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UniTask入門
1.
UniTask⼊⾨ 2019/07/20 とりすーぷ
2.
⾃⼰紹介 • とりすーぷ • @toRisouP •
バーチャルキャスト社 • Unityエンジニア • 最近はサーバ開発 • MagicOnion, k8s • Microsoft MVP 2018〜 • Developer Technology
3.
今回の内容「UniTask」 • UniTaskの概要 • UniTaskの使い⽅ •
機能紹介 • キャンセル管理について
4.
UniTaskの概要
5.
UniTaskとは •Unity向けasync/await拡張ライブラリ • Unityの標準機能ではない、⾃分で導⼊が必要な外部ライブラリ • 株式会社Cysharpさんが提供 •
主開発はneuecc⽒(UniRxの作者) • 前はUniRxの⼀部だったが、後に分離したライブラリ化された • その名残で名前空間が「UniRx.Async」のまま
6.
UniTaskでできること • 「async/awaitでなんでもできるようになる」 • コルーチンをasync/awaitに置き換え •
Unityイベント関数のawait • UnityEditor上でawait状況の可視化
7.
例:コルーチンの置き換え
8.
例:コルーチンの置き換え コルーチンから結果を取りだすためのデリゲート
9.
例:コルーチン -> UniTask
10.
例:コルーチン -> UniTask
11.
例:コルーチン -> UniTask 結果はそのままreturnすればOK 例外もthrowするだけ
12.
UniTaskを使うメリット • コルーチンを使う必要がなくなる • より使いやすいasync/awaitですべてを記述できる •
既存のTaskよりもハイパフォーマンス • Unityに最適化されたTask-likeな機構が使える • UniRxよりはわかりやすい • ⼿続き処理で書ける、は⼗分メリット
13.
導⼊⽅法 • GitHubからunitypackageをダウンロードしてインポート • https://github.com/Cysharp/UniTask/releases •
AssetStoreにはまだ公開されていない
14.
UniTaskが使える条件 • C# 7以降が使えるUnityであること •
Unity 2018.3 以降 • Unity 2018.2 以前はIncremental Compilerを導⼊していると使える
15.
UniTaskの機能紹介
16.
UniTaskが提供する機能 • UniTask型、UniTask<T>型 • UniTaskに付随するstaticメソッド群 •
Unity機能のAwaiter • UniTaskTracker
17.
UniTaskが提供する機能 • UniTask型、UniTask<T>型 • UniTaskに付随するstaticメソッド群 •
Unity機能のAwaiter • UniTaskTracker
18.
UniTask型/UniTask<T>型 UniTaskの機能紹介
19.
UniTask型/UniTask<T>型 • Unity⽤に最適化されたTask-likeオブジェクト • Task/Task<T>のUnity向け実装 •
Taskの基本機能はだいたい使える
20.
Task型 vs UniTask型 Task
UniTask 機能 Unityでは不要な機能が多い Unityで活⽤できる機能のみ オブジェクトサイズ ムダに⼤きい ⼩さい 実⾏コンテキスト管理 TaskScheduler & SynchronizationContext PlayerLoop 必要なC# version C# 5.0以上 C# 7.0以上 Task Tracker 無 Unity Editor上で利⽤可能
21.
UniTask型の作り⽅ 作り⽅は主に3パターン ・async/awaitの戻り値として使う ・UniTaskCompletionSourceから作る ・Observableから変換する
22.
UniTask型の作り⽅ 作り⽅は主に3パターン ・async/awaitの戻り値として使う ・UniTaskCompletionSourceから作る ・Observableから変換する
23.
例: async/awaitから作る • async/awaitの戻り値をUniTaskに書き換えるだけでOK •
これだけでTask型からUniTask型に変換される
24.
例: async/awaitから作る • ジェネリック版のときも同様 •
Task<T> を UniTask<T> に置き換えるだけ
25.
(補⾜) UniTaskVoid型 • UniTaskの機構に乗った
”async void” • 投げっぱなし(Fire-and-forget)の⾮同期処理として使う
26.
UniTask型の作り⽅ 作り⽅は主に3パターン ・async/awaitの戻り値として使う ・UniTaskCompletionSourceから作る ・Observableから変換する
27.
UniTaskCompletionSource • ⼿続き処理でUniTaskを⽣成するときに使う • UniRxのAsyncSubjectとだいたい同じ
28.
UniTaskCompletionSource
29.
UniTask型の作り⽅ 作り⽅は主に3パターン ・async/awaitの戻り値として使う ・UniTaskCompletionSourceから作る ・Observableから変換する
30.
Observableからの変換 • UniTaskとObservable(UniRx)は相互変換可能
31.
注意点1 • Observableが必ず完了する状態にすること • useFirstValue=true
でTake(1)と同等になる
32.
注意点2 • UniTask ->
Observable 時、 実⾏コンテキストは必ずメインスレッドになる
33.
UniTask/UniTask<T>型 まとめ • 使い勝⼿は標準Taskとほとんど同じ •
既存のasyncメソッドを機械的に置換して問題ない • Observableが絡む時だけちょっと注意が必要
34.
UniTaskが提供する機能 • UniTask型、UniTask<T>型 • UniTaskに付随するstaticメソッド群 •
Unity機能のAwaiter • UniTaskTracker
35.
Staticメソッド群 UniTaskの機能紹介
36.
UniTaskに付随するstaticメソッド群 • 特殊な挙動をするUniTaskを⽣成できるメソッド群 • FactoryMethod的なやつ •
ほとんどがawaitとの併⽤がメイン
37.
UniTask.Run • デリゲートをThreadPool上で実⾏する • Task.Runと挙動はおなじ •
await後はUnityメインスレッドに戻る(configureAwait = true の時)
38.
UniTask.Delay • 指定秒数後に完了するUniTaskを⽣成する • awaitすることで「⼀定時間待つ」ができる •
どのタイミングで時間計測するか選べる • デフォルトはUpdate()タイミングで計測
39.
UniTask.DelayFrame • 指定フレーム後に完了するUniTaskを⽣成する • awaitすることで「⼀定フレーム待つ」ができる •
どのタイミングで計測するか選べる • デフォルトはUpdate()タイミング
40.
UniTask.Yield() • 指定のタイミングで1フレーム待機する • 処理をメインスレッドに戻すことにも使える •
引数なしの場合はUpdateタイミングで1フレーム待機になる
41.
UniTask.Yield
42.
UniTask.SwitchToThreadPool • 実⾏コンテキストをThreadPoolに切り替える • awaitするとそれ以降がThreadPool上での処理になる •
似たものでSwitchToTaskPoolがあるが、こっちは⾮推奨
43.
UniTask.SwitchToThreadPool
44.
UniTask.SwitchToMainThread • 実⾏コンテキストをメインスレッドに切り替える • awaitするとそれ以降がメインスレッド上での処理になる •
UniTask.Yield(PlayerLoopTiming.Update)と微妙に挙動が異なる
45.
UniTask.WaitUntil / UniTask.WaitWhile •
条件を満たすまで/満たさなくなるまで待機する • コルーチンのWaitUntil/WaitWhileと同等 • どのPlayerLoopタイミングでチェックするかも指定できる
46.
UniTask.WaitUntil / UniTask.WaitWhile
47.
UniTask.WaitUntilValueChanged • 指定のオブジェクトのパラメータが変動するまで待機する • UniRxのObserveEveryValueChangedと同じ •
対象は弱参照で保持され、GCされるとawaitはキャンセルされる
48.
UniTask.WhenAll • 指定のUniTaskがすべて完了するまで待機する • UniTask<T>の型がすべて⼀致していなくてもOK
49.
UniTask.WhenAll
50.
UniTask.WhenAny • 複数のUniTaskのうちどれか1つが先に完了するまで待機する
51.
Staticメソッド群 まとめ • Unity向けに調整された機能が多くて便利 •
標準Taskとくらべて使いやすくなってたりもする • まだまだあるけど量が多いので省略
52.
UniTaskが提供する機能 • UniTask型、UniTask<T>型 • UniTaskに付随するstaticメソッド群 •
Unity機能のAwaiter • UniTaskTracker
53.
Awaiter UniTaskの機能紹介
54.
Awaiterって何 • オブジェクトのawaitに必要なヤツ • あるオブジェクトにGetAwaiter()メソッドが実装されており、 そこからAwaiterが取得できるならそのオブジェクトはawaitができる
55.
補⾜:GetAwaiter() • Awaiterを取得するためのメソッド • クラスメソッドだけでなく、拡張メソッドでもOK •
⾃前で実装すればなんでもawaitできるようになる awaitにカーソルを合わせて定義元を参照するとどのGetAwaiter()が呼ばれるかわかる
56.
UniTaskとAwaiter • UniTaskはUnityのあらゆるオブジェクトの Awaiterを提供してくれる
57.
UniTaskが提供するAwaiter • コルーチン • AsyncOperation •
uGUI Event • Unityコールバック • JobHandle • UnityEvent
58.
コルーチンのAwaiter • IEnumeratorをawaitするとコルーチンとして実⾏&待機する
59.
コルーチンのAwaiter
60.
(補⾜)コルーチン上でUniTask • ToCoroutine()でUniTaskをコルーチン化もできる
61.
AsyncOperationのAwaiter
62.
AsyncOperationのAwaiter • ConfigureAwaitで進⾏状況取得可能
63.
uGUI EventのAwaiter ※using UniRx.Async.Triggers
が必要
64.
UnityコールバックのAwaiter • MonoBehaviourに⾶んでくるイベントコールバックのこと ※using UniRx.Async.Triggers
が必要
65.
Awaiter まとめ • Unityのあらゆる要素がawait可能になる •
コルーチンの上位互換としてasync/awaitが利⽤可能になる
66.
UniTaskが提供する機能 • UniTask型、UniTask<T>型 • UniTaskに付随するstaticメソッド群 •
Unity機能のAwaiter • UniTaskTracker
67.
UniTaskTracker UniTaskの機能紹介
68.
UniTaskTracker • await中のUniTaskを可視化するEditor拡張 • Unity
Editorの [Window] -> [UniRx] -> [UniTask Tracker] • UniTaskがリークしていないか確認できる
69.
UniTaskとキャンセル
70.
⾮同期処理とキャンセル • ⾮同期処理はキャンセルを常に考慮しなくてはいけない • もろもろの理由で不要になった時に 実⾏中の処理を⽌めないといけない
71.
UniTaskとキャンセル • UniTaskを使う上でも当然キャンセルの実装が必要 • リソースの解放、適切なタイミングでの停⽌、漏れのない中断、 これらは⼈間が考えて実装する必要がある
72.
適切にキャンセルするために • CancellationToken • OperationCanceledException
73.
適切にキャンセルするために • CancellationToken • OperationCanceledException
74.
CancellationToken • ⾮同期処理にキャンセルを通知するためのC#標準機能 • 「キャンセル要求されたか?」のフラグを持つオブジェクト
75.
CancellationToken
76.
CancellationToken CanellationTokenSourceから⽣成
77.
CancellationToken if⽂で判定 if( IsCancellationRequested )
throw new OperationCanceledException(); の省略記法
78.
補⾜: GetCancellationTokenOnDestroy()
79.
UniTaskとCancellationToken • UniTaskはCancellationTokenを使ってキャンセル判定を⾏う • キャンセル要求がくるとUniTaskはキャンセル状態になる •
await中の場合はそこで処理が終了しawait以降は実⾏されない
80.
CancellationTokenは省略しない • 「めんどくさいからキャンセル処理を書かない」はNG
81.
Tokenが渡せない処理の場合のキャンセル • CancellationTokenの状態を⼿動で確認する • どのタイミングで処理を⽌めるのか、は⾃分で考える •
キャンセル時はOperationCanceledExceptionを発⾏すればOK
82.
⼿動でキャンセルチェックする例
83.
適切にキャンセルするために • CancellationToken • OperationCanceledException
84.
OperationCanceledException • UniTaskをキャンセル状態にするための特殊扱いな例外 • この例外が投げられるとUniTaskは「キャンセル状態」になる •
この例外はエラーログに出ない
85.
Throwするタイミング • キャンセル要求が外部からされた時にthrowする • 外から「処理を⽌めてね」って⾔われた時に投げる例外 •
⾃⼰判断で勝⼿に投げてよい例外ではない
86.
キャンセル要求 • キャンセル要求はCancellationTokenを通じて送られる • ThrowIfCancellationRequested()が便利
87.
キャンセルを上流まで伝播させる • この例外は上流まで“貫通”させる • try-catchを書くときはOperationCanceledExceptionだけ 素通りするようにしておく
88.
キャンセルを上流まで伝播させる • この例外は上流まで“貫通”させる • try-catchを書くときはOperationCanceledExceptionだけ 素通りするようにしておく
89.
悪⽤しない • キャンセル⽤途以外では利⽤しないこと • 本来の⽤途とは別の使い⽅をすると、そこから負債になる •
「処理に失敗したときにエラーログに出したくないから、 OperationCanceledException使っちゃおう」みたいなのはNG
90.
91.
UniTaskとキャンセル まとめ • CancellationTokenは可能な限り指定する •
OperationCanceledExceptionは特殊なので扱いに注意
92.
最後のまとめ
93.
UniTask、結局何に使えばいいの? • 深く考えず使えそうなところでどんどん使おう • コルーチンの代替として使える •
他のコンポーネントが処理を終えるのを待つ、とかにも使える • むしろUniTaskが使えないことがストレスになるくらいには便利
94.
他の⾮同期処理との使い分けは? • async/awaitを使うなら、UniTaskをまず使う • 理由が無い限り標準Taskは使わない •
UniRx(Observable)は⽤途に応じて使う • Observableはイベント処理や、結果が複数になる⾮同期処理向け • Observableもawait可能だし、UniTaskとの相互変換もできる
95.
まとめ • UniTaskめっちゃ便利だから使おう!!!! • あと今回の話の補⾜的なのをUniBook11に書きました •
さらにUniRx+UniTask本、マダカイテルカラマッテネ…
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