東京高専情報工学科3,4年生向けに話したキャリア講演の内容です。

1. 菅野 流飛 32歳 既婚 子供2人 リクルート住まいカンパニー（事業開発）
卒業して12年を振り返ってみました
～21世紀の日本における高専の役割～

2. 菅野 流飛 32歳 既婚 子供2人 リクルート住まいカンパニー（事業開発）
キャリア紹介（学生時代）
1999-2004
• 東京工業高等専門学校 物質工学科（化学）
• 主席 のち 中堅
• 寮生 のち 一人暮らし（退寮）
• 文化祭実行委員長 のち 学生会役員
2004-2009
• 東京工業大学 生命理工学研究科（分子生物学）
• 3年次編入学 のち 博士一貫コース進学
• 研究留学（カロリンスカ研究所）
• 博士3年秋に中退
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3. 菅野 流飛 32歳 既婚 子供2人 リクルート住まいカンパニー（事業開発）
キャリア紹介（就職後）
2009-2012
• 株式会社Speee（SEO＝検索で順位を上げるスキル）
• 設立3年目、従業員35名
• SEOディレクター、リーダー/マネージャー
• 業務効率化（30分単位の時間管理、午前様状態から22時帰りの徹底、月-木で通常業務を終わらせる）
2012-2013
• 株式会社リブセンス（インターネットメディア）
• 賃貸ポータルサイト（door賃貸）
• 事業部長（事業計画、営業、メディアプロデューサー/ディレクター、契約書/利用規約）
• ビジョンに基づいた事業/組織作り（事業理念：新生活の幸せなスタート 行動理念：愛と自由と責任と）
2013-
• 株式会社リクルート住まいカンパニー（住まい領域における情報格差解消）
• 事業開発室（賃貸業界の情報流通の改革）
• プロジェクトリーダー
• 社会課題に基づいた価値の提供
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4. 菅野 流飛 32歳 既婚 子供2人 リクルート住まいカンパニー（事業開発）
最近の活動
高専で育まれた価値観が社会で活躍できる原動力となっていると気づく
• 高専で勉強したことは直接役に立っていない
• 高専で何を得たのか？
• 自由な環境で優秀な人間が放牧されていると…
• 自ら考える力（地頭の良さ）
• すぐ実行する習慣（実践力の高さ）
• 正しいことを正しいプロセスでやる姿勢（ビジョンに対する忠実性）
高専関連の人に会ってみる
• 卒業生、教員、学生、保護者
• 文科省、高専ベンチャー、ジースタイラス（しおみん）、変な交流会
「高専の価値は何か」と「人口オーナス期の社会課題」を掛けあわせてみる
• 社会実装プロジェクト
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5. 菅野 流飛 32歳 既婚 子供2人 リクルート住まいカンパニー（事業開発）
人口オーナス期
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人口オーナス問題
従属人口増加
労働人口減少
1人あたりGDP減少
労働人口の制約増加
（介護）
社会課題の顕在化
社会保障制度
経済的競争力
社会の貧困化
少子化の促進
労働力確保
 女性
 高齢者
 若者
労働環境の整備
 多様な人材への適応
生産性向上
 成長産業への投資
 知識労動の推進
抑止
若者の社会進出阻害要因
高学歴化
 社会進出の遅延
 人件費の高騰
新卒採用
 高学歴化の助長
教育の質
 ビジネススキル実装の不在
抑止
「若者が早期に社会で活躍する」ための仕組みが存在しない

6. 菅野 流飛 32歳 既婚 子供2人 リクルート住まいカンパニー（事業開発）
高専の価値 × 人口オーナス期の課題解決
社会実装プロジェクト ⇒ 事業の実践・就職への接続
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■支援機関
┗高専の認知向上
・成長産業への啓蒙活動
・社会実装プロジェクトへの参画推進
┗ビジネス・インキュベーション
・プロジェクトの事業計画策定
・事業化
・社会課題解決による貢献
┗就職支援
・実力と実績の伴った学生の育成
・スキル/スタンスに基づいた成長企業
との最適マッチング

7. 菅野 流飛 32歳 既婚 子供2人 リクルート住まいカンパニー（事業開発）
・典型的知性（IQ的な何か）
・難しいことを粘り強く継続することで伸びる
高専の価値 × 人口オーナス期の課題解決
社会で活躍するために必要なスキルセットを整える
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ジェネラル・インテリジェンス
・組織として活躍するために必要なスキル
・グループで互いに能力を補い合うことで素
晴らしい物を生み出せる
ソーシャル・センシティビティ
・社会において持ち運び可能なスキル
・汎用的に活躍するためのビジネススキル
・報連相、時間管理、企画書、…
ポータブルスキル
・工学的な思考のフレームワーク
・CSVの実践に求められるスキル
Creating Shared Value
エンジニアリングスキル

8. 菅野 流飛 32歳 既婚 子供2人 リクルート住まいカンパニー（事業開発）
先輩から学生のみなさまへ
自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ
答えのある問題は問題じゃない
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9. 菅野 流飛 32歳 既婚 子供2人 リクルート住まいカンパニー（事業開発）
参考資料
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10. 菅野 流飛 32歳 既婚 子供2人 リクルート住まいカンパニー（事業開発）
高専とは…若手技術者の育成機関
• 高専生の典型的キャリアは「就職」「技術者」「製造業」
• バブル崩壊以降進学率が高まっている
学校基本調査（高専機構まとめ）

11. 菅野 流飛 32歳 既婚 子供2人 リクルート住まいカンパニー（事業開発）
高専生の就職は製造業に固定化され続けている？
800
900
1,000
1,100
1,200
1,300
1,400
1,500
1,600
50.0
55.0
60.0
65.0
70.0
75.0
80.0
85.0
90.0
95.0
100.0
高専卒業生の就職率推移
就職率 製造業雇用者数（万人）
• 就職率と製造業の雇用者数が相関している
• 成長産業（ITなど）への就職が滞っている可能性
学校基本調査、労働力調査（菅野まとめ）
バブル崩壊

12. 菅野 流飛 32歳 既婚 子供2人 リクルート住まいカンパニー（事業開発）
高専生のキャリアパスにおける課題仮説①
就職率
低下・低迷
社会的認知
低下
新産業の採用ニーズ
低迷
就職先
固定化（老朽化）
就職モチベーション
低下
• 学生から見た時に魅力的な就職先が見つからない
• 高専の進学校化が止まらない
高専の
進学校化

13. 菅野 流飛 32歳 既婚 子供2人 リクルート住まいカンパニー（事業開発）
高専生のキャリアパスにおける課題仮説②
学生の立場
• 魅力的な就職先がない（そもそも社会を知らない）
• 社会に出て活躍出来る自信がない
• 優秀な人間は大体進学している
親の立場
• 親心
• 安定した人生を歩んで欲しい
• （よく分からないので）知ってる名前の会社に入って欲しい
学校の立場
• 就職について課題感がない（求人倍率16倍）
• 社会との接点が少ない
• 学生教育で手一杯
• OBも10年経つと接点がなくなる
• 「学生」 「親」 「学校」の考え方の違いや情報格差
• これからのあるべき姿について議論し共有する必要性