域全体で診療情報を管理、連携するために患者単位で一本化されたIDが必要 n  地域医療連携ネットワークのインフラ整備   安価で拡張性のあるインターネットでの接続(柔軟性のあるネットワークVPNの利用) n  持続的に運用可能な情報連携ネットワークシステム   ASP,SaaSの利用 n  ネットワーク及びシステムを運用する機関の設置   障害、要望、バージョンアップ、セキュリティ管理、ユーザ管理
  • 27. ユーザ管理 n  遠隔画像診断とは大きく異なる(参加数、職種、危機管理意識) ユーザ登録 n     ユーザ名設定    バスワード設定    ユーザ属性記録・ユーザ情報更新・ユーザ登録抹消 アクセス権付与 n     利用できるシステムの設定    参照・登録・変更できる情報の設定 アクセスログ管理 n     適正利用のチェック    データ変更履歴の管理 n  不正アクセスの管理
  • 28. システムのコスト 初期費用 n  機器およびシステムパッケージの購入費 n  ネットワーク設置などの工事費 n  システムの設置・インストールにかかる人件費 ランニングコスト n  機器の保守費用 n  運用担当者の人件費 n  電気代 n  要望によるシステム改修費用 n  システムの障害によってもたらされる費用
  • 29. システムの継続性 ●  継続性(事業支援後) ●  コスト負担(初期導入費用、維持費用、開発費用) ●  安定稼動  ●  利用する機能の選定・追加 ●  拡張性、汎用性、利便性 ●  利用者の拡大、患者の参加
  • 30. 地域医療連携システム構築 n  人的ネットワークがなければ、有効に利用されない。 n  物理的ネットワークシステムがあっても、相談する相手は決まっ ている。 すべての医療機関の、全ての医療従事者が希望する機能を、 n    ひとつのシステムで持つことはできない。 n  利用者も、利用できる機能も、小規模から徐々に拡大していく。 n  国の支援がなくても、継続・維持できる医療連携システムである。