RPAの成功を阻む６つの誤解

ロボティック・プロセス・オート
メーション（RPA）の成功を阻む
6つの誤解

ここで言うロボットとは工場で稼働しているロボットと異なり、
業務処理を自動化するソフトウェア・ロボットであることは、多
くの企業が理解するようになっています。ただ、多くの企業が導
入へ向けた試行錯誤を行っているとはいえRPAを全社的かつ大規
模に本格導入した例はまだほとんどありません。
RPAの本質をとらえることができなければ、
生産性の大幅な改善、あるいは変革という名
の果実を追い求める中で、莫大な投資を無駄
にしてしまうリスクにさらされます。
Copyright © 2017 Accenture All rights reserved. 2

RPAの展開における、6つの誤解とは、
具体的にどのようなものなのでしょうか
3Copyright © 2017 Accenture All rights reserved.

「ロボットさえあれば、すべてが解決できる」
企業がRPAから最大限の効果を引き出すには、RPAツールとプ
ロセス・エンジニアリング、人材を適切に組み合わせながら、長
期的な視点に立って、これまで以上に経験を積み重ね自動化さ
れた環境の構築を目指さなければなりません。
RPAは、ある業務の構成要素を別の要素で置き換えようとするもので
はなく、業務の手法そのものをそっくり変えてしまうことによってその価
値を発揮します。
第1の誤解

このことがかえって「RPAの導入／活用にIT部門が深く
かかわる必要はない」という誤解を生む原因になってい
るのが現状です。
セキュリティやテクノロジーの信頼性、拡張性、継続性、
耐障害性に関する全社規模のポリシーや戦略に沿った
ものとして構築されなければなりません。
「IT部門の協力は必要ない」
RPAツールはレガシー・アプリケーションとの統合が不要であり、あらゆるデスク
トップにインストールできる点が大きな特長です。
第2の誤解

RPAの導入は、企業がマイナスの影響
を被ることなく、試行錯誤を繰り返しな
がら段階的に経験を積んでいける、大
きなリスクを伴わないプロセスだと言え
ます。
ところが、パイロット・プログラムを通じ
てRPAに対する社内の支持を得ること
に成功した企業の多くは、まず「歩く」こ
とを覚える前に「走る」ことを目指しがち
です。
「ロボットを1台導入するのも1,000台展開するのも同じ」
RPAの導入は、一般に考えられているほど難しいことではありません。
第3の誤解
1台のロボットを導入するハードルはそれ
ほど高くありません。しかし、多種多様なプ
ロセスに数百台ものロボットを実装する全
社規模の自動化には、異なる次元の困難
が伴います。
だからといって、RPAの大規模展開に取り
組む姿勢さえない企業に、自動化のメリッ
トをフルに享受し、30～40％といったコスト
削減を達成する道筋は開かれません。

大企業では、新たなイノベーションの創出や
効率性の改善を阻みたくないという考えから、
RPAの活用を各部門や部署の裁量に委ね
てしまうケースが見受けられます。
特に自動化プログラムの導入初期において
は、一元的な管理とガバナンスを徹底する
のが基本です。各部門や部署の裁量に任
せていては、社内にさまざまなプロジェクト
が乱立し、混乱を招くだけです。
「RPAツールの活用は、各部門／部署の裁量に委ねる」
高度な柔軟性と操作性を備えたRPAツールは、部門や部署を
横断してさまざまなコンテクストに応用することができます。
第4の誤解
RPAの大規模展開は、共通の環境下で
共通のセキュリティ／リスク／品質基準
に従い、一元的な管理／ガバナンスの
手順を踏みながら、リスクの最小化と学
習の最大化を図ることによってこそ、最
も大きな成功を収められるのです。

私たちはロボットを仮想ワーカーとして見なすべきです。さ
らには人間の労働者と同じように、手順やルールがアップ
デートされるたびに変革戦略に則って、ロボットも最新の
状態にアップデートしなければなりません。
RPAプログラムは、すべてのフェーズで継続的な管理が不
可欠です。新たな手順の採用には事前のテストが必要で
あることは言うまでもなく、リーダーは予想される新たな複
雑性に対して常にアンテナを張っていなければなりません。
「ロボットは“セットしたらあとはお任せ”」
企業が活用するあらゆるシステムと同様、ロボットにも適切な運
用管理と技術的な保守が必要です。
第5の誤解

自動化できるタスクはルーチン化された
もの、反復的なもの、単調で量が多いも
のが主です。こうした業務は仕事への満
足度ややりがいが低いため、従業員の
離職率が高く、彼らにはより興味を持っ
て臨むことのできる、会社にとってもより
価値のある仕事を任せることが望まれま
す。
「人材戦略は後回しでよい」
RPAは従業員にも大きな恩恵をもたらします。
第6の誤解
RPAを導入することで、チームはこうした
大きな価値につながる、満足度の高いタ
スクにより多くの時間を投じることができ
るようになります。
いかなる計画にも、テクノロジー戦略と人
材戦略が不可欠なのです。

RPA導入における必須成功要因
これら6つの誤解を回避するためには、RPA導入がもたらす成果の予測と、それに向けた適切な戦略、
全社的なガバナンス体制、継続的なモニタリング／保守／改善のサイクルが不可欠です。さらに、こ
れらを実現するために満たすべき5つの要因を以下に挙げます。
。
1
2
4
5
専任チームの設立
適切なツールの選択
RPAのリスク管理
運用のガバナンス
3
インフラの構築

RPAはどこで活用できるか？
RPAは取引の処理、データの処理、レスポンスの収集、他のデジタル・システムとの通信などに
用いられます。反復性があり、人の判断を必要としないボリュームの多い手作業の自動化に最適
です。RPAの導入を成功させるには、以下の2つの条件を満たすことが不可欠です。
経理・財務、人事、調達、サプライチェー
ン管理、顧客サービス／体験、その他の
業界固有の各種のビジネス・プロセス
（保険金請求処理など）などが、RPAの
理想的な導入領域。
構造化されたインプット
ルールベースの処理

なぜRPAを導入するべきなのか？
RPAには7つの大きな長所があります。
精度
RPAは、誤処理を減らし、全体的な
データ精度を向上させます。
サービスの継続性
休むことなく稼働するソフトウェア・ロボットは、
予測性、信頼性、サービスの継続性において
優れた成果を発揮します。
スピード
RPAは業務処理のサイクルを劇的に
短縮します。処理時間を平均で40％
短縮することで、成果や顧客満足度
を著しく高めることができます。

なぜRPAを導入するべきなのか？
RPAには7つの大きな長所があります。
コスト効率
RRPAは取引の処理コスト
を最大で80％削減します。
俊敏性
需要変動に対応できる点もRPAの優
れた特長です。優れた操作性
他のオートメーションやトランスフォー
メーションと比べて、RPAは導入、構成、
保守が容易です。
拡張性
RPAでは、リソース・コストとプロセス・ボリュームを
切り離して考えることができます。そのため運用の拡
張が容易にでき、拡張や組織変更、キャパシティ拡
大の主な領域にリソースを注力することが可能です。

RPAはどのように企業に変革をもたらすか？
RPAからは圧倒的なメリットが得られます。総じてRPAは以下のようなメリットを通じて、
企業に複雑性を伴わない変革をもたらし、未来に向けた成長を加速します。
レスポンス・タイムの短縮によって顧
客を待たせる必要はなくなり、また年
中無休のRPAは、サービスの利便性
を飛躍的に高めます。さらに、顧客満
足度に悪影響を及ぼすような誤処理
のリスクも低減します。
顧客体験／満足度ワークフォース・バリュー
反復的かつ単調なルーチンワーク
から、顧客満足度やビジネスの成果
に直結する、より高付加価値なタス
クへ従業員をシフトすることが可能
になります。

RPAはどのように企業に変革をもたらすか？
誤処理の削減、および一貫
性のある正確かつ調整可能
なルールの適用により、リス
ク／コンプライアンス管理が
改善されます。
リスク／コンプライアンス管理分析能力と可視性
RPAは、総合的かつ高い可視
性を備えたエンドツーエンドの
プロセス管理を実現します。
RPAからは圧倒的なメリットが得られます。総じてRPAは以下のようなメリットを通じて、
企業に複雑性を伴わない変革をもたらし、未来に向けた成長を加速します。

RPAの成功を阻む６つの誤解

Recommandé

Recommandé

Contenu connexe

Similaire à RPAの成功を阻む６つの誤解

Similaire à RPAの成功を阻む６つの誤解 (20)

Plus de Accenture Japan

Plus de Accenture Japan (20)

RPAの成功を阻む６つの誤解