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Plus de Akira Yamaguchi (9)
Notes de l'éditeur
- 「下請け文系エンジニアでも楽しめる!数学つまみぐい〜入門編〜」
始めます。
- 自己紹介です。
初めまして、文系出身、下請け、サラリーマンプログラマーのヤマグチと申します。
他に登壇されている皆さんとは違って、まったくの一般人です。
ええもう、見るからに一般人ですね。
- 経歴はこんな感じです。
専門学校ではラノベを書くようなことを勉強していました。
その後、特技を生かしてプログラマーとして就職。
そこで色々と業界の地獄を見ました……。
その時のことは、いまは思い出したくない……。
そんなわけで、つい最近まで、数学とはほとんど縁のない人生を送ってきました。
それで、残業をしたり、残業したり、残業したり、あと障害対応をしたりして暮らしていたのですが、
あるとき……。
- 数学カフェに出会いました。
主催者である「中の人」が「フラクタルの勉強会を開きます!」と宣伝されていたのを耳にして、
ろくな知識も持たずに参加させてもらったのが始まりです。
フラクタルについては、CGで使っていたり、綺麗な模様が描けたりして、前から興味がありました。
「ヤマグチは数学がわからぬ。しかし、フラクタルという言葉には人一倍敏感であった」
- さて、お世話になっている数学カフェの紹介です。
数学カフェは、ひみ……
えー、アットホームかつ本格的な、数学の勉強会を、毎月開催しているという団体です。
……と言えと言われました。
参加者はオープンに募集しています。
FacebookやTwitterのアカウントもあるので、ぜひチェックしてみてください。
- こちらは、数学カフェの最近の勉強会のテーマです。
圏論を駆使した現代数学から、暗号や物理学といった応用数学、それに幅広い数学史のお話など、
難易度も分野も様々な勉強会を毎月開催しています。
最近は、その分野のプロフェッショナルの方を招待しての講演会が多いです。
ただ講演を聞くだけではなくて、その場や講演後での質問など、いつも活発な議論が広げられています。
- さて、本題ですが、
数学初心者だからこそ話せる数学つまみぐいの方法について、
これから紹介します。
- 数学について、面白そうだけどなかなか手が出しにくいとか、
何から手をつけたらよいかわからないとか、
私と同じような初心者の方には、そう思うことが多いと思います。
そこで、そんな数学のハードルあるあるを、いかに軽やか〜に飛び越えるか、
それを中心にお話しします。
まず、数学のハードルその1……。
- 数式が読めない。
ぱっと見て難しくて、それで諦めてしまう。
きっと経験ありますよね。
- でも大丈夫!
式のあまり出てこない一般向けの本でも、面白い数学書はたくさんあります。
- 面白くてためになる本でブックリストを作ってみました。
普通の本なら読めるという方には、まず数学史を読んで親近感を持ってみるのがオススメです。
とくにサイモン・シンの「フェルマーの最終定理」は、
数学の歴史とドラマが堪能できて、しかも最先端の数学に繋がっているというすごく面白い本なので、
ぜひ読んでみてください。
また、E・T・ベルの「数学をつくった人びと」も、
古い本で少し読みづらいですが、数学史の古典です。
これを読んだのがきっかけで数学者になったという人もいます。
他にも、最新の数学に触れてみたり、ユニークな数学者の伝記を読んだり、
まずはそうやって数学と親しんでみると良いと思います。
- そうして親しみが湧いたら、少しだけステップアップして、
高校の数学くらいでできる入門書を手に取ってみると良いと思います。
まず、もうあまりに有名な結城浩先生の「数学ガール」シリーズ。
「数学ガール」本編は、高校数学程度から本格的な数学の世界に案内してくれる、小説仕立ての作品です。
「数学ガールの秘密ノート」シリーズは、それより少し易しい中高生向けのお話です。
- そして、やや厚いけれど独学にぴったりの、吉田武先生のシリーズ。
時間さえあればこれでじっくり独学したい……。
- さらに、研究者がごく専門的な分野を案内してくれる本があります。
とても優しくて人間味のあふれる、だけど本格的な数論へと招待してくれる「数論への招待」
先ほど講演されていた加藤文元(かとうふみはる)先生の「天に向かって続く数」
こんな感じで、高校数学程度の知識で楽しめる本がたくさん出ています。
私もこういった本で頑張って勉強しています。
- さて、次のハードルは……
- 計算が苦手。
私も最近、ついに、計算ミスをよくやるようになってしまいました……。
- ではどうするか。
コンピューターにやってもらえば良いのです。
- 数学は、ちょっとでもコンピューターが使えれば百人力です。
まず大正義Excel。
仕事ではよく方眼紙として使うのですが、計算させるのが本来の使い方ですね。Excelも冥利に尽きます。
ほかに、ちょっとでもプログラミングができれば、
自分でプログラムを書いて計算させてみることもできます。
この後近藤さんが、プログラミングについての発表もされるそうなので、そちらも注目ですね。
- 先ほどのスライドに書いた通り、数学関係のプログラミングは割と簡単で、ちょっと頑張ればこんな画像みたいなものが描けたりします。
好きな言語で大丈夫です。私はD言語が好きなので、D言語で書きました。
なぜD言語が良いかというと……。余白が足りない……。時間も足りない……。
- さて、ハードル3。多いですね……。
- 問題が解けない。
そりゃ解けないですよね。難しい問題いっぱいありますもんね。
- じゃあいっそ、未解決問題に挑戦してしまいましょう!
- 未解決問題なら、解けなくても恥ずかしくありません!
なにしろ、まだ誰も解けていませんからね。
私が自分で触れてみたことのある未解決問題は、
小学生にでも問題の意味がわかる「コラッツの問題」というものです。
解けた人にはなんと賞金が500!……ドル。
- ほかには、リーマン予想という問題があります。
こちらは数学界でも最大級の未解決問題です。こちらは解ければ100万ドルもらえるそうです。
だけど、式を計算してグラフを描いてみたりするのは意外と簡単です。
今日登壇されるtsujimotterさんが素晴らしい解説ブログを書かれているので、是非読んでみてください。
私もブログを参考にD言語で描きました!
一般向けで良い解説書もたくさん出ていて、数学の神秘に触れてみるのにぴったりです。
- 数学のハードルその4。
だんだん数学グチ大会みたいになってきました。
- やる気が出ない。
……致命的ですね。
- そうしたら、やらざるをえなくなればいいんです!
イベントや検定試験にチャレンジしてみましょう!
- 私がお世話になっている数学カフェ、
この後登壇されるキグロさんが主催さている日曜数学会、
それにもちろんこのイベント、ロマンティック数学ナイト、数学教室、
そういった一般の人に門戸を開いているイベントがたくさんあります。
数学というと冷たい、怖い人がいるイメージを持たれてしまっているかもしれませんが、
むしろ温かくて、初心者にも丁寧に教えてくれる人が多いです。
だから、あまり怖がらないで気軽に参加してみましょう!
あと、最近私が挑戦しているのが数学検定です。
小学生レベルから大学の教養課程程度まで、
自分のレベルに合わせて好きなペースで受験できて、
初学者の腕試しにとても良いです。
- さて、これが最後のハードルです。
- いわゆる「そもそも」問題です。
そもそも、専門家ではない私のような人間が、数学を勉強して、何かの役に立つのか?
- たぶん役には立ちません。
- でも、数学が大好ききな皆さん、それに、専門家や、伝記の中の数学者、そういった人たちと接することができてわかったことがあります。
- 数学は、手段ではありません。
- 数学は、目的です。
- 世界や宇宙について見聞きすること。
人々について理解すること。
自分自身について深く知ること。
そういったことがそれ自体に意味があるように
- 自分の中で、あるいは人類全体が、数学の世界を押し広げることは、
手段ではありません。
むしろ目的そのものなのです。
- わからないものがわかるようになる楽しみ
- そして
- わからないものがやっぱりわからない神秘
- ともに分かち合いましょう!
おめでとう!
おめでとう!
おめでとう!
……ありがとう。
- 最後に告知です。
11月5日、6日に、サイエンスアゴラというイベントで、
4次元をバーチャル・リアリティで見てみようという展示を行います。
日本科学未来館という場所で行います。
私はプログラマーとしてアプリ開発に参加しています。
4次元というよく分からないものを体感できるイベントです。是非とも遊びに来てください。
- そしてもう1つだけ宣伝です。
今回使わせて頂いた愛らしいキャラクターは、こちらから引用しました。
D言語、キャラを見れば分かるようにとても素晴らしい言語なので、プログラミングができる方はぜひ使いましょう!
それでは、お聞きくださってありがとうございました!
まだまだたくさん楽しい発表やイベントがあるので、是非とも最後まで堪能していってください!
(礼)