12n1120_村田潤 「近未来の生命都市」
- 14. 「空中都市」
と
「クンストハウス・グラーツ」
の比較
そもそもメタボリズムとは、当時の日本が高度経済成
長に応え、都市規模の巨大な構造体が生命の細胞の
ように、古いものが新しく変化し成長するような、つまり
「新陳代謝」する巨大都市を計画した運動である。
一方アーキグラムは、イギリスで生産的な建築に疑問
を持った建築家達が建築を2次元までにとどめ建築の
概念を情報伝達のプロセスそのものに組み込んだもの
を提唱した集団・雑誌である。
- 15. 「空中都市」
と
「クンストハウス・グラーツ」
の比較
メタボリズムとアーキグラムはどちらも非現実的であまり
違いがはっきり見えてこないが、「空中都市」を含め、60
年代に生まれたメタボリズムは戦争などの災害に影響
されて建築家達が考えた、新たな都市プロジェクトと考
えられるのではないだろうか。一方で、アーキグラムは、
テクノロジーを利用するであろう近未来への憧れと期待
を皮肉に表現してるだけではないだろうか。