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日本ゲーム産業史概説
- 4. ゲームの市場
最初期から存在
PC(非ネット)
大型コンピュータ時代にはオンラインゲームも存在
アーケード(ゲームセンター)
家庭用(据置・携帯)
携帯型ゲーム機は1989年(GB)から
20世紀末~21世紀に登場
PCオンラインゲーム
Windows95の登場から普及
携帯電話・スマホ
ケータイ(ガラケー):2001年JAVA対応がスタート
スマホ:パズドラ(2012年)が事実上のスタート
- 6. 拙著の構成
16章:現在
• (短いが)事実上の第3部
• 共進化から競争への転換
• 全体まとめ
1章:ゲーム産業の歴史とは何か
• 各種定義&2D期までの概念整理
2章:前史
• アタリショックまで
• 主に米国市場
3~8章:
• 黎明期~2D期
• 事実上の第1部
9章:1994年の激変
• 3D期以降の変化概説
• 競争のルールが大変化
10~15章:
• 3D期+現在の一部
(ソシャゲ/PCオンライン)
• 事実上の第2部
- 11. 黎明期家庭用ゲーム1枚まとめ
黎明期のゲーム機:ハード実装
日本初:テレビテニス(1975,エポック社)
高価・表現力低い・TV前しか遊べない・・・→電子ゲームへ
電子ゲーム
ハード実装したゲーム+蛍光管やLEDによる表示
ゲーム&ウォッチ(任天堂,1980)の大ヒット
カセット型ゲーム機:ファミコンが時代を確定
先行機種:カセットビジョン(1981,エポック社),45万台
ファミリーコンピュータ(任天堂),SG-1000(セガ)
実は,同一日の発売(1983年7月15日)
売上は大差:PC/アーケードの移植ゲーム,サードパーティに差
- 18. 1980年代後半の3市場イメージ
アーケード 家庭用 PC
画面解像度 320×224
(システム16)
256×240 (FC) 専用モニタ
640×400
(PC-9801VM)
同時発色数 4096色同時発色
(システム16)
52色中25色(FC) 4096色中16色
(PC-9801VM)
スプライト機能 画面内最大128個
拡大縮小可
(システム16)
画面内最大64個
1列8個以内(FC)
スプライト機能なし
(PC-9801VM)
よく遊ばれる得意ジャ
ンル
反射神経要求型
麻雀などのテーブル
ゲーム
折衷型だが,やや
アーケードに近い
SLG,ADV,RPGなど,
長時間じっくり遊ぶ
ジャンル
プレイ時間 極端に短い
(1プレイ3分)
折衷型 記録装置(フロッピー)
を利用した長時間型
消費形態 コインオペレーション
(100円投入)
パッケージ販売
(5000円程度)
パッケージ販売
(最大で1万円超)
プラットフォームの
技術革新速度
非常に速い 数年に一度大幅な革
新
ゲーム向け技術は停
滞
- 21. ビジネス環境の激変
技術面
ディスクメディアの普及
ハードウェア直接制御→OS・ミドルウェア・エンジン利用
職人による工芸品→チームで生み出す工業製品
ビジネス面
マルチメディアブームでの過度な期待
ビデオ規格競争の先兵化
株式上場ブーム:常にプレッシャーにさらされるように
- 25. 3D期家庭用ゲーム2枚まとめ(2)
携帯機:市場の主役に
背景に少子高齢化と開発費高騰
「テクノロジー・ドライバとしてのゲーム機」の終焉
PS1~PS3:専用CPU&GPUを開発
そのために数千億円単位で投資
ハードを逆ザヤで販売
PS3:発売時は1台売ると3万円の赤字(原価レベル)
→ビジネス継続が危ぶまれるレベルの赤字へ
任天堂の「リセット」戦略:一時的な成功にとどまる
WiiもDSも初期は優位だったが、最終的に抜かれる
家庭用ゲーム産業は重厚長大路線から変更できず
- 26. 携帯電話/スマホゲーム1枚まとめ
ガラケー時代
初期:月額課金+DL売切
ソシャゲ化&アイテム課金→巨大市場へ
「任天堂の倒し方、知ってますよ」発言が出たのはこのころ
高額課金が社会問題へ→コンプガチャ規制
スマートフォン時代
パズル&ドラゴンズ(ガンホー,2012年)の大ヒット
→一気にスマホへシフト
ゲームデザイン&ビジネスモデル
Pay to Win → Free to Play
でも、ガチャがベースなのは変わらず
- 30. 共進化から競争へ
これまで:市場間で相互に「影響」
性能面・内容面で差が大きい→競合度は弱い
現在:市場間で相互に「競争」
性能面・内容面で差が縮小→顧客を取り合う
2つの戦い:リビングルーム端末&ハンディデバイス
据置機 vs PC・・・ほぼ同一ゲームでの争い
パッケージは家庭用,オンラインはPCが有利
性能面の差は無し:家庭用ゲーム機≒安価なハイエンドPC
携帯機 vs スマホ・・・パッケージ vs サービス
スマホが全ゲーム市場の中心を占めるように
性能・普及台数に圧倒的な差
- 34. ゲーム産業史全体を振り返って(1)
理解の補助線:各企業の「大原則」
1. 任天堂:玩具
コントローラーに徹底的にこだわる,家族向けタイトル
2. セガ:アーケード
良くも悪くもアーケードのヒット作に引きずられる
3. ソニー:AV
DVD,Blu-Rayの先兵,VRでも先進的
4. マイクロソフト:Windows
あらゆるデバイスがWindowsで動いていることを目指す
5. PCゲーム/ソシャゲ:手段としてのゲームビジネス
儲からなければさっさと撤退