2019年9月29日、第26回AI美芸研「S氏がもしAI作曲家に代作させていたとしたら・2」での中ザワヒデキの講演 https://www.aibigeiken.com/research/026.html 「AI美芸展“S氏がもしAI作曲家に代作させていたとしたら”について・2」 中ザワヒデキ(美術家、AI美芸研代表) 作曲とは何か。これは美術や文学における「創作とは何か」という問いと全く同じというわけではない。少なくともクラシックとその延長上の現代音楽は、記譜のシステムを内包するからである。すなわち音楽の制作は「記譜=作曲」と「解釈=演奏」とに、一部確信犯を除き安定的に二分されてきた。 ところが佐村河内事件は、その作曲をも不安定化する視座を提供した。これがただの代作事件ではないことを示唆するアーティスティックな指示書の存在は、作曲を「発案=指示」と「解釈=記譜」とに、人称的にも二分した。 ここで、創作性は「作曲>演奏」と仮定した場合の行く先は「指示>記譜」であろう。AI作曲家なる概念を導入するなら「目的関数の書き手」となる。 ※中ザワヒデキという表記の美術家名は医学部在籍時より使用。バカCGを経て方法主義宣言、新・方法主義宣言、人工知能美学芸術宣言。ビットマップ3D特許。著書『現代美術史日本篇』。元・文化庁メディア芸術祭審査委員。 https://www.aloalo.co.jp/nakazawa/