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統語的曖昧性・普遍性判定問題の決定可能性

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数学基礎論若手の会2017での発表資料を加筆修正したものです.

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統語的曖昧性・普遍性判定問題の決定可能性

  1. 1. 統語的曖昧性とは種々の文法において「文法が曖 昧かどうか」を表す性質であり,自然言語の形式 化やプログラミング言語の構文設計においても重 要となる性質です. 本資料では ①形式言語理論の基礎から始め, ②文脈自由文法の統語的曖昧性の定義といくつ
   かの基本的な性質を説明し, ③曖昧/無曖昧な文脈自由文法における
  普遍性判定問題(任意の文字列を導出するか
  どうかの判定)が決定不能/決定可能であること
 を説明しています. 本資料は数学基礎論若手の会2017での話者の発表内容に、さらに ③の証明についての簡単解説を付加したものです.
  2. 2. スライド作成: Ryoma Sin’ya (@sinya8282) 表紙絵: Suwa Takashi
  3. 3. 形式言語理論とは 文脈自由言語 統語的曖昧性 言語の母関数と代数関数 普遍性判定問題の決定可能性 スライド内容
  4. 4. 形式言語理論とは 文脈自由言語 統語的曖昧性 言語の母関数と代数関数 普遍性判定問題の決定可能性 スライド内容
  5. 5. “言語”を形式的に調べる 形式言語理論における“言語”とは単に
 文字列の集合. よりフォーマルには,有限集合Aで生成され る文字列全体(自由モノイド)の部分集合 を言語と呼ぶ.
  6. 6. “言語”を形式的に調べる Example: L = { w ∈ A | w は “回文” } = {ε, a, b, c, aa, bb, cc, aaa, aba, … } このような L を(A上の)言語と呼ぶ! A = {a, b, c} * 形式言語理論における“言語”とは単に
 文字列の集合. よりフォーマルには,有限集合Aで生成され る文字列全体(自由モノイド)の部分集合 を言語と呼ぶ.
  7. 7. “言語”を形式的に調べる Example: L = 正しい日本語の文章の集合 このような L は言語と呼ばない!
 なぜか? → 定義がガバガバで形式的でない A = 全ての漢字・ひらがな・カタカナ 形式言語理論における“言語”とは単に
 文字列の集合. よりフォーマルには,有限集合Aで生成され る文字列全体(自由モノイド)の部分集合 を言語と呼ぶ.
  8. 8. 自然言語の形式化 我々が日常話す言語はどのように形式的 に定義できるのだろうか? 言語解釈の計算量は?
 論理的・代数的な性質は? 形式言語理論の目標(の一部)
  9. 9. 自然言語の形式化 我々が日常話す言語はどのように形式的 に定義できるのだろうか? 言語解釈の計算量は?
 論理的・代数的な性質は? 形式言語理論の目標(の一部) 人工言語の形式化(応用的) プログラミング言語などへの応用
  10. 10. 自然言語の形式化 我々が日常話す言語はどのように形式的 に定義できるのだろうか? 言語解釈の計算量は?
 論理的・代数的な性質は? 形式言語理論の目標(の一部) 人工言語の形式化(応用的) プログラミング言語などへの応用 文字列の数理を極めたい(基礎的) 種々の言語クラス(言語の族)の代数的・
 論理的・計算論的側面を調べ尽くす. 言語に深い数学的構造はあるか?
  11. 11. 自然言語の形式化 我々が日常話す言語はどのように形式的 に定義できるのだろうか? 言語解釈の計算量は?
 論理的・代数的な性質は? 形式言語理論の目標(の一部) 人工言語の形式化(応用的) プログラミング言語などへの応用 文字列の数理を極めたい(基礎的) 種々の言語クラス(言語の族)の代数的・
 論理的・計算論的側面を調べ尽くす. 言語に深い数学的構造はあるか? いろいろありますが,そのうちの1つに “曖昧性”(後述)が挙げられると思います.
  12. 12. regular visibly pushdown deterministic context-free unambiguous context-free context-free indexed context-sensitive recursively enumerable higher-order ? order-3 PTIME star-free zero-one finite-cofinite piecewise testable NPTIME ? order-4 ? 形式言語理論での研究対象
 (言語クラス)のごく一部を列挙.
 上に行くほど広い言語クラス.
 白線は strict な包含関係.
  13. 13. regular visibly pushdown deterministic context-free unambiguous context-free context-free indexed context-sensitive recursively enumerable higher-order ? order-3 PTIME star-free zero-one finite-cofinite piecewise testable NPTIME ? order-4 ? 今日の話題の主要な
 言語クラスは regular (正則) と context-free 
 (文脈自由) !!! 形式言語理論での研究対象
 (言語クラス)のごく一部を列挙.
 上に行くほど広い言語クラス.
 白線は strict な包含関係.
  14. 14. スライド内容 形式言語理論とは 文脈自由言語 統語的曖昧性 言語の母関数と代数関数 普遍性判定問題の決定可能性
  15. 15. スライド内容 形式言語理論とは 文脈自由言語 統語的曖昧性 言語の母関数と代数関数 普遍性判定問題の決定可能性
  16. 16. 文脈自由言語
 (context-free language)
  17. 17. 一言で言うと「マッチング付き単項二階述 語論理式で定義できる言語」 文脈自由言語
 (context-free language)
  18. 18. 一言で言うと「マッチング付き単項二階述 語論理式で定義できる言語」 文脈自由言語
 (context-free language) 一言で言うと「スタック付き有限状態オート マトンで認識できる言語」
  19. 19. 一言で言うと「マッチング付き単項二階述 語論理式で定義できる言語」 文脈自由言語
 (context-free language) 一言で言うと「不動点付き正則表現
 (μ-regular expression)で定義できる言語」 一言で言うと「スタック付き有限状態オート マトンで認識できる言語」
  20. 20. 一言で言うと「マッチング付き単項二階述 語論理式で定義できる言語」 文脈自由言語
 (context-free language) 一言で言うと「不動点付き正則表現
 (μ-regular expression)で定義できる言語」 一言で言うと「正則木言語の葉の集合」 一言で言うと「スタック付き有限状態オート マトンで認識できる言語」
  21. 21. 一言で言うと「マッチング付き単項二階述 語論理式で定義できる言語」 文脈自由言語
 (context-free language) 一言で言うと「不動点付き正則表現
 (μ-regular expression)で定義できる言語」 一言で言うと「文脈自由文法で定義できる 言語」 一言で言うと「正則木言語の葉の集合」 一言で言うと「スタック付き有限状態オート マトンで認識できる言語」
  22. 22. 一言で言うと「マッチング付き単項二階述 語論理式で定義できる言語」 文脈自由言語
 (context-free language) 一言で言うと「不動点付き正則表現
 (μ-regular expression)で定義できる言語」 一言で言うと「文脈自由文法で定義できる 言語」 一言で言うと「正則木言語の葉の集合」 一言で言うと「スタック付き有限状態オート マトンで認識できる言語」
  23. 23. 文脈自由言語
 (context-free language) アルファベットA上の文脈自由文法とは3つ組
 G = (V, R, S) であって: Vは有限集合(元を“変数”と呼ぶ) R ⊆ V×(V∪A) を書き換え規則と呼ぶ s∈ V を初期変数と呼ぶ *+ Example 1: A = {a,b} G = ({s}, {(s,ε),(s, asa),(s, bsb)}, s) s → ε s → asa → absba → abεba = abba つまり [G] = {a,b}上の偶数長の回文全体
  24. 24. 文脈自由文法における決定問題 普遍性判定(universality) 入力:文法G 出力:[G] = A が成り立つか?
 (全ての語を含むかどうか) 語の所属判定(membership) 入力:文法Gと語w 出力: w ∈ [G] か? 等価性判定(equivalence) 入力:文法Gと文法H 出力: [G] = [H] か? *
  25. 25. 構文木 文法Gと語 w ∈ [G] について, wの(G-)構文木 とは w を生成するGの書き換え規則の有限適 用列を木で表現したもの.
  26. 26. 構文木 文法Gと語 w ∈ [G] について, wの(G-)構文木 とは w を生成するGの書き換え規則の有限適 用列を木で表現したもの. 葉を左から並べると (書き換えた結果の)
 語になっている A = {<,>} G = ({s}, {(s, <>), (s, ss), (s, <s>)}, s) s → ss → <s>s → <<>>s → <<>><>s → <> s < > s s s < s > < > < > Example:
  27. 27. 構文木 文法Gと語 w ∈ [G] について, wの(G-)構文木 とは w を生成するGの書き換え規則の有限適 用列を木で表現したもの. 葉を左から並べると (書き換えた結果の)
 語になっている A = {<,>} G = ({s}, {(s, <>), (s, ss), (s, <s>)}, s) s → ss → <s>s → <<>>s → <<>><>s → <> s < > s s s < s > < > < > Example:
  28. 28. 構文木 文法Gと語 w ∈ [G] について, wの(G-)構文木 とは w を生成するGの書き換え規則の有限適 用列を木で表現したもの. 「構文木を作ること」を構文解析と呼ぶ. 構文解析を行うアルゴリズムが存在する
 → 語の所属問題が解ける.
 (構文解析をせず語の所属問題を解く
   方法もある: オートマトンなど)
  29. 29. 文脈自由文法における決定問題 普遍性判定(universality) 入力:文法G 出力:[G] = A が成り立つか?
 (全ての語を含むかどうか) 語の所属判定(membership) 入力:文法Gと語w 出力: w ∈ [G] か? 等価性判定(equivalence) 入力:文法Gと文法H 出力: [G] = [H] か? *
  30. 30. regular visibly pushdown deterministic context-free unambiguous context-free context-free indexed context-sensitive recursively enumerable higher-order ? order-3 PTIME star-free zero-one finite-cofinite piecewise testable NPTIME ? order-4 ?
  31. 31. regular visibly pushdown deterministic context-free unambiguous context-free context-free indexed context-sensitive recursively enumerable higher-order ? order-3 PTIME star-free zero-one finite-cofinite piecewise testable NPTIME ? (線より下は)
 文法の等価性が決定可能 order-4 ?
  32. 32. regular visibly pushdown deterministic context-free unambiguous context-free context-free indexed context-sensitive recursively enumerable higher-order ? order-3 PTIME star-free zero-one finite-cofinite piecewise testable NPTIME ? (線より下は)
 文法の等価性が決定可能 普遍性が決定可能 order-4 ?
  33. 33. regular visibly pushdown deterministic context-free unambiguous context-free context-free indexed context-sensitive recursively enumerable higher-order ? order-3 PTIME star-free zero-one finite-cofinite piecewise testable NPTIME ? (線より下は)
 文法の等価性が決定可能 普遍性が決定可能 空性が決定可能order-4 ?
  34. 34. regular visibly pushdown deterministic context-free unambiguous context-free context-free indexed context-sensitive recursively enumerable higher-order ? order-3 PTIME star-free zero-one finite-cofinite piecewise testable NPTIME ? (線より下は)
 文法の等価性が決定可能 普遍性が決定可能 空性が決定可能 語の所属が決定可能 order-4 ?
  35. 35. 形式言語理論とは 文脈自由言語 統語的曖昧性 言語の母関数と代数関数 普遍性判定問題の決定可能性 スライド内容
  36. 36. 形式言語理論とは 文脈自由言語 統語的曖昧性 言語の母関数と代数関数 普遍性判定問題の決定可能性 スライド内容
  37. 37. - - ( ) [ ] — ( )
  38. 38. - - ( ) [ ] — ( ) — 
 — 

  39. 39. 「曖昧」という言葉の意味自体は一般用語にお いては曖昧ではあるが,共通認識として「はっきり としないこと」
 「なんかモヤっとしてること」というイメージは
 (Google画像検索からも)なんとなくわかる.
  40. 40. 「曖昧」という言葉の意味自体は一般用語にお いては曖昧ではあるが,共通認識として「はっきり としないこと」
 「なんかモヤっとしてること」というイメージは
 (Google画像検索からも)なんとなくわかる. 一方,形式言語理論においては
 「曖昧(統語的に曖昧)」という用語ははっきりと した定義を持つ専門用語である.
  41. 41. 「曖昧」という言葉の意味自体は一般用語にお いては曖昧ではあるが,共通認識として「はっきり としないこと」
 「なんかモヤっとしてること」というイメージは
 (Google画像検索からも)なんとなくわかる. 一方,形式言語理論においては
 「曖昧(統語的に曖昧)」という用語ははっきりと した定義を持つ専門用語である. 形式言語における曖昧性は
 「構文木の重複」を表す.
  42. 42. 構文木 文法Gと語 w ∈ [G] について, wの(G-)構文木 とは w を生成するGの書き換え規則の有限適 用列を木で表現したもの. 構文木が複数ある場合も文法によってはありえ る!!
  43. 43. 構文木 文法Gと語 w ∈ [G] について, wの(G-)構文木 とは w を生成するGの書き換え規則の有限適 用列を木で表現したもの. 構文木が複数ある場合も文法によってはありえ る!! A = {<,>} G = ({s}, {(s, <>), (s, ss), (s, <s>)}, s) s ss < > s < > s < > s s < > s s < > s < > どちらも <><><> の構文木!!
  44. 44. 文脈自由文法G = (V, R, s)について,全て の語wでwのG-構文木がたかだか1つしか無い 時,Gを無曖昧な文法と呼ぶ. 形式言語理論における「曖昧性」
  45. 45. 文脈自由文法G = (V, R, s)について,全て の語wでwのG-構文木がたかだか1つしか無い 時,Gを無曖昧な文法と呼ぶ. 形式言語理論における「曖昧性」 無曖昧な文法で定義できる文脈自由言語 を無曖昧文脈自由言語と呼ぶ. 無曖昧でない文脈自由言語は
 「本質的に曖昧」などと言う.
  46. 46. 自然言語にも曖昧性 Time flies like an arrow.
  47. 47. 自然言語にも曖昧性 Time flies like an arrow. (絵 by Suwaさん)
  48. 48. 自然言語にも曖昧性 Time flies like an arrow. s NP VP V PP (絵 by Suwaさん)
  49. 49. 自然言語にも曖昧性 Time flies like an arrow. s NP VP V PP Time flies like an arrow. s NP VP V NP (絵 by Suwaさん)
  50. 50. 自然言語にも曖昧性 Time flies like an arrow. s NP VP V PP Time flies like an arrow. s NP VP V NP (絵 by Suwaさん)
  51. 51. 自然言語にも曖昧性 Time flies like an arrow. s NP VP V PP Time flies like an arrow. VP V NP PP Time flies like an arrow. s NP VP V NP (絵 by Suwaさん)
  52. 52. 自然言語にも曖昧性 Time flies like an arrow. s NP VP V PP Time flies like an arrow. VP V NP PP Time flies like an arrow. s NP VP V NP (絵 by Suwaさん)
  53. 53. 自然言語にも曖昧性(cont.) 純粋に言語学的な立場から言うと,
 曖昧さには3つの主な型がある.すなわち, 音声の面におけるもの,
 文法の面におけるもの,
 意味の面におけるものの3つである. Stephen Ullmann,“Semantics: An Introduction to the Science of Meaning” より引用
  54. 54. 自然言語にも曖昧性(cont.) 純粋に言語学的な立場から言うと,
 曖昧さには3つの主な型がある.すなわち, 音声の面におけるもの,
 文法の面におけるもの,
 意味の面におけるものの3つである. Stephen Ullmann,“Semantics: An Introduction to the Science of Meaning” より引用 本資料における「統語的」曖昧性のこと
  55. 55. プログラミング言語にも曖昧性 プログラミング言語の構文などは無曖昧でないと困 る. if-then-else の 「ぶらさがり else 問題」
  56. 56. 実際には,各プログラミング言語ごとに,文法の
 曖昧性が無いように文法や仕様が決められている. プログラミング言語にも曖昧性 仕組み的に曖昧性が存在しない文法記述体系も 存在する. Parsing Expression Grammars (PEGs) など
  57. 57. 構文木 文法Gと語 w ∈ [G] について, wの(G-)構文木 とは w を生成するGの書き換え規則の有限適 用列を木で表現したもの. 構文木が複数ある場合も文法によってはありえ る!! A = {<,>} G = ({s}, {(s,ε), (s, ss), (s, <s>)}, s) s ss < > s < > s < > s s < > s s < > s < > どちらも <><><> の構文木!!
  58. 58. A = {<,>} G = ({s}, {(s,ε), (s, ss), (s, <s>)}, s)
  59. 59. A = {<,>} G = ({s}, {(s,ε), (s, ss), (s, <s>)}, s)
  60. 60. この文法の下線部を次のように変更してみる A = {<,>} G = ({s}, {(s,ε), (s, ss), (s, <s>)}, s)
  61. 61. この文法の下線部を次のように変更してみる A = {<,>} G = ({s}, {(s,ε), (s, ss), (s, <s>)}, s) A = {<,>} G = ({s}, {(s,ε), (s, <s>s)}, s)
  62. 62. この文法の下線部を次のように変更してみる s s< > ε s s< > ε s s< > ε s ε A = {<,>} G = ({s}, {(s,ε), (s, ss), (s, <s>)}, s) A = {<,>} G = ({s}, {(s,ε), (s, <s>s)}, s)
  63. 63. この文法の下線部を次のように変更してみる s s< > ε s s< > ε s s< > ε s ε A = {<,>} G = ({s}, {(s,ε), (s, ss), (s, <s>)}, s) A = {<,>} G = ({s}, {(s,ε), (s, <s>s)}, s) すると <><><> の構文木がただ一つに!!
  64. 64. 無曖昧化(Disambiguation) 言語が同じでも,文法を変更すると曖昧性がな くなる(構文木が常に一つに定まる)場合がある 無曖昧な文法に常に変更できるわけではない. つまり,本質的に曖昧な言語は存在する! s s< > ε s s< > ε s s< > ε s ε A = {<,>} G = ({s}, {(s,ε), (s, <s>s)}, s)
  65. 65. 正則言語(regular language)は非常に解析しやす い言語クラス. 正則言語の理論は綺麗に木言語(木の集合)に
 拡張できる → 正則木言語の理論 実は,「言語Lがある木正則言語Rの葉の集合」と
    「Lは文脈自由言語」は等価な性質. 木正則言語と文脈自由言語
  66. 66. 正則言語(regular language)は非常に解析しやす い言語クラス. 正則言語の理論は綺麗に木言語(木の集合)に
 拡張できる → 正則木言語の理論 実は,「言語Lがある木正則言語Rの葉の集合」と
    「Lは文脈自由言語」は等価な性質. 木正則言語と文脈自由言語 さらに,言語Lが無曖昧な場合,Lの文字列と
 ある木正則言語Rの木が一対一に対応する. そのため,無曖昧文脈自由言語の理論には
 部分的に木正則言語の道具を使うことができ る!
  67. 67. 一言で言うと「マッチング付き単項二階述 語論理式で定義できる言語」 文脈自由言語
 (context-free language) 一言で言うと「不動点付き正則表現
 (μ-regular expression)で定義できる言語」 一言で言うと「文脈自由文法で定義できる 言語」 一言で言うと「正則木言語の葉の集合」 一言で言うと「スタック付き有限状態オート マトンで認識できる言語」
  68. 68. 一言で言うと「マッチング付き単項二階述 語論理式で定義できる言語」 文脈自由言語
 (context-free language) 一言で言うと「不動点付き正則表現
 (μ-regular expression)で定義できる言語」 一言で言うと「文脈自由文法で定義できる 言語」 一言で言うと「正則木言語の葉の集合」 一言で言うと「スタック付き有限状態オート マトンで認識できる言語」
  69. 69. 形式言語理論とは 文脈自由言語 統語的曖昧性 言語の母関数と代数関数 普遍性判定問題の決定可能性 スライド内容
  70. 70. 形式言語理論とは 文脈自由言語 統語的曖昧性 言語の母関数と代数関数 普遍性判定問題の決定可能性 スライド内容
  71. 71. A上の言語Lに対して, 次の形の無限級数 F(z)をLの母関数と呼ぶ:
 
 
 
 
 
 
 ここで,#(L∩A )は「L中の長さnの文字列の 総数」を表す. 言語の母関数 F(z) = 1X n=0 #(L An ) · zn n
  72. 72. A上の言語Lに対して, 次の形の無限級数 F(z)をLの母関数と呼ぶ:
 
 言語の母関数 F(z) = 1X n=0 #(L An ) · zn Example: L = {ε, <>, <<>>, <><>, <<<>>>, <<><>>,
 <<>><>, <><<>>,<><><>, … }
  73. 73. A上の言語Lに対して, 次の形の無限級数 F(z)をLの母関数と呼ぶ:
 
 言語の母関数 F(z) = 1X n=0 #(L An ) · zn Example: L = {ε, <>, <<>>, <><>, <<<>>>, <<><>>,
 <<>><>, <><<>>,<><><>, … } F(z) = 1 + z2 + 2z4 + 5z6 + 14z8 + · · ·
  74. 74. A上の言語Lに対して, 次の形の無限級数 F(z)をLの母関数と呼ぶ:
 
 言語の母関数 F(z) = 1X n=0 #(L An ) · zn Example: L = {ε, <>, <<>>, <><>, <<<>>>, <<><>>,
 <<>><>, <><<>>,<><><>, … } F(z) = 1 + z2 + 2z4 + 5z6 + 14z8 + · · · この母関数(無限級数)を
 有限的に記述できないか?
  75. 75. 言語と母関数の定理 定理: 正則言語の母関数は有理関数 F(z) is rational i↵ 9P(z), Q(z):polynomial s.t. F(z) = P(z)/Q(z)
  76. 76. 言語と母関数の定理 定理: 正則言語の母関数は有理関数 定理(Chomsky-Schutzenberger): 無曖昧文脈自由言語の母関数は 代数関数 F(z) is rational i↵ 9P(z), Q(z):polynomial s.t. F(z) = P(z)/Q(z)
  77. 77. 言語と母関数の定理 定理: 正則言語の母関数は有理関数 定理(Chomsky-Schutzenberger): 無曖昧文脈自由言語の母関数は 代数関数 F(z) is rational i↵ 9P(z), Q(z):polynomial s.t. F(z) = P(z)/Q(z)
  78. 78. S ! " | hSiS
  79. 79. S(z) = 1 + zS(z)zS(z) S ! " | hSiS
  80. 80. = 1 + z2 S(z)2 S(z) = 1 + zS(z)zS(z) S ! " | hSiS
  81. 81. = 1 + z2 S(z)2 S(z) = 1 + zS(z)zS(z) z2 S(z)2 S(z) + 1 = 0 S ! " | hSiS
  82. 82. z2 S(z)2 S(z) + 1 = 0 S(z) = 1 p 1 4z2 2z2
  83. 83. S(z) = 1 p 1 4z2 2z2
  84. 84. S(z) = 1 p 1 4z2 2z2 = 1 + z2 + 2z4 + 5z6 + 14z8 · · · (Taylor expansion)
  85. 85. S(z) = 1 p 1 4z2 2z2 = 1 + z2 + 2z4 + 5z6 + 14z8 · · · (Taylor expansion) Theorem [Chomsky-Schutzenberger 1959]
  86. 86. S(z) = 1 p 1 4z2 2z2 = 1 + z2 + 2z4 + 5z6 + 14z8 · · · (Taylor expansion) Theorem [Chomsky-Schutzenberger 1959] 

  87. 87. 言語と母関数の定理 定理: 正則言語の母関数は有理関数 F(z) is rational i↵ 9P(z), Q(z):polynomial s.t. F(z) = P(z)/Q(z)
  88. 88. 言語と母関数の定理 定理: 正則言語の母関数は有理関数 定理(Chomsky-Schutzenberger, 1959): 無曖昧文脈自由言語の母関数は 代数関数 F(z) is rational i↵ 9P(z), Q(z):polynomial s.t. F(z) = P(z)/Q(z)
  89. 89. 言語と母関数の定理 定理: 正則言語の母関数は有理関数 定理(Chomsky-Schutzenberger, 1959): 無曖昧文脈自由言語の母関数は 代数関数 F(z) is rational i↵ 9P(z), Q(z):polynomial s.t. F(z) = P(z)/Q(z) 定理(Kemp, 1980): 母関数が超越関数となる文脈自由言語 は存在する.
  90. 90. Goldstine言語 L(z) L ⋄ 3.1. ⋄ 3.7 ([12] ). Goldstine A = {a, b} G G = {an1 ban2 b · · · anp b | p ≥ 1, ni ̸= i for some i}. ( )Goldstine G 3.1 Goldstine G A∗ 1. a (a + b)∗ a, 2. b G′ = {ε, ab, abaab, abaabaaab, · · · } G = A∗ (a + b)∗ a G′ G G G(z) = 1 1 − 2z − z 1 − 2z − G′ (z) = 1 − z 1 − 2z − zn(n+1)/2−1 (14) 3.4 L L f, g f(n) ∼ g(n) n → ∞ f(n)/g(n) 1 3.1 3.6 (Puiseux-Transfert). S(z) S(z) zn [zn ]S(z) [zn ]S(z) [zn ]S(z) ∼ αn ns Γ(s + 1) m i=0 Ciωn i †4 [13] Appendix B.1 “Alge- braic elimination” . Goldstine G A∗ 1. a (a + b)∗ a, 2. b G′ = {ε, ab, abaab, abaabaaab, · · · } G = A∗ (a + b)∗ a G′ G G G(z) = 1 1 − 2z − z 1 − 2z − G′ (z) = 1 − z 1 − 2z − n≥1 zn(n+1)/2−1 (14) (14) G(z)′ = n≥1 zn(n+1)/2−1 |z| = 1 (natural boundary) |z| = 1 (G′ (z) ) G ⋄
  91. 91. 1 — — trices with coefficients in suitable algebras. — Jacques Sakarovitch 1. (3 ) 2. (4 ) 3. (5 ) Webにてサーベイ論文が公開中 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssst/34/3/34_3_3/_article/-char/ja/
  92. 92. スライド内容 形式言語理論とは 文脈自由言語 統語的曖昧性 言語の母関数と代数関数 普遍性判定問題の決定可能性
  93. 93. スライド内容 形式言語理論とは 文脈自由言語 統語的曖昧性 言語の母関数と代数関数 普遍性判定問題の決定可能性
  94. 94. 文脈自由文法 G と H について: [G] = [H] の判定 一般に決定不能 [G] = A の判定は一般に決定不能 [G] が正則かどうかの判定は決定不能 [G]が無曖昧文脈自由言語かどうかの
 判定は決定不能 文脈自由文法にまつわる決定不能問題 *
  95. 95. 文脈自由文法 G と H について: [G] = [H] の判定 一般に決定不能 [G] = A の判定は一般に決定不能 [G] が正則かどうかの判定は決定不能 [G]が無曖昧文脈自由言語かどうかの
 判定は決定不能 文脈自由文法にまつわる決定不能問題 * 地獄
  96. 96. regular visibly pushdown deterministic context-free unambiguous context-free context-free indexed context-sensitive recursively enumerable higher-order ? order-3 PTIME star-free zero-one finite-cofinite piecewise testable NPTIME ? (線より下は)
 言語の等価性が決定可能 普遍性が決定可能 空性が決定可能 語の所属が決定可能 order-4 ?
  97. 97. regular visibly pushdown deterministic context-free unambiguous context-free context-free indexed context-sensitive recursively enumerable higher-order ? order-3 PTIME star-free zero-one finite-cofinite piecewise testable NPTIME ? (線より下は)
 言語の等価性が決定可能 普遍性が決定可能 空性が決定可能 語の所属が決定可能 order-4 ?
  98. 98. 無曖昧という制約を文法につけると,言語の 普遍性判定(全ての文字列を導出するか?)は
 決定可能!!![Semenov 1973].
 「無曖昧」の良いところ
  99. 99. 無曖昧という制約を文法につけると,言語の 普遍性判定(全ての文字列を導出するか?)は
 決定可能!!![Semenov 1973].
 「無曖昧」の良いところ しかもその証明は極めて非形式言語理論的 である.証明には「複素解析の一致の定理」と 「Tarskiの実閉体のQE(量化子消去)」が用い られる!
  100. 100. Theorem [Semenov 1973] G = (V, R, S) 
 A⇤
  101. 101. Theorem [Semenov 1973] G = (V, R, S) 
 A⇤ L(G) ✓ A⇤ G L(G) A* ⇔ n L(G) n 
 A* n ⇔ G A*
  102. 102. Theorem [Semenov 1973] G = (V, R, S) 
 A⇤ G G A* φ 
 ( !) φ (Tarski ) 
 φ
  103. 103. 無曖昧という制約を文法につけると,言語の 普遍性判定(全ての文字列を導出するか?)は
 決定可能!!![Semenov 1973].
 「無曖昧」の良いところ
  104. 104. 無曖昧という制約を文法につけると,言語の 普遍性判定(全ての文字列を導出するか?)は
 決定可能!!![Semenov 1973].
 「無曖昧」の良いところ 証明の詳細は 書籍“Automata-Theoretic Aspects of Formal Power Series”の4.5章を 参照してください.

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