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薬剤師による
「オンライン相談」
実態調査 報告書
2021年 6月 
慶應義塾大学 薬学部 医薬品情報学講座 株式会社ミナカラ
薬剤師による
「オンライン相談」
実態調査 報告書
© minacolor, Inc. All rights reserved.
03
04
05
07
09
10
12
13
15
16
20
INDEX
 実態調査の背景
 実態調査の目的
 解析方法
薬剤師による「オンライン相談サービス」解析結果
 サービス利用者の 属性分布
 サービス利用者の 症状別 分類
 サービス利用者の 相談内容別 分類
 相談を受けた薬剤師の対応
 薬剤師による受診勧奨の代表事例
薬剤師による「オンライン相談サービス」 解析結果からの考察
 考察まとめ


 考察1/4-4/4
ミナカラについて
© minacolor, Inc. All rights reserved.
実態調査の背景
「オンライン診療の適切な実施に関する指針
(令和元年7月 厚生労働省)
」
において、


薬剤師は、
医師以外が行う遠隔健康医療相談の1つとして、
患者様からの相談をオンラインで応需ができます。 


一般的な医学的な情報の提供や、
一般的な受診勧奨(病院や医療機関などの紹介)
などの情報提供が可能です。
患者様が抱える健康医療の相談は、
薬剤師にオンライン上で相談することができる役割を担える中で、


現状、
その取組みがほとんど実施されていない
*セルフメディケーションについて:
  世界保健機関 WHOの定義:個人が自身で認識した病や病の兆候を治療するため薬を選択して用いること。
  国民医療費の増大を受けて、平成25年に発表された日本再興戦略にて「セルフメディケーションの実現」が


  掲げられている(日本経済再生本部. 日本再興戦略-JAPAN is BACK-. 59-68, 2013.)


  WHO. 1998. The Role of Pharmacist in Self-Care and Self-Medication : https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/65860/  
  WHO_DAP_98.13.pdf?sequence=1&isAllowed=y (参照日2020年6月27日)
 ・
業界全体として、
薬剤師によるオンラインでの相談応需に関する調査実施数が少なく、


その有用性に関する知見も乏しい状態が続いています。
こうしたオンラインでの相談は、対面を避けて相談したいという患者様の課題を解決し、


時間や場所を制限されずセルフメディケーション*をサポートできる可能性がありますが、実店舗ではない、


オンラインによる相談の取り組みはほとんど実施されていない状況が続いています。
03
© minacolor, Inc. All rights reserved.
今回ミナカラと慶應義塾大学は、共同研究の一環で


「薬剤師によるオンライン相談に関する実態調査*」を実施。


薬剤師によるオンライン相談の実態を把握することで、
その


有用性や課題を明らかにし、
安定的な薬剤提供する医療体制


づくりの参考情報として
「薬剤師によるオンライン相談に関す
る実態調査」
を公開します。


患者様がオンライン上で薬剤師に相談した記録を解析し、


患者様が薬剤師に行った相談の特徴や、相談によってセルフ
メディケーションの適正化が図られた事例を明らかにします。
慶應義塾大学がミナカラで実施する
「薬剤師によるオンライン相談」
の
実記録データを解析し、
有用性を明らかにする
オンライン薬局〈ミナカラ薬局〉


に在籍する薬剤師が、患者様からの相談を応需
実態調査の目的
* 前迫大典, 小川亮, 児玉亮二, 須永賢太, 喜納信也, 木崎速人, 堀里子.


  薬剤師によるオンライン相談の実態調査. 日本薬学会第141年会, 2021年3月28日. 04
© minacolor, Inc. All rights reserved.
解析方法
① 相談に先立って、
相談者(患者様)
にアンケート形式で問診を行う


② 相談者
(患者様)
がチャットによる質問を行い、
ミナカラ薬局の
  薬剤師が回答する
相談者問診データから、
相談者の属性を項目
(年齢、
性別、
妊娠の有無、


アレルギーの有無等)
ごとに単純集計を実施
サンプル数
(相談問診数)
:572(相談者総数:481)


解析に用いたサービス実施の記録期間: 2019年5月 ∼ 2020年1月
① 事前の問診アンケート
② チャットを通じた
  相談者との質問応対
〈 ミナカラの
「オンライン相談サービス」
記録 〉
〈 相談記録データ 〉
「オンライン相談サービス」実際画面
また、相談内容データの内容分析を行い、
相談内容の傾向(症状別/相談
内容別)
を解析。相談者の属性ごとの相談内容の傾向もあわせて解析する
とともに、
相談内容データから相談を受けた薬剤師の対応を解析した。
* 本調査は、慶應義塾大学薬学部「人を対象とした研究倫理委員会」の承認を受けて実施した【承200409-1】
05
薬剤師による
「オンライン相談サービス」
解析結果
© minacolor, Inc. All rights reserved.
「オンラインお薬相談サービス」
の利用者を解析したところ、
「女性」
が6割以上を占め、
年代別の相談人数では20代、
30代の利用者が全体の5割以上を占め、
20代以降年代が上がるほど相談は減少する傾向が見られた。
図1 )サービス利用者の分布
(性別) 図2 )サービス利用者の分布
(年齢別)
N=481(人) N=260(人)
(不明分221を除く)
【解析結果】サービス利用者の 属性分布
07
© minacolor, Inc. All rights reserved.
図5 )サービス利用者の分布
   (通院中の有無別)
N=481(人)
図4 )サービス利用者の分布
   (薬に対するアレルギーの有無別)
N=481(人)
図3 )サービス利用者の分布
   (妊娠/授乳の有無別)
N=386(人)
(男性95名を除く)
サービス利用者の妊娠/授乳の有無については「妊娠していない」
が7割を占め、
薬に対するアレルギーの有無の質問にも
7割が
「アレルギー無し」
と回答。
また現在通院中の有無では、
5割弱が「通院していない」
4割が
「通院中」
と回答した。
【解析結果】サービス利用者の 属性分布
08
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「オンラインお薬相談サービス」
に相談した
〈症状〉
として最も多かったものは、
「皮膚」
に関する相談が23%、
続いて
「性」
が17%、
「痛み」
に関する相談が14%、
「睡眠」
に関する相談が13%であった。
⃝「皮膚」:皮膚に関する相談 ⃝「性」:性や更年期などの相談 ⃝「痛み」:痛みに関する相談 ⃝「睡眠」:睡眠に関する相談 ⃝「消化器症状」:下痢/便秘/胃痛/胃もたれ/嘔
吐/吐き気/味覚に関する相談 ⃝「精神」:精神疾患に関する相談 ⃝「風邪」:風邪に関する相談 ⃝「目」:目に関する相談 ⃝「耳」:耳に関する相談 ⃝「アレルギー」:アレ
ルギーに関する相談 ⃝「咳」:咳に関する相談 ⃝「その他」:足/だるさ/喘息/めまい/動悸/息苦しさ/副鼻腔炎/貧血/摂食障害/育毛/がん/首/四十肩/汗/体臭/腎盂炎に関する相談
図6 )サービス利用者の相談内容(症状別)
89
66
56 51
27 24 24
7 6 6 5
27
N=388(人)
図7 )サービス利用者の相談内容(年齢/症状別)
N=388(人)
【解析結果】サービス利用者の 症状別 分類
09
件数(件)
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⃝「おすすめの薬」:症状に対するおすすめの薬を尋ねる相談 ⃝「飲み合わせ」: 薬の飲み合わせに関する相談対処法、症状に対してどう
するべきか尋ねる相談(「おすすめの薬」には分類されない場合) ⃝「使い方」:薬の使い方、使う量を尋ねる相談 ⃝「副作用」:薬の
副作用に関する相談 ⃝「授乳中」:授乳中の薬の服用に関する相談 ⃝「病院に行けない」:諸事情により受診できない方からの相談
図8 )オンラインお薬相談サービスに相談した内容別
N=576(件)
表 2 )相談内容「飲み合わせ」
の内訳
N=121(件)
【解析結果】サービス利用者の 相談内容別 分類
利用者が薬剤師に相談した内容を分類すると、
症状に対する
「おすすめの薬」
の相談と
「飲み合わせ」
の相談の両方で
過半数を占めた。
さらにその
「飲み合わせ」
に関する相談121件の内訳を見ると、
「OTC医薬品に関する飲み合わせ」
と
「処方箋薬どうしの飲み合わせ」
の2つで、
全体の75%を占めた。
10
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表 3 )オンラインお薬相談サービスに相談した内容別
   (OTC医薬品が関わる相談)
また、利用者が薬剤師に相談した内容を
〈OTC 医薬品に関する相談〉
に限定すると、
88件(N=576件中、15%)
見られ、さらにそれを特徴別に分類すると「飲み合わせ」
の相談が6割を占め、次に「使い方」
(16%)がなる。
【解析結果】サービス利用者の 相談内容別 分類
※ その他、利用者が相談した薬の種類として、サプリメントが関わる相談は26件、
  指定医薬部外品が関わる相談は3件、化粧品が関わる相談は1件あった。
N=88
(件)
11
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「オンライン相談サービス」
利用した人に対する
〈薬剤師の対応〉
として、
最も多かったものは
「OTCの紹介」
(34%)
、
「一般的な受診勧奨」
(28%)
の2つで全体の6割を占めたことから、
オンライン相談によって症状に合った薬の紹介や
受診勧奨といった治療への貢献が一定数あったと考えられる。
【解析結果】相談を受けた薬剤師の対応
図9 )相談を受けた薬剤師の対応分類
12
© minacolor, Inc. All rights reserved.
〈 受診勧奨の事例 〉
・ 処方薬がほしい方に対して、受診しなければ手に入らないことを説明
・ OTC医薬品では対応できない方に対し、
受診するよう説明
・ 薬による副作用の可能性がある方に対し、
受診するよう説明
・OTC医薬品を試しても症状が改善しなかった方に対し、
受診するよう説明
・ 受診先の診断に納得がいかない方に対し、
セカンドオピニオンを提案
・ 薬を誤用してしまった方に対し、
受診するよう説明
薬剤師が利用者に対して行った
〈一般的な受診勧奨の代表事例〉
として、
「処方薬がほしい方」
や
「OTC医薬品では
対応できない方」
、
また
「薬の副作用の可能性がある方」に対して
「受診の必要性を説明すること」
が挙げられた。
・ 妊娠中の方に対し、
薬の服用に関して説明
・ 授乳中の方に対し、
薬の服用に関して説明
・ 薬による副作用の可能性がある方に対し、
服用中止、
  又は一般的な受診勧奨
・ 使用期限が過ぎている薬を使わないよう説明
・ 症状が悪化する可能性のある方に対し、
一部OTC医薬品を
  避けるよう説明
・ 薬を服用しても改善しない方に対し、
受診するよう説明
・ 症状に合わない薬を服用している方に対し、他の薬を提案
  又は一般的な受診勧奨
・ 処方薬を医師の指示通りに服用するよう説明
・ 薬の使用方法を説明
(使用量、使用部位、
使用タイミング、
  使用期間)
・ 飲み合わせがよくない薬を説明
※ 受診勧奨以外〈 不適正使用を未然に防いだ事例 〉
【解析結果】薬剤師による受診勧奨の代表事例
13
薬剤師による
「オンライン相談サービス」
解析結果からの考察
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考察まとめ
お薬相談を利用する
〈相談者の属性〉
お薬相談の対象となる
〈症状〉
お薬相談の
〈相談内容〉
相談を受けた〈薬剤師の対応〉
◎ 妊娠中や授乳中の薬の服用に関する相談を受ける場として、


オンラインお薬相談サービスが果たす役割は大きい
◎ 「薬の飲み合わせ」に関する相談が多く、
疑問を日常的に


 抱えている可能性がある
◎ オンライン相談でお薬の対象となる症状には、
患者自身で


判断しにくい
「皮膚症状の相談」
や、
対面では相談しにくい


「性に関する相談」
の需要が多かった
◎ いざ使用する時の使い方の疑問やトラブルを解決する場


として一定数のニーズがあった
◎ 副作用と疑わしい症状が現れた際に、使い続けるべきか


どうか消費者自身で判断できない場合や病院に行けない時の


対処法を聞きたい時、
薬剤師によるオンライン相談サービス


は疑問解決の一助となりうる
◎ 相談の内容としては、
処方薬どうしの飲み合わせといった


「飲み合わせ」
や塗り薬の使用場所や使用タイミングなど


「使い方」
、
また
「副作用」
の相談が目立った
◎ 全572件のオンライン相談のうち「OTC医薬品を紹介した」


件数は157件、
次に「一般的な受診勧奨をした」が128件あり、


後者は、
受診すべき消費者が受診せず放置される症状悪化の


リスク回避にオンライン相談が、
重要な役割を果たしていると


言える
15
© minacolor, Inc. All rights reserved.
妊娠中や授乳中の相談者数は37人
(女性の相談者の9%)
にとどまったが(図3)
、
そのほとんどが妊娠中や授乳中の薬の使用の可否
についての相談であった。
母体や胎児、
母乳への影響について十分な注意が必要な一方で、医薬品の使用によるリスクを過剰に心配し患者本人が自己判断により
服薬を中止する恐れもあるため、妊娠中や授乳中の薬の服用に関する相談を受ける場として、オンラインお薬相談サービスが果たす役
割は大きいと考えられる。お薬相談の中で、妊娠と薬相談センターへ紹介するというあり方も考えられる。
相談内容は、
薬の飲み合わせに関する質問が多く
(図8)
、
処方薬どうしの飲み合わせや、処方薬とOTC医薬品との飲み合わせに関する疑
問を日常的に抱えていることが考えられる。
お薬相談を利用する
〈相談者の属性〉
お薬相談の対象となる
〈症状〉
皮膚に関する相談の件数が最も多く、
その中でもおすすめの薬を尋ねる相談の件数が42件あった
(表2、図6)
。皮膚症状は多岐にわた
り、OTC医薬品には多くの外用剤が存在するため、
患者自身で判断しにくいことが理由として考えられる。次に多いのは、性に関する
相談の件数であった。実店舗で相談しない理由として
「薬局で対面で聴けない事も、
オンラインなら正確に状況を説明出来る」
「男性に
面と向かって言うのは恥ずかしく、
女性の薬剤師がいるか分からなかった」
といった意見が挙げられたように、対面では相談しにくい
内容もオンラインならば相談できるというメリットが考えられる。
考察(1/4)
16
© minacolor, Inc. All rights reserved.
「処方薬どうしの飲み合わせ」
に関する相談は、
飲み合わせに関する相談121件の約1/3
(40件)
を占める結果であった
(表4)
。
処方薬どうしの飲み合わせでは、
他科でもらった処方薬との飲み合わせが多く、
なかには、
病院や薬局での聞き忘れや伝え忘れが理由
でオンライン相談を利用している相談者もいた。
「使い方」
に関する相談は41件であり
(表3)
、
塗り薬の使用場所や使用タイミングに関する相談が目立った。他には 坐薬を入れて
10分後に便をしたが大丈夫ですか? 高熱が続き一刻も早く熱を下げたいのでカロナールを1日3回服用してもよいですか? など、
いざ使用する時の使い方の疑問やトラブルを解決する場でも相談されていた。
「副作用」
に関する相談には、3日前から抗生剤を飲んでいますが下痢が酷く飲み続けるべきか悩んでいます。 昨日イソソルビドを
処方され飲んだのですが、
今朝吐き気があります。飲み続けたほうがいいですか? など、
相談者は服用を続けるべきか悩んでいる人が
多かった。
副作用と疑わしい症状が現れた際に、
病院に行くことなくオンラインで相談できる場があることで、
患者が誤った自己判断をするリス
クを避けることができると考えられる。実際、
副作用に関する相談のうち一般的な受診勧奨を行ったり、
薬の不適正使用を未然に防
いだりした事例は17件あった。薬を使うべきかどうか、
使い続けるべきかどうか消費者自身で判断できない場合にも、
薬剤師によるオ
ンライン相談サービスは疑問解決の一助となりうる。
お薬相談の
〈相談内容〉
考察(2/4)
17
© minacolor, Inc. All rights reserved.
「病院に行けない」
相談
(図8)としては、
「病院に行けず処方薬が不足するので、数日分代用できる市販薬を紹介してほしい」
「病院
に行けないから症状に合う市販薬を紹介してほしい」
「運転もできないほどの高熱で病院に行けないから市販薬を教えてほしい」など
市販薬を紹介してほしいという事例があり、
病院に行けない間の対処法を聞くことができるのはオンラインならではの強みといえる。
一方で、
「病院に行く時間がないから処方薬を購入できないか」
「病院が遠方にあるので処方薬を購入したい」
という処方薬のオンラ
イン購入に対するニーズは高く、
オンライン診療やスイッチOTCの普及によりこうした要望に応えることができるようになると考えら
れる。
OTC医薬品の副作用を早期発見することが重要であると言われているが、現状まだ社会的認知度が低く医療用医薬品の副作用よりも
発見が遅くなる可能性があるが、
オンライン相談には、
医療用医薬品とOTC医薬品の
「飲み合わせ」や塗り薬の
「使い方」
、授乳中の
OTC医薬品の
「服用の可否」など、
「OTC医薬品」に関する相談が計88件あり
(表5)
、
結果としてOTC医薬品の不適正使用を未然に
防ぎ、副作用発生の可能性を軽減することに貢献していると考えられる。


不適正使用を未然に防いだ事例としては、
「塗り薬の使用可能部位以外への使用の禁止」
「授乳中の服用を避けるべきとされる薬の服
用の禁止」
「漫然としたOTC医薬品の使用の禁止」などがあった。OTC医薬品についても購入後の継続的なフォローアップが重要と
考えられるなかで、
実店舗での相談ではアプローチできなかった消費者に対しても、
オンライン相談でアプローチできる可能性があり、
OTC医薬品に関する継続的なフォローアップの機会を増やす一助となることが考えられる。
考察(3/4)
18
© minacolor, Inc. All rights reserved.
相談を受けた
〈薬剤師の対応〉
その時服用している薬との飲み合わせも考慮した上でOTC医薬品を紹介できることや、
使用方法を説明しながらOTC医薬品を紹介でき
ることは、
薬剤師による対面相談/オンライン相談の魅力である。オンライン相談のうちOTC医薬品を紹介した件数は157件であり
(表6)
、
薬剤師によるオンライン相談も、
症状に合ったOTC医薬品の紹介に貢献していると言える。
特筆すべきは、
全572件の相談のうち、一般的な受診勧奨をした事例が128件あるということ
(表6)
。受診勧奨の事例で取り上げた中
でも、
「OTC医薬品では対応できない方に対し、受診する用説明」
した事例や、
「薬による副作用の可能性がある方に対し、
受診するよ
う説明」
した事例のような、
「処方薬がほしい方に対して受診しなければならないことを説明」
した事例以外の事例が本質的に重要であ
り、
99件あった。受診すべき消費者が受診しないままでいるリスクの回避にオンライン相談が重要な役割を果たしていると考えられる。
OTC医薬品を紹介する際でも、
漫然的な投与をしないよう ⃝日服用しても改善しない場合は受診してください というアドバイスがで
きるということも、
受診しないままでいるリスク回避につながる。
考察(4/4)
19
20
『ミナカラ』
について
「ミナカラ」
は、
ユーザーが正しい知識とともに医薬品を購入できるオンライン薬局です。
オフラインの薬局と同じように、薬剤師や薬剤師が保有する情報から自分の症状にあった薬を知ることは
もちろん、
インターネット決済での購入 ※、
その後の服薬管理まで一気通貫で価値提供を行っています。
現在提供している一般用医薬品を中心とした商品の取り扱い点数は800SKUを超え、一般用医薬品を
はじめ製薬会社と独自開発したプライベート商品の中から、患者様の症状に対して最適な薬をご提案します。
< ミナカラで出来ること >
● 調べる ー 薬剤師監修の医療情報を入手
● 選ぶ   ー 数ある医薬品の中から自身に
      合った薬を選択
社名   : 株式会社ミナカラ
住所   : 〒101-0047 東京都千代田区内神田三丁目18番3号
代表   : 喜納 信也
設立   : 2013年11月
事業内容 : オンライン薬局『ミナカラ』の運営
企業HP  : https://about.minacolor.com/
       メーカー様や利用者様のミナカラに関するお問い合わせは下記までご連絡ください。
お問い合わせフォーム: https://about.minacolor.com/contact/
企業情報
● 購入する ー 医薬品のオンライン購入


● 相談する ー 薬剤師への無料チャット相談
※ インターネット決済における各医薬品の購入は、医薬品区分の規定に基づいた販売方法にてご提供しております。
https://minacolor.com/
薬剤師による「オンライン相談」実態調査報告書

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薬剤師による「オンライン相談」実態調査報告書

  • 2. 薬剤師による 「オンライン相談」 実態調査 報告書 © minacolor, Inc. All rights reserved. 03 04 05 07 09 10 12 13 15 16 20 INDEX  実態調査の背景  実態調査の目的  解析方法 薬剤師による「オンライン相談サービス」解析結果  サービス利用者の 属性分布  サービス利用者の 症状別 分類  サービス利用者の 相談内容別 分類  相談を受けた薬剤師の対応  薬剤師による受診勧奨の代表事例 薬剤師による「オンライン相談サービス」 解析結果からの考察  考察まとめ 
  考察1/4-4/4 ミナカラについて
  • 3. © minacolor, Inc. All rights reserved. 実態調査の背景 「オンライン診療の適切な実施に関する指針 (令和元年7月 厚生労働省) 」 において、 
 薬剤師は、 医師以外が行う遠隔健康医療相談の1つとして、 患者様からの相談をオンラインで応需ができます。  
 一般的な医学的な情報の提供や、 一般的な受診勧奨(病院や医療機関などの紹介) などの情報提供が可能です。 患者様が抱える健康医療の相談は、 薬剤師にオンライン上で相談することができる役割を担える中で、 
 現状、 その取組みがほとんど実施されていない *セルフメディケーションについて:   世界保健機関 WHOの定義:個人が自身で認識した病や病の兆候を治療するため薬を選択して用いること。   国民医療費の増大を受けて、平成25年に発表された日本再興戦略にて「セルフメディケーションの実現」が 
   掲げられている(日本経済再生本部. 日本再興戦略-JAPAN is BACK-. 59-68, 2013.) 
   WHO. 1998. The Role of Pharmacist in Self-Care and Self-Medication : https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/65860/     WHO_DAP_98.13.pdf?sequence=1&isAllowed=y (参照日2020年6月27日)  ・ 業界全体として、 薬剤師によるオンラインでの相談応需に関する調査実施数が少なく、 
 その有用性に関する知見も乏しい状態が続いています。 こうしたオンラインでの相談は、対面を避けて相談したいという患者様の課題を解決し、 
 時間や場所を制限されずセルフメディケーション*をサポートできる可能性がありますが、実店舗ではない、 
 オンラインによる相談の取り組みはほとんど実施されていない状況が続いています。 03
  • 4. © minacolor, Inc. All rights reserved. 今回ミナカラと慶應義塾大学は、共同研究の一環で 
 「薬剤師によるオンライン相談に関する実態調査*」を実施。 
 薬剤師によるオンライン相談の実態を把握することで、 その 
 有用性や課題を明らかにし、 安定的な薬剤提供する医療体制 
 づくりの参考情報として 「薬剤師によるオンライン相談に関す る実態調査」 を公開します。 
 患者様がオンライン上で薬剤師に相談した記録を解析し、 
 患者様が薬剤師に行った相談の特徴や、相談によってセルフ メディケーションの適正化が図られた事例を明らかにします。 慶應義塾大学がミナカラで実施する 「薬剤師によるオンライン相談」 の 実記録データを解析し、 有用性を明らかにする オンライン薬局〈ミナカラ薬局〉 
 に在籍する薬剤師が、患者様からの相談を応需 実態調査の目的 * 前迫大典, 小川亮, 児玉亮二, 須永賢太, 喜納信也, 木崎速人, 堀里子. 
   薬剤師によるオンライン相談の実態調査. 日本薬学会第141年会, 2021年3月28日. 04
  • 5. © minacolor, Inc. All rights reserved. 解析方法 ① 相談に先立って、 相談者(患者様) にアンケート形式で問診を行う 
 ② 相談者 (患者様) がチャットによる質問を行い、 ミナカラ薬局の   薬剤師が回答する 相談者問診データから、 相談者の属性を項目 (年齢、 性別、 妊娠の有無、 
 アレルギーの有無等) ごとに単純集計を実施 サンプル数 (相談問診数) :572(相談者総数:481) 
 解析に用いたサービス実施の記録期間: 2019年5月 ∼ 2020年1月 ① 事前の問診アンケート ② チャットを通じた   相談者との質問応対 〈 ミナカラの 「オンライン相談サービス」 記録 〉 〈 相談記録データ 〉 「オンライン相談サービス」実際画面 また、相談内容データの内容分析を行い、 相談内容の傾向(症状別/相談 内容別) を解析。相談者の属性ごとの相談内容の傾向もあわせて解析する とともに、 相談内容データから相談を受けた薬剤師の対応を解析した。 * 本調査は、慶應義塾大学薬学部「人を対象とした研究倫理委員会」の承認を受けて実施した【承200409-1】 05
  • 7. © minacolor, Inc. All rights reserved. 「オンラインお薬相談サービス」 の利用者を解析したところ、 「女性」 が6割以上を占め、 年代別の相談人数では20代、 30代の利用者が全体の5割以上を占め、 20代以降年代が上がるほど相談は減少する傾向が見られた。 図1 )サービス利用者の分布 (性別) 図2 )サービス利用者の分布 (年齢別) N=481(人) N=260(人) (不明分221を除く) 【解析結果】サービス利用者の 属性分布 07
  • 8. © minacolor, Inc. All rights reserved. 図5 )サービス利用者の分布    (通院中の有無別) N=481(人) 図4 )サービス利用者の分布    (薬に対するアレルギーの有無別) N=481(人) 図3 )サービス利用者の分布    (妊娠/授乳の有無別) N=386(人) (男性95名を除く) サービス利用者の妊娠/授乳の有無については「妊娠していない」 が7割を占め、 薬に対するアレルギーの有無の質問にも 7割が 「アレルギー無し」 と回答。 また現在通院中の有無では、 5割弱が「通院していない」 4割が 「通院中」 と回答した。 【解析結果】サービス利用者の 属性分布 08
  • 9. © minacolor, Inc. All rights reserved. 「オンラインお薬相談サービス」 に相談した 〈症状〉 として最も多かったものは、 「皮膚」 に関する相談が23%、 続いて 「性」 が17%、 「痛み」 に関する相談が14%、 「睡眠」 に関する相談が13%であった。 ⃝「皮膚」:皮膚に関する相談 ⃝「性」:性や更年期などの相談 ⃝「痛み」:痛みに関する相談 ⃝「睡眠」:睡眠に関する相談 ⃝「消化器症状」:下痢/便秘/胃痛/胃もたれ/嘔 吐/吐き気/味覚に関する相談 ⃝「精神」:精神疾患に関する相談 ⃝「風邪」:風邪に関する相談 ⃝「目」:目に関する相談 ⃝「耳」:耳に関する相談 ⃝「アレルギー」:アレ ルギーに関する相談 ⃝「咳」:咳に関する相談 ⃝「その他」:足/だるさ/喘息/めまい/動悸/息苦しさ/副鼻腔炎/貧血/摂食障害/育毛/がん/首/四十肩/汗/体臭/腎盂炎に関する相談 図6 )サービス利用者の相談内容(症状別) 89 66 56 51 27 24 24 7 6 6 5 27 N=388(人) 図7 )サービス利用者の相談内容(年齢/症状別) N=388(人) 【解析結果】サービス利用者の 症状別 分類 09 件数(件)
  • 10. © minacolor, Inc. All rights reserved. ⃝「おすすめの薬」:症状に対するおすすめの薬を尋ねる相談 ⃝「飲み合わせ」: 薬の飲み合わせに関する相談対処法、症状に対してどう するべきか尋ねる相談(「おすすめの薬」には分類されない場合) ⃝「使い方」:薬の使い方、使う量を尋ねる相談 ⃝「副作用」:薬の 副作用に関する相談 ⃝「授乳中」:授乳中の薬の服用に関する相談 ⃝「病院に行けない」:諸事情により受診できない方からの相談 図8 )オンラインお薬相談サービスに相談した内容別 N=576(件) 表 2 )相談内容「飲み合わせ」 の内訳 N=121(件) 【解析結果】サービス利用者の 相談内容別 分類 利用者が薬剤師に相談した内容を分類すると、 症状に対する 「おすすめの薬」 の相談と 「飲み合わせ」 の相談の両方で 過半数を占めた。 さらにその 「飲み合わせ」 に関する相談121件の内訳を見ると、 「OTC医薬品に関する飲み合わせ」 と 「処方箋薬どうしの飲み合わせ」 の2つで、 全体の75%を占めた。 10
  • 11. © minacolor, Inc. All rights reserved. 表 3 )オンラインお薬相談サービスに相談した内容別    (OTC医薬品が関わる相談) また、利用者が薬剤師に相談した内容を 〈OTC 医薬品に関する相談〉 に限定すると、 88件(N=576件中、15%) 見られ、さらにそれを特徴別に分類すると「飲み合わせ」 の相談が6割を占め、次に「使い方」 (16%)がなる。 【解析結果】サービス利用者の 相談内容別 分類 ※ その他、利用者が相談した薬の種類として、サプリメントが関わる相談は26件、   指定医薬部外品が関わる相談は3件、化粧品が関わる相談は1件あった。 N=88 (件) 11
  • 12. © minacolor, Inc. All rights reserved. 「オンライン相談サービス」 利用した人に対する 〈薬剤師の対応〉 として、 最も多かったものは 「OTCの紹介」 (34%) 、 「一般的な受診勧奨」 (28%) の2つで全体の6割を占めたことから、 オンライン相談によって症状に合った薬の紹介や 受診勧奨といった治療への貢献が一定数あったと考えられる。 【解析結果】相談を受けた薬剤師の対応 図9 )相談を受けた薬剤師の対応分類 12
  • 13. © minacolor, Inc. All rights reserved. 〈 受診勧奨の事例 〉 ・ 処方薬がほしい方に対して、受診しなければ手に入らないことを説明 ・ OTC医薬品では対応できない方に対し、 受診するよう説明 ・ 薬による副作用の可能性がある方に対し、 受診するよう説明 ・OTC医薬品を試しても症状が改善しなかった方に対し、 受診するよう説明 ・ 受診先の診断に納得がいかない方に対し、 セカンドオピニオンを提案 ・ 薬を誤用してしまった方に対し、 受診するよう説明 薬剤師が利用者に対して行った 〈一般的な受診勧奨の代表事例〉 として、 「処方薬がほしい方」 や 「OTC医薬品では 対応できない方」 、 また 「薬の副作用の可能性がある方」に対して 「受診の必要性を説明すること」 が挙げられた。 ・ 妊娠中の方に対し、 薬の服用に関して説明 ・ 授乳中の方に対し、 薬の服用に関して説明 ・ 薬による副作用の可能性がある方に対し、 服用中止、   又は一般的な受診勧奨 ・ 使用期限が過ぎている薬を使わないよう説明 ・ 症状が悪化する可能性のある方に対し、 一部OTC医薬品を   避けるよう説明 ・ 薬を服用しても改善しない方に対し、 受診するよう説明 ・ 症状に合わない薬を服用している方に対し、他の薬を提案   又は一般的な受診勧奨 ・ 処方薬を医師の指示通りに服用するよう説明 ・ 薬の使用方法を説明 (使用量、使用部位、 使用タイミング、   使用期間) ・ 飲み合わせがよくない薬を説明 ※ 受診勧奨以外〈 不適正使用を未然に防いだ事例 〉 【解析結果】薬剤師による受診勧奨の代表事例 13
  • 15. © minacolor, Inc. All rights reserved. 考察まとめ お薬相談を利用する 〈相談者の属性〉 お薬相談の対象となる 〈症状〉 お薬相談の 〈相談内容〉 相談を受けた〈薬剤師の対応〉 ◎ 妊娠中や授乳中の薬の服用に関する相談を受ける場として、 
 オンラインお薬相談サービスが果たす役割は大きい ◎ 「薬の飲み合わせ」に関する相談が多く、 疑問を日常的に 
  抱えている可能性がある ◎ オンライン相談でお薬の対象となる症状には、 患者自身で 
 判断しにくい 「皮膚症状の相談」 や、 対面では相談しにくい 
 「性に関する相談」 の需要が多かった ◎ いざ使用する時の使い方の疑問やトラブルを解決する場 
 として一定数のニーズがあった ◎ 副作用と疑わしい症状が現れた際に、使い続けるべきか 
 どうか消費者自身で判断できない場合や病院に行けない時の 
 対処法を聞きたい時、 薬剤師によるオンライン相談サービス 
 は疑問解決の一助となりうる ◎ 相談の内容としては、 処方薬どうしの飲み合わせといった 
 「飲み合わせ」 や塗り薬の使用場所や使用タイミングなど 
 「使い方」 、 また 「副作用」 の相談が目立った ◎ 全572件のオンライン相談のうち「OTC医薬品を紹介した」 
 件数は157件、 次に「一般的な受診勧奨をした」が128件あり、 
 後者は、 受診すべき消費者が受診せず放置される症状悪化の 
 リスク回避にオンライン相談が、 重要な役割を果たしていると 
 言える 15
  • 16. © minacolor, Inc. All rights reserved. 妊娠中や授乳中の相談者数は37人 (女性の相談者の9%) にとどまったが(図3) 、 そのほとんどが妊娠中や授乳中の薬の使用の可否 についての相談であった。 母体や胎児、 母乳への影響について十分な注意が必要な一方で、医薬品の使用によるリスクを過剰に心配し患者本人が自己判断により 服薬を中止する恐れもあるため、妊娠中や授乳中の薬の服用に関する相談を受ける場として、オンラインお薬相談サービスが果たす役 割は大きいと考えられる。お薬相談の中で、妊娠と薬相談センターへ紹介するというあり方も考えられる。 相談内容は、 薬の飲み合わせに関する質問が多く (図8) 、 処方薬どうしの飲み合わせや、処方薬とOTC医薬品との飲み合わせに関する疑 問を日常的に抱えていることが考えられる。 お薬相談を利用する 〈相談者の属性〉 お薬相談の対象となる 〈症状〉 皮膚に関する相談の件数が最も多く、 その中でもおすすめの薬を尋ねる相談の件数が42件あった (表2、図6) 。皮膚症状は多岐にわた り、OTC医薬品には多くの外用剤が存在するため、 患者自身で判断しにくいことが理由として考えられる。次に多いのは、性に関する 相談の件数であった。実店舗で相談しない理由として 「薬局で対面で聴けない事も、 オンラインなら正確に状況を説明出来る」 「男性に 面と向かって言うのは恥ずかしく、 女性の薬剤師がいるか分からなかった」 といった意見が挙げられたように、対面では相談しにくい 内容もオンラインならば相談できるというメリットが考えられる。 考察(1/4) 16
  • 17. © minacolor, Inc. All rights reserved. 「処方薬どうしの飲み合わせ」 に関する相談は、 飲み合わせに関する相談121件の約1/3 (40件) を占める結果であった (表4) 。 処方薬どうしの飲み合わせでは、 他科でもらった処方薬との飲み合わせが多く、 なかには、 病院や薬局での聞き忘れや伝え忘れが理由 でオンライン相談を利用している相談者もいた。 「使い方」 に関する相談は41件であり (表3) 、 塗り薬の使用場所や使用タイミングに関する相談が目立った。他には 坐薬を入れて 10分後に便をしたが大丈夫ですか? 高熱が続き一刻も早く熱を下げたいのでカロナールを1日3回服用してもよいですか? など、 いざ使用する時の使い方の疑問やトラブルを解決する場でも相談されていた。 「副作用」 に関する相談には、3日前から抗生剤を飲んでいますが下痢が酷く飲み続けるべきか悩んでいます。 昨日イソソルビドを 処方され飲んだのですが、 今朝吐き気があります。飲み続けたほうがいいですか? など、 相談者は服用を続けるべきか悩んでいる人が 多かった。 副作用と疑わしい症状が現れた際に、 病院に行くことなくオンラインで相談できる場があることで、 患者が誤った自己判断をするリス クを避けることができると考えられる。実際、 副作用に関する相談のうち一般的な受診勧奨を行ったり、 薬の不適正使用を未然に防 いだりした事例は17件あった。薬を使うべきかどうか、 使い続けるべきかどうか消費者自身で判断できない場合にも、 薬剤師によるオ ンライン相談サービスは疑問解決の一助となりうる。 お薬相談の 〈相談内容〉 考察(2/4) 17
  • 18. © minacolor, Inc. All rights reserved. 「病院に行けない」 相談 (図8)としては、 「病院に行けず処方薬が不足するので、数日分代用できる市販薬を紹介してほしい」 「病院 に行けないから症状に合う市販薬を紹介してほしい」 「運転もできないほどの高熱で病院に行けないから市販薬を教えてほしい」など 市販薬を紹介してほしいという事例があり、 病院に行けない間の対処法を聞くことができるのはオンラインならではの強みといえる。 一方で、 「病院に行く時間がないから処方薬を購入できないか」 「病院が遠方にあるので処方薬を購入したい」 という処方薬のオンラ イン購入に対するニーズは高く、 オンライン診療やスイッチOTCの普及によりこうした要望に応えることができるようになると考えら れる。 OTC医薬品の副作用を早期発見することが重要であると言われているが、現状まだ社会的認知度が低く医療用医薬品の副作用よりも 発見が遅くなる可能性があるが、 オンライン相談には、 医療用医薬品とOTC医薬品の 「飲み合わせ」や塗り薬の 「使い方」 、授乳中の OTC医薬品の 「服用の可否」など、 「OTC医薬品」に関する相談が計88件あり (表5) 、 結果としてOTC医薬品の不適正使用を未然に 防ぎ、副作用発生の可能性を軽減することに貢献していると考えられる。 
 不適正使用を未然に防いだ事例としては、 「塗り薬の使用可能部位以外への使用の禁止」 「授乳中の服用を避けるべきとされる薬の服 用の禁止」 「漫然としたOTC医薬品の使用の禁止」などがあった。OTC医薬品についても購入後の継続的なフォローアップが重要と 考えられるなかで、 実店舗での相談ではアプローチできなかった消費者に対しても、 オンライン相談でアプローチできる可能性があり、 OTC医薬品に関する継続的なフォローアップの機会を増やす一助となることが考えられる。 考察(3/4) 18
  • 19. © minacolor, Inc. All rights reserved. 相談を受けた 〈薬剤師の対応〉 その時服用している薬との飲み合わせも考慮した上でOTC医薬品を紹介できることや、 使用方法を説明しながらOTC医薬品を紹介でき ることは、 薬剤師による対面相談/オンライン相談の魅力である。オンライン相談のうちOTC医薬品を紹介した件数は157件であり (表6) 、 薬剤師によるオンライン相談も、 症状に合ったOTC医薬品の紹介に貢献していると言える。 特筆すべきは、 全572件の相談のうち、一般的な受診勧奨をした事例が128件あるということ (表6) 。受診勧奨の事例で取り上げた中 でも、 「OTC医薬品では対応できない方に対し、受診する用説明」 した事例や、 「薬による副作用の可能性がある方に対し、 受診するよ う説明」 した事例のような、 「処方薬がほしい方に対して受診しなければならないことを説明」 した事例以外の事例が本質的に重要であ り、 99件あった。受診すべき消費者が受診しないままでいるリスクの回避にオンライン相談が重要な役割を果たしていると考えられる。 OTC医薬品を紹介する際でも、 漫然的な投与をしないよう ⃝日服用しても改善しない場合は受診してください というアドバイスがで きるということも、 受診しないままでいるリスク回避につながる。 考察(4/4) 19
  • 20. 20 『ミナカラ』 について 「ミナカラ」 は、 ユーザーが正しい知識とともに医薬品を購入できるオンライン薬局です。 オフラインの薬局と同じように、薬剤師や薬剤師が保有する情報から自分の症状にあった薬を知ることは もちろん、 インターネット決済での購入 ※、 その後の服薬管理まで一気通貫で価値提供を行っています。 現在提供している一般用医薬品を中心とした商品の取り扱い点数は800SKUを超え、一般用医薬品を はじめ製薬会社と独自開発したプライベート商品の中から、患者様の症状に対して最適な薬をご提案します。 < ミナカラで出来ること > ● 調べる ー 薬剤師監修の医療情報を入手 ● 選ぶ   ー 数ある医薬品の中から自身に       合った薬を選択 社名   : 株式会社ミナカラ 住所   : 〒101-0047 東京都千代田区内神田三丁目18番3号 代表   : 喜納 信也 設立   : 2013年11月 事業内容 : オンライン薬局『ミナカラ』の運営 企業HP  : https://about.minacolor.com/        メーカー様や利用者様のミナカラに関するお問い合わせは下記までご連絡ください。 お問い合わせフォーム: https://about.minacolor.com/contact/ 企業情報 ● 購入する ー 医薬品のオンライン購入 
 ● 相談する ー 薬剤師への無料チャット相談 ※ インターネット決済における各医薬品の購入は、医薬品区分の規定に基づいた販売方法にてご提供しております。 https://minacolor.com/