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6第 章
リサーチ・
ソリューション
図解入門
How-nual
マーケティング課題と、その課題を解決するための調査方
法や分析方法をあらかじめ定式化したものを「リサーチ・ソ
リューション」と言います。数多くのリサーチ・ソリュー
ションを学ぶことが、1人前のリサーチャーになるための近
道と言えます。
そこで本章では、代表的なリサーチ・ソリューションとし
て、「CPテスト」「ブランド診断調査」「顧客満足度調査」に
ついて説明します。
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査方法*
が開発されていることがあるからです。また、場合によっては、そうした業
界独自のマーケティング課題解決のためのリサーチ方法が、別の業界での課題解決
に応用できることもあります。そのため、リサーチャーにとって「業界の幅」を広
げることは非常に重要なのです。
しかしながら、1人のリサーチャーが体験する調査の種類は、限りがあります。調
査会社で数年働いていたとしても、あるクライアントの同じ種類の製品テストばか
り何年も担当していただけなら、リサーチャーとしてのスキルの進歩はあまり大き
くはありません。
そこで、リサーチ・ソリューションを学習することによって、いろいろな種類の
調査を「体験」する前に予習しておくわけです。
リサーチ・ソリューションを理解することは、今後リサーチャーとして直面する
様々な課題解決のための調査を企画・分析する場合の応用力を養成する上で、とて
も役立つものです。まず1通りこれらを理解することから始めることが、リサー
チャーとしての腕を磨く近道だと思います。
6-1 リサーチ・ソリューションとは?
159
*独自の調査方法 食品や飲料などのFMCG(Fast Moving Consumer Goods)、いわゆる一般消費財と、家電や車
などの耐久消費財では調査も異なってきます。
158
6-1
リサーチ・ソリューションとは?リサーチ・ソリューションとは?
一流のリサーチャーになるには、マーケティング課題へのリサーチの適用例であ
るリサーチ・ソリューションを理解することが重要です。
マーケティング課題を解決する方程式が「リサーチ・ソリューション」
これまでの章で、リサーチのやり方について説明してきました。この調査方法論
は、マーケティング・リサーチに限らず、世論調査や社会調査、アンケート調査な
どとほぼ共通する部分です。それでは、「マーケティング・リサーチ」をマスターす
るためには、後は何を学ぶ必要があるでしょうか?
答えは、2つあります。1つめは「マーケティング」そのものです。マーケティン
グ・リサーチがマーケティング活動上の課題を解決するためのリサーチである以上、
マーケティングそのものを理解する必要があることは、本書でここまで再三指摘し
てきました。そして、もう1つが、本章で説明する「リサーチ・ソリューション」で
す。
ここで言う「リサーチ・ソリューション」とは、マーケティング課題と、その解
決方法としてのリサーチの方法とが1つのパッケージになっているものと理解してく
ださい。マーケティングは、時代の変化とともに新たな課題が出現することもある
のですが、その一方で「どの企業も遭遇する共通課題」というものも存在します。
それらの課題に対して、調査の方法や分析の方法をあらかじめ定式化したものが、
リサーチ・ソリューション*
なのです。
「調査手法の種類」と「業界」の幅を広げることが重要
リサーチャーの実力というのは、様々なマーケティング課題に対して、いかにそ
の課題解決に役立つ的確なリサーチを行えるかにかかっています。そのためには、
ここまでに学んできた「調査手法の種類の幅」を広くすると共に、リサーチを適用
する製品カテゴリーを拡大する「業界の幅」を広げることが必要です。
というのも、各業界では、それぞれの製品やサービスの特徴に応じて、独自の調
*リサーチ・ソリューション 本書では、紙幅の関係で、マーケティング・リサーチの主要な分野である「製品開発」
「ブランド」「顧客満足」から1つずつ事例を取り上げます。この他、「コミュニケーショ
ン」「ショッパー・インサイト」などの分野にもさまざまなソリューションがあります。
リサーチ・ソリューション
マーケティング課題
その課題を解決するためのリサーチ手法
マーケティング・ソリューション
数多くのマーケティング・ソリューションを知っておくことが、
一流のリサーチャーになるための近道
=
+
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という前提ですので、比較評価の対象としてのコントロール製品を設定せず、対象
者1人1製品評価のモナディック法を使います。最終段階のテストでは費用はかかり
ますが、できる限り現実の購買に近く、オーダーバイアスからもフリーなモナ
ディック法を使うことを推奨します。テスト結果の判断は今回の場合、ノルム値で
行います。
6-2 CPテスト
161160
6-2
CPテストCPテスト
製品開発のためのCPテストの例を通じて、開発マーケティングにおけるマーケ
ティング・ソリューションを学びましょう。
CPテストとは?
開発マーケティング*
におけるマーケティング・ソリューションの代表例として、
ここでは製品開発のためのCPテスト(コンセプト・プロダクト・テスト)を紹介し
ます。CPテストは、「新製品の売上やシェアを拡大させたい」というマーケティン
グ課題解決のために、新製品の消費者受容性を上市*
前の最終段階でチェックすると
いうソリューションです。
本節では、女性をターゲットとした健康飲料のCPテストの企画書(タイトル「健
康飲料の新製品のポテンシャルを高めるためのコンセプト・プロダクト・テストに
ついての企画書」)を例に、その詳細とポイントを見ていきましょう。
なお、この事例の調査では、調査背景と調査目的について、以下の図のように設
定されています。
調査方法のポイント
CPテストは、対象者に製品を試用してもらってその感想を収集する調査ですの
で、何らかの方法で製品を試用してもらう必要があります。そのため、今回は、対
象者を調査会場に呼んで試飲してもらう、会場テストを採用しました。
ただし、もしこの飲料を継続して飲んだ場合の効果を調べたいというような目的
があれば、「ホーム・ユース・テスト」を採用し、対象者に自宅で数日間飲んで評価
してもらう方法が好ましいでしょう。その場合は、調査員が対象者の自宅に出向き、
製品コンセプトの評価を直接聞いてから、製品をその場で渡すか、ものによっては
後日郵送で送付することになります。
また、今回の場合「コンセプトとプロダクトのテストが事前にそれぞれ行われて
いて、その市場における受容性が、競合と比較して同等であるとの評価を得ている」
*開発マーケティング 顧客のニーズにあった製品を開発するためのマーケティング活動のこと。詳しくは巻末を参照。
*上市 市場に導入すること。市場化。
調査企画書①
健康飲料の新製品のポテンシャルを高めるための
コンセプト・プロダクト・テストについての企画書
1.調査背景と調査目的:
飲料メーカーX社は、来春に向けて、女性をターゲットとし
た新しいタイプの健康飲料の発売を予定している。飲料のリー
ダー企業であるX社は、この新製品の発売により、健康飲料の
市場をさらに拡大し、売上、シェアの拡大を狙っている。
すでにこれまでのテストで、製品コンセプトの受容性が確認
され、さらにプロダクト・テストにより、最適製品が完成した。
そこで、市場化の最終判断を行う上で、コンセプトと製品との
一致度(バランス)を評価することによって、最終的な受容性
のチェックを行い、必要であれば強化のための改善を加えたい。
より具体的には、
1. 製品力を伝達するコンセプト力を評価する
2. コンセプト受容者間での製品の評価を行う
3. コンセプトと製品との間の一致度の評価から、再購入
意向の改善の余地があるかどうかを評価する
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対象者のリクルートの方法は、「健康飲料の飲用者はそれなりに捉まえやすい」と
いう予測で、調査員による会場周辺の路上でのリクルートを採用しています。路上
キャッチですと、対象者の交通費がいりません。これが出現率の低い対象者条件の
場合になると、事前リクルートが必要になり、紹介料や交通費などが加算され、調
査費用は増えることになります。時にはコストを少しでも下げるために路上キャッ
チと事前リクルートを併用することもありますが、そのような場合は、後で対象者
のその製品カテゴリーでの使用ブランド分布と現実の市場での分布を照合しておく
べきでしょう。また、最近では、特に出現率の低い対象者を発見する場合に、イン
ターネットによる事前リクルートも行われています。
提示物のポイント
製品テストの最終段階ですので、より信頼性の高いデータを得るために、対象者
に提示するものは、できる限り完成品に近いものを示した方が好ましいです。特に、
価格やパッケージには注意する必要があります。購入意向に非常に影響を与えるか
らです。そのため最近では、コンセプト・テストにおいて多くの場合、パッケー
ジ・イメージ付きのコンセプト評価が行われています。
対象者によっては、言葉だけでは製品イメージを上手に描くことができない場合
があります。評価する対象物を同じにするという意味でも、パッケージ提示は好ま
しいと言えるでしょう。
6-2 CPテスト
163162
対象者のポイント
製品のターゲットが女性と設定されているので、対象者は女性となります。今回
は、「首都圏在住の健康飲料のユーザー女性で、月1回以上飲用で、自購入飲用者」
と設定しました。本当にその製品を買ってもらいたいと思うターゲットにたずねて、
はじめてリスク低減のためのデータが収集できますから、対象者条件はできる限り具
体的に描いた方が好ましいです。対象者条件の曖昧さをなくすために、実際に質問文
の形(スクリーニング質問)で、対象者条件を限定していくことをお薦めします。
また、人数が200人と多くなっているのは、通常、CPテストの場合、製品コン
セプトに購入意向を示した人(あるいは、「どちらとも言えない」の人を含める場合
もあります)にだけ、製品評価をたずねることになっているからです。すなわち、
コンセプト・テストで「買わない」と答えた人は、次のプロダクト・テストの対象
者にはなりません。買う気のない人に製品の評価をたずねても、そのデータの信頼
性に問題があるからです。
ちなみに、こうしたテストでは多くの場合、製品テストの評価者の人数がだいた
い100∼150ぐらいになるように、最初のコンセプト評価者の人数を設定します。
今回の例では、事前のコンセプト・テストで受容性が高かったので、だいたいコン
セプトに対する購入意向は80%になると推定して、N=200×0.8=160ぐらい
が製品評価を行うと考え、最初の対象者数を200と設定しています。
なお、こうした2段階に分けての質問は、実際の購買行動のプロセスにも合致した
ものです。つまり、この調査でのコンセプトに対しての購入意向が、実際の購買行
動における最初のトライアル購入(試買)に相当し、プロダクトへの購入意向は、
リピート購買にあたるわけです。当然、実際にその製品を買っていない人は、製品
の評価をする機会がありません。
もっとも、作業上、分別する手間がかかる場合や、予算やスケジュールの都合で
対象者数を多くできない場合などは、全員に製品評価*
もたずねることもよく行われ
ています。ここで興味深いのは、コンセプトで「買わない」と答えた人が、製品評
価をした後「買いたい」という評価に変化する割合が高い製品があることです。こ
の場合、一度でも使用してもらう機会を作る「サンプリング」が有効であることが
示唆されます。同時に、コンセプトの表現に問題がある可能性も見えてきます。
*製品評価 今回の場合、路上リクルートですので、全員に製品評価を聞いて、集計段階で分析から除く方法がよいか
もしれません。
6-2 CPテスト
調査企画書②
2.調査デザイン:
a.調査方法: 会場テスト
モナディック法
b.対象者: 首都圏在住の健康飲料のユーザー女性200人
月1回以上飲用で、自購入飲用者
路上キャッチによるリクルート
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6-2 CPテスト
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調査項目のポイント
全体評価や購入意向は、製品属性の評価の前でたずねた方が好ましいでしょう。
特にCPテストの場合、発売直前の評価を取りたいので、できる限り、消費者が店頭
で購買意思決定を下す状況に近い質問のやり方が好ましいわけです。多くの人の場
合、10個以上も製品の属性について、十分吟味して買うのではなく、直感的に製品
を見て「買う・買わない」の判断をすることが多いと思われます。
逆に、開発初期などで「製品の各属性を十分評価したのちに、全体評価や購入意
向を判断してもらうことによって、製品の改善点を探りたい」というような目的が
ある場合などは、属性評価からたずねることは間違いではないと言えます。
なお、購入意向の評価尺度は5点が多いでしょう。全体評価は5点、7点、10点
など企業によって様々です。20点というところもあります。ただし、日本人は10
進法になれている点でも、多くても10点ぐらいが適切でしょう。20点の場合、そ
の再現性(測度の信頼性の問題)、つまりもう一度たずねた場合に同じ評点が付けら
れるかどうかも疑問です。他方、属性評価は5点が多いでしょう。
また、製品説明を信じることができるかどうかという「コンセプトの信ぴょう性」
や、製品の新しさ、他の製品との違いを表す「ユニークさ」、妥当な価格かどうかを
示す「価格に見合った価値があるかどうか」は、製品コンセプトを評価する場合の
基本項目です。
製品テストでは、製品評価の質問以外に、対象者のデモグラフィック属性や、当
該製品カテゴリーの購入・使用実態の質問を必ず行うようにしましょう。特に、対
象者集団の使用ブランドの分布には注意をする必要があります。会場テストでのサ
ンプルの偏りをチェックする上で重要です。銘柄使用の現実の市場での分布におお
よそあっているかはチェックすべきです。
ブランド名を露出した製品テストの場合は、そのブランドの現行ユーザー、特に
ヘビー・ユーザーやロイヤル・ユーザーは、ノン・ユーザーに比べて、使用ブラン
ドの新製品には高い評価をする傾向があります。すなわち、自社のブランド使用者
が実際の市場よりも対象者集団に多く含まれていた場合、自社製品への「過大評価」
がなされている可能性があり、過った意思決定に導く恐れがあります。
6-2 CPテスト
調査企画書③
(※調査デザインの続き)
c.調査項目:
<コンセプト・テスト>
価格/パッケージ付きの製品コンセプト提示
・全体評価(好意度)
・購入意向
・そう思う理由(自由回答)
・コンセプト属性評価(コンセプトの信ぴょう性、ユニークさ、
価格に見合った価値があるかどうか)
・味覚イメージ評価(香りがよさそう、見た目がよさそう、色が
よさそう、甘そう、酸味がよさそう、苦みがよさそう、口あ
たりがよさそう、後味がよさそう)
・製品イメージ評価(自然感、のどの渇きを潤す、体によさそう、
親しみやすい、毎日飲める、女性に向いている、肌によさそ
う、元気がでそう、ダイエットによい、夜寝る前に飲みたい)
<プロダクト・テスト>
コンセプトに対して購入を示した対象者のみに尋ねる
実際の製品を飲んでもらって評価してもらう
・全体評価(好意度)
・購入意向
・そう思う理由(自由回答)
・属性評価(製品の信ぴょう性、ユニークさ、価格に見合った
価値があるかどうか)
・味覚イメージ評価(香り、見た目、色、甘味、酸味、苦味、口
あたり、後味)
・製品イメージ評価(自然感、のどの渇きを潤す、体によさそう、
親しみやすい、毎日飲める、女性に向いている、肌によさそ
う、元気がでそう、ダイエットによい、夜寝る前に飲みたい)
健康飲料の購入実態(購入ブランド、購入頻度、購入量、購入チャネル)
対象者の属性(性別、年代)
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166
分析デザインのポイント
今回の調査では、先に説明したように、味覚イメージと製品イメージ評価を、コ
ンセプト評価*
と製品評価の2つの段階で測定しています。具体的には、パッケージ
付きのコンセプトを基に判断した場合と、実際に製品を飲んだ後に評価した場合の2
回測定しています。これは、店頭でパッケージから受けた印象と、実際に買って飲
んだ後の印象を比べるために行っています。
もし買う前の評価が高く、飲んだ後の評価が低い場合、消費者は期待はずれで
がっかりし、その製品を2度と買わないかもしれません。逆に、実際に飲んでみれば
評価が高いにもかかわらず、店頭でパッケージだけから判断して買わないと判断さ
れた場合、大きな販売機会を失うことになります。
このようなリスクを減少させるために、コンセプトとプロダクト評価のギャップ
分析を行います。
企画書の分析デザインでは、それを図示しています(右図参照)。これは、それぞ
れの評価の「非常にそう思う」の%をプロットしたものです。プロットする値は、
平均値でも、「非常にそう思う」と「そう思う」を加えた%でもOKです。
この図で対角線上にある属性は、コンセプトとプロダクトの評価が同じレベルと
いうことを表します。
対角線よりも下にある属性は、製品の方が高く評価されたものです。実際は製品
がよいにも関わらず、コンセプトがそれをうまく伝達できていないことを意味して
います。この場合、販売のロスが生じます。
逆に、対角線よりも上にある属性は、コンセプトの方が高く評価されている属性
です。つまり、製品の方が低く評価されている属性ということでもありますので、
消費者の期待を裏切る可能性があります。コンセプトで高く評価されたにもかかわ
らず、製品のパフォーマンスがそれに追いついていないということです。期待を満
たすべく、製品属性を改善する必要があります。
なお、通常の定量的分析では、コンセプトとプロダクト間との全体評価や購入意
向の評価値の有意差検定を行い、さらに属性の評価値の差の検定を行うことによっ
て、改善点を抽出します。
*コンセプト評価 コンセプト評価の段階では、製品のイメージ評価を聞くことによって、製品カテゴリー市場におけ
る新製品のポジショニングを確認する知覚・選好マップを描くことができます。
6-2 CPテスト
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6-2 CPテスト
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調査企画書④
3.分析デザイン:アクション・スタンダード:ノルム値と同等の評
価を得た場合、Goとする。
コンセプト評価とプロダクト評価の一致度の検証(ギャップ分析)
4.投資:     XXX万円(消費税を除く)
5.スケジュール: ・企画: 1週間
・実査: 3日間
・集計・分析: 1週間
・報告書: 1週間
10 20 30 40 50%
50%
40
30
20
10
*製品評価の方が高い属性
◆寝る前に飲みたい
◆元気がでそう ◆親しみやすい
◆自然感
*コンセプト評価の方が高い属性
◆女性に向いている
◆ダイエットによさそう
◆肌によさそう
◆毎日飲めそう
◆体によさそう
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また、対象者の選定方法については、各インターネット調査会社が保有する「消
費者モニター」から代表サンプルを取るために、年齢4区分とエリア6区分で人口構
成比に準ずる形で、対象者数を割り当てています(図参照)。
こうした代表サンプルの取りやすさも、インターネット調査の利点です。以前の
訪問面接法では、各都道府県が出している、例えば「東京都の人口」といった人口
統計を用いて、区町丁別に人口を積み上げ、ある一定の間隔で「調査地点」を選ぶ2
段無作為抽出法で対象者が選ばれていました。その場合、住民基本台帳が利用でき
る場合は台帳から無作為に選びますが、実際はほとんどの場合で、市場調査ではそ
の閲覧ができませんので、調査員によるランダム・ウオークで、エリア抽出法によ
り対象者の選定が行われていました。
なお、対象者条件は、シャンプーの購入頻度を考えて「最近6カ月以内にシャン
プーを買った人」としています。1カ月や3カ月では短いでしょうし、1年間では少
し購入時期と調査時期があいてしまうということで、6カ月にしました。
6-3 ブランド診断調査
169168
6-3
ブランド診断調査ブランド診断調査
ブランド活性化のためのブランド診断調査の例を通じて、販売マーケティングに
おけるマーケティング・ソリューションを学びましょう。
ブランド診断調査とは?
ブランド診断調査は、販売マーケティング*
のためのリサーチ・ソリューションの
1つです。「ブランド活性化をして、売上やシェアを拡大させたい」というマーケ
ティング課題解決のために、ブランドを診断するソリューションとなります。
ブランド診断調査は、多くの企業では、U&A調査(Usage & Attitude)と
かA&U調査(Awareness & Usage)という名称で、定期的に(毎年、あるいは
各年に1回などの間隔で)トラッキング調査として行われています。また、広告や
キャンペーンなどのマーケティング活動の成果を追跡する目的で、認知率や購入経
験率のデータを、週や月単位でトラッキングする企業もあります。
本節では、女性用シャンプーのブランド診断調査の企画書(タイトル「女性用
シャンプーのブランドA強化のためのブランド・ヘルスチェック企画書」)を例に、
その詳細とポイントを見ていきましょう。なお、この事例の調査では、調査背景と
調査目的については以下の図のように設定されています。
調査方法のポイント
現在、この手の調査では、インターネット調査が多く用いられています。従来は、
ほとんどが調査員を使った訪問面接調査法で行われていたものです。それが安さと
速さゆえに、ここ数年でインターネット調査に代わりました。
訪問面接調査法では、多くの場合、調査員の手配の問題や費用的理由から、単に
人口数=消費数が多いということで、せいぜい東名阪(首都圏と、中京、京阪神の3
エリア)で調査が行われていました。東阪の2エリアや、1都3県の首都圏のみとい
うケースすらありました。これが、インターネットの普及により、全国調査も可能
になっています。
*販売マーケティング 効果的、効率的に販売するためのマーケティング活動。詳しくは巻末参照。
調査企画書①
女性用シャンプーのブランドA強化のための
ブランド・ヘルスチェック企画書
1.調査背景と調査目的:
トイレタリー・メーカーX社の女性用シャンプー・ブランドA
は、艶と潤いを強調し、広告の大量投下を行った競合の新製品B
に押され、シェアが停滞傾向である。そこで、ブランドを活性化
するためのマーケティング戦略や施策立案のための情報を得るた
めに、ブランド診断調査を企画した。リサーチの課題は、ブラン
ド診断の重要な指標の測定を行うことである。
より具体的には、
1.認知率や購入経験率などのブランド浸透度を測定する
2.ブランド力を評価する
3.ブランド・イメージを測定し、競合ブランドに対する
強みと弱みを特定する
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調査項目のポイント
ブランドの浸透度(ペネトレーション)は、ブランド診断の定番の質問項目です。
まず、何も手がかりを見せずに、その製品カテゴリーで思いつく(あるいは好き
な)ブランド名を挙げてもらいます。これを非助成想起(unaided awareness)
あるいは純粋想起と言います。「シャンプーと言えば××」と聞かれて、第1番目に
挙げた回答は第1想起(トップ・オブ・マインド*
)と呼ばれます。マーケティング
上、重要な指標です。
続けてパッケージ画像など見せて、知っているブランドを答えてもらうのが、助
成想起(aided awareness)あるいは再認認知と呼ばれるものです。ブランド名
だけでは誤解を生じる可能性がありますので、できる限り製品そのものがわかる
パッケージ写真の提示が望ましいでしょう。また、ブランドによってはいくつもの
種類の製品が販売されている場合もありますので、代表的なものを複数提示する方
が好ましいと言えます。
さらに、購入経験などを時系列的に順番にたずねていきます。よくたずねるのは
「これまでに1度でも購入したか」ということと、直近の購入経験です。直近の購入
経験については、購入頻度によって、最近1週間とか1カ月とか、3カ月などたずね
分ける必要があります。シャンプーですので、ここでは過去6カ月でたずねていま
す。その中でもっともよく買っている(あるいは使っている)最頻ブランドも単一
回答(SA)で聞きます。当然、過去に1度も買ったことがない人が、最近6カ月間
や、もっともよく買っているブランドを答えているのはおかしいので、回答矛盾に
は注意を払う必要があります。
今後の購入意向や推奨ブランドの質問はオプションです。例えば、製品カテゴ
リーによっては、「今後、10回買う場合、どれをいくつ買うでしょうか」といった
定和配分(チップ・アロケーション)質問をすることもあります。「1つのブランド
を10個」でもいいですし「Aブランドを7個、Bブランドを3個」と回答してもOK
です。これは、あるブランドへのロイヤルティの大きさを表すものであり、また積
算すれば、「シェア」と考えることもできます。その他、課題によって、必要な質問
を付加することになります。
ブランド浸透度質問以外には、ブランドの全体評価(好意度)と、イメージ評価
6-3 ブランド診断調査
171
*第1想起 第1想起の銘柄別比率をマインド・シェアと呼びます。
170
6-3 ブランド診断調査
調査企画書②
サンプルの割り付け例
北海道・
東北
エリア
18∼29歳 30 82 42 47 23 31 255
30∼39歳 27 89 43 48 21 27 255
40∼49歳 28 70 37 39 20 26 220
50∼59歳 34 85 45 49 25 32 270
Total 119 326 167 183 89 116 1000
Total
関東圏
エリア
北陸・
信越・
東海エリア
近畿圏
エリア
四国・中国
エリア
九州・沖縄
エリア
2.調査デザイン
a.データ収集の方法: インターネット調査
b.対象者: 全国の女性用シャンプー・ユーザー
の代表サンプル
女性1,000人
最近6ヶ月間にシャンプーを選択・
購入者
18−59才。年齢区分は4区分で、人
口構成比に順ずる全国6区分で、地
域の人口構成に準じたサンプル構成
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章
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6-3 ブランド診断調査
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の質問が多くの場合行われます。全体評価は7∼10点、イメージ評価は「そう思
う・そう思わない」の5点評価尺度が使われます。
イメージ評価項目の選定は、重要な作業です。クライアント側からこれまでに
使っているものを提供されたり、自社のこれまでの同一製品カテゴリー調査から援
用したりして作成することが多くあります。
このイメージ評価項目は、ブランド(製品)属性にあたるものであり、消費者
ニーズを満たすベネフィットに対応するものです。言い換えれば、競争的優位のた
めの差別的ポジションを築く上で重要な項目です。したがって、日頃から定性調査
などにより「消費者言語」の収集・整理作業を行っておくことが重要です。
項目は、機能的(functional)属性(シャンプーの例ですと「天然・自然の素材」
や「よごれがよく落ちる」など)や情緒的(emotional)属性(「おしゃれ」「親し
みがある」など)、パッケージなどの製品要素(「パッケージデザインがよい」「色が
よい」など)、オケージョン(「髪が夏の紫外線で傷んだ時に」など)、ターゲット
(「髪がバサつく人」など)などに分類することができます。ブランド(製品)特有
の差別化属性(保湿やツヤなど)や、製品カテゴリーを表す代表的な属性(洗浄力、
香りなど)、購入意向や全体評価に影響を与えるキー・ドライバー的属性を中心に構
成し、あまり重要でないものや、同じような意味の項目を除くことが好ましいで
しょう。
場合によっては、予備調査を行い、因子分析によって、重複するような属性を整理
する作業も必要です。要は、調査でたずねた項目をベースに「改善点」を出すこと
になりますので、イメージ評価項目の選定は、診断調査のキーとなる部分と言えま
す。この意味でも、ブランドを評価する消費者言語を探る定性調査は、有効な定量
調査を補完する重要な存在と言えます。
その他、「広告認知」や、その「認知経路」(どこでその広告を見たか)を聞いた
りします。また、「購入重視点(複数回答と、その中でもっとも重要なものを単数回
答)」や、「購入きっかけ」や「購入理由」の質問(複数回答と単数回答)を入れた
りします。
6-3 ブランド診断調査
調査企画書③
(※調査デザインの続き)
c.調査項目:
<ブランド浸透>
・非助成のブランド認知
・助成(製品画像の提示)のブランド認知
・過去の購入ブランド
・過去1年間の購入ブランド
・過去6カ月の購入ブランド
・最もよく買うブランド(SA)
・今後の購入意向ブランド
・推奨ブランド
<ブランド評価とイメージ評価>
・全体評価(好意度)
・そう思う理由(自由回答)
・イメージ項目例:効果が期待できる、おしゃれな/洗練
された、高級感のある、前向きな気分
にしてくれそう、天然・自然の素材で
作られている、品質がよさそう、有名
な/定番の、信頼できるメーカーの製
品である、伝統がある、親しみがある、
信頼できる/安心感がある、よく広告
をみる、他の商品と異なる特徴がある、
話題になっている、新しい、人気があ
る、自分に合っている、価格に見合う
価値がある、使っていることを人に知
られたい
・シャンプーの購入・使用実態(頻度、購入チャネル)
対象者の属性(性別、年代、未既婚、職業)
マケリサーチ第6章_v4 09.11.13 16:36 ページ172
第
6
章
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サ
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チ
・
ソ
リ
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ー
シ
ョ
ン
6-3 ブランド診断調査
175174
分析デザインのポイント
まず、ブランドの浸透度について、認知率から最頻ブランド率までを横棒グラフ
で比較します。図にあるように、横棒グラフの比較だけでなく、2次元上にプロット
することによっても診断可能です。
これによって、ブランド認知が効率よく、購入に移行しているかどうかがわかり
ます。
通常、トップ・ブランドは認知率も高く、過去の購入経験率、最近の購入経験率、
最頻購入率も高い数字を示します。これが、例えば「認知率→過去購入率」の変換
が悪い場合、「ブランドを知っているけれども、買われていない」ということですの
で、製品コンセプトの魅力度に問題があるとか、製品のお店への配荷率が悪いとか、
ブランドが陳腐化して、購入率が下がっているなどの診断が考えられます。あるい
は、「過去購入率→最近購入率」が低い場合、「一度でも購入した人の割合が高いに
もかかわらず、最近の購入率や最頻購入率が低い」ということになりますので、製
品パフォーマンスに問題があり、リピート購買されていない可能性もあると診断で
きます。
また、ブランド・イメージについては、折れ線グラフ上にプロットすることに
よって比較が容易になります。縦にして、スネーク・プロットで表すことも可能で
す。評価点の割合や平均値の差の検定を行うことによって、自社のブランドが他の
ブランドと比べて優れている、あるいは劣っている項目がどれであるかを特定する
ことができます。
さらに、イメージ項目と同様な項目を使って、「購入重視点」(この場合は、複数
回答ではなく、5点評価尺度で測定)をたずねておけば、重視度と自社ブランドの評
価との差を図示することによって、その開き(重視度と現実の評価との差)が未充
足のニーズであるという「アンメット・ニーズ分析」が可能になります。
加えて、ヘビー・ユーザーとライト・ユーザー間や、男女間、年代間などでのイ
メージ評価の比較を行ったり、対象者グループ別にイメージ評価の差を見ることも
可能です。
6-3 ブランド診断調査
調査企画書④
3.分析デザイン
ブランドの浸透度
グレーブヤード・モデル(再認率と再生率)
A
B
C
D
E
F
G
H
非助成認知率
0 100
A
B
C
D
E
F
G
H
助成認知率
0 100
A
B
C
D
E
F
G
H
過去購入経験率
0 100
A
B
C
D
E
F
G
H
最頻購入率
0 100
*全体ベースで比較をする場合は対象者全員がベース、認知者の中で何%の人が購入し
たかなどを見る場合は認知者がベースになります。
多くのブランド
再
生
率
再認率
(認知の墓場)
購買意向
の強い
ブランド
存在感
の薄い
ブランド
*再認知名率は高い。つまり知っている人はそこそこいるけれども思い出してもらえない
ブランドは購入意向率に結びつきにくいものです。再生/再認知名率は、ブランド・イ
ンパクトを測るもので、消費者の心に強く食い込んでいるかどうかがわかります。こう
したブランドは認知の墓場(グレーブヤード)にいると言われることがあります。
マケリサーチ第6章_v4 09.11.13 16:36 ページ174
第
6
章
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6-3 ブランド診断調査
177176
6-3 ブランド診断調査
調査企画書⑥調査企画書⑤
調査方法の変更によるデータ変動
従来、訪問面接法で行っていたU&A調査を、速くて安いという理由でインタ
ーネット調査に変更した多くの企業が、変更前と変更後の結果の乖離の問題に直
面しています。
U&A調査で扱う認知率や購入経験率は、非常にセンシティブな数字です。こ
れらの数字は、サンプル・サイズによるサンプリング誤差や、測定誤差などの非
サンプリング誤差による差異を別にしても、対象エリア(例えば東名阪→全国)、
対象者条件(例えば対象年齢層の拡大)などの変更により、大きく変わってくる
可能性があります。一度、対象者条件と対象エリアを決めたなら、特別な理由が
ない限り、過去のデータの継続性を維持する上で、それらを変更しない方が賢明
です。特にトラッキング調査の場合、実施調査会社を変えることによってもデー
タに影響が出ると考える企業も多くあります。
さらにインターネット調査では、調査対象者がパソコンを所有しているインタ
ーネット・ユーザーであり、かつモニターに自らの意思で応募した人ということ
で、調査員がエリア抽出で見つけてくる人とは違っている可能性もあります。調
査対象の製品カテゴリーのユーザー特性も考慮する必要があります。
従来の訪問面接手法とインターネット調査法による結果の違いについて、いろ
いろと検証が行われていますが、例えば、少なくとも調査法の変更時は、過去の
データを無駄にしないためにも、2つの方法の併用で調査を実施して、結果の相
違を検討するなどの工夫が必要でしょう。
✎COLUMN
(※分析デザインの続き)
オテゼンのマーケット・マップ
認知度
購
入
率
100
10080604020
80
60
40
20
0
知らない人
非購入者
好意者
中立者
拒否者
好
意
度
過去購入経験率と最頻購入率
最
頻
購
入
率
過去購入率
20% 20% 40% 60% 80% 100%
◆A
◆B
◆C
◆D
◆E
◆F
*ブランドEやFは一度は購入されたけれども、リピート購買、そして、ロイヤル・
ユーザー化されなかったブランドを表します。逆にブランドAはロイヤル化に成功し
ているブランドと言えます。ブランドEやFは活性化策が必要であることが示唆され
ます。その他、使用経験率/現在使用率は、使用経験のある人がそのブランドを現在
も使用しているかの歩留まり率を示します。また、再認知名率/現在使用率は、ブラ
ンドの認知が使用に結びついたかどうかの購買喚起度がわかります。
ブランド・イメージの比較
Aブランド
信
頼
で
き
る
定
番
の
有
名
な
品
質
が
よ
さ
そ
う
他
の
商
品
と
異
な
る
特
徴
が
あ
る
よ
く
広
告
を
み
る
安
心
感
が
あ
る
信
頼
で
き
る
親
し
み
が
あ
る
伝
統
が
あ
る
メ
ー
カ
ー
の
製
品
で
あ
る
天
然
・
自
然
の
素
材
前
向
き
な
気
分
に
し
て
く
れ
そ
う
高
級
感
の
あ
る
洗
練
さ
れ
た
お
し
ゃ
れ
な
効
果
が
期
待
で
き
る
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
Bブランド
Cブランド
4.投資:     XXX万円(消費税を除く)
5.スケジュール: ・企画: 1週間
・実査: 6日間
・集計・分析: 1週間
・報告書: 1週間
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6
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6-4 顧客満足度調査
179178
6-4
顧客満足度調査顧客満足度調査
顧客維持を生み出すロイヤルティ醸成のための顧客満足度調査の例を通じて、販
売マーケティングにおけるマーケティング・ソリューションを学びましょう。
顧客満足度調査とは?
前節では、販売マーケティングのためのリサーチ・ソリューションの例として、
ブランド診断調査を取り上げました。ここでは、販売マーケティングのためのリ
サーチ・ソリューションのもう1つの代表例として、顧客満足度(CS: Customer
Satisfaction)調査*
を紹介しましょう。
顧客満足度調査とは、顧客の維持による企業の成長と存続を図るというマーケ
ティング課題解決のために、顧客の製品や企業活動への満足度を測定するというソ
リューションです。本節では、銀行に対する顧客満足度調査の企画書(タイトル
「銀行における顧客ロイヤルティ強化のための顧客満足度調査の企画書」)を例に、そ
の詳細とポイントを見ていきましょう。
なお、この事例の調査では、調査背景と調査目的については以下の図のように設
定されています。
調査方法のポイント
今回も、調査方法としてインターネット調査を採用しています。最近では、イン
ターネット銀行を利用する人も増えているので、インターネット調査法は最適です。
これを訪問面接でやるとなるとインターネット銀行を利用している対象者を見つけ
るには時間がかかり大変です。
また、銀行に対する顧客満足度調査ですので、当然、対象者は、銀行の利用者に
なります。インターネット調査ですので、簡単かつ安価に1,000人を集めることが
できます。
この場合も、ブランド調査と同様、男女と地域の人口構成比でサンプルの配分を
行います。
*顧客満足度調査 最近ではこれまでの顧客満足度調査では不十分であるので、他者への推奨度を聞くNPS(Net
Promoter Score)というのがよく使われています。
調査企画書①
銀行における顧客ロイヤルティ強化のための
顧客満足度調査の企画書
1.調査背景と調査目的:
メガバンクであるX社は、最近新規口座の開設数が伸び悩んで
いる。加えて、金融商品や手数料の売り上げも停滞傾向である。
そこで、顧客拡大の方向性を探るために、顧客満足度調査を企画
した。自社の顧客の満足度の測定を行う。
より具体的には、
1.競合と比較して、自社の総合満足度を測定する
2.商品やサービス活動への満足を測定し、競合銀行に対する
強みと弱みを特定することによって、業務の改善点を探る。
2.調査デザイン
a.データ収集の方法: インターネット調査
b.対象者: 全国の銀行利用者
1,000人
18−59才。
年齢区分は4区分で、人口構成比に順
ずる全国6区分で、地域の人口構成に
準じたサンプル構成
マケリサーチ第6章_v4 09.11.13 16:36 ページ178
第
6
章
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シ
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分析デザインのポイント
総合満足度と各タッチ・ポイントの満足度スコアを、競合と比較します。
さらに改善点を特定するために、総合満足度に影響を与えるタッチ・ポイントを
抽出します。この調査では、各タッチ・ポイントの総合満足度に与える影響度によ
る重要度と、各タッチ・ポイントとの評価スコアを使って、「改善優先度」を指標化
します。こうすることで、改善点を特定できるわけです。
6-4 顧客満足度調査
181180
調査項目のポイント
総合満足度評価と、それに影響を与える活動の要素の個別満足度をたずねます
(この調査では、顧客満足度の各要素を顧客が製品やサービスを経験する接点として
「タッチ・ポイント*
」と呼んでいます)。
今回は下のような要素を上げていますが、これが例えばメーカー満足度の場合で
すと、製品面や、サービス、価格、営業、企業、物流などが考えられます。また、
ファストフード店なら、お店の場所や、駐車場、店舗レイアウト、店舗の雰囲気、
メニュー、価格、販促(クーポンなど)、支払い方法、スタッフの接客、社会的責任、
苦情の受付、WEBサイトなどがあるでしょう。
なお、各要素が個別の活動に細分化できる場合は、より細かく満足度をたずねる
のが望ましいでしょう。より細かく聞くほど、改善点の抽出に役立つからです
*タッチ・ポイント コンタクト・ポイントと呼ぶ場合もあります。
6-4 顧客満足度調査
調査企画書②
調査企画書③
(※調査デザインの続き)
c.調査項目:
・利用銀行名
・取引内容(預金残高、取引期間等)
・主利用銀行への総合満足度
・タッチ・ポイント評価(店舗、ATM、金融商品、手数料、インターネッ
ト・バンキング、テレフォンバンキング、カスタマーセンター、情報提供、
企業の社会的責任など)
・各タッチ・ポイントの詳細評価(例えば店鋪の場合1.カウンターサー
ビス、2.店鋪の数、3.利用可能時間、4.待ち時間、5.人的対応、
6.ニーズの理解力、7.ニーズにあった提案力など)
・銀行に対する評価(1.よい印象の銀行、2.愛着を感じる銀行、3.誇
りを感じる銀行、4.きずなを感じる銀行、5.友達になりたい銀行、6.
企業理念や価値観に魅力を感じる銀行、7.他の人から利用の賛同が
得られる銀行、8.商品やサービスを信頼している銀行)、9.価格に見
合う価値がある銀行、10.ニーズを満たしてくれる銀行)
・対象者属性(年齢、性別、収入等)
3.分析デザイン:
①総合満足度と各タッチ・ポイントとの重回帰分析により、各タッ
チ・ポイントが総合満足度に与える影響度を算出。
②各タッチ・ポイントの評価値をチェック。
③顧客満足度を上げるための改善すべきタッチ・ポイントを抽出。
4.投資:     XXX万円(消費税を除く)
5.スケジュール: ・企画: 1週間
・実査: 8日間
・集計・分析: 1週間
・報告書: 1週間
マケリサーチ第6章_v4 09.11.13 16:36 ページ180
182
グローバル調査会社の
リサーチ・ソリューション
世界各国で調査サービスを行っている会社があります。有名なところでは、
ニールセンや、カンターグループ、TNS、Gfk、イプソス、シノベイトなどがあ
ります。いずれも日本でもサービスを展開しています。主には日本に進出してい
る外資系企業の日本国内の調査や、逆に日本企業で海外に進出している企業の海
外での調査を行ったりします。複数の国で同じテーマで調査を実施することもあ
ります。これらの調査会社の共通点の1つは、いずれも優れたリサーチ・ソ
リューションを開発・提供しているということです。これによって、メーカーの
グローバル企業が、どの国でも同じ方法で調査を行うことが可能になり、本社の
意思決定がやりやすくなります。それで、企業によっては、本社で調査の「グ
ルーバル・サプライヤー」を指定しているところがあります。
例えば、シノベイトの例を取り上げましょう。第6章で取り上げた「製品開発」
や「ブランド」「顧客満足」調査の分野で、優れたソリューションのサービスを
行っています。
まず製品開発では、MarketQuetというソリューションを提供しています。これ
には、アイディア開発の定性手法から、コンセプト・テストや、プロダクト・テ
スト(ProductQuest)、パッケージ・テスト、価格テスト、販売予測に至る一連
の製品開発プロセスにおけるソリューションを含んでいます。特に因果関係を解
明するさまざな高度なデータ解析手法の利用に特徴があり、製品最適化のための
改善点の発見に強みを持っています。
ブランドの分野では、ブランド力測定の独自指標として「心理エクイティ」(ブ
ランドの全体評価と関与度の複合指標)を、顧客満足の分野では「顧客ロイヤル
ティ指標」(推奨意向度や反復購買意向度など複合指標)を提供しています。個々
のマーケティング活動と売上(購買行動)との間に存在するこのような「媒介指
標」の存在意義は、いかに実際の購買行動と関連性があるか、つまり購買行動の
予測力があるかどうかということです。事後の追跡調査による検証(Validation
Study)によって、これらの指標が、実際の購買行動と高い関係性があることが
証明されています。これらの指標を従属変数(結果)として、ブランド評価や顧
客接点を独立変数(原因)とした因果関係分析を通して、ブランド力強化や顧客
ロイヤルティ向上の改善提案が各国で行われています。
マケリサーチ第6章_v4 09.11.13 16:36 ページ182

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