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東京メトロポリタン
   TMC



     論評ワークショップ
“論評を知る、深める、実践する”



            2011年1月8日 @麹町会館
                 小野 亮太郎
最初に


2011/1/8         2
最初に皆さんに♪

•「トーストマスターズにお客様はいません!」
           注:ゲストはいますけど (^_^;)

•皆さんが今日の「主役」

•私は単なる「ガイド役」

•むしろ、引っかき回し役!?
    今日のセッションを生かすも殺すも皆さん次第。
2011/1/8                        3
イメージ的には、

「マイケル サンデル教授のハーバード白熱教室」!




 時に、テーブルト
                       諸君の知の結集
 ピックスの如く指
                       に期待している。
 名することも!?



2011/1/8                      4
今回の論評ワークショップは、、、
■ 一言で言えば、大盛り「幕の内」弁当

•「正解」探しでなく、ご自身の「型」を「模索」、「見つ
め直す」機会に
•出来るだけ、皆さんからも発言して貰うインタラクティ
ブな場に
•ゲストの方は、論評とはどんなものかを知る機会に
•意図的にスピード感をもって進めるも、とめるところは、
「とめて、考えます」
•ハンドアウト(資料)は、例会後に希望者に配布予定

 2011/1/8   振り落とされないようにしてください m(__)m   5
本日のメニュー

      1. はじめに:進め方と皆さんへのお願い
      2. 論評の概要、目的、全体像
      3. 論評のフレームワーク(1):態度・スタイル、観察
      4. 1人目のデモスピーカーによるスピーチ
      5. 全体ディスカッション
      6. 論評のフレームワーク(2):分析
      7. 論評のフレームワーク(3):整理・構成、表現・発表
      8. 1人目のデモスピーカーへの個人論評&フィードバック
      9. 2人目のデモスピーカーによるスピーチと個人論評
      10.最後に:Q&Aとまとめ


2011/1/8                         6
論評って何?


“In Toastmasters, feedback is
called evaluation, and it is the
  heart of the toastmasters
          program.”
            Effective Speech Evaluation より




           論評≠感想、論評≠評論
2011/1/8                                     7
ご参考:論評の位置付け、得られること
■ 論評が「トーストマスターズの核」と言われる所以...
*トーストマスターズの三本柱
1. 準備スピーチ         公の前で話す力
2. テーブルトピックス
          公の前で即興で話す力
3. 論評     公の前でほぼ即興で話す力
                     聴く力
                     フィードバック力
*論評で身に付くスキル
 インプット        •傾聴する力
 プロセス   •逃さない観察力、鋭い分析力、深い思考力
 アウトプット •プレゼンテーション能力、即興力
  2011/1/8   論評は、トーストマスターズの総合格闘技   8
ご参考:論評者になったら(時間軸で)
■ 例会前、例会中、例会後、それぞれにアクション有り

例会前:        スピーカーとコンタクトを取る
            プロジェクト目的、 スピーチの題名、
            スピーカーの個別論評ポイントなど
            可能な限り、マニュアルは事前に読んでおく

例会会場: マニュアルの借り受け

例会中:        論評(口頭、 書面)

例会後:        書面論評の完成、 マニュアルの返却、
            スピーカーとのコミュニケーション

 2011/1/8                          9
尐しウォーミングアップ




論評は客観的 or 主観的に
   行うもの?
“Your purpose is to provide honest reaction in a
constructive manner to a speaker’s presentation,
      using the evaluation guide provided.”
  “An evaluation is an opinion, nothing more”
  2011/1/8
               Effective Speech Evaluation より   10
論評の目的は?




Evaluate to Motivate

スピーカーのスピーチ上達の手助けをすることで、
またスピーチをしたいと動機付ける。


 2011/1/8             11
では、ここで質問。




     どうすれば、
“Evaluate to motivate”
    出来ますか?

2011/1/8               12
ご参考:個人的に学んだ“Evaluate to motivate”の真髄


•スピーカーが解決出来ずに悩んでいる問題に対して、ス
ピーカーの期待値を超える or 腹落ち感満載のソリュー
ション・提案がなされた時

•「自分の言葉が相手に伝わったと実感した時に、モチ
ベーションがあがる。」ことを体感。逆に言えば、スピーカー
に対して「あなたのメッセージは○○ですね。」と正確に伝
えることだけでも、スピーカーのモチベーションは上がる。



2011/1/8                           13
論評に、絶対的な答えはない。
■ ここを知ることから、全てが始まる。(と、私は思います)

•十人十色。だからこそ、「動機付け」のされ方も十人十色。
押すべきボタンは、人それぞれ。

•アプローチ一つでも、褒められて伸びる人もいれば、叱ら
れて伸びる人もいる

•つまり、論評に正解はない。(と、私は思います)

•だから、論評は難しい。(ですよね、皆さん?)

•でも、だからこそ、論評は面白い(かもしれません)

   押すべきボタンは、どこにあるか。どう押せばいいか。 14
 2011/1/8
論評は、時にスピーカーへの
   ギフト(贈り物)と言われてます。




どんなギフトを贈れば、相手は喜んでくれるでしょう?
 2011/1/8              15
論評をギフトを贈る行為に例えるならば、

          どんな渡し方をすれば
            いいのだろう?
              Howの話。
           •マナー、態度、スタイル
           •デリバリー、伝え方


           どんなギフトを贈れば
            いいのだろう?
              Whatの話。
           •コンテンツ、中身、構成
           •良い点、改善点など
論評の全体像


2011/1/8            17
論評のフレームワーク
  Objective
              ・・・・                              Evaluate to Motivate
   目的                   スピーカーの上達を手助け、またスピーチをしたいと動機付ける


                           Evaluation Process      論評プロセス


                        observation             analysis         organization   presentation
  Process
 プロセス         ・・・・・
                          観察                     分析             整理・構成           表現・発表

                           input                           process               output
                          インプット                            プロセス                 アウトプット

Attitude/Style
態度・スタイル       ・・・・・         Assertiveness         アサーティブネス
  Condition
制約条件             ・・・・       Time Mgmt            タイムマネジメント
態度・スタイル


2011/1/8             19
態度・スタイル
■ 論評の思想・哲学とフィットする「アサーティブネス」
•アサーティブネスを構成する要素としては、例えば、

 尊重・        •相手(スピーカー、聴衆、考え)を尊重する
 信頼         •自分自身(能力含めて)を尊重、信頼する

 正直・        •相手に正直・誠実である
 誠実         •自分に正直・誠実である

            •自分がされたいと思うことを相手にする
 能動的
            •自分が言いたいことを相手に話す

            •スピーカーの上達を論評を通じて手助けすることで、
Win-Win
            自身の成長にもつなげる
            ここから更に何が言えるか?
 2011/1/8                           20
態度・スタイル(続き)
■ 論評者とスピーカーは対等な関係。全てはここから。
•論評者とスピーカーは共に経験者・目上の人にも初心者・目下の
人とも対等(ベテランへの気後れも、初心者に大所高所も無用)

•論評者の論評に、「言い訳・謝り」は無用 (「初心者なので~」、
「大変恐縮ですが~」は、論評に必要な言葉?)

•論評者は、評論家でも、審判でも、権威者でもなく (スピーカー
の振る舞いを変えたり、あなたの考えを押し付けるものでもなく)

•論評者は聴衆の代弁者でもなく(「聴衆はこう感じた」は必要?)
•スピーカーには、その論評を受け入れるかどうかの権利があり、
一方で、論評者はスピーカーの上達への責任も負わず
 論評者とスピーカーは、お互いに成長を目指す同志とも
 2011/1/8                     21
観察


2011/1/8        22
論評(観察)の対象
■ 以下のうち、論評の対象になるのはどれですか?



 ○
1. スピーチのやり方(声、ボディランゲージ等)

 ○
2. スピーチの構成、言葉遣い

 ×
3. スピーチの価値(自分の意見との相違)


 ×
4. スピーカーの性格
2011/1/8                   23
では、ここで質問。




観察において大事なことは、
相手の良い点、改善点探し
にひたすら集中して聞くこと。

           Yes or No ?
2011/1/8                 24
観察する時の心掛け
■ 理想は、自然体。一人の聴衆として、スピーカーへ傾聴。

•     まず共感ありき。論評者の前に一人の聴衆である筈。
•     スピーカーが何を伝えようとしているのか、受け取る
      姿勢を忘れずに。
•     出来るだけ先入観を持たず、あるがままに聞く(どう
      であったかは、次の分析フェーズにて)




    2011/1/8                 25
観察する時の手助け:メモ
■ メモの取り方一つとっても、人それぞれ。
•メモは「観察」に有効なツール。記憶力に頼り過ぎないよう。
•初心者は慣れるまでは、とにかくメモしまくるのも手。(それ
が論評への安心につながります)
•慣れたら、何をメモすべきか選別出来るように。(メモの量も
減ったりします)
•一通りメモが書き終わって、次の「分析」・「整理・構成」へ
(スピーチ・スピーカーの良い点、改善点を拾いに)
•メモの取り方は主として 1. 列挙・穴埋め 2. マインドマップ
 2011/1/8                      26
(ご参考):メモの取り方
■ メモの取り方一つとっても、人それぞれ。例えば、2分割

            良かった点             改善点

   •構成が良かった           •声の抑揚の使い方
   •メッセージが伝わった        •ステージをもっと広く使って
                      もよかったかも




 2011/1/8                              27
(ご参考):メモの取り方
■ 3分割で、埋めていく方法
    プロジェクト# スピーチタイトル
                       良かった点
 ストーリー

            点印                 ポ
            を象                 イ
            プに                 ン
            ロ 残                ト
            ッ っ        改善点
                               を
            トて                 抽
              い                出
              る

 2011/1/8                          28
(ご参考):メモの取り方
■ 細かく6分割にして、埋めていく方法
    プロジェクト# スピーチタイトル   メッセージ
     序論
            話
            の                  ポ
            内                  イ
      本論    容          良かった点   ン
            (


            ス                  ト
            ト                  を
      結論    ー           改善点
                               抽
            リ                  出
            ー
            )




 2011/1/8                          29
(ご参考):メモの取り方
■ マインドマップを使用する




 2011/1/8                  30
ご注意!:傾聴の有り方

 聴く時、こんな風になっていませんか?
メモを書くのに集中
                            あら探しするかの目。
 スピーカーを見ず




               食い入るように凝視!

            皆さん、結構笑えませんのでご注意を。
 2011/1/8                           31
では、スピーチを聞い
  てみましょう。

2011/1/8   32
追泉 直也さんのスピーチ
■ プロジェクト#3 「ポイントを押さえる」
*目的*
•スピーチトピックを選びその一般的な目標、具体的な
目標を決定する。
•こうした目標を完全に達成することをめざして、ス
ピーチを構成する。
•序論、本論、結論のそれぞれが、目標に裏づけられ
ていることを確認する。
•誠実さと信念を打ち出して、丌安感を克服する。
•メモを使わないようにする。
 2011/1/8                  33
(ご参考): 一般的な目標、具体的な目標
■ 一般的な目標 (スピーチは大別して以下の4種類)
1. 情報を提供する
2. 説得する
3. 楽しませる
4. 奮い立たせる

■ 具体的な目標
1. 聞き手の立場に立った言葉で書かれていること
2. 具体的であること
3. 達成が可能であること
 2011/1/8                          34
大前提




     準備スピーチは、
    プロジェクトに沿って
        行う。
2011/1/8         35
分析


2011/1/8        36
皆さんは、どんな視点、
着眼点をもって論評を
   しますか?

2011/1/8   37
分析のベクトル




           Emotion & Logic
           「情」と「理」の視点

           このバランスをどう取るか?
2011/1/8                     38
「情」の視点:「アサーティブネス」からみた分析
■ スピーカーの気持ちに想いを馳せる
•もっとも伝えたかったこと(メインメッセージ)は何か?
•スピーチを通して、聴衆に不えたかったものは何か?
•なぜ、このスピーチテーマを選んだのか?
•話しているとき、どんな想いでスピーチしたのか?
■ スピーチを聴き、自分の心の反応はどうだったか?
•どんな気持ちが自分の中に湧き起こりましたか?
•心地よく響いた言葉・パートは何でしたでしょうか?
•逆に、心に引っかかった部分はどこでしたか?

    相手に矢印を向け、自分にも矢印を向ける。
 2011/1/8                             39
「理」の視点(1): So what ? 思考
■ 「観察」した事象・印象から、解釈、意味合いを導き出す
ステップ1:「観察した」事象・印象は何か?
1. 声に抑揚があった                        So
2. 出だしにインパクトがあった                  what ?

ステップ2:解釈・意味合いの抽出
1. 声に抑揚があったので、スピーチにダイナミズムが生まれ、
   結果、感情移入がし易くなり、メッセージがすっと頭に
   入ってきた。
2. 最初の出だしが非常にインパクトあったので、一気に心
   がほぐれ、その後のスピーチを聴く態勢がすぐに出来た
この解釈、意味合いで論評のバリューは大きく左右される
 2011/1/8                                  40
「理」の視点(2):分析する際の視点・着眼点
■ より多くの視点で多面的に、ポイントを押さえ、分析する

その為のフレームワークや視点を多く押さえる。例えば、

•CCマニュアルのプロジェクト及びその目標
•審査基準
•技・知識・心
•過去のスピーチとの比較

                             などなど

 2011/1/8                            41
(ご参考):CCマニュアルのプロジェクト

           •1    アイスブレーカー
           •2    スピーチの構成
           •3    ポイントを押さえる
           •4    表現方法
           •5    ボディランゲージ
           •6    ボーカルバラエティ(声の変化)
           •7    トピックのリサーチ
           •8    ビジュアルエイド(視覚機材)
           •9    パワフルな説得
           •10   聞き手を奮い立たせる
2011/1/8                            42
(ご参考):コンテスト審査基準
■ 審査の基準でなく、MECEなスピーチのフレームワークと捉える
カテゴリー           項目    スコア                 内容
                            目的に応じた序論、本論、結論の構成の仕方
            スピーチの展開    20
                            適切な事例、事実と数字、骨組みが為されているか
 内容                         どれだけ効果的にスピーチの内容が伝えられていたか。
            スピーチの効果    15
 50                         スピーカーの意図が理解出来、聴衆を惹き付け、適切であったか
                            スピーチに意味があり、話す価値、聞く価値があるか。
            スピーチの価値    15
                            スピーカーの意見や考え方が重要

            身体         10   身振りや手ぶり、表情、立ち位置を駆使して、如何に伝えたか

 話し方                        声の抑揚、声量、トーンやバラエティさなど効果的に使えていたか
            声          10
  30                        聴衆が明瞭に聞き取れ、理解の助けとなったか

            態度         10   熱意と自信を持って訴え、聴衆の反応に堂々と対峙をしていたか

            言語の適切さ     10   話したい事柄を伝える為の適切な言葉の選択が出来ているか
 言語
 20                         文法的に正しいか
            言語の正確さ     10
                            正確な発音で話が出来ているか

 2011/1/8                                               43
(ご参考):審査基準をもう尐し論評向きにアレンジ
           カテゴリー     中項目                                 小項目
                              リハーサル - 十分に練習がなされていたか?
           プロセス      準備
                              リサーチ - 十分に調べ、練られていたか?
           (道のり)
                    プロジェクト    スピーチプロジェクト - 目標に沿っていたか
                              スピーチバリュー、意義、メッセージ性
                              着眼点・発想力(聴衆の興味と要求)
                     対象
                              話題性、興味深さ
                              スピーチタイトル
           コンテンツ              全体 - メッセージに即した構成であったか?
            (内容)              全体 - 論理的で、自然な流れであったか?
                              序論 - 「ツカミ」は?出だしで聴衆を惹き付けたか?
                    流れ(構成)
                              本論 - 論理的で、例や事実、引用など用い、説得力あったか?
                              結論 - Call for action に結び、腹落ち感があったか? 印象に残ったか?
                              移行 - 各パラグラフ間がスムーズに移行し、フォローし易かったか?
                              身振り、体の動き
                              手振り、ジェスチャー
                              顔の表情
                     動作
                              アイコンタクト
                              ステージの使い方
                              姿勢
                   ビジュアルエイド   ビジュアルエイドは、スムーズで効果的なタイミング、見せ方であったか?
           デリバリー
                              声量
           (伝え方)
                              声質
                      声
                              声のピッチ
                              「間」の取り方
                              態度 - 自信や情熱、誠実さはどうであったか?
                              外観、服装は、スピーチや聴衆とマッチしていたか?
                     姿勢
                              第一印象
                              原稿、メモ
2011/1/8                      正しさ - 文法や言葉、発音が正しく行われていたか?                     44
            言語       言語
                              適切さ - スピーチや聴衆にあった言葉を選んでいたか?(専門用語の使用等)
整理・構成


2011/1/8           45
論評での定石、サンドイッチ方式
■ Commend-Recommend-Commend
 0:00~ オープニング、全体の印象
                                 緑色になるまでは
 0:30~ よかった点                     存分に良い点を述
                                 べる
            (どう良かったのか、リアルに正直に)
 2:00~ 改善点                       そろそろ改善点の
                                 準備を
            (より具体的な提案が望ましい)
                                 改善点を述べる
 3:00~ 要約(スピーチ内容や論評の総括)
                                 良い点、励ましで
            感謝、励ましの言葉            ラップアップ

 3:30       終了

   論評時間3分30秒、フラッグを意識しながらフルに使う
 2011/1/8                              46
(ご参考):構成を考える上で持っておきたい視点
■ いっぱいあります。以下は、ほんの一例。
•まずは共感。スピーカーが一番聞きたがってる言葉は?
•スピーカーにとって「刺さる」言葉は何か?
•スピーカーが特に伸ばしたいスキルは?逆に苦手な所は?
•„ピーチ内容を凝縮、一言でキャッチーな言葉にしてみる
 ス
•「すぐに役立つ・実践出来る」改善点を選ぶ
•PREP使って、説得力↑(Point-Reason-Example-Point)
•比較する (VS プロジェクト目標、理想のスピーチ等)
•話す順序、分量は、重要度・伝えたい度の高い順に„
   大事なのは「話し手」ではなく、「聞き手」の視点
 2011/1/8                              47
表現・発表


2011/1/8           48
(ご参考):あえて、書いておくと。
■ 論評も立派なスピーチ!
•„かりやすく
 わ
•予告(前置き)をする「これからよかった点について話します」
•ポイント数を述べる 「よいところが3つありました」
•ラベルを貼る 「よかったところは『具体例の豊富さ』です」
•理由を述べる 「私はこう感じた。なぜなら、この言葉があっ
たからです」
•効果を述べる 「こう表現されたので、こんな感情を聴衆に不
えることが出来ました」
•冒頭の一言を工夫する ~聴衆の興味を惹きつける
•締めくくりを工夫する ~余韻が長引くように
 2011/1/8                       49
(ご参考):今までのおさらいもかねて
■ 言葉遣い
•命令・断定的な表現、一般化した表現、過剰な表現は避けるがベター
(「~すべきだ」、「一般的には~・日本人は~」、「決して~・絶対」等)
•論評は個人的意見。とすると、主語は、アイメッセージである「私」
•個人の意見である印象を不える表現が◎(「私は、~感じました」等)
■ 残念な「べからず」集
•ジャッジ的、あるいは、評論調な論評
•論評ガイドそのまま読み (相手のモチベーション上がる?)
•良い点だけの論評 (俗に言うホワイトウォッシュ(White wash))
•スピーカーの能力を超える改善点の指摘

 2011/1/8   つまるところ、アサーティブであるかどうか。       50
まとめると: 論評の肝

      感じたこと、
                                出来るだけ
      思ったことを
                                具体的に
       正直に


Be honest & be specific
    with sincerity
                 誠実さをもっ
                  て伝える
 2011/1/8         横浜フロンティアTMC           51
では、スピーチを聞い
て論評にチャレンジ。

2011/1/8   52
辻村 霞さんのスピーチ
■ プロジェクト#5 「ボディランゲージ」
*目的*
•メッセージを表現しスピーチの目標を達するため、態
度、動作、ジェスチャー、顔の表情、アイコンタクトを上
手に使う。

•スムーズかつ自然にボディランゲージを行う。




 2011/1/8                 53
Q&A


2011/1/8         54
資料作成に当たって用いた参照資料
■ 「量が質を決定する」の法則に倣い、、、
*TMI公式マテリアル
•   Effective evaluation
•   Evaluation from Successful club series
•   The art of evaluation

*各クラブでのワークショップ資料など
•   大和バイリンガルTMC 東 公成さん ブログ「Toastmasters徒然草」
•   厚木座間TMC 稲垣慎一郎さん 「論評の要点」(2004年)
•   武蔵小杉TMC 福永理絵さん(原案:和田雅志さん)の論評WS資料(2006年)
•   神楽坂TMC 牧 美和子さんの論評WS資料 (2007年)
•   神奈川TMC(当時)藤山亜美さんの論評WS資料(2008年)
•   横浜フロンティアTMC 渡辺直美さんの論評WS資料(2009年)
•   ファンタジスタTMC 論評ブートキャンプの資料(基本は自分で作成)(2009年)
                                          55
論評も
           「一期一会」

2011/1/8     横浜フロンティアTMC   56
論評は実践で生かしてナンボ。

       学校で   プライベート
 仕事で
               で


   是非、ご活用を。
                  57
ご静聴、もとい、活発な参加を
有難うございました。m(_ _)m


                58
Appendix
お持ち帰り資料


           59
今すぐ出来る!論評上達の道
■ “Quantity determines Quality” – 量が質を決める
*毎回の例会で*
• 毎回のコメントシートに一球入魂(手を抜かない。受け手もハッピー)
•   例会後や2次会でもスピーカーに簡単な感想を伝える (即席論評)
•   他の論評者の上手なところを盗む、真似る (学ぶは、真似ぶから)

*論評を担当した時*
•   何を伸ばすか目標を持って臨む (良い点を10か所見つける等)
•   書面論評に余白は残さない。ぎっしり書き込む。
•   スピーカーのプロジェクトを熟読して、ポイントをシュミレーションする

     論評の役が空いている時には積極的に挑戦を。
                                            60
愚直に継続!論評の上達への道
■ 心の壁「メンタル・ブロック」をぶち破る
•   論評上達を妨げる一番の敵は、自分の心の壁
•   まずは、自分にある心の壁を意識することから
•   特に、一番の心の壁は、丌安、失敗、ベテランスピーカーへの論評



■ 非ネイティブの方々へ:英語論評の上達
•   定石であるサンドイッチ法を使って、型を押さえる
•   英語独特の言い回しを覚える(人が使った良い表現をパクる)
•   該当プロジェクトの英語マニュアルを読むことで、使う用語を覚える


                                   61
Ten Behaviors of an Effective Evaluator
■ “The Art of Effective Evaluation” より
 1. Show that you care
 2. Suit your evaluation to the speaker
 3. Learn the speaker’s objective
 4. Listen actively
 5. Personalize your language.
 6. Give positive reinforcement
 7. Help the speaker become motivated
 8. Evaluate the behavior, not the person
 9. Nourish Self-Esteem
 10.Show the speaker how to improve
                                             62
トーストマスターズの PDCAサイクル
■ PDCA のサイクルでトーストマスターズの例会を考えてみる

一般的には、 Plan(計画)して、Do(実行)して、Check(評価)、Action(再実行)する

      これをトーストマスターズの例会に当てはめてみると、


    Plan             Do         Check       Action
  例会の準備         例会でトライ!       論評・フィードバック   TM外での実践!


                   このサイクルをぐるぐる回していく


            Learn by doing     とにかく、やってみる
            Lead by Example    自らが例を持って手本を見せる
            Recognition        やった人に報いる

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