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Notes de l'éditeur
- 皆さんこんにちは。刈谷市から来ました、かんたと申します。学芸員の神取さんに菱池の話を聞いたり現地を訪れたりする前に、ウィキペディアとウィキペディアタウンについての話をしたいと思います。
- まず、皆さんウィキペディアは知っていますね。日常的にインターネットを使う人であれば、ウィキペディアを知らない人の方が珍しいと思います。私なんかは、何かを調べるときにまずウィキペディアの記事を見てみることをします。それからインターネット上の他のサイトを見たりして、もっと深く知りたいときには図書館で本を探すということをしています。でも多くの人にとっては、Googleで何か検索した時に上の方に出てくるウェブサイト、くらいのイメージかもしれません。なので、ウィキペディアとはどんなウェブサイトなのか知らない方も多いと思います。ウィキペディアを固く説明すると、こう説明できます。一言でいえばオンライン百科事典なのです。
ウィキペディアが生まれたのは2001年。写真にあるジミー・ウェールズという方が創設者です。日本語、英語、フランス語など、ウィキペディアは250もの言語で書かれています。
誰でも編集が可能というのは、紙の百科事典と大きく異なる特徴です。
- 例えばこちらの記事。「2022年ロシアのウクライナ侵攻」という記事は、2月24日に作成されました。まさに侵攻が起こったその日に作成されて、いろんな方が編集して現在の記事になっています。紙の百科事典であれば、ロシアのウクライナ侵攻に関する項目が追加されるのは数年後になるかもしれません。また、ウクライナ侵攻のことが書かれる書籍が出版されるのは早くても数か月後のことだと思います。新聞であっても、一週間前の新聞記事に書かれていたことはもう時代遅れかもしれません。このような時事ネタは誰でも編集ができるウィキペディアの特徴をよく表していると思います。
- 2022年ロシアのウクライナ侵攻という記事は、日本語以外にも多数の言語で書かれていまして、今日の時点で110言語版に同じ題材の記事があります。こちらはロシア語版の記事です。書かれている内容は各言語版で少しずつ違っていて、例えばロシア語版では日本語版になかった写真が使われています。
- 今度はGoogleで”幸田町”と検索してみました。1番上には自治体公式サイトが出て、2番目には
- 幸田高校のウィキペディア記事を見てみましょう。一番上が記事のタイトルで、その下には「幸田高校は、幸田町にある公立高校である」と書いてあります。さらに「三河2群Bグループに属する」とも書いてあります。幸田高校の在校生がグループ分けを意識することはほとんどないと思いますが、百科事典にとっては大事なことだと考えた誰かが付け加えたんですね。その下には目次があって、さらに下には概要、沿革、と続いています。概要のところには1951年に開校した前身の高校のことや、1972年に開校したことなどが書かれています。これらも在校生が意識することはほとんどないと思いますが、歴史についての文章を積み重ねていくことが大事なんです。沿革の下には、部活動、卒業生、交通アクセスなどが書かれています。記事の右側には、この記事の中で特に大事だと思われることをぎゅっと詰め込んだ部分があります。
- この幸田高校の記事ですが、2006年に作成されたばかりの時はこのような状態でした。目次だけ見ると2022年現在と変わらないように見えるんですが、ほとんど文章がありません。例えば沿革の節には1972年開校としか書かれていないし、校訓、教育目標、校章、校歌などはまったく書かれていません。右側の枠の中は現在とそう変わらないんですが、写真がありません。ウィキペディアではいろんな人が文章を書きたして言って成長しますが、写真についても誰かが加えるまではないんです。
- さて、ウィキペディアの幸田高校の記事は2004年に初めて作成されてから、16年間で80回くらい編集されています。80回の中には文章をたくさん書き加える編集もあれば、誤字を直すだけの編集もあり、中には好ましくない編集もあります。例えば、2021年9月24日には、ある卒業生の名前と、こいつは犯罪者だ、と書き込む編集がありました。ほとんどいたずらに近い編集だったので、わずか12分後には別の方によって編集が差し戻されています。
ウィキペディアは誰でも編集に参加できるという特徴があるので、いたずらや悪意のある荒らしは常にどこかで起こっています。幸田高校の記事のようにすぐに別の方が見つけることもありますが、誰にも発見されずに放置されてしまう場合もあります。すべての編集について、編集した人のアカウント名や編集時間などが記録に残るので、いたずら編集をした人を投稿ブロックするような措置なども行われています。
- ウィキペディアを編集するときのルールもいくつかあります。最も重要なのは、中立的な観点、検証可能性、独自研究は載せない、という3点です。
政治的な記事では1番の中立的な観点というのがとても大事です。例えば、先ほど見た「ロシアのウクライナ侵攻」という記事名に対してどう思いましたか。”侵攻”というと、ある国がある国に対して一方的に攻め入っている感じがします。それで、”紛争”という言葉を使って「ロシア=ウクライナ紛争」という記事名に変えるべきだ、という意見もあるんです。ロシア国内ではそういう意見のほうが強いかもしれません。ただし、日本語の新聞やテレビでは”侵攻”という表現が最も多く使われているので、ウィキペディアの記事名も「ロシアのウクライナ侵攻」になっています。
きょうの菱池の編集に関していえば、2番の検証可能性、3番の独自研究は載せない、というのが大事です。このあと学芸員さんから菱池の話を聞くと思いますが、聞いてメモした話をそのままウィキペディアに書いてはダメなんです。学芸員さんの話の内容は、何かの本などに書いてあることがほとんどです。聞いた話の出典を本から探したうえで、出典となる本の題名も添えて書き込んでください。
- もう一つ大事なのが、コピペはダメということです。これはウィキペディア内のルールではなくて、著作権法という法律におけるルールなので、日々の生活でも意識することが大事です。例えば、2月にこのようなネット記事がありました。”全国トップの生産量を誇る「筆柿」の産地として知られる。”と書かれています。この記事を出典として、ウィキペディアに筆柿に関する記述を加えたい場合、どう書けばいいでしょうか。
語尾を変えただけでは、コピペと同じことです。文章の内容について、自分の頭で理解したうえで、自分の文章で書きなおす、ということをしなければいけません。一番下に書いた文章であればいいのではないかと思います。
- 私が2月に滋賀県で参加したイベントです。