↓の第1章4節「重要な補論」に関する講義スライド。 神取道宏, ミクロ経済学の力, 日本評論社, 2014. http://www.amazon.co.jp/dp/

1. ミクロ経済 | 安田洋祐
1章4節 — 重要な補論：数理モ
デルと現実の関係、およびミ
クロ経済学の考え方について
神取道宏『ミクロ経済学の力』
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2. 最適消費の理論はくだらない？
❖ 「無差別曲線」や「効用」
❖ 現実離れし過ぎてる！
❖ 「自分の好きなものを選ぶ」
❖ 別に当たり前じゃん
❖ 消費者心理が分からない！
❖ で、何の役に立つの？
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3. ちょっとの仮定→一般的な結論
❖ 行動原理 — 「各人は自らの利益にかなう行動をする」
❖ 仮定 — （各財の）消費量が増えると嬉しい
❖ 無差別曲線は必ず右下がり
❖ 右上にシフトするほど効用が上がる
❖ これだけで、実は役に立つ意外な結論が導ける！
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4. 老人医療費補助制度
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5. グラフによる分析
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6. 補助制度廃止＋年金増額
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7. いったい何が起きたのか？
❖ 制度変更
❖ Before：補助金（医療サービスへの価格を軽減）
❖ After：年金増額（Beforeの補助分を一括で支給）
❖ 社会に起きる変化
❖ 政府：負担額は全く変わらない
❖ 老人：満足度が高まる
→ 補助制度には大きなムダ（非効率性）が！
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8. 言葉による説明
1. 医療補助をやめて、補助金として支出していた分だけ年金を増
やすと、
2. 老人は（やろうと思えば）前と同じだけ病院に通院できるが、
3. 通院を減らせば（補助金がかかっていない）高額の医療費を節
約できるため、
4. 通院を減らすほうを選ぶ。
5. 「以前と同じことができるのに、そうしない方を選ぶ」のだか
ら、以前より満足が上がっているはずである。
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9. ミクロ経済分析への批判
1. 非現実的な仮定をたくさん置くのはよくない
2. そうした仮定がちょっと崩れただけで結論はがらっと
変わるので、結果は信用できない
3. 老人一人ひとりの無差別曲線を実測し、老人の行動が
確かにこの図のとおりであることが、高い精度で確証
されなければ、モデルを使う意味はない
→ 今回の事例に関してはあまり当てはまらない
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10. なぜ医療補助制度があるのか？
❖ 目的 — 病気で困っている人を助けたい
❖ 問題点 — 価格を歪めることで生じる非効率性
❖ 利点 — 情報の非対称性の緩和
❖ 誰がどれだけ医療を必要としているのかを、個別かつ事前に
調べ上げるのは困難
❖ 医療補助制度であれば、自動的に補助が可能
→ 非効率性と情報の非対称性のトレードオフ
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11. 公平性と効率性
❖ 効率性の問題
❖ 社会全体のパイが大きくなっているか？
❖ うまく分ければ、「誰の満足も下げることなく誰かの満足を上げ
ること」（パレート改善）できる！
❖ 公平性の問題
❖ パイを各人にどう分けるか？
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12. 効率性（パイを増やす）のは大事
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