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JMRX勉強会 2012年6月30日

                        リサーチのグローバルマネジメント
                            (配信用抜粋版)


                          日産自動車株式会社
                        コーポレート市場情報統括本部
                          エキスパート・リーダー
                             高橋直樹
www.nissan-global.com
本日の内容
   日産自動車におけるリサーチ体系
   日産自動車におけるリサーチのマネジメント体系
   調査部門の進化
   Q&A

   講師の略歴と専門分野
       同志社大学文学部卒(社会学専攻)
       1983年 社会調査研究所(現インテージ)入社
       1997年 ノースウエスタン大学経営大学院MBA修了
       2001年 ジュピター・メディアメトリックス出向(ビジネス統括VP)
       2003年 日産自動車株式会社 市場情報室 主管
       2011年 同 エキスパートリーダー

       担当領域:日産自動車における市場調査の専門性を継承・発展させることで競争優位に貢献する

       専門分野:市場調査、アナリティクスCRM、プロセス変革マネジメントなど




                 1
本日の内容がカバーする視点

                                     サポートする
     グローバル調査の発展段階       本社   現地子会社    調査会社
現地に子会社がなく、本社が日本から調
査をコントロール
   日本の調査会社などを通じて現地調査
    会社をコントロール
   現地調査会社に直接発注




現地子会社に調査部署はないが、本社
と協力して調査をコントロール



現地子会社の調査部署が調査をコント
ロール



             2
日産自動車の概要:2011年度実績




       3
日産自動車の概要:国内乗用車ラインナップ




                       2010年

       4
日産自動車の概要:環境への取り組み




       5
自動車産業において市場調査を行なうことの特徴
   個々の車種の開発プロセスが長い
       3~5年先の上市時に適用可能な情報提供が必要


   多大な投資と多部門にまたがる決定プロセスを必要とする
       慎重な確認と開発プロセスへのフィードバックのフェーズが必要
       (とりあえず出してみて市場の反応を見るのは不可能)


   一つの商品を多くの地域で販売する
       販売地域により異なるニーズを汲み取りつつ、一つの商品としての形にするための工夫が
        必要


   所有・使用場面が他者にも見え、かつ高額商品である
       機能価値にとどまらない人間の広いニーズや価値を捉えてクルマづくりに反映することが
        必要


   購入間隔が長く、また購入検討の開始から購入完了までの時間も長い
       購入意向者における情報収集と態度変容のメカニズムをとらえ、それにどのように影響を
        与えられるかを理解することが重要


               6
日産MI(Market Intelligence)がカバーする調査領域
ブランドなどのコーポレートテーマに加え、個別車種についても将来ラインアップ計
画からアフターセールスまで、全てのフェーズで各地域のお客様の声を関連部署に
インプットしており、幅広い部署と協力しながら業務を進めています。
                                     顧客満足

Lineup                                                ブランド
[V]/[U]
          Target
                   Concept                                グローバルマーケティング
                   Making Model
                        Development                                    広報
                                Marketing
                                            Pricing    Start
      先行企画                                              of
                                                       Sales   After
              デザイン                                             Sales

                          R&D

                                 商品品質



                      7
グローバル市場情報室の役割
1.正しい情報収集の実行と結果のフィードバック
 市場・消費者から正しく情報を収集し、消費者を正しく理解し、正しく客観的に分析し、
  結果を正しくフィードバックすること

2.発信した情報から導かれる提案内容の保証
 正しくリサーチされたデータであること、正しい解析に基づいた結果であることを保証
  し、その情報が正しく社内で利用されるよう指導、監督すること

3.戦略構築におけるサポート
 戦略構築において必要とされるクリエイティビティを刺激し、関連部署の戦略構築を
  サポートすること

4.企画提案における台数のバリデーション
 さまざまな企画提案における台数計画の妥当性を、カスタマー視点からバリデーショ
  ンすること

5.調査予算の管理
 全社的観点でカスタマー調査のプライオリティ付けを行ない、グローバルに調査予算
  を管理し、調査実施可否を判断すること




          8
世界中のカスタマーの声を代表するCIS

CIS...Customer Insight Specialist
担当する領域の世界中のお客様の声を代表して、社内に情報発信し、提言を行
ないます。



  欧州                 日本
                                 南北アメリカ
               中国
              アセアン
                     グローバル本部
         インド
                        CIS




       <CISの主要機能>
        -各リージョンMIからの情報集約・発信・提言
        -各リージョンMIのサポート

          9
カスタマーインサイトのグローバルマネジメントのための条件・工夫
   商品開発・マーケティング・調査の現地化ができていない段階
       現地の当該商品分野に強い在日調査会社をアサインする
       質の高い現地調査会社・モデレーターを確保する
       在日・現地ともに他業界他社とのネットワークを構築する


   商品開発・マーケティング・調査の現地化ができている段階
       商品開発やマーケティングの部門にグローバルマネジメント体制ができているこ
        と
       現地子会社の市場調査部門のトップに本社市場調査部門トップへのレポートラ
        インを持たせる
       重要な調査の手法を本社がグローバルに管理する(手法のオーナーシップを持
        つ)
       手法やプロセスの共同開発
       人材の交流




              10
海外の消費者理解には定性手法が重要
   リサーチャーだけでなくプランナーも自分で観察し、体験し、聞くことが最も重
    要
       観察:お宅訪問、店舗観察・購買
       体験共有:現地における商品の購買・使用シーンの追体験
       知見共有:事後にワークショップを行ない、お互い(=現地&本社、リサーチャー
        &プランナー)の気付きや理解をシェアしあって知見を共有する


   適切な文化の通訳者が必要
       現地の消費者ニーズを深く分析できるだけでは不充分
       他国と比べて何が特徴的かを語れる「通訳者」(=自国と他国の消費者やマー
        ケットに精通している人)が不可欠


   事前の二次情報や他の調査結果による仮説構築
   事後の定量調査による検証




              11
国ごとのニーズのマップを作って比較する
   同様のスキームで複数の国でニーズを把握する調査を行ない、
   ニーズセグメンテーションしてニーズのマップをつくり、
   どのプロダクトでどのセグメントをターゲティングするかという戦略マップを作
    成する




           12
ティーダの事例
日本、中国、米国の当該価格セグメントNo1シェアを達成

各国でのチャレンジ
 日本:ダウンサイジングのトレンドをつかむ
       上質、広さ
   中国:市場にほぼ存在しなかった小型ハッチバックへのニーズを見極める
       若年層、ファッショナブル、新しい価値観
   米国:Value for Moneyをアピールする
       広さ、燃費、馬力、価格のバランス




                13
調査部門の進化
   BCGは企業市場調査部門へのインタビューに基づき、4段階と想定した。




                                             さまざまなデータから
                               蓄積されたインサイト    導き出されたフォーサ
                               に基づき、当該事業領    イトに基づき、自社に
                  当該調査の結果に基                  対して当該事業領域を
                  づき、その調査のユー   域に対して提言を行な
     市場調査を実施し結                               超えた提言を行なう
                  ザーに提言を行なう    う
     果を報告する




                                        BCGレポートへのリンク
                                        http://www.bcg.com/documents/file35167.
                                        pdf (英文オリジナル)
                                        http://www.bcg.co.jp/documents/file39194
             14                         .pdf (和文抄訳)
ありがとうございました。
                             Q&A




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Jmrx6月30日【日産 配信用】

  • 1. JMRX勉強会 2012年6月30日 リサーチのグローバルマネジメント (配信用抜粋版) 日産自動車株式会社 コーポレート市場情報統括本部 エキスパート・リーダー 高橋直樹 www.nissan-global.com
  • 2. 本日の内容  日産自動車におけるリサーチ体系  日産自動車におけるリサーチのマネジメント体系  調査部門の進化  Q&A  講師の略歴と専門分野  同志社大学文学部卒(社会学専攻)  1983年 社会調査研究所(現インテージ)入社  1997年 ノースウエスタン大学経営大学院MBA修了  2001年 ジュピター・メディアメトリックス出向(ビジネス統括VP)  2003年 日産自動車株式会社 市場情報室 主管  2011年 同 エキスパートリーダー  担当領域:日産自動車における市場調査の専門性を継承・発展させることで競争優位に貢献する  専門分野:市場調査、アナリティクスCRM、プロセス変革マネジメントなど 1
  • 3. 本日の内容がカバーする視点 サポートする グローバル調査の発展段階 本社 現地子会社 調査会社 現地に子会社がなく、本社が日本から調 査をコントロール  日本の調査会社などを通じて現地調査 会社をコントロール  現地調査会社に直接発注 現地子会社に調査部署はないが、本社 と協力して調査をコントロール 現地子会社の調査部署が調査をコント ロール 2
  • 7. 自動車産業において市場調査を行なうことの特徴  個々の車種の開発プロセスが長い  3~5年先の上市時に適用可能な情報提供が必要  多大な投資と多部門にまたがる決定プロセスを必要とする  慎重な確認と開発プロセスへのフィードバックのフェーズが必要  (とりあえず出してみて市場の反応を見るのは不可能)  一つの商品を多くの地域で販売する  販売地域により異なるニーズを汲み取りつつ、一つの商品としての形にするための工夫が 必要  所有・使用場面が他者にも見え、かつ高額商品である  機能価値にとどまらない人間の広いニーズや価値を捉えてクルマづくりに反映することが 必要  購入間隔が長く、また購入検討の開始から購入完了までの時間も長い  購入意向者における情報収集と態度変容のメカニズムをとらえ、それにどのように影響を 与えられるかを理解することが重要 6
  • 9. グローバル市場情報室の役割 1.正しい情報収集の実行と結果のフィードバック  市場・消費者から正しく情報を収集し、消費者を正しく理解し、正しく客観的に分析し、 結果を正しくフィードバックすること 2.発信した情報から導かれる提案内容の保証  正しくリサーチされたデータであること、正しい解析に基づいた結果であることを保証 し、その情報が正しく社内で利用されるよう指導、監督すること 3.戦略構築におけるサポート  戦略構築において必要とされるクリエイティビティを刺激し、関連部署の戦略構築を サポートすること 4.企画提案における台数のバリデーション  さまざまな企画提案における台数計画の妥当性を、カスタマー視点からバリデーショ ンすること 5.調査予算の管理  全社的観点でカスタマー調査のプライオリティ付けを行ない、グローバルに調査予算 を管理し、調査実施可否を判断すること 8
  • 10. 世界中のカスタマーの声を代表するCIS CIS...Customer Insight Specialist 担当する領域の世界中のお客様の声を代表して、社内に情報発信し、提言を行 ないます。 欧州 日本 南北アメリカ 中国 アセアン グローバル本部 インド CIS <CISの主要機能> -各リージョンMIからの情報集約・発信・提言 -各リージョンMIのサポート 9
  • 11. カスタマーインサイトのグローバルマネジメントのための条件・工夫  商品開発・マーケティング・調査の現地化ができていない段階  現地の当該商品分野に強い在日調査会社をアサインする  質の高い現地調査会社・モデレーターを確保する  在日・現地ともに他業界他社とのネットワークを構築する  商品開発・マーケティング・調査の現地化ができている段階  商品開発やマーケティングの部門にグローバルマネジメント体制ができているこ と  現地子会社の市場調査部門のトップに本社市場調査部門トップへのレポートラ インを持たせる  重要な調査の手法を本社がグローバルに管理する(手法のオーナーシップを持 つ)  手法やプロセスの共同開発  人材の交流 10
  • 12. 海外の消費者理解には定性手法が重要  リサーチャーだけでなくプランナーも自分で観察し、体験し、聞くことが最も重 要  観察:お宅訪問、店舗観察・購買  体験共有:現地における商品の購買・使用シーンの追体験  知見共有:事後にワークショップを行ない、お互い(=現地&本社、リサーチャー &プランナー)の気付きや理解をシェアしあって知見を共有する  適切な文化の通訳者が必要  現地の消費者ニーズを深く分析できるだけでは不充分  他国と比べて何が特徴的かを語れる「通訳者」(=自国と他国の消費者やマー ケットに精通している人)が不可欠  事前の二次情報や他の調査結果による仮説構築  事後の定量調査による検証 11
  • 13. 国ごとのニーズのマップを作って比較する  同様のスキームで複数の国でニーズを把握する調査を行ない、  ニーズセグメンテーションしてニーズのマップをつくり、  どのプロダクトでどのセグメントをターゲティングするかという戦略マップを作 成する 12
  • 14. ティーダの事例 日本、中国、米国の当該価格セグメントNo1シェアを達成 各国でのチャレンジ  日本:ダウンサイジングのトレンドをつかむ  上質、広さ  中国:市場にほぼ存在しなかった小型ハッチバックへのニーズを見極める  若年層、ファッショナブル、新しい価値観  米国:Value for Moneyをアピールする  広さ、燃費、馬力、価格のバランス 13
  • 15. 調査部門の進化  BCGは企業市場調査部門へのインタビューに基づき、4段階と想定した。 さまざまなデータから 蓄積されたインサイト 導き出されたフォーサ に基づき、当該事業領 イトに基づき、自社に 当該調査の結果に基 対して当該事業領域を づき、その調査のユー 域に対して提言を行な 市場調査を実施し結 超えた提言を行なう ザーに提言を行なう う 果を報告する BCGレポートへのリンク http://www.bcg.com/documents/file35167. pdf (英文オリジナル) http://www.bcg.co.jp/documents/file39194 14 .pdf (和文抄訳)
  • 16. ありがとうございました。 Q&A www.nissan-global.com