1. ホラー映画にみる日米の違い
中川エリカ
今日は、日本のホラージャンルをアメリカのものと比較し、どんな技を使用
し、観客を怖がらせるかについて発表する。私は高校２年生のとき、ある日本のホ
ラー映画を友達と見、多くの日本のホラー映画やドラマは昔話や宗教の影響を受け
ていることに気付いた。そして、これがきっかけで、これまでずっと色々な国のホ
ラー映画やドラマを見てきた。
その結果、日本のホラージャンルは映画の中で起こっている状況が日常的に
ありえるように見せかけ、アメリカのものは、話を現実からもっと分離した物だと
とらえている、と私は推測する。日米のホラー映画は共に、様々なスタイルを使用
し、それを映画やドラマの中で表現している。実際に、日本の話は、何かの欠如を
通して観客の想像力を目覚めさせる物が多い。
例えば、日本の悪者や幽霊はほとんどいつも思いもしないような場所に隠れ、
自らの存在の気配を残し、主人公に違和感を感じさせる。一つの例として、｢リン
グ｣と言う映画ではテレビを通して主人公の周りの人が襲われた。それと比較して、
｢エクソシスト｣などのアメリカの映画では、悪者はたいてい観客に分かるようにな
っており、最初はどこかに隠れていても、そのうちに観客の前に出てくるスタイル
だ。
また、日本のホラー映画では、静かな足音のような自然な音を通して主人公
と観客に違和感や緊張感を感じさせる。例として、｢オーディション｣と言う映画で
は、犯人の女性は、倒れて動けなくなっている主人公の体に針を何本も刺す時、い
つも｢キリキリ｣と言った。こんなシンプルな音でもすぐこの犯人が主人公を襲って

2. いるシーンが思い浮かぶし、この｢キリキリ｣と言う言葉は私達だれもがまね出来る
ので、観客は映画を見てから随分時間が経っていても、｢キリキリ｣という言葉を聞
くと自分も不安を感じる。それに反し、アメリカの｢ジョーズ｣などでは、ドキドキ
させる音楽を使い、サメが近寄るシーンを現実よりもっと誇張して観客を怖がらせ
る。
更に、アメリカの映画では、多くの場合流血シーンを見せるが、日本の方は
人が殺されるところをほとんど見せない。例えば、｢呪怨｣と言う日本の映画では、
悪者である幽霊の存在に気付いたある女性はベッドの中に逃げ込んだが、幽霊もベ
ッドの中に忍び込み、その女性を殺した。しかしながら、この映画では、他の日本
の映画と同じく、この女性が殺されるところを見せなかった。その一方、｢ウォーキ
ング・デッド｣のというアメリカのドラマでは、ゾンビが人を殺して食べるところを
観客に見せている。
つまり、日本のホラージャンルは日常起こりえる場面を使って観客の想像力
を通して怖がらせ、アメリカのホラー映画は現実から離れているが、直接怖がらせ
る。これは、それぞれの国の昔話の影響を受けているからだろう。例えば、日本の
映画によく出る｢怨霊｣と言う幽霊は、奈良時代の長屋王が四人の息子に自殺するよ
うに強要された後、長屋王の幽霊として息子たちを討ったと言う話が記録されてい
る。アメリカでも、ハロウィーンの昔話が語り継がれている。このような昔話の影
響を受けて、現代のホラー映画では、日本の方は観客に想像力を働かせ、アメリカ
の方は全てを観客に見せることが多いという違いが生まれた。この傾向は、それぞ
れの国の国民性の違いを表しているのではないだろうか。