13. 失敗しないデスクトップ仮想化導入の秘訣 | ホワイトペーパー 13
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6. 導入を妨げるもう一つの課題、アプリケーションの互換性評価
デスクトップ仮想化導入方針やコストの問題がクリアされた後、企業は次の課題に直面します。
それは、アプリケーションの互換性です。
デスクトップ仮想化を導入するにあたり、もっとも管理効率や集約度の高い「サーバー共有デ
スクトップ」では、その名の通りサーバーOS をデスクトップ OS として利用しますので、従来
の物理 PC で使っていたものとは異なる OS を利用することになります。また、「VDI(仮想 PC)」
を導入する場合でも、これまで物理 PC で用いていた OS が Windows XP のような古い OS の場
合は、デスクトップ仮想化導入を期に Windows 8 や Windows 7 などの新しい OS に移行するこ
とが広く一般的に行われています。
一方で、企業は数多くのアプリケーションを有しています。企業が、一度バージョンアップを
行うことを決めると、それらアプリケーションが新しい OS で動作するのかどうかを確かめる必
要がでてきます。大企業などではアプリケーション数が数千に及ぶ場合も稀ではありません。
ガートナー社の調べによりますと一つのアプリケーションを移行するのに約 1.5 人月かかると
試算されています。これが数百、数千にのぼることを考えると膨大なコストがかかるのです。
それでは企業はバージョンアップを実施する際にどのように行うべきなのでしょうか?
デスクトップ OS を移行する際に Citrix AppDNA(以下、AppDNA)のような互換性評価ツール
を利用し互換性を予めチェックする方法が有効です。これは、企業が利用する数多くのアプリ
ケーションが移行後に問題なく動作するかを、専用の評価アルゴリズムを持ったソフトウェアで
確認してから行う方法です。AppDNA のような互換性評価ツールを利用することで、企業は従
来 OS のバージョンアップの際に全アプリケーションの互換性確認を移行先毎に検証を行って
いた作業が必要なくなります。つまり、テスト作業のほとんどを自動化してバージョンアップに
ともなう時間、コスト、リスクを低減させることが可能になるのです。このようなツールを利用
することにより XenDesktop を利用したデスクトップ仮想化への移行の際に発生するようなデ
スクトップ OS の移行作業も短縮可能になるのです。
14. 失敗しないデスクトップ仮想化導入の秘訣 | ホワイトペーパー 14
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図 12 AppDNA の検証プロセス
AppDNA は、互換性評価のために Windows 上で稼働するパッケージアプリケーションやカス
タムアプリケーション、Web アプリケーションの内部構造を分析します。具体的には Windows
Installer のファイルである MSI 形式や EXE 形式のインストーラから、アプリケーションが利用
している API やライブラリの情報を集め、それらが固有の OS 環境で引き起こす問題を分析・
レポートします。その分析エンジンは 68,000 以上の分析箇所を誇ります。
また、移行対象に関しても、デスクトップ仮想化におけるサーバー共有デスクトップでの互換
性はもちろん、Windows 7 や Windows 8、さらには IE(Internet Explorer)の各バージョンに依存
した互換性を評価することが可能です。さらには、Microsoft App-V や Citrix XenApp Application
Streaming のようなアプリケーション仮想化方式での適用可否分析も可能です。
たとえば物理 Windows XP 環境をサーバー共有デスクトップへ移行する際には、物理
Windows XP 環境で利用していたアプリケーションのインストーラ(MSI や EXE など)を
AppDNA にインポートすることで、各アプリケーションをサーバー共有デスクトップへ移行し
た際に発生しうる問題やその対策がレポートされます。具体的には、OS 側の設定による回避策
や、アプリケーションの改修が必要な場合は、その改修箇所、改修内容の詳細な情報をレポート
します。さらには、インストールパッケージに問題がある場合は、対策済みのインストールパッ
ケージの再作成をも自動的に行うため、互換性評価のみならず必要な修正を行う機能も持ってい
ます。加えて特徴的なことは、サーバー共有デスクトップにおけるアプリケーション互換性を評
価するために、サーバーデスクトップ環境を構築しなくても問題や対策の情報を得ることが出来
るのです。