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                STC
(Structure Thermodynamic Calculation)




Protein-Protein & Protein-DNA interactionの熱力学特性 (Gibbs エネルギー ΔG、エン
タルピー変化 ΔH、エントロピー変化 ΔS、埋没露出表面積 ΔASA)を経験的に算出す
ることができる。 Protein-Ligand interactionにも適応可能だが、 ΔASA で説明できる
かは懐疑的である。

Provided by Satoshi Kume, Osaka Prefecture University
Case 1: Protein-Protein interaction (PDB ID: 1HQO)
1. PDB file(text)のダウンロード
    Dimer Protein: yeast prion protein
URL: http://www.rcsb.org/pdb/explore/explore.do?structureId=1HQO
2. PyMOLによるPDB fileの変更
・ MSE (セレノメチオニン) & 全水分子(300-399)の削除
・ 水素原子の付加 (Action → hydrogens → add)
・ PDB fileとして再保存(file → save molecule)
3. テキストエディタによるPDB fileの変更
・ ファイルのChain AとBの間に”TER”を挿入する
 (Chain A: リガンド、B: タンパク質として認識される)
・ 最後の行に、”TER”を挿入する
・ その他のTER行を削除する
 ( 例えば、TER          1864    PRO A 225 などの行を削除)
・ Chain名が全体を通してズレていないことを確認する
4. STCの操作手順
(System Type: binding)
A. Output directoryの設定 (保存場所は任意)
B. Calc ASAの設定
  B-1. Bound complex pdb file (ligand first)のみ選択
  (Optionalの設定は、エラーの原因!!)
  B-2. Calculate → Done calculations, no errorsなら、O.K.
  B-3. Dismiss
C. Thermodynamics
  C-1. sbb & Sex->uの設定
                                               ΔASAのヒストグラム
  C-2. Calculate
  C-3. Histograms解析
Case 2: Protein-ligand interaction (PDB ID: 1CBS)

1. PDB file(text)のダウンロード

          Protein: Cellular retinoic acid binding proteins
          Ligand: Retinoic acid


URL: http://www.rcsb.org/pdb/explore/explore.do?structureId=1CBS


2. PyMOLによるPDB fileの変更

  ・ 全水分子(300-399)の削除(Action → remove atoms)
  ・ 水素原子の付加 (Action → hydrogens → add)
  ・ PDB fileとして再保存(file → save molecule)
3. テキストエディタによるPDB fileの変更

・ ”REMARK”だけの行を先頭に2行挿入する(入れなくても良い!!)
・ リガンドの行を最初に挿入する
・ リガンドの文頭にある”HETATM”を” ATOM”に変更する(変更不要?)
・ リガンドの三文字表記をamino.def内の形式に変更する(ADD など)
・ リガンド情報の最後に、”TER”を挿入する
・ リガンドの原子名に通し番号がある場合は、削除する
 (C、O、あるいはHに変更する)
・ CONECT 行の削除
・ Chain名が全体を通してズレていないことを確認する
・ 原子の番号は前後していても問題ない!!
・ 最後の行に”TER”を挿入する
4. STCの操作手順
(System Type: binding)
A. Output directoryの設定 (保存場所は任意)
B. Calc ASAの設定
  B-1. Bound complex pdb file (ligand first)のみ選択
  (Optionalの設定は、エラーの原因!!)
  B-2. Calculate → Done calculations, no errorsなら、O.K.
  B-3. Dismiss
C. Thermodynamics
  C-1. sbb & Sex->uの設定                          ΔASAのヒストグラム
  C-2. Calculate
  C-3. Histograms解析

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2024年度 東京工業大学 工学院 機械系 大学院 修士課程 入試 説明会 資料
 

STC_manual_ver1.0

  • 1. 130112 version 1.0 STC (Structure Thermodynamic Calculation) Protein-Protein & Protein-DNA interactionの熱力学特性 (Gibbs エネルギー ΔG、エン タルピー変化 ΔH、エントロピー変化 ΔS、埋没露出表面積 ΔASA)を経験的に算出す ることができる。 Protein-Ligand interactionにも適応可能だが、 ΔASA で説明できる かは懐疑的である。 Provided by Satoshi Kume, Osaka Prefecture University
  • 2. Case 1: Protein-Protein interaction (PDB ID: 1HQO) 1. PDB file(text)のダウンロード Dimer Protein: yeast prion protein URL: http://www.rcsb.org/pdb/explore/explore.do?structureId=1HQO 2. PyMOLによるPDB fileの変更 ・ MSE (セレノメチオニン) & 全水分子(300-399)の削除 ・ 水素原子の付加 (Action → hydrogens → add) ・ PDB fileとして再保存(file → save molecule) 3. テキストエディタによるPDB fileの変更 ・ ファイルのChain AとBの間に”TER”を挿入する  (Chain A: リガンド、B: タンパク質として認識される) ・ 最後の行に、”TER”を挿入する ・ その他のTER行を削除する  ( 例えば、TER 1864 PRO A 225 などの行を削除) ・ Chain名が全体を通してズレていないことを確認する
  • 3. 4. STCの操作手順 (System Type: binding) A. Output directoryの設定 (保存場所は任意) B. Calc ASAの設定   B-1. Bound complex pdb file (ligand first)のみ選択   (Optionalの設定は、エラーの原因!!)   B-2. Calculate → Done calculations, no errorsなら、O.K.   B-3. Dismiss C. Thermodynamics   C-1. sbb & Sex->uの設定 ΔASAのヒストグラム   C-2. Calculate   C-3. Histograms解析
  • 4. Case 2: Protein-ligand interaction (PDB ID: 1CBS) 1. PDB file(text)のダウンロード Protein: Cellular retinoic acid binding proteins Ligand: Retinoic acid URL: http://www.rcsb.org/pdb/explore/explore.do?structureId=1CBS 2. PyMOLによるPDB fileの変更 ・ 全水分子(300-399)の削除(Action → remove atoms) ・ 水素原子の付加 (Action → hydrogens → add) ・ PDB fileとして再保存(file → save molecule)
  • 5. 3. テキストエディタによるPDB fileの変更 ・ ”REMARK”だけの行を先頭に2行挿入する(入れなくても良い!!) ・ リガンドの行を最初に挿入する ・ リガンドの文頭にある”HETATM”を” ATOM”に変更する(変更不要?) ・ リガンドの三文字表記をamino.def内の形式に変更する(ADD など) ・ リガンド情報の最後に、”TER”を挿入する ・ リガンドの原子名に通し番号がある場合は、削除する  (C、O、あるいはHに変更する) ・ CONECT 行の削除 ・ Chain名が全体を通してズレていないことを確認する ・ 原子の番号は前後していても問題ない!! ・ 最後の行に”TER”を挿入する
  • 6. 4. STCの操作手順 (System Type: binding) A. Output directoryの設定 (保存場所は任意) B. Calc ASAの設定   B-1. Bound complex pdb file (ligand first)のみ選択   (Optionalの設定は、エラーの原因!!)   B-2. Calculate → Done calculations, no errorsなら、O.K.   B-3. Dismiss C. Thermodynamics   C-1. sbb & Sex->uの設定 ΔASAのヒストグラム   C-2. Calculate   C-3. Histograms解析