Contenu connexe Plus de Hayato Shimabukuro (20) 相対性理論入門12. 慣性系K の座標系を とする。また、慣性系Kʼの座標系を とする。また、時間 は
2つの座標系で共通。
(x, y, z) (x′

, y′

, z′

) t
(ステップ1)時間 では慣性系Kと慣性系Kʼの原点は⼀致している。この時、慣性系Kで点Aを測る。
t = 0
(x0, y0, z0) = (x′

0, y′

0, z′

0)
•(相対速度 V)=(相⼿の座標系の速度)−(⾃分の座標系
の速度)=40km/h − 42km/h = −2km/h
•時間t=0での点Aの座標は慣性系Kでは(x0, y0, z0)
•時間t=0での点Aの座標は慣性系Kʼ では(x′

0, y′

0, z′

0)
時間t=0で、2つの座標系の原点は⼀致しているので、
•時速40kmで⾛っている路⾯電⾞の座標系も慣性系
(慣性系K)。
•時速42kmで⾛っている乗⽤⾞に乗っている⼈の座標系
は慣性系(慣性系Kʼとする)。
30. マイケルソン・モーレーの実験
2L
c
−
2L
c
1 − (
V
c )
2
1 − (
V
c )
2
≈
2L
c
−
2L
c (
1 −
1
2 (
V
c )
2
)
=
LV2
c3
すなわち、
Δt = t1 + t2 − t3 =
LV2
c3
Δθ =
LV2
c3
× c/λ =
LV2
λc2
∼ 0.2
この時間差を位相差に焼き直すと
すなわち、⼆つの光の時間差は位相差が0.2波⻑程度の⼲渉の変化(明暗の差)を⽣み出すはず!
31. マイケルソン・モーレーの実験
2L
c
−
2L
c
1 − (
V
c )
2
1 − (
V
c )
2
≈
2L
c
−
2L
c (
1 −
1
2 (
V
c )
2
)
=
LV2
c3
すなわち、
Δt = t1 + t2 − t3 =
LV2
c3
Δθ =
LV2
c3
× c/λ =
LV2
λc2
∼ 0.2
この時間差を位相差に焼き直すと
すなわち、⼆つの光の時間差は位相差が0.2波⻑程度の⼲渉の変化(明暗の差)を⽣み出すはず!
⽣み出さなかった!
50. ローレンツ変換
(x, y, z, t) (x′

, y′

, z′

, t′

)
?
の関係を調べる。
(x, t), (x′

, t′

)
関数 と の具体的な形を決定したい。
f g
ただし、関数の形は1次式になる事が予想される。
の様な2次以上の項を含まない。
x2
, t2
次回、いよいよ具体的に変換式の形を求めていく。
59. ・・・③
・・・④
・・・⑤
・・・⑥
③-⑥式を に代⼊すると、
0 = x′

2
+ y′

2
+ z′

2
− c2
t′

2
= A2
(x − Vt)2
+ y2
+ z2
− c2
(Qx + Rt)2
= A2
x2
− 2A2
Vxt + A2
V2
t2
+ y2
+z2
− c2
Q2
x2
− 2c2
QRxt − c2
R2
t2
= (A2
− c2
Q2
) x2
+ y2
+ z2
+(A2
V2
− c2
R2
) t2
− 2 (A2
V + c2
QR) xt
x2
+ y2
+ z2
− c2
t2
= 0
代⼊すると
60. 0 = x′

2
+ y′

2
+ z′

2
− c2
t′

2
= A2
(x − Vt)2
+ y2
+ z2
− c2
(Qx + Rt)2
= A2
x2
− 2A2
Vxt + A2
V2
t2
+ y2
+z2
− c2
Q2
x2
− 2c2
QRxt − c2
R2
t2
= (A2
− c2
Q2
) x2
+ y2
+ z2
+(A2
V2
− c2
R2
) t2
− 2 (A2
V + c2
QR) xt
これが、任意の で成り⽴つ必要があるので、
x, t
未知数3つ(A,Q,R)に対して、式が3つの連
⽴⽅程式なので、この連⽴⽅程式は解ける!
(A,Q,Rを のみを使って表す)
c, V
61. 0 = x′

2
+ y′

2
+ z′

2
− c2
t′

2
= A2
(x − Vt)2
+ y2
+ z2
− c2
(Qx + Rt)2
= A2
x2
− 2A2
Vxt + A2
V2
t2
+ y2
+z2
− c2
Q2
x2
− 2c2
QRxt − c2
R2
t2
= (A2
− c2
Q2
) x2
+ y2
+ z2
+(A2
V2
− c2
R2
) t2
− 2 (A2
V + c2
QR) xt
これが、任意の で成り⽴つ必要があるので、
x, t
=0 =0 =0
未知数3つ(A,Q,R)に対して、式が3つの連
⽴⽅程式なので、この連⽴⽅程式は解ける!
(A,Q,Rを のみを使って表す)
c, V
65. A = R =
1
1 −
V2
c2
B = −
V
1 −
V2
c2
Q = −
V
c2
1
1 −
V2
c2
•ガリレイ変換に変わる座標変換を得ることができた。この変換をローレンツ変換と呼ぶ。
ここまで何をやったのかを⼀⾔で表すと、「相対性原理と光速度不変の原理を仮定したと
き、慣性系同⼠の座標変換がローレンツ変換になることを⽰した」
•ニュートン⼒学で仮定された絶対時間は最早、成り⽴たない(時間も座標系に依存する)
66. ローレンツ変換を⾒やすく書き換える。
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 − V2
c2
=
1
1 − β2
という変数β、γを導⼊すると、ローレンツ変換は
x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
この式を眺めれば分かるが、相対速度が光速度に⽐べて⼗分⼩さい時、ローレンツ変換はガリレイ
変換に⼀致する。
また、逆に慣性系Kʼから⾒た時の慣性系Kへの座標変換は、相対速度がVがーVになるだけの
違いしか無いので、β→−βにすればよく、
x = γ (x′

+ cβt′

)
t = γ
(
t′

+
β
c
x′

)
70. x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 −
V2
c2
=
1
1 − β2
•特殊相対性原理と光速度不変の原理を仮定して、ガリレイ変換に替わる、異なる慣性系同⼠
をつなぐ変換であるローレンツ変換を導出した。
前回の復習
x′

= x − Vt
t′

= t
ガリレイ変換 ローレンツ変換
•ローレンツ変換は、光速度に⽐べて⼗分に⼩さい速度で運動する時はガリレイ変換に⼀致。
•ニュートン⼒学で仮定された絶対時間は最早成り⽴たず、時間も座標系に依存する。
74. 時間の遅れ
t0 = γ
(
t′

0 +
β
c
x′

)
t1 = γ
(
t′

1 +
β
c
x′

)
したがって、慣性系Kでの時間間隔は
t1 − t0 = γ
(
t′

1 +
β
c
x′

)
− γ
(
t′

0 +
β
c
x′

)
= γ (t′

1 − t′

0)
=
t′

1 − t′

0
1 − β2
慣性系間の相対速度が のとき、 なので、
V ≠ 0 1 − β2
< 1 t1 − t0 =
t′

1 − t′

0
1 − β2
> t′

1 − t′

0
すなわち、慣性系Kでの時間の⻑さは、慣性系Kʼの時間の⻑さは⻑くなる!
75. t1 − t0 =
t′

1 − t′

0
1 − β2
時間の遅れ
⾃分の座標系での時間経過
⾃分から⾒た時の相⼿の慣性系での時間経過
相⼿の相対速度を考慮した因⼦
(練習問題)⾃分の座標系で1000秒の時間が経過しました。この時、⾃分から⾒て光速度の
95%の相対速度で運動している相⼿の座標系ではどれだけの時間が経過しましたか?
76. t1 − t0 =
t′

1 − t′

0
1 − β2
時間の遅れ
⾃分の座標系での時間経過
⾃分から⾒た時の相⼿の慣性系での時間経過
相⼿の相対速度を考慮した因⼦
(練習問題)⾃分の座標系で1000秒の時間が経過しました。この時、⾃分から⾒て光速度の
95%の相対速度で運動している相⼿の座標系ではどれだけの時間が経過しましたか?
1000 =
t′

1 − t′

0
1 − 0.952
77. 時間の遅れ
t1 − t0 =
t′

1 − t′

0
1 − β2
たとえば、慣性系Kʼが光速の50%で相対運動してい
るとき( )、 なので、
V = 0.5c β = V/c = 0.5
1 − β2
∼ 0.866
慣性系Kで1000秒が経過したとき、慣性系Kʼでは866秒が経過する
t1 − t0 =
t′

1 − t′

0
1 − β2
=
866
0.866
= 1000
すなわち、慣性系Kから、相対速度で遠ざかる慣性系Kʼの時計は1000−866=134秒遅れて⾒える。
「動いている慣性系の時間は遅れて⾒える」
時間の流れ⽅は宇宙のどこでも同じであるという観念が崩れた。
83. γ =
1
1 − β2
=
1
1 − 0.9952
= 10.0
t1 − t0 =
t′

1 − t′

0
1 − β2
μ粒⼦が光速度の99.5%で運動している時( )
β = V/c = 0.995
時間の遅れの実験的証拠
地球上の慣性系Kで 経過した時
2.2μs
地球上での時間(2.2μs)
地球から⾒た時のμ粒⼦の時間(0.22μs)
すなわち、地球から⾒たμ粒⼦の時間が2.2μsのとき、地上では22μs経過しているので、
0.995c × 22μs = 6.57km
となり、μ粒⼦は地表に到達することができる。
86. x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 −
V2
c2
=
1
1 − β2
•特殊相対性原理と光速度不変の原理を仮定して、ガリレイ変換に替わる、異なる慣性系同⼠
をつなぐ変換であるローレンツ変換を導出した。
これまでの復習
x′

= x − Vt
t′

= t
ガリレイ変換 ローレンツ変換
•ローレンツ変換は、光速度に⽐べて⼗分に⼩さい速度で運動する時はガリレイ変換に⼀致。
•ニュートン⼒学で仮定された絶対時間は最早成り⽴たず、時間も座標系に依存する。
•ローレンツ変換を導⼊すると、「動いている座標系の時間は遅れる」が導き出される
88. ローレンツ収縮
x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
ローレンツ変換
•さて、 と の間にはどういう関係が成り⽴つだろう?
l l0
•ローレンツ変換より、慣性系Kから⾒た慣性系Kʼの座標は x′

1 = γ {x1(t) − cβt}, x′

2 = γ {x2(t) − cβt}
l0 = x′

2 − x′

1 = γ {x2(t) − cβt} − γ {x1(t) − cβt}
= γ {x2(t) − x1(t)}
= γl
=
l
1 − β2
したがって、
89. ローレンツ収縮
x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
ローレンツ変換
l0 = x′

2 − x′

1 = γ {x2(t) − cβt} − γ {x1(t) − cβt}
= γ {x2(t) − x1(t)}
= γl
=
l
1 − β2
のとき、 なので、
V ≠ 0 1 − β2
< 1 l < l0
l = l0 1 − β2
棒本来の⻑さ
棒が運動して⾒える⼈に
とっての棒の⻑さ
すなわち、運動している物体は、物体固有の⻑さより縮んで⾒える(ローレンツ収縮)
96. 速度の合成
慣性系 系と慣性系 系の間のローレンツ変換は
K0 K1
x1 = γ1 (x0 − cβ1t0)
t1 = γ1 (
t0 −
β1
c
x0)
β1 ≡
V1
c
同様に、慣性系 系と慣性系 系の間のローレンツ変換は
K1 K2
x2 = γ2 (x1 − cβ2t1)
t2 = γ2 (
t1 −
β2
c
x1)
β2 ≡
V2
c
ここから計算の時間。 を の式に代⼊。
x1, t1 x2
100. 速度の合成 最終的に、
x2 =
1
1 −
(
1
c
V1 + V2
1 +
V1V2
c2 )
2
x0 −
V1 + V2
1 +
V1V2
c2
t0
を得る。
x2 = γ(1+2) (x0 − cβ(1+2)) = γ(1+2) (x0 − V(1+2)t0)
今、慣性系 系と慣性系 間のローレンツ
変換を考えたが、慣性系 系と慣性系 間
のローレンツ変換は合成速度 を⽤いて
表せるはず。
K1 K2
K0 K2
V(1+2)
⾚線同⼠、緑線同⼠を⽐較すると、
101. 速度の合成
V(1+2) =
V1 + V2
1 +
V1V2
c2
γ(1+2) =
1
1 − β(1+2)
=
1
1 − V(1+2)/c
すなわち、相対論的な速度の合成法則は
V(1+2) =
V1 + V2
1 +
V1V2
c2
となる。
のとき、これはニュートン⼒学の場合の速度の合成法則( )に
⼀致する。
V1, V2 ≪ c V(1+2) = V1 + V2
104. x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 −
V2
c2
=
1
1 − β2
•特殊相対性原理と光速度不変の原理を仮定して、ガリレイ変換に替わる、異なる慣性系同⼠
をつなぐ変換であるローレンツ変換を導出した。
これまでの復習
•ローレンツ変換は、光速度に⽐べて⼗分に⼩さい速度で運動する時はガリレイ変換に⼀致。
•ニュートン⼒学で仮定された絶対時間は最早成り⽴たず、時間も座標系に依存する。
•ローレンツ変換を導⼊すると、「動いている座標系の時間は遅れる」「動いている物体は縮ん
で⾒える」が導き出される
•相対論では速度合成がニュートン⼒学とは異なり、光の速度を超えることはない。
106. ドップラー効果
波は数学的に三⾓関数で表される。
•そもそも波とは?
z = sin(ωt − kx)
:⾓振動数。振動数 を⽤いて と表される。振動数は、1秒間に波が振動する回数。
ω ν ω = 2πν
:波数。単位⻑さに含まれる波の数。波数 を⽤いて で表される。
k λ k = 2π/λ
k =
2π
λ
=
2πν
c
=
ω
c
の関係が成り⽴つ。
をつかった。
λ =
c
ν
⇔ c = νλ
(例)1秒間に波が3回振動したとする。また、この時、波は
300m進んだとする。さて波⻑はどれだけか?
300m
107. z = sin(ωt − kx)
ドップラー効果
慣性系Kで⾒た波
慣性系Kʼ(慣性系Kに対して相対速度Vで運動)で⾒た時 z′

= sin (ω′

t′

− k′

x′

)
•例えば、慣性系Kで時間 で座標 で、波の⼭だとする
(位相が )
t0 x0
π
2
•この時、慣性系Kʼでも波の⼭なので、2つの座標系で位相
が同じ。
ωt0 − kx0 = ω′

t′

0 − k′

x′

0 =
π
2
•⼭に限らず、⾕や節、任意の点、任意の時刻で同じこと
が成り⽴つので、
ωt − kx = ω′

t′

− k′

x′

108. z = sin(ωt − kx)
ドップラー効果
慣性系Kで⾒た波
慣性系Kʼで⾒た時 z′

= sin (ω′

t′

− k′

x′

)
ωt − kx = ω′

t′

− k′

x′

k =
2π
λ
=
2πν
c
=
ω
c
を思い出すと、
ckt − kx = ck′

t′

− k′

x′

ωt − kx = ω′

t′

− k′

x′

ここまでは相対論関係ない話。さて、慣性系
Kʼから慣性系Kの光を⾒た時、この光の波はど
う⾒えるか?
成り⽴っている位相の関係
109. z = sin(ωt − kx)
ドップラー効果
慣性系Kで⾒た波
慣性系Kʼで⾒た時 z′

= sin (ω′

t′

− k′

x′

)
成り⽴っている関係
ckt − kx = ck′

t′

− k′

x′

x = γ (x′

+ cβt′

)
t = γ
(
t′

+
β
c
x′

)
慣性系Kʼから慣性系Kを⾒た時、ローレンツ逆変換で結び付
けられる。
ckt − kx = ckγ
(
t′

+
β
c
x′

)
− kγ (x′

+ cβt′

)
= γ(ck − ckβ)t′

+ γ(kβ − k)x′

= cγk(1 − β)t′

+ γk(β − 1)x′

= ck′

t′

− k′

x′

これらを位相の関係に代⼊すると
110. z = sin(ωt − kx)
ドップラー効果
慣性系Kで⾒た波
慣性系Kʼで⾒た時 z′

= sin (ω′

t′

− k′

x′

)
成り⽴っている関係
ckt − kx = ck′

t′

− k′

x′

x = γ (x′

+ cβt′

)
t = γ
(
t′

+
β
c
x′

)
慣性系Kʼから慣性系Kを⾒た時、ローレンツ逆変換で結び付
けられる。
ckt − kx = ckγ
(
t′

+
β
c
x′

)
− kγ (x′

+ cβt′

)
= γ(ck − ckβ)t′

+ γ(kβ − k)x′

= cγk(1 − β)t′

+ γk(β − 1)x′

= ck′

t′

− k′

x′

これらを位相の関係に代⼊すると
111. z = sin(ωt − kx)
ドップラー効果
慣性系Kで⾒た波
慣性系Kʼで⾒た時 z′

= sin (ω′

t′

− k′

x′

)
成り⽴っている関係
ckt − kx = ck′

t′

− k′

x′

x = γ (x′

+ cβt′

)
t = γ
(
t′

+
β
c
x′

)
慣性系Kʼから慣性系Kを⾒た時、ローレンツ逆変換で結び付
けられる。
ckt − kx = ckγ
(
t′

+
β
c
x′

)
− kγ (x′

+ cβt′

)
= γ(ck − ckβ)t′

+ γ(kβ − k)x′

= cγk(1 − β)t′

+ γk(β − 1)x′

= ck′

t′

− k′

x′

これらを位相の関係に代⼊すると
112. z = sin(ωt − kx)
ドップラー効果
慣性系Kで⾒た波
慣性系Kʼで⾒た時 z′

= sin (ω′

t′

− k′

x′

)
k′

= γk(1 − β) が成り⽴たねばいけない。
k =
2πν
c
, β ≡
V
c
なので、
2πν′

c
= γ
2πν
c (
1 −
V
c )
k′

= γk(1 − β)
ν′

= νγ
(
1 −
V
c )
= ν
1 −
V
c
1 − (
V
c )
2
最終的に振動数の変化を表す以下の形を得る。
113. z = sin(ωt − kx)
ドップラー効果
慣性系Kで⾒た波
慣性系Kʼで⾒た時 z′

= sin (ω′

t′

− k′

x′

)
ν′

= νγ
(
1 −
V
c )
= ν
1 −
V
c
1 − (
V
c )
2
光のドップラー効果
例えば、地球上で⾒た光の周波数 は、秒速300kmで移
動する座標系では周波数はどう⾒えるか?
ν
ν
300km/s
114. ドップラー効果
ν′

= νγ
(
1 −
V
c )
= ν
1 −
V
c
1 − (
V
c )
2
光のドップラー効果
ν
300km/s
V
c
=
300
300000
=
1
1000
なので、
ν′

= ν
1 − 0.001
1 − 0.0012
≈ ν
0.999
1
= 0.999ν ロケットの⼈から⾒ると、地球の光の周波数は
0.1%減る。
300km/s
ν
では、逆に、秒速300kmで近づく⼈には?
ν′

= 1.001ν
120. x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 −
V2
c2
=
1
1 − β2
•特殊相対性原理と光速度不変の原理を仮定して、ガリレイ変換に替わる、異なる慣性系同⼠
をつなぐ変換であるローレンツ変換を導出した。
これまでの復習
•ローレンツ変換は、光速度に⽐べて⼗分に⼩さい速度で運動する時はガリレイ変換に⼀致。
•ニュートン⼒学で仮定された絶対時間は最早成り⽴たず、時間も座標系に依存する。
•ローレンツ変換を導⼊すると、「動いている座標系の時間は遅れる」「動いている物体は縮ん
で⾒える」が導き出される
•相対論では速度合成がニュートン⼒学とは異なり、光の速度を超えることはない。
•光もドップラー効果を受け、運動している光の周波数や波⻑は変化する
144. x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 −
V2
c2
=
1
1 − β2
•相対性理論では異なる慣性系はローレンツ変換で結ばれる。
これまでの復習
•相対性理論では、3次元空間+時間を⼀つにした四次元時空(ミンコフスキー図、ミンコフスキー
空間)で考える。
•異なる座標系間での同時刻の概念が変
わる。
148. x′

2
+ y′

2
+ z′

2
− c2
t′

2
= x2
+ y2
+ z2
− c2
t2
以下の関係が得られる。
すなわち、2つの慣性系間のローレンツ変換で変化しない不変量である。
(2.1)式と(2.2)式では右辺が0だったが、右辺が任意の値でも同様な計算をすると、
x2
+ y2
+ z2
− (ct)2
= L2
x′

2
+ y′

2
+ z′

2
− (ct′

)2
= L2
が成り⽴つ。
つまり、ローレンツ変換によって は変化しない。すなわち、座標系に
依らない不変量である。⾔ってみれば、4次元時空における「⻑さ」
L2
= x2
+ y2
+ z2
− c2
t2
例えば、L=30万kmなど。
150. x2
+ y2
+ z2
− (ct)2
= L2
x′

2
+ y′

2
+ z′

2
− (ct′

)2
= L2
が表すもの
簡単のため、 とすると、
y′

= y = 0,z′

= z = 0
x2
− (ct)2
= L2
x′

2
− (ct′

)2
= L2
(数学の話)
で表される曲線を双曲線と呼ぶ
x2
a2
−
y2
b2
= 1
x2
− (ct)2
= L2 x2
L2
−
(ct)2
L2
= 1
4次元的⻑さLを与える式は、ミンコフスキー時空で双曲線になると予想される。
151. x2
− (ct)2
= L2
x′

2
− (ct′

)2
= L2
図4−2の双曲線は、
の両⽅を満たす双曲線となっている。
また、双曲線と 軸の交点は、慣性系Kʼで原点からの4次
元距離がLとなる時空上の点を表している。
x′

相対速度V(あるいは )がいろいろな値の場合での 軸もグラフ上に⽰した。
β x′

152. l = l0 1 − β2
棒本来の⻑さ
棒が運動して⾒える⼈に
とっての棒の⻑さ
ローレンツ収縮をミンコフスキー図で⾒る。
運動している物体の⻑さは短く⾒える
•慣性系Kʼで⻑さ30万kmの棒が 軸に静⽌して横たわっている場合を考える。( 万km)
x′

l′

= 30
•慣性系Kʼの慣性系Kに対する相対速度は光の半分( )
β = 0.5
これをミンコフスキー図で描いていく。
l = (30万km) × 1 − 0.52
∼ 24.9万km
165. x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 −
V2
c2
=
1
1 − β2
•相対性理論では異なる慣性系はローレンツ変換で結ばれる。
これまでの復習
•相対性理論では、3次元空間+時間を⼀つにした四次元時空(ミンコフスキー図、ミンコフスキー
空間)で考える。
L2
= x2
+ y2
+ z2
− c2
t2
•4次元時空での不変量
167. (Δs)2
≡ (x1 − x2)
2
+ (y1 − y2)
2
+ (z1 − z2)
2
− c2
(t1 − t2)
2
ローレンツ変換が変えないもの
本当にローレンツ変換によって不変なのか確かめてみる。
(Δs)2
≡ (x1 − x2)
2
+ (y1 − y2)
2
+ (z1 − z2)
2
− c2
(t1 − t2)
2
= x1
2
− 2x1x2 + x2
2
+ y1
2
− 2y1y2 + y2
2
+z1
2
− 2z1z2 + z2
2
− c2
(t1
2
− 2t1t2 + t2
2
)
= x1
2
+ y1
2
+ z1
2
− c2
t1
2
+x2
2
+ y2
2
+ z2
2
− c2
t2
2
−2x1x2 − 2y1y2 − 2z1z2 + 2c2
t1t2
⾚線部分はローレンツ変換に対して不変であることは既に⾒たので、⻘線部分がローレンツ変換
に対して共変的であることを証明すれば良い。
171. (Δs)2
≡ (x1 − x2)
2
+ (y1 − y2)
2
+ (z1 − z2)
2
− c2
(t1 − t2)
2
ローレンツ変換が変えないもの
がローレンツ変換に対して不変であることを⽰せた。
Δx = x1 − x2, Δy = y1 − y2, Δz = z1 − z2, Δt = t1 − t2
ただの書き⽅の問題だが、
とすると、
世界距離は
(Δs)2
≡ (Δx)2
+ (Δy)2
+ (Δz)2
− (cΔt)2
と表される。さらに差分(Δ)を無限⼩表⽰(d)すると、 ds2
≡ dx2
+ dy2
+ dz2
− c2
dt2
ローレンツ変換で は不変である。
ds2
≡ dx2
+ dy2
+ dz2
− c2
dt2
173. x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 −
V2
c2
=
1
1 − β2
•相対性理論では異なる慣性系はローレンツ変換で結ばれる。
これまでの復習
•相対性理論では、3次元空間+時間を⼀つにした四次元時空(ミンコフスキー図、ミンコフスキー
空間)で考える。
•4次元時空での不変量
ds2
≡ dx2
+ dy2
+ dz2
− c2
dt2
174. ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

= x − Vt
これまで、平⾏移動については何度も⾒てきた。
y′

= y
z′

= z
x
y
x′

y′

θ
(x0, y0, z0)
(x′

0, y′

0, z′

0) 座標軸を回転させると、回転後の座標系での座標の値
は、回転前の座標系での値を⽤いて以下の通り表せ
る。
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
z′

0 = z0
175. ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
z′

0 = z0
•空間的な座標回転において成り⽴つ重要な関係として、「回転前後の座標系で、原点からの距
離は変化しない」
x2
0 + y2
0 + z2
0 = x′

2
0 + y′

2
0 + z′

2
0
•この「距離が変わらない」というのはローレンツ変換で「世界距離 が
変化しない」と類似性がある。
L2
= x2
+ y2
+ z2
− c2
t2
•虚数 ( )を⽤いると、世界距離は となる。
i i2
= − 1 L2
= x2
+ y2
+ z2
+ (ict)2
176. ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
z′

0 = z0
x′

= γ(x − cβt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
虚数 を⽤いてローレンツ変換を書き直すと、
i
x′

= γ(x − cβt)
= xγ + (ict)(iβγ)
t′

= −
βγ
c
x + γt
∴ ict′

= − x(iβγ) + (ict)γ
177. ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
x′

= xγ + (ict)(iβγ)
ict′

= − x(iβγ) + (ict)γ
座標回転
ローレンツ変換
座標回転とローレンツ変換の式を⾒⽐べてみると、以下の対応関係がある。
x0, x′

0 ↔ x, x′

y0, y0′

↔ ict, ict′

cos θ ↔ γ sin θ ↔ iβγ
つまり、「ローレンツ変換は4次元時空(ミンコフスキー空間)での座標回転として表せる
のではないか?」
178. ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
x′

= xγ + (ict)(iβγ)
ict′

= − x(iβγ) + (ict)γ
座標回転
ローレンツ変換
x0, x′

0 ↔ x, x′

y0, y0′

↔ ict, ict′

cos θ ↔ γ sin θ ↔ iβγ
三⾓関数では、 が成り⽴つが、
が成り⽴つ。
cos2
θ + sin2
θ = 1
γ2
+ (iβγ)2
= γ2
− (βγ)2
= γ2
− β2
γ2
= γ2
(1 − β2
) = 1
すなわち、γ2
− (βγ)2
= 1
179. ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
x′

= xγ + (ict)(iβγ)
ict′

= − x(iβγ) + (ict)γ
座標回転
ローレンツ変換
γ2
− (βγ)2
= 1
cosh ϕ ≡
eϕ
+ e−ϕ
2
, sinh ϕ ≡
eϕ
− e−ϕ
2
突然だけど、以下で定義されるハイパーボリック関数を導⼊する。
cosh2
ϕ − sinh2
ϕ =
(
eϕ
+ e−ϕ
2 )
2
−
(
eϕ
− e−ϕ
2 )
2
=
1
4
(e2ϕ
+ 2eϕ
e−ϕ
+ e−2ϕ
)
−
1
4
(e2ϕ
− 2eϕ
e−ϕ
+ e−2ϕ
)
= 1
coshϕ = γ
sinhϕ = βγ
γ2
− (βγ)2
= 1
180. ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
x′

= xγ + (ict)(iβγ)
ict′

= − x(iβγ) + (ict)γ
座標回転
ローレンツ変換
γ2
− (βγ)2
= 1
coshϕ = γ
sinhϕ = βγ
x′

= xcoshϕ + (ict)(isinhϕ)
ict′

= − x(isinhϕ) + (ict)coshϕ
ハイパーボリック関数を⽤いて、ローレンツ変換を書き直すと、
ローレンツ変換の形がさらに座標回転の式に似てきた。
181. ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
座標回転
ローレンツ変換
γ2
− (βγ)2
= 1
coshϕ = γ
sinhϕ = βγ
x′

= xcoshϕ + (ict)(isinhϕ)
ict′

= − x(isinhϕ) + (ict)coshϕ
さらに、ハイパーボリック関数と三⾓関数の間には以下の関係が成り⽴つ。
coshϕ = cos(iϕ)
sinhϕ = − isin(iϕ)
x′

= xcos(iϕ) + (ict)sin(iϕ)
ict′

= − xsin(iϕ) + (ict)cos(iϕ)
これをローレンツ変換の式に代⼊すると、
(計算ノート参照)
183. ローレンツ変換と座標回転の類似性
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
座標回転
ローレンツ変換
x′

= xcos(iϕ) + (ict)sin(iϕ)
ict′

= − xsin(iϕ) + (ict)cos(iϕ)
x0, x′

0 ↔ x, x′

y0, y0′

↔ ict, ict′

θ ↔ iϕ
すなわち、座標回転とローレンツ変換は以下の様な対応関係がある。
ローレンツ変換とは、4次元時空(ミンコフスキー空間)で虚数の⾓度 だけ座標回転させる事
と⾒なすことができる。
iϕ
186. x′

= γ(x − cβt) = γ(x − Vt)
t′

= γ
(
t −
β
c
x
)
β ≡
V
c
, γ ≡
1
1 −
V2
c2
=
1
1 − β2
•相対性理論では異なる慣性系はローレンツ変換で結ばれる。
これまでの復習
•相対性理論では、3次元空間+時間を⼀つにした四次元時空(ミンコフスキー図、ミンコフスキー
空間)で考える。
•4次元時空での不変量
ds2
≡ dx2
+ dy2
+ dz2
− c2
dt2
•ローレンツ変換は4次元時空での虚数⾓の
座標回転に相当する。
189. 速度の合成を座標回転で求める
tan {i (ϕ1 + ϕ2)} =
tan (iϕ1) + tan (iϕ2)
1 − tan (iϕ1) tan (iϕ2)
= i
β1 + β2
1 + β1β2
= i
1
c
V1 + V2
1 +
V1 V2
c2
tan (iϕ1) = iβ1
tan (iϕ2) = iβ2
tan {i (ϕ1 + ϕ2)} = iβ(1+2) = i
V(1+2)
c
と⽐較すると、 V(1+2) =
V1 + V2
1 +
V1V2
c2
つまり、速度の合成則は4次元時空での回転を⽤いると簡単に得ることができる。
190. (発展的内容)ローレンツ変換を⾏列で表す
x′

0 = x0 cos θ + y0 sin θ
y′

0 = − x0 sin θ + y0 cos θ
座標の回転は⾏列を使って表すこともできる。
同様にローレンツ変換も⾏列を使って表せる。
x′

= xγ − βγct
ct′

= − xβγ + ctγ