経済的寄与度を重視した橋梁管理手法の有効性に関するマルチエージェントシミュレーションによる分析
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11/10~11/12(2016)に北九州の小倉で行われた第59回自動制御連合会(http://www.jsme.or.jp/conference/rengo59/)のサービス工学セッションでプレゼンしました。 ACSMO 2016(http://www.acsmo2016.com/)とCIRP ICME'16(http://www.icme.unina.it/ICME%2016/ICME_14.htm)でも同様の内容でプレゼンいたしました。
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経済的寄与度を重視した橋梁管理手法の有効性に関するマルチエージェントシミュレーションによる分析
- 1. 経済的寄与度を重視した 橋梁管理計画の有効性に関する マルチエージェントシミュレーションによる分析 Yusuke Fukasawa The University of Tokyo 2016/11/10
- 2. Agenda 2016/11/13 2 研究の背景 本研究における仮説と目的 モデルの概要 実験結果・考察 結論
- 3. Agenda 2016/11/13 3 研究の背景 本研究における仮説と目的 モデルの概要 実験結果・考察 今後の展望
- 4. 橋の老朽化と修繕予算の減少 研究の背景 出典：国土交通省 橋梁の老朽化の現状(H25) 寿命とされる50年が経過する橋梁の数は 今後10年間で18%から43%に増加する 修繕予算である道路事業費の減少が見込まれている
- 5. Agenda 2016/11/13 5 研究の背景 本研究における仮説と目的 モデルの概要 実験結果・考察 結論
- 8. Agenda 2016/11/13 8 研究の背景 本研究における仮説と目的 モデルの概要 実験結果・考察 結論
- 10. モデルを構成するエージェント モデルの概要 住民エージェント 各種経済活動を行う • 労働により所得を得る • 消費を楽しむ • 余暇を楽しむ 政府エージェント この地域を統治する • 所得税の徴税 • 橋梁のメンテナンス 橋梁 • 耐久値 • 経済価値
- 12. 住民エージェントの能力 モデルの概要 Parameters 平均 標準偏差 (一様乱数) 所得: W (Yen) 14581 500-1500 消費: C (Yen) 9360 500-1500 余暇時間: L (min) 300 50-150 Source: Ministry of Statistics Japan Agent I-th Earn Consume Leisure Wi Ci Li シミュレーション開始時に 正規分布乱数で 割り当てられる
- 13. 住民エージェントの効用 モデルの概要 あるエージェントの効用は次式を用いて定義する as introduced by De Serpa(1971) 𝑈 = 𝐶𝑂 𝐴𝑣𝐶𝑂 𝑝 + 𝐿𝐸 𝐴𝑣𝐿𝐸 𝑞 − 𝑀𝑂 𝐴𝑣𝑀𝑂 𝑟 𝐶𝑂 … あるエージェントの30日間の消費額 𝐿𝐸 … あるエージェントの30日間の余暇時間 𝑀𝑂 … あるエージェントの30日間の移動時間 𝐴𝑣𝐶𝑂…30日間の平均消費額(円) 𝐴𝑣𝐿𝐸…30日間の平均余暇時間(分) 𝐴𝑣𝑀𝑂…30日間の平均移動時間(step) パラメータ 値 𝐴𝑣𝐶𝑂 153435 𝐴𝑣𝐿𝐸 4557 𝐴𝑣𝑀𝑂 30000 p,q,r 1/3 効用は30日間ごとに計算される
- 14. モデルを構成するエージェント モデルの概要 住民エージェント 各種経済活動を行う • 労働により所得を得る • 消費を楽しむ • 余暇を楽しむ 政府エージェント この地域を統治する • 所得税の徴税 • 橋梁のメンテナンス 橋梁 • 耐久値 • 経済価値
- 15. 橋の耐久値と経済価値 モデルの概要 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 0 5000000 10000000 15000000 20000000 橋の耐久値 0.01(廃棄基準値) 𝑆 𝑥 … 橋xの耐久値 𝐷 𝑥 …橋xの内部蓄積ダメージ 𝑡𝑖 … 蓄積経年時間(ステップ数) 𝑆 𝑥 = 1 − 1 1 + 𝐾1 exp 𝐾2 ∙ 𝐷 𝑥 𝐷 𝑥 = 𝑖=1 𝑇 𝑡𝑖 + 𝑃𝑚 ∙ 𝑁𝑖 橋の経済価値は、その橋を通った 人々の経済能力の合計として定義する 𝐸 𝑥 … 橋xの経済価値 𝑊𝑖…エージェントiの所得額 𝐶𝑖…エージェントiの 消費額 𝐸 𝑥 = 21 𝑖=1 𝑛 𝑊𝑖 + 9 𝑗=1 𝑚 𝐶𝑗 一年間ごとの値として計算 𝑁𝑖…橋xの通過人数 𝑃𝑚…正規化パラメータ 橋の耐久値は経年変化に基づく ロジスティック曲線で低下する 交通量劣化を経年劣化に足しわせて劣化評価 平日 休日
- 16. モデルを構成するエージェント モデルの概要 住民エージェント 各種経済活動を行う • 労働により所得を得る • 消費を楽しむ • 余暇を楽しむ 政府エージェント この地域を統治する • 所得税の徴税 • 橋梁のメンテナンス 橋梁 • 耐久値 • 経済価値
- 17. 政府エージェントの行動 モデルの概要 所得税 の徴税 修繕 修繕 延期 政府 タイプごとに異なる条件で橋 の修繕・修繕延期を選択する 年間所得に応じて 所得税を徴税する 政府は 1年ごとに行動する
- 18. 耐久値ベースメンテナンス モデルの概要 Sxが低い橋梁から 順に修繕を行う 予算が続くまで 直し続ける 修繕候補リスト 橋梁xの耐久値: Sx < Strength threshold 0 1 Strength threshold (0.2-0.8) 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 Sx Budget Limitation
- 19. 耐久値+経済価値ベース メンテナンス モデルの概要 0 1 Strength threshold 0 20 40 60 80 100 120 𝐸𝐴𝑉 𝐸𝑙𝑖𝑚𝑖𝑡 = 𝐸𝐴𝑣 ∗ 𝑬 𝒕𝒉 𝐸𝐴𝑉 = 1 𝑁𝑏 𝑖 𝑁 𝑏 𝐸𝑖 𝑬 𝒕𝒉(0-1) 橋梁xの経済価値: Ex < Demand limit ならば 修繕候補からその橋梁を除外 Exが高い橋梁から 順に修繕する 𝐸𝑙𝑖𝑚𝑖𝑡 修繕候補リスト 橋梁xの耐久値: Sx < Strength threshold 予算が続くまで 直し続ける
- 20. Agenda 2016/11/13 20 研究の背景 本研究における仮説と目的 モデルの概要 実験結果・考察 結論
- 21. 中心複合計画を用いた応答曲面 実験結果・考察 初期予算 効用 初期 予算 効用政府初期予算 10-50億 Strength Threshold 0.2-0.8 Economic Threshold 0-1 Strength Threshold Economic Threshold 効用 Strength Threshold初期予算 耐久値ベース 経済的価値ベース
- 22. 耐久値ベースの結果 実験結果・考察 耐久値の低下が小さい内に補修する方が、効用が高くなった ライフサイクルコスト最小化管理計画の有効性が示された 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 0.2 0.4 0.6 0.8 Utility Strength Threshold Strength base Initial budget(10) Strength base Initial budget(50) 予防保全事後保全 橋の耐久値が非常に低くなったら補修 橋の耐久値が少し低くなったら補修
- 23. 経済価値ベースの結果 実験結果・考察 Economic Thresholdは0.5付近で最も効果が高くなる 即ち、修繕候補の中で経済価値が低めの橋のみ除外 する設定が最も有効的だということが示された 初期 予算 Economic Threshold Economic Threshold Strength Threshold
- 24. 経済価値考慮修繕の優位性 実験結果・考察 耐久値のみで補修するより、経済的価値を考慮した 補修の方が社会全体の効用が大きい結果となった 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 0.2 0.4 0.6 0.8 Utility Strength limit Strength + Value base Initial budget(10) Strength + Value base Initial budget(50) Strength base Initial budget(10) Strength base Initial budget(50)
- 25. Agenda 2016/11/13 25 研究の背景 本研究における仮説と目的 モデルの概要 実験結果・考察 結論
- 27. 今後の展望 今後の展望 経済価値についての、詳細な分析 • 経路選択ゲームによるメカニズムの分析 マルチエージェントシミュレーションモデルについて 見直しを行い、再実験を行う • サイズとプロポーションの修正(橋梁と住民の比 率・政府予算など) • 橋の修繕に時間を発生させる 人間同士のインタラクションによって得られる結果に どのような差があるのかを経済実験で測る
Editor's Notes
- 優先順位をつけるという研究は少なかった
- 帰ってきて一日が終わることを表記する
- Individual agents have three variables, Wi/Ci/Li. When go to offices, i-th agent can earn Wi. When commercial facilities, i-th agent can consume Ci and enjoy leisure time for Li. I-th Agent’s Wi Ci Li are defined by normal distribution at the simulation’s first step Each average is set based on articles published by Ministry of Statistic Japan. Standard Deviation is assumed these uniform random number. If number of steps to commercial facilities are long, Ci, Li are halved short, Ci, Li are doubled
- 効用はsaturateしていくものだと経済学では定義される。 。。。ここに時間を集中させる
- 政府エージェントに関連する数式 ・所得税の税率 ・メンテナンスフローもここで説明する
- One is strength based maintenance, it is conventional maintenance scheme previous researches focused. First, government agent make repair candidate list. Repair candidate list is consist of bridges these strength value is less than variable strength threshold. Second, government agent does repair bridges in repair candidate list from lowest strength value. And continue repair within budget limitation.
- Another is strength + economic value based maintenance, it is new maintenance scheme proposed in this research. First, government agent make repair candidate list. Repair candidate list is consist of bridges these strength value is less than strength threshold. It is the same point. Second, it is new point. Government agent exclude bridges from repair candidate list if the bridge have lower Economic value than Economic limit. Economic limit is defined that average economic value of unbroken bridges multiplied by economic threshold, variable Eth(0-1). And repair bridges in repair candidates list from highest economic value. and continue repair within budget limitation.
- ここからの二枚は図の説明にするなど