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ユース年代の育成における
IOCの合同声明
IOC consensus statement on
youth athletic development (Bergeronら、
2015)
衣笠 泰介, PhD
先任研究員
スポーツ開発事業推進部...
イントロ
ユース年代における目標:健やかで、可能性を秘めた、吸収力の
高いユース年代が、広くオープンに継続して楽しくスポーツ参加
ができ、個人の能力に応じた成功体験を育むことができること
→ステークホルダーの保護者、コーチ、マネジャー、競技団体...
1.成熟度
成長の度合いとタイミングの評価
生物学的成熟度=出生前から出生後20年近くに渡るプ
ロセスのこと
成熟度:観察時のその子の状態
→骨年齢、第二次性徴
成長のタイミング:成長の一定の特徴が現れた暦年
齢
→PHV(最大発育速度)、初潮...
成熟度の推定方法
推定方法 特徴
骨年齢
児童期から思春期後期までの成熟度の推定法で最も有用
推定方法:現在の身長、生物学上の両親、X線やMRIを通
じた骨端線離開
年齢確認には使用すべきでない
第二次性徴
思春期のみ有用
侵襲性や医師による評...
発育による生理学的、
パフォーマンスの変化
• 骨格筋内のATP濃度→
• PCr(クレアチンリン酸)濃度/グリコーゲン量↑
• 乳酸濃度:児童期と思春期の子ども<成人
• 解糖系酵素活性?
• 外因性糖の代謝:子ども>成人
筋力
• 思春期中...
有酸素・無酸素性能力
• VO2peak:男子8〜18歳まで↑
女子男子と同じ傾向だが、↗
• VO2peak↑=成熟度↑(年齢、体格、体組成に関係な
い)
• LT以上運動強度での脂質代謝:子ども>成人
• ウィンゲートテスト:〜12歳 女子...
運動トレーニングに対する応答
• 筋力/有酸素/無酸素トレーニングに関するIOCの提
言(Mountjoyら、2008)
• 思春期前の子どもも筋力トレーニングの効果はある
→ただし、トレーナビリティは年齢と共に増加
• 体力の初期値を考慮する...
睡眠
• 最適な睡眠時間:8.5〜9.5時間
→トレーニングや大会によって↓
→学校の始業時刻、学業、社会活動や行事、カフェ
イン摂取、就 寝前のブルーライトによって↓
• 睡眠不足が障害発症率を高める可能性あり
• 介入プログラム(例:トレー...
2.健康とコンディション:
専門化
• 早期専門化種目:体操競技、競泳、飛込、フィギュアス
ケート等
• 勝利主情主義:競争激化、プロ意識↑、トレーニング負荷
↑、大会数↑、リカバリー量↓
→スポーツ障害/健康障害↑
(例:オーバーユース、オー...
2.健康とコンディション
専門化
• 早期専門化種目:体操競技、競泳、飛込、フィギュアス
ケート等
• 勝利主情主義:競争激化、プロ意識↑、トレーニング負荷
↑、大会数↑、リカバリー量↓
→スポーツ障害/健康障害↑
(例:オーバーユース、オーバ...
継続的なトレーニングによる
傷害や健康障害
筋骨格系疾患
• オーバーユース:トレーニング負荷とリカバリーの不均
衡が原因
• 成長期の傷害:脊柱(例:脊椎分離症、脊椎すべり症)、
関節(離断性骨軟骨症)、骨端線離開(例:オスグット
病、シバー...
継続的なトレーニングによる
傷害や健康障害
心疾患
• ユース年代でも突然死が起こる
→メディカルチェックでも突然死の有病率の低下には繋
がらない
• 思春期前の持久性トレーニングによるスポーツ心臓
→構造的変化は少ない(適応>病理)
• 心疾...
傷害発症率と障害予防
傷害発症率
• 11〜18歳:35件/年間100名
→下肢(60%)、脳震盪(15%)
→男子:アイスホッケー、ラグビー、バスケット、サッ
カー、アメフ ト、レスリング、ランニング、スノー
ボード
→女子:バスケ、サッカー...
慢性・急性臨床疾患
• ユース年代に見られる臨床疾患:喘息、多動性障害、イ
ンスリン依存型糖尿病、鉄欠乏貧血、変形性関節症
• 生命に関わる疾患:てんかん、インスリン依存による低
血糖、突然死
• 臨床疾患のあるアスリート
→スポーツ参加前のメ...
過度の要求と期待による
心理的ストレス
• 自分自身あるいはコーチ/保護者による心理的ストレス↑
• フィールドテスト(例:安静時コルチゾール値、
POMS)によるバーンアウトの早期発見が有効
• うつ病:思春期の女子に多い
• コーピングスキ...
スポーツの悪用からアスリートを護る
• 性的暴力、ハラスメント、身体活動の強要を含めた精神
的・身体的虐待
• 組織的不正:オーバートレーニングやいじめを助長する
環境や、摂食障害や障害を抱えたままの大会参加を促す
選抜方法、鎮痛剤の乱用
→ユ...
栄養:エネルギー・栄養素の必要量
とサプリメント
• 個人差はあるが糖質と脂質の摂取は、Desbrowら
(2014)のガイドラインを参照
• タンパク質のサプリメントは必要ない
• ビタミンD欠乏に陥りやすく、骨の健康と障害の予防の
ため、ビ...
思春期における摂食障害
• 女子選手三主徴症候群(摂食障害、無月経、骨粗鬆症)
や競技別エネルギー不足(RED-S)
• 摂食障害は、健康障害やパフォーマンスにも悪影響を及
ぼす
→特に専門化の時期や大会のプレッシャーが増した時に
起こり やす...
環境への適応
• 暑熱、寒冷、高地の環境への適応
→熱中症は、きちんとした対策を
→運動中の冷気吸入が、喘息を引き起こすことがある
→ユース年代に高地トレーニングは推奨しない
3.ユース年代の育成
長期競技者育成理論
• 長期競技者育成理論と実践にはギャップがある
→スポーツ参加におけるガイドラインがないと、基本的
運動スキル の喪失、傷害、バーンアウト、ドロップアウ
ト、有能なタレントの 埋もれにつながる可能性
→...
ユース年代の育成
タレント発掘・育成
• 社会主義の東欧諸国により発展したタレント発掘・育成
は、広く普及し体系的に行われるようになった
• タレント発掘・育成はある意味差別的で複雑であるが、
その国や文化、社会的背景に依存するため、万国共通の...
コーチ教育とコーチングの効果
• コーチの資質を高めるコーチ教育やメンターシップは、
競技団体の優先事項である
• コーチ教育では、1.学際的分野の知識、2.アスリー
トの資産 や反応、3.コーチングの文脈、を考慮する
→コーチの知識:専門的知...
体力・競技熱・基本機能の向上
• 一般的に、身体活動量の減少により、筋力、基本動作ス
キル、神経筋機能が長年にわたり減少傾向
• 筋力トレーニング等を通したスポーツ参加が、スポーツ
障害のリスクの減少、楽しさの持続、競技力向上へ
→S&Cの早期...
生理学的モニタリング・種目別専門的測定
• 測定評価の目的:タレント発掘、パフォーマンス予測、
強み弱みの把握、選抜、トレーニング効果、現状把握、
動機付け、競技特性の理解、競技力向上
• スポーツ生理学者の役割:測定項目の選定、測定結果の
解...
4.IOCが提唱するユース年代の育成
• 現在のベストプラクティスの妥当性を研究する
• スポーツ全般や各競技の文化的背景について早急に取り
組むこと
• 現実に即して専門化の時期を考慮する
• 障害予防と競技力向上のため、多様性と個別性の観点...
4.IOCが提唱するユース年代の育成
基本原則
• 個別性
• 成功の幅広い定義
• 現実的でエビデンス情報に基づいたオープンな育成フレーム
ワーク
• 吸収力の高い、適応力のあるアスリート
• 多様で意図的な遊びとトレーニング
• スポーツの...
4.IOCが提唱するユース年代の育成
トレーニング・測定・障害予防
• 年齢、動作、安全、楽しさに配慮した多様なS&Cプログ
ラム
• 多様性と個別性を考慮した育成プログラム
• 測定結果のフィードバックにおける倫理的配慮
• 情報共有の戦略
...
4.IOCが提唱するユース年代の育成
競技団体・スポーツ機関
• 継続教育や安全に関わるポリシー・手順
• 多面性、長期性、個別性を考慮したタレント発掘・育成
• スポーツ経験の多様性と個別性
• 十分な休養とリカバリーに配慮した年齢とスキルに...
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Iocユース年代育成の在り方

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IOC(2015)によるユース年代の育成に関わる合同声明

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Iocユース年代育成の在り方

  1. 1. ユース年代の育成における IOCの合同声明 IOC consensus statement on youth athletic development (Bergeronら、 2015) 衣笠 泰介, PhD 先任研究員 スポーツ開発事業推進部 日本スポーツ振興センター
  2. 2. イントロ ユース年代における目標:健やかで、可能性を秘めた、吸収力の 高いユース年代が、広くオープンに継続して楽しくスポーツ参加 ができ、個人の能力に応じた成功体験を育むことができること →ステークホルダーの保護者、コーチ、マネジャー、競技団体だけでなく、 アスリート自身の課題でもある 前提1「発掘・育成の成功事例は限られている」 →個人の発育発達や成熟度、行動発達とそれらの交互作用により、個人の 特性や日々の変化に大きく影響を受ける 前提2「ユース年代の育成は多面的で評価が難しく、初心者からトップア スリートへのパスウェイも多様である」 →専門スキルやモチベーション、行動の発達に関わる総合学習のための環 境や、選考漏れやドロップアウト、オーバーユースによるケガ、オーバー トレーニング、バーンアウト等のこともはっきり分かっていない 前提3「スポーツ全般や各競技の文化的背景に配慮する」 →フィロソフィー、システム、保護者の役割、共通の資源としてのユース 年代
  3. 3. 1.成熟度 成長の度合いとタイミングの評価 生物学的成熟度=出生前から出生後20年近くに渡るプ ロセスのこと 成熟度:観察時のその子の状態 →骨年齢、第二次性徴 成長のタイミング:成長の一定の特徴が現れた暦年 齢 →PHV(最大発育速度)、初潮の年齢※ ※細かい年月まで記憶違いや記憶がないことが多い
  4. 4. 成熟度の推定方法 推定方法 特徴 骨年齢 児童期から思春期後期までの成熟度の推定法で最も有用 推定方法:現在の身長、生物学上の両親、X線やMRIを通 じた骨端線離開 年齢確認には使用すべきでない 第二次性徴 思春期のみ有用 侵襲性や医師による評価の信頼性の課題がある 成人身長推定 Malinaら(2007、2012)のアメフトとサッカー選手の骨 年齢データを元に推定式を算出 推定された補正値やPHV年齢は、暦年齢とともに増加し、 SDの範囲も小さくなり、実年齢や初潮年齢の影響を受け る 成人身長推定式も主にヨーロッパ系や思春期のみに適用 可能
  5. 5. 発育による生理学的、 パフォーマンスの変化 • 骨格筋内のATP濃度→ • PCr(クレアチンリン酸)濃度/グリコーゲン量↑ • 乳酸濃度:児童期と思春期の子ども<成人 • 解糖系酵素活性? • 外因性糖の代謝:子ども>成人 筋力 • 思春期中男子↑、思春期前から女子↗ • 思春期後、性差50%
  6. 6. 有酸素・無酸素性能力 • VO2peak:男子8〜18歳まで↑ 女子男子と同じ傾向だが、↗ • VO2peak↑=成熟度↑(年齢、体格、体組成に関係な い) • LT以上運動強度での脂質代謝:子ども>成人 • ウィンゲートテスト:〜12歳 女子>男子 17歳〜 性差50% 疲労耐性と疲労回復 • 心肺機能の回復↑ • PCr回復速度↑ • 酸塩基平衡の調整↑ • 酸化活性↑ • 運動単位動員↑ • 代謝副産物の除去↑
  7. 7. 運動トレーニングに対する応答 • 筋力/有酸素/無酸素トレーニングに関するIOCの提 言(Mountjoyら、2008) • 思春期前の子どもも筋力トレーニングの効果はある →ただし、トレーナビリティは年齢と共に増加 • 体力の初期値を考慮すると、有酸素及び無酸素ト レーニングに対する応答が、ユース年代の性別や年 齢、成熟度に影響を受ける、という説得力のあるエ ビデンスはない
  8. 8. 睡眠 • 最適な睡眠時間:8.5〜9.5時間 →トレーニングや大会によって↓ →学校の始業時刻、学業、社会活動や行事、カフェ イン摂取、就 寝前のブルーライトによって↓ • 睡眠不足が障害発症率を高める可能性あり • 介入プログラム(例:トレーニング負荷や学校行事 の調整)の導入が望ましい 発育発達に関わる現場の課題 • 主な課題:早期の選抜や将来の予測、最適な育成 • 特に思春期(9〜15歳頃)におけるユース年代の選抜 は、成熟度の影響を受ける
  9. 9. 2.健康とコンディション: 専門化 • 早期専門化種目:体操競技、競泳、飛込、フィギュアス ケート等 • 勝利主情主義:競争激化、プロ意識↑、トレーニング負荷 ↑、大会数↑、リカバリー量↓ →スポーツ障害/健康障害↑ (例:オーバーユース、オーバートレーニング、バーン アウト) • 多種目経験:運動発達/運動能力↑、障害発症率↓、楽し さや適性種目の発見 →多くの成功したトップアスリートも専門化する前に複 数種目 を経験 →思春期後に専門化した子どもは、安定した競技実績を 残し、障害 も少なく、より長い競技生活を送ることがで きる
  10. 10. 2.健康とコンディション 専門化 • 早期専門化種目:体操競技、競泳、飛込、フィギュアス ケート等 • 勝利主情主義:競争激化、プロ意識↑、トレーニング負荷 ↑、大会数↑、リカバリー量↓ →スポーツ障害/健康障害↑ (例:オーバーユース、オーバートレーニング、バーン アウト) • 多種目経験:運動発達/運動能力↑、障害発症率↓、楽し さや適性種目の発見 →多くの成功したトップアスリートも専門化する前に複 数種目 を経験 →思春期後に専門化した子どもは、安定した競技実績を 残し、障害 も少なく、より長い競技生活を送ることがで きる
  11. 11. 継続的なトレーニングによる 傷害や健康障害 筋骨格系疾患 • オーバーユース:トレーニング負荷とリカバリーの不均 衡が原因 • 成長期の傷害:脊柱(例:脊椎分離症、脊椎すべり症)、 関節(離断性骨軟骨症)、骨端線離開(例:オスグット 病、シバー病) 身長・性的成熟度 • 高負荷のトレーニングによる発育への影響はない(例: Malinaら、2013の体操選手の研究) • 初経年齢はいくつかの種目では遅れるが、一般的には変 わらない
  12. 12. 継続的なトレーニングによる 傷害や健康障害 心疾患 • ユース年代でも突然死が起こる →メディカルチェックでも突然死の有病率の低下には繋 がらない • 思春期前の持久性トレーニングによるスポーツ心臓 →構造的変化は少ない(適応>病理) • 心疾患に関する縦断的研究が望まれる
  13. 13. 傷害発症率と障害予防 傷害発症率 • 11〜18歳:35件/年間100名 →下肢(60%)、脳震盪(15%) →男子:アイスホッケー、ラグビー、バスケット、サッ カー、アメフ ト、レスリング、ランニング、スノー ボード →女子:バスケ、サッカー、アイスホッケー、体操、 ホッケー、ラン ニング • 傷害発症率=競技人口の多さ 障害予防 • 筋力/持久性/バランス(固有受容感覚)トレーニン グ:傷害発症率↓(特に下肢) • 保護具(例:足首サポーター・テーピング、マウス・手 首ガード、ヘルメット)使用のルール化を • コーチやアスリート、保護者の予防に関する知識が不十
  14. 14. 慢性・急性臨床疾患 • ユース年代に見られる臨床疾患:喘息、多動性障害、イ ンスリン依存型糖尿病、鉄欠乏貧血、変形性関節症 • 生命に関わる疾患:てんかん、インスリン依存による低 血糖、突然死 • 臨床疾患のあるアスリート →スポーツ参加前のメディカルチェックを実施 →エビデンスに基づいた診断、アスリートの負担、パ フォーマンス への影響、健康リスク、TUE(治療使用特 例)を考慮
  15. 15. 過度の要求と期待による 心理的ストレス • 自分自身あるいはコーチ/保護者による心理的ストレス↑ • フィールドテスト(例:安静時コルチゾール値、 POMS)によるバーンアウトの早期発見が有効 • うつ病:思春期の女子に多い • コーピングスキルのトレーニングや目標設定は有効 • スポーツ活動のストレス+思春期特有のストレス • コーチ教育:自主性を重んじ、ポジティブな上達思考の 環境整備を • 保護者教育:教育プログラムを望んでいる
  16. 16. スポーツの悪用からアスリートを護る • 性的暴力、ハラスメント、身体活動の強要を含めた精神 的・身体的虐待 • 組織的不正:オーバートレーニングやいじめを助長する 環境や、摂食障害や障害を抱えたままの大会参加を促す 選抜方法、鎮痛剤の乱用 →ユース年代の25%は、処方薬(例:鎮痛剤、興奮剤、 睡眠薬、抗 不安薬)の乱用を認める →13〜68%は、筋肉増強剤の使用を認める →大会やトレーニング時の医療保障が不十分 • ユース年代の安全を保護する方策を探る研究が望まれる
  17. 17. 栄養:エネルギー・栄養素の必要量 とサプリメント • 個人差はあるが糖質と脂質の摂取は、Desbrowら (2014)のガイドラインを参照 • タンパク質のサプリメントは必要ない • ビタミンD欠乏に陥りやすく、骨の健康と障害の予防の ため、ビタミンDのサプリメントが必要かも知れない • 特に女子は、鉄分やカルシウム(1300g/日)の摂取を • トップコーチや思春期のアスリートの栄養に関する知識 が不十分 • 思春期の男子のサプリメント使用(エネルギードリンク やプロテイン摂取等を含む)が蔓延 • ユース年代のサプリメント使用は、ドーピングのリスク も高く、推奨しない
  18. 18. 思春期における摂食障害 • 女子選手三主徴症候群(摂食障害、無月経、骨粗鬆症) や競技別エネルギー不足(RED-S) • 摂食障害は、健康障害やパフォーマンスにも悪影響を及 ぼす →特に専門化の時期や大会のプレッシャーが増した時に 起こり やすい →思春期の男子アスリートの3%、女子アスリートの 14%が経験 • 定期的なヘルスチェックで早期発見を • 摂食障害の研究が望まれる
  19. 19. 環境への適応 • 暑熱、寒冷、高地の環境への適応 →熱中症は、きちんとした対策を →運動中の冷気吸入が、喘息を引き起こすことがある →ユース年代に高地トレーニングは推奨しない
  20. 20. 3.ユース年代の育成 長期競技者育成理論 • 長期競技者育成理論と実践にはギャップがある →スポーツ参加におけるガイドラインがないと、基本的 運動スキル の喪失、傷害、バーンアウト、ドロップアウ ト、有能なタレントの 埋もれにつながる可能性 →成功するかは保障されず、専門種目と個人の適性 のマッチングだ けではく、育成環境やシステム、運の影響 を受ける • ユース年代の発掘・育成はセレクトインで行い、年代別 ではなく、発育発達に合わせて多面的に長期的な視点で トレーニングを行う必要がある • 個人要因(外的価値から内的価値へ)、社会要因(大人 主導から子ども主導へ)、物理的要因を統合して常に学 習しながら、ダイナミックに変化する育成年代に対応す る • 子供の頃の多様な意図的な遊びとトレーニングが、より
  21. 21. ユース年代の育成 タレント発掘・育成 • 社会主義の東欧諸国により発展したタレント発掘・育成 は、広く普及し体系的に行われるようになった • タレント発掘・育成はある意味差別的で複雑であるが、 その国や文化、社会的背景に依存するため、万国共通の 方法論はない • 外乱要因に影響されるため、タレントを見出すパフォー マンス指標(例:生理学的、認知能力、機能的運動、社 会心理学的)の効果的な活用は難しい • 提唱されているタレント発掘・育成システムと実際の結 果(輩出されるタレント)との間には、明らかなギャッ プがある • 早期のタレント発掘は、晩熟や早生まれの有能なタレン トを見逃す可能性がある →ドイツのサッカーは、オープンで長期的な育成で成功 (Gullich、 2014) • トップアスリートとしての成功は、その国の社会文化的、
  22. 22. コーチ教育とコーチングの効果 • コーチの資質を高めるコーチ教育やメンターシップは、 競技団体の優先事項である • コーチ教育では、1.学際的分野の知識、2.アスリー トの資産 や反応、3.コーチングの文脈、を考慮する →コーチの知識:専門的知識(例:競技専門、発育発達、 障害予 防、教授法)+対人的知識(例:アスリート、保 護者、コミュニ ティとの関係性)+個人内知識(例: 反省、内観) →アスリートの反応:4C=資質+自信+関係性+人格 →文脈:Cote(1999)、Coteら(2012)のDMSPモデ ルにおけ参 加コーチ(子ども、思春期/成人期)とパ フォーマンスコーチ (思春期前、思春期後/成人期)と いうコーチの4カテゴリー • コーチング効果:アスリートの4C(アスリートの資質、 自信、関係性、人格)を高めるため、専門的・対人的・ 個人内知識を一貫して適用すること
  23. 23. 体力・競技熱・基本機能の向上 • 一般的に、身体活動量の減少により、筋力、基本動作ス キル、神経筋機能が長年にわたり減少傾向 • 筋力トレーニング等を通したスポーツ参加が、スポーツ 障害のリスクの減少、楽しさの持続、競技力向上へ →S&Cの早期からの導入:健康増進、競技力向上、障害 の減少 →個人の体力の弱みを早期発見し、系統的な克服をIOC は提唱 • ユース年代のトレーニング:長期的な視点、多様なト レーニング刺激、周期的なトレーニング計画、十分な休 養とリカバリー →十分な神経系トレーニング↓=神経筋機能↓ →バランス、調整力、柔軟性、敏捷性、筋力、パワー、 持久力、ス ピード、予測能力等の広範な能力を統合して、 様々な場面で発揮 しながら困難な経験等を通して、自信、 予測、最適な状況判断能力 を養うこと
  24. 24. 生理学的モニタリング・種目別専門的測定 • 測定評価の目的:タレント発掘、パフォーマンス予測、 強み弱みの把握、選抜、トレーニング効果、現状把握、 動機付け、競技特性の理解、競技力向上 • スポーツ生理学者の役割:測定項目の選定、測定結果の 解釈、トレーニングへの適用 →ユース年代における成熟度の評価と解釈の知識が必要 →倫理:選抜の是非を問うこと、同意書を得ること • ユース年代の測定 →一般的測定プロトコール(体組成、筋力、有酸素性能 力、無酸素性能力) →運動強度に対する動的応答 →測定結果の体格による補正 →専門的測定プロトコールの研究が望まれる →実験室テストとフィールドテストの併用
  25. 25. 4.IOCが提唱するユース年代の育成 • 現在のベストプラクティスの妥当性を研究する • スポーツ全般や各競技の文化的背景について早急に取り 組むこと • 現実に即して専門化の時期を考慮する • 障害予防と競技力向上のため、多様性と個別性の観点か ら、基礎的運動能力と専門的スキルの十分な獲得と、休 養とリカバリー、その他の要因(例:家族、学校、ライ フスキル、社会発達)とのバランスをとることで、ユー ス年代が健やかで楽しく経験を積むことができる • エビデンスベースのベストプラクティスを確立すること が、全てのユース年代の障害予防、競技力向上、健康増 進、継続的に充実した育成、個々の成功につながる
  26. 26. 4.IOCが提唱するユース年代の育成 基本原則 • 個別性 • 成功の幅広い定義 • 現実的でエビデンス情報に基づいたオープンな育成フレーム ワーク • 吸収力の高い、適応力のあるアスリート • 多様で意図的な遊びとトレーニング • スポーツの価値を護る • スポーツとライフのバランス コーチング • 挑戦的で楽しい雰囲気 • 研究ベースの育成 • アスリートの参加目的と受け入れの気持ちの考慮 • アスリートとのより良い関係性を構築するためのコーチ教育 • 学際的分野の専門家による支援
  27. 27. 4.IOCが提唱するユース年代の育成 トレーニング・測定・障害予防 • 年齢、動作、安全、楽しさに配慮した多様なS&Cプログ ラム • 多様性と個別性を考慮した育成プログラム • 測定結果のフィードバックにおける倫理的配慮 • 情報共有の戦略 • エビデンス情報に基づいた障害予防プログラム • 痛みや傷害、疾病がある場合、プレーしない 栄養・水分補給・熱中症 • バランスのとれた食事を強調した食育 • サプリメントやエネルギードリンクのリスク • 心疾患を早期発見するための教育、スクリーニング • 暑熱環境の教育と対策 • 緊急対策マニュアル
  28. 28. 4.IOCが提唱するユース年代の育成 競技団体・スポーツ機関 • 継続教育や安全に関わるポリシー・手順 • 多面性、長期性、個別性を考慮したタレント発掘・育成 • スポーツ経験の多様性と個別性 • 十分な休養とリカバリーに配慮した年齢とスキルに合わ せた大会開催 行動で示そう! 我々IOCが、ここで提唱したことを全てのユース年代に関 わる競技団体が理解し、学び、行動すること、また、 コーチ、アントラージュ、医療従事者、マネジャーは、全 てのスポーツ参加者が継続的に楽しめる、安全で健全な経 験を育むため、エビデンス情報に基づいた行動を起こすこ と

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